どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年5月24日(月)リニューアル新発売、サンヨー食品のカップ麺「岩下の新生姜味 塩焼そば」の実食レビューです。
岩下食品の絶対的エース「岩下の新生姜」をイメージしたカップ焼きそば “再販を望むファンの声に応え” さらに美味しくなって再び登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
岩下の新生姜味 塩焼そば(二代目)
岩下の新生姜(いわしたのしんしょうが)とは、栃木県栃木市に本社を置く「岩下食品株式会社」の代表商品で、1987年(昭和62年)発売のロングセラー。食品カテゴリーとしては “漬物” に分類されますが、その枠組みにとらわれない「岩下の新生姜」という独自のジャンルを築いた数少ない成功例の一つ。
近年はTwitterなどのSNSを活用したマーケティングを取り入れ、食品・飲食業界内でのコラボはもちろん、銚子電鉄との相互乗り入れ企画「ピンクニュージンジャー号」運行や「激しく辛(つら)いまずい棒 岩下の新生姜味」の開発に、石丸文行堂とコラボした香り付きインク「岩下の新生姜万年筆インク」の発売など、異業種コラボも積極的に行い、時代に合わせた手法で新規ユーザーを獲得し続けています。
今回の新商品「岩下の新生姜味 塩焼そば」は、サッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品と岩下食品の共同開発商品で、2020年6月29日発売品に続くサンヨー食品×岩下の新生姜コラボ第2弾。商品名は変わっていませんが、岩下食品のホームページでは “岩下の新生姜感がアップしてさらにおいしくなりました” とリニューアルポイントを紹介しているため、まったくテコ入れなしの再販ではありません。
具材として「岩下の新生姜」が入っているわけではないのですが、サンヨー食品のカップ麺に “岩下の新生姜で使用している生姜粉末を使っている” というのが「岩下の新生姜味」たる所以で、ソースにおける香辛料(生姜粉末)のうち、5%が「岩下の新生姜」で使用している生姜とのこと。
「岩下の新生姜」で使用している生姜とは、台湾のみで栽培される特別な生姜「本島姜(ペンタオジャン)」で、産地は台湾中部に位置する南投県南投(なんとう)及び埔里(ほり)並びに嘉義県梅山(うめやま)の3箇所に限定。以前、同種の生姜を日本でも栽培しようと試みたそうですが、土壌と気候の違いにより、現地と同じようには育たなかったそうです。
先に「岩下の新生姜」は1987年(昭和62年)発売のロングセラーと前述しましたが、その9年前となる1978年(昭和53年)当時、まだ見ぬ食材を求めて台湾に渡った故・岩下邦夫氏(岩下食品名誉会長)が飛行機で移動中、機内食として出た生姜に感激。それが台湾在来種の生姜・本島姜(ペンタオジャン)で、後に岩下食品を支える代表商品の誕生に繋がりました。
そんな「岩下の新生姜」を生み出した岩下邦夫(いわした くにお)氏の実子であり、岩下食品の現代表取締役社長(4代目)を務めるのが岩下和了(いわした かずのり)氏で、自身のTwitterアカウントにコスプレ写真やホロ酔い状態でギターの弾き語り動画を投稿するなど、近年稀に見る破天荒な公式アカウントとして認知されているのですが、その奇抜で自由すぎる行動と多才な発想が多くの若者や実業家に支持されているのも事実。
このブログでは紹介枠の関係もあり、2020年6月に発売された「岩下の新生姜味 塩焼そば」をレビューできていないのですが、個人的に食べてみたところ「岩下の新生姜」を彷彿とさせる生姜の風味・酸味・辛味のバランスが絶妙で、ひとつのカップ焼きそばとして総合力の高い一杯だったと記憶しています。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「調味油」と「特製粉末ソース」で合計2袋。構成もデザインも前回の2020年6月発売品から変わっていませんが、従来品と比較して “生姜の風味” と “酸味” をアップさせているらしく、パッケージの外装フィルムにおけるピンク(「岩下の新生姜」を象徴するイメージカラー)の発色を強めているのもリニューアルポイント。
麺は油で揚げたフライ麺で、けっこう細めに切り出されているのですが、湯戻し時間は熱湯3分と標準的。調理前の色合いや原材料の構成ほか “85g” という汁なしカップ麺にしては中途半端な麺量など、いずれも2020年6月発売品から変わっていないため、もしかすると共通の油揚げ麺を使用しているのかもしれません。
ちなみに2020年6月1日、カップ焼きそば第1弾の発売に先駆けて、岩下食品が「焼きそば専用 岩下の新生姜」というアレンジ用の千切り生姜をリリースしていたのですが、筆者の行動圏内にあるスーパーでは手に入らなかったので、アレンジなしの状態でレビューを続けます。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:岩下の新生姜味 塩焼そば 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:W・太平食品工業株式会社 関西工場 内容量:98g(めん85g) 商品コード:4901734042686(JAN) |
