どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年6月26日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「岩下の新生姜味 塩焼そば(4代目)」の実食レビューです。
岩下食品を代表する「岩下の新生姜」をイメージしたカップめん “第4弾は本物らしさを追求” パッケージ・香り・酸味をパワーアップして今年も登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
岩下の新生姜味 塩焼そば 2023
岩下の新生姜(いわしたのしんしょうが)とは、1899年(明治32年)の創業以来、現在は栃木県栃木市に本社工場を置く岩下食品の代表作で、食品のカテゴリーとしては “漬物” に分類されますが、漬物の枠に限定されない「岩下の新生姜」という独自のジャンルとを確立。その功績は、同社の4代目社長を務める岩下和了(いわした かずのり)その人が何よりも重んじる顧客への感謝に他なりません。
岩下社長はTwitter界隈で “エゴサの鬼” と呼ばれている人物で、2012年(平成24年)1月5日のコンタクトから翌週に商品化という怒涛のフットワークで実現した「よもだそば」とのコラボを皮切りに、自らが運営するTwitterアカウントを媒体としつつ、食品業界とは無関係の企画も含めて積極的にコラボを実施。そのため「岩下の新生姜」は、唯一無二の価値を持つブランドとしても認知されています。
今回の新商品「岩下の新生姜味 塩焼そば」は、岩下食品の絶対的エース「岩下の新生姜」をカップ焼きそばにアレンジした一杯で、サッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品とのコラボ作。2020年(令和2年)6月29日の発売以来、毎年の初夏にリリースされているシーズン商品なのですが、その度に必ずリニューアルしているのがポイント。
「岩下の新生姜」をイメージしたカップ焼きそばである、という本質は初代「岩下の新生姜味 塩焼そば」(2020年6月発売品)から変わっていませんが、第1弾の販売を好評のうちに終了するや否や再販を期待する多数の声を受け、2021年(令和3年)5月24日に2代目「岩下の新生姜味 塩焼そば」を市場に投下。当時は念願の再販に、脊髄反射でカゴに放り込んだ、という方も少なくなかったでしょう。
「2代目」は初代と比較して生姜の風味と酸味、さらにパッケージのカラーリングもピンクの発色を強め、従来品よりも “岩下の新生姜感” をアップ。2022年(令和4年)6月20日発売の「3代目」からパッケージにイメージキャラクターの “イワシカちゃん” が登場し、3分だった麺の湯戻し時間が2分に変わるなど、内容にも大きな変化が生じました。
そして「4代目」に突入した2023年6月発売品は、さらにさらに「岩下の新生姜」らしさを追求し、初代〜3代目よりも生姜の香りと爽やかな酸味を際立て、パッケージのデザインも変更しています。このブログでは「2代目」しかレビューしていないため、昨年との違いを事細かに解説することはできないのですが、それだけに麺の仕様をはじめとする2年前からの大きな進化にワクワクしている実食前。
ちなみにソースの “しょうが粉末” は、5%が「岩下の新生姜」と同じ本島姜(ペンタオジャン)——産地を台湾中部に位置する南投県南投(なんとう)及び埔里(ほり)並びに嘉義県梅山(うめやま)の3箇所に限定した、台湾のみで栽培される特別な生姜—— を使用している、との訴求は「初代」から変わらないポイント。
パッケージには “「岩下の新生姜」を入れるとさらにおいしい!” という恒例のアピールを表示しているため、イワシカちゃんの誘惑も相俟って丸め込まれそうになりますが、ちょい足しアレンジなしでも「岩下の新生姜」らしさが感じられるのかどうかに注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れ「調味油」と「特製粉末ソース」の計2パックで、これについては2年前にレビューした製品と同じ仕様。サンヨー食品の公式ウェブサイトには “チキンのうまみに、酢のさわやかな酸味や風味、生姜の辛みを合わせた岩下の新生姜風味の塩味焼そばソースです。” との解説があるため、味の方針そのものは変わっていません。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は標準(3分)よりも短い2分。このブログでサンヨー食品の油揚げ麺は鬼門扱いなのですが、公式ウェブサイトに “当社独自製法により-・” との記載があるため、このパターンは逆に期待できる展開。ただ、調理前の麺重量は85gなので、汁なしカップ麺におけるレギュラーサイズの基準(めん90g)よりも若干ながら少なめです。
サンヨー食品が設定しているメーカー希望小売価格は236円(税別)なので、2023年6月現在の即席カップめん業界においてレギュラーサイズ製品の基準となる値段。ちょっと前までレギュラーサイズ製品の基準は214円(税別)だったので、割高に思えるかもしれませんが、2023年6月1日出荷分からの価格改定(値上げ)により、業界全体で希望小売価格の基準が変わったので‥‥慣れてくださいw
製品詳細情報・購入価格等
製品名:岩下の新生姜味 塩焼そば 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 関西工場 内容量:101g(めん85g) 商品コード:4901734043850(JAN) |
