どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年12月13日(月)新発売、日清食品のカップ麺「神田まつや 鶏南ばんそば」の実食レビューです。
老舗監修の蕎麦で、明るい一年になりますように——。愛されてカップ麺化10年目「神田まつや」監修による「鶏南ばんそば」今年も堂々登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
神田まつや 鶏南ばんそば 2021
神田(かんだ)まつやとは、1884年(明治17年)福島家の初代・市蔵氏が東京都千代田区神田須田町に創業した老舗の蕎麦店で、売る身は買う身(お客様の立場に立った商い)が先代の信条。現在は「江戸の味」と「江戸の手打ち」を後世に継承すべく、小高家の4代目・小高孝之(こだか たかゆき)氏を6代目当主とし、その伝統を守り続けています。
今回の新商品「神田まつや 鶏南ばんそば」は、神田まつやの6代目当主・小高孝之氏監修のもと、お店のメニューでも特に人気の高い「かしわ南ばん(鳥)」をイメージした即席カップ麺で、本節や宗田節などから取った出汁(だし)と甘辛いカエシで仕上げる濃いめの蕎麦つゆを再現。通算すると「鶏南ばんそば」の発売は8回目で、近年は “年越しそば用のカップ麺” として注目を集めるようになりました。
「神田まつや」のカップ麺が初めて発売されたのは、現在を遡ること9年以上、2012年(平成24年)11月26日。実はコラボ第1弾を飾ったのも「老舗の逸品 神田まつや監修 鶏南ばんそば」という「かしわ南ばん(鳥)」をイメージした縦型ビッグのカップそばで、大旦那・小高登志氏(5代目当主)と当時の若旦那・小高孝之氏(現当主)監修のもと、老舗の本格感を手軽に楽しめる一杯として商品化。
その後も「カレー南ばんそば」や「鴨南ばんそば」といったバリエーションを展開しつつ、日清食品チルドと共同開発したストレートタイプの蕎麦つゆ「老舗の逸品 神田まつや監修 鴨だしそばつゆ」に、要冷蔵の生そばを採用した「老舗の逸品 神田まつや監修 鴨だし蕎麦 2人前」など、1度だけ冷凍食品の「カレー南ばんそば」を販売していた時期もありました。
2021年12月現在、東北と関東を中心に「老舗の逸品 神田まつや監修 鴨だしそばつゆ 1人前」というストレートタイプの蕎麦つゆだけは通年で販売を続けているのですが、それ以外の監修商品は数量・期間限定で、今回の「神田まつや 鶏南ばんそば」も例に漏れず。しかし、毎年この時期になると現れる季節の定番商品として、確固たる地位を築いた「神田まつや」監修のカップ麺。
パッケージにも記載されているように、早くも最初のカップ麺が発売されてから10年目。ちょうど1年前の同時期にあたる2020年12月14日にも「神田まつや 鶏南ばんそば」という同じタイトルの商品を発売していましたが、念のためカロリーなどの栄養成分表示を確認してみたところ、微妙に数値が増減。またJANコードも変わっているため、まったくテコ入れなしの再販ではない様子。
きらびやかなパッケージの背景には “老舗謹製” と大きくデザインし、おめでたい雰囲気を漂わせているのですが、あえて「このコシ、まるで店食感」と自信満々にアピールしているのもポイント。日清食品のカップ麺における蕎麦といえば「日清のどん兵衛」で培われてきた技術があり、なおかつ2020年12月発売品の麺も美味しかったので、今年も期待できそうです。
ちなみに日清食品グループのオンラインストアでは “年越しそばで今年一年の災厄を断ち切り、年明けうどんでその年の幸せを願う、年末年始に向けた特別なセット” として、昨年の箸とは違う会津塗の夫婦茶碗を特製化粧箱に入れた「神田まつや&どん兵衛 年越し年明け特別セット」を300セット数量限定で販売するなど、今年も気合いが入っていました。※「神田まつや 鶏南ばんそば」のニュースリリースは簡易版でしたけどw
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「特製ゆず七味」が1袋。2017年2月20日発売の「神田まつや監修 鶏南ばんそば(3代目)」には1度だけ、1624年(寛永2年)創業の「やげん堀 七味唐辛子本舗」が特別に調合した「特製七味唐辛子」を別添していましたが、伝統を継承する老舗の共演は其れっ切り。ただ、ゆず七味の別添は素直に喜ばしいポイント。
かやくは炭火で炙った鶏肉に、フリーズドライのネギとシンプルな構成ですが、どちらもカップ麺の具材としては高品質なタイプ。ちなみに天面のイメージには4つの鶏肉が写っていたのに対し、手元の商品には大きめの鶏肉が2つと欠片しか入っていませんが、縦型カップ麺の具材は基本的に重量判定なので、かやくの数は個体差によって前後します。
メーカー希望小売価格は220円(税別)なので、2020年12月発売品と同じ値段。販売店はスーパーマーケットをはじめ、ドラッグストアやディスカウントストアなど、特に限定されているわけではないのですが、実際に立ち寄ったコンビニでは「ローソン」と「ファミリーマート」での取り扱いを確認。12月21日以降は「セブンイレブン」でも販売されるので、ご参考ください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:神田まつや 鶏南ばんそば 製造者:日清食品株式会社 製造所:F・静岡工場(静岡県焼津市相川17-2) 内容量:92g(めん72g) 商品コード:4902105268797(JAN) |