発売日:2021年05月24日(月) 実食日:2021年05月25日(火) 発売地域:全国 取得店舗:スーパーマーケット 商品購入価格:105円(税込) 希望小売価格:193円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型レギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:510ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(調味油・特製粉ソース) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩)、ソース(植物油脂、食塩、糖類、香辛料(生姜粉末、ガーリックパウダー、こしょう、唐辛子)、粉末醸造酢、チキンエキス、発酵調味料、デキストリン、たん白加水分解物、酵母エキス)、かやく(キャベツ)/ 調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、酸味料、かんすい、香料、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は2種類とも後入れで、前述のように具材としての「岩下の新生姜」は入っておらず、カップ焼きそばで定番のキャベツを採用しているのですが、ご覧の通り量が多いとはいえません。しかし、スーパーでは税込100円前後でも手に入る商品なので、それを思えば許容できる範囲に収まっています。
あとは熱湯を注いで3分間、待っている間に調味油の小袋をフタの上で温めて、湯切り後に小袋の中身を加えるのですが、小袋を入れる順番は “調味油を馴染ませてから特製粉末ソースを加えて混ぜる” のがポイント。具材はキャベツだけなので、かなり簡素な見た目に仕上がりますが、目を瞑ると「岩下の新生姜」が見えてくるような気がしないでも‥‥いや、見える! ってくらい臨場感あふれる香りが印象的な調理直後。
ちなみに製造所は太平食品工業株式会社の関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)となっていますが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、引き続き前回との違いや “岩下の新生姜” らしさに注目しつつ「めん」「調味油・特製粉末ソース」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(98g)あたり |
カロリー:482kcal たん白質:9.5g 脂 質:24.7g 炭水化物:55.3g 食塩相当量:3.9g カルシウム:197mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
高級感はないけどソースにマッチ
原材料名は「小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩」とシンプルな構成で、中細サイズの縮れ麺。他社のブランドになりますが、明星食品の「一平ちゃん夜店の焼そば」シリーズに使われているオーソドックスな中細麺と同じようなタイプで、しかしながら比較してコシが弱く、食感も風味もスナック的。
「岩下の新生姜」に使われている “本島姜” 特有のシャキシャキとした食感は楽しめないのですが、それを油揚げ麺で忠実に再現していたら‥‥なんか怖いw というわけで、それはさておき後述するソースと麺の相性は申し分なく、生姜のキレや酢の酸味を効かせたソースに対し、やや柔らかめの食感と油揚げ麺の甘みがオアシス的で好印象。
もしもコシの強い極太麺を使用していた場合、せっかくの生姜感を蹴散らしてしまいそうなので、ちょうどいいサイズ感に思えたのと、実際に違和感なく馴染んでいると感じました。強いていえば麺の量が平均よりも少ないので、がっつり空腹時に食べるのであれば、トッピング用に「岩下の新生姜」を用意しておいたほうがいいかもしれません。
調味油・特製粉末ソース
雰囲気の再現度は申し分ない
ほんのり色付いた調味油は穀物酢のような見た目をしていますが、ここに酸味は含まれておらず、しかしながら単なる潤滑油などではありません。ふわっと生姜の風味が香る、これ単体で生姜の個性が感じられる調味油で、ささやかながら土台の生姜感を整えてくれる名脇役。そして、特製粉末ソースを加えると一変。
ここに含まれる酢の存在感は、ツンと鼻腔を突いてくる独特の主張を放ち、なるほど生姜の辛味も2020年6月発売品より強めに感じますが、もちろん酢を直接飲んだり生姜を丸かじりしたときほど強烈な刺激ではありません。しかし、生姜の酢漬けが苦手な方は注意したほうが安全なレベル。
それでいてベクトルはマイルドな、まさに「岩下の新生姜」を豊富とさせる味わいで、そこに加えられたチキンの旨味がカップ焼きそばとしてのギアになっている、かなり絶妙な落とし所。かなり個性的な味になりますが、それだけに唯一無二のテイストで、なおかつカップ焼きそばのソースとして違和感がなく、再現度も高いと隙のない仕上がりでした。
具材
とりあえず及第点
キャベツは他の商品にも使われている汎用の具材なので、取り立てて書くこともなく、歯触りも「岩下の新生姜」に使われている本島姜(ペンタオジャン)と異なりますが、生姜の酢漬けライクな味付けとの相性は悪くありません。せめて千切りの生姜が入っていれば‥‥という思いが無きにしも非ずではあるものの、一般的なスーパーやドラッグストアでの実売価格を思えば許容範囲内です。
総評
他の商品では味わえない、まさに「岩下の新生姜」を豊富とさせるテイストから、岩下食品監修の個性が感じられる名作で、岩下食品のファンも納得できること請け合い。なるほど前回よりも酢の酸味と生姜の風味に輪郭があったので、生姜の酢漬けが極端に苦手な方にはオススメできない商品になりますが、そうでなければ試すべき価値のある、これぞコラボ商品の鑑といっても過言ではない仕上がりでした。
たとえば実際に販売されている「焼きそば専用 岩下の新生姜」を別添した本気バージョンの続編はもちろん、今度はカップラーメンでの商品化など、コラボ第3弾の展開にも期待しています【author・taka :a(大石敬之)】