発売日:2021年12月13日(月) 実食日:2021年12月18日(土) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 商品購入価格:213円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(特製ゆず七味) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、しょうゆ)、スープ(糖類、粉末しょうゆ、かつおぶし調味料、植物油脂、食塩、魚粉、たん白加水分解物)、かやく(味付鶏肉、ねぎ)、スパイス(七味唐辛子、ゆず皮)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、炭酸Ca、カラメル色素、香料、乳化剤、増粘剤(グァーガム)、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、チャ抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・そば・乳成分・ごま・さば・大豆・鶏肉を含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、そんなに太いわけではないけれど、湯戻し時間は熱湯5分と長めの設定。調理前の麺重量は72gと中途半端な値なのですが、2012年11月発売のコラボ第1弾から一貫して容器の形状は縦型ビッグかつ麺重量も72gなので、これが神田まつや監修のカップ麺における標準の仕様となっているようです。
調理後も前回発売品と同じような雰囲気で、今年は別添の「特製ゆず七味」をトッピングする前に撮影。場合によっては鶏肉の数が5個の個体も珍しくないため、ちょっと寂しい気持ちもありますがw 1個あたりのサイズが大きめなのは好印象。
ちなみに前回の栄養成分表示と比較して、カロリーは409kcalから407kcalに微減。たん白質や脂質の値も微妙に下がっているのですが、ほぼほぼ誤差の範囲内。ただ、原材料名を見ると “明確な相違点があった” ので、引き続き前回発売品との違いに注目しつつ「めん」「つゆ・特製ゆず七味」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(92g)あたり |
カロリー:407kcal たん白質:11.7g 脂 質:15.0g 炭水化物:56.4g 食塩相当量:5.8g (めん・かやく:2.0g) (スープ:3.8g) ビタミンB1:0.30mg ビタミンB2:0.33mg カルシウム:133mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:407kcal(めん・かやく:355kcal)(スープ:52kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
おそらく前回と同じ蕎麦を使用
系統としては「日清のどん兵衛 天ぷらそば」の延長線上にある油揚げ麺で、同商品が2008年(平成20年)9月29日発売品(リニューアル)より採用している特殊製法「ぴんそば」の技術を感じる仕上がり。完全なるストレート状ではないけれど、たとえば東洋水産(マルちゃん)を代表する和風カップ麺「緑のたぬき」の油揚げ麺よりも圧倒的に縮れのない形状で高級感を演出。
湯戻し後も特別に太いわけではないのですが、熱湯5分きちんと待っても食べごろで、適度なコシと歯切れの良さを兼ね備えた質感は食べ終わる頃まで持続します。むしろ早めに食べ始めてしまった場合、部分的に戻りムラが生じてしまうおそれがあるのと、逆にコシが弱くなってしまうこともあるため、きちんと時間を守るのが美味しく食べるためのポイント。
さすがにヤマダイ(ニュータッチ)の「凄麺(すごめん)」が誇るノンフライの蕎麦ほどではないですし、縦型カップの蕎麦といえばエースコックの「THE和(ザ・わ)」シリーズが秀逸で、それには及ばないように感じているところもありますが、インスタント感と本格さの絶妙なバランスは見事。おそらく昨年と同じ油揚げ麺で、劣化した印象は微塵も受けませんでした。
つゆ・特製ゆず七味
実は使用しているアブラが違う
昨年の原材料名と比較して、糖類・粉末しょうゆ・かつおぶし調味料・食塩・魚粉・たん白加水分解物と共通する原材料を使用しているのですが、もっとも大きな違いは “豚脂(ラード)が植物油脂に変わっている” こと。従来のスープは流行りの二郎インスパイア系よろしく豚臭かったとか、そういうわけではないんですけど、今年は比較的に透き通った印象を受けます。
それだけに醤油とカツオの輪郭が強調されているような、よりシャープで硬派なテイストに傾いたイメージ。ただ、指摘されなければ気にならない程度のマイナーチェンジだったので、再販を楽しみにしているユーザーの期待を裏切るような変化ではありません。
別添の「特製ゆず七味」についても昨年と同じような印象で、唐辛子の刺激は大したことないのですが、黄ゆずの清涼感と唐辛子の芳ばしさに、ふと感じる胡麻のアクセントなど、濃いめの蕎麦つゆを引き立ててくれる華やかなアイテムです。
かやく
ここは前回と変わらず
日本蕎麦の世界における南蛮(なんばん)とは、ほとんどの場合「ネギ」のことを指し、鶏南蛮蕎麦(とりなんばんそば)とは文字通り “鶏とネギが入った蕎麦” を意味します。つまり、乾燥かやくとはいえ “鶏南蛮” の定義はクリア。ネギは前述のようにフリーズドライなので、熱風乾燥のネギよりも香り・風味ともにナチュラルな具材。
大ぶりの鶏肉は炭火で炙られているのが特徴で、以前から他の商品にも使われているのですが、ほのかな芳ばしさと自然な繊維質を感じる歯触りが印象的。おそらく前回発売品と同じ内容で、物足りなさを感じることはありませんでした。
総評
2020年12月にリリースされた前回の「神田まつや 鶏南ばんそば」と比較して、麺・かやく・特製ゆず七味については共通だと感じたのですが、粉末スープ(つゆ)の “豚脂が植物油脂に変わっていた” というのが従来品との大きな違い。ただ、指摘されても気にならないようなマイナーチェンジだったので、いい意味で昨年と変わらない美味しさを踏襲しています。
それだけに新鮮味のある要素はなかったものの、今年末も食べるのを楽しみにされていた方の期待を裏切るような一杯ではなかったので、それについては心配ありません。なにかと忙しい年末年始、カップ麺で年越し蕎麦も悪くないですよ【author・taka :a(大石敬之)】