発売日:2023年06月26日(月) 実食日:2023年06月27日(火) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:236円(税別) 購入価格:149円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型レギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:540ml 調理時間:熱湯2分 小袋構成:2袋(調味油・特製粉末ソース) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、しょうゆ、食塩、油脂加工品、粉末卵)、スープ(食塩、糖類、香辛料、しょうゆ、油脂加工品、小麦粉、チキンエキス、ねぎ、チキン調味料、たん白加水分解物、植物油脂、発酵調味料、野菜エキス)、かやく(メンマ、ナルト、のり、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、カラメル色素、かんすい、香料、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、ビタミンB2、ベニコウジ色素、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
パッケージに小さく “商品写真はイメージです。「岩下の新生姜」は入っていません。” との注意書きがある通り、本製品に「岩下の新生姜」は不使用で、かやくはシンプルにキャベツのみ。せめて生姜系の具材が入っていると嬉しかったのですが、某社の “Unidentified Flying Object” みたいにケチな量ではありません。
先入れの小袋は別添されていないため、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「調味油」を温めながら待つこと2分。時間になったら麺の戻し湯を湯切り口から廃棄し「調味油」「特製粉末ソース」の順に混ぜ合わせるのですが、けっこう「特製粉末ソース」がダマになりやすいというか全体に行き渡りにくかったので、先に「調味油」を馴染ませてから可能な限り手早く調理してください。
ちなみに製造所は太平食品工業の関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)となっていますが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、引き続き “岩下の新生姜” らしさに注目しつつ「めん」「調味油・ソース」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(101g)あたり |
カロリー:507kcal たん白質:9.1g 脂 質:25.6g 炭水化物:60.1g 食塩相当量:3.2g |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
新進気鋭ではないけど相性は良好
調理前は縮れのないストレート麺だったのに、調理後は緩やかに縮れている、なかなか興味深い変化を遂げていたのですが、その適度な縮れで「特製粉末スープ」の絡みは良好。加水率は低めの設定で、とんこつラーメン(焼きラーメン)に合わせたいタイプというか、適度な粘りを持たせながらもプリッ、とした歯切れ感が印象的。
どうしても揚げ油に由来するコクと風味を伴うため、ノンフライ麺に見紛う質感とは評価できないけれど、後述する生姜の清涼感を著しく阻害するほど不躾な主張ではありません。むしろ特有のコクだったり、ふわっと上がってくる甘さだったり、油揚げ麺ならではの魅力と生姜のキレは相性がよく、その掛け合いがクセになる感じ。
サンヨー食品の公式ウェブサイトには “当社独自製法により、しっかりとしたコシと弾力のあるめんに仕上げました。” という訴求とは裏腹に、まぁなんというか「ふつう」なんですけどw しっかりインスタント感に振りながらも安っぽい印象は抱かせない、食べていて心地のいい油揚げ麺でした。
調味油・ソース
それなりにデフォルメされてるけど「岩下の新生姜」っぽい
いくら「岩下の新生姜」のイメージカラーとはいえ、さすがに「調味油」までピンクに染まっているわけでなかったものの、無味無臭のオイルではなく、ほんのり生姜の香りが印象的。もちろん単体で味が決まるような代物ではないけれど、単なる潤滑油ではありません。
対して味の決め手となる「特製粉末ソース」は、岩下カラーのピンク色。そのため混ぜムラが目立つのなんのw という問題についてはさておき「特製粉末ソース」を投入した瞬間、香りに含まれる生姜の存在は格段に増し、いざ口に含むと明確に感じる爽やかな生姜の風味も然る事乍ら、甘酢を彷彿とさせる醸造酢の酸味と程よい糖類の甘さも印象的。
前回にレビューした「2代目」のイメージから、生姜の辛味や酢の酸味も若干ながら弱くなっているのでは‥‥などと感じたものの、以前に受けた衝撃は2年前の記憶。生姜の甘酢漬けとして締めるところは締めながら、比較的にマイルドな味わいが楽しめる、そこに「岩下の新生姜」らしさを感じる味付けでした。公式は “追い岩下の新生姜” を推奨していますけど、単体でも充分に雰囲気が楽しめる味付けです。
かやく
キャベツだけ、でも効果的
たとえば国産キャベツ100%とか、契約農家で栽培とか、そういう特別なステータスは備わっていない、きわめて “ふつうのキャベツ” なので、それ以上でも以下でもないんですけどw みずみずしい食感と水分が箸休めに効果的。もちろん「岩下の新生姜」を彷彿とさせるトッピングがあれば、それに越したことはないけれど、単純に量的な不満については感じませんでした。
総評
2022年6月発売品(3代目)をレビューし損なっていたので、ちょっと間は空いていますけど、いい意味で受けた印象は極端に変わっていません。たしかに麺は細くなっていたし、ソースからは公式の説明と裏腹に穏やかな印象を感じたものの、根強いファンが多い「岩下の新生姜」を彷彿とさせる世界観は健在です。
おそらく2024年も初夏に合わせて「岩下の新生姜味 塩焼そば」がリリースされると思いますが、新生姜を彷彿とさせるトッピングの導入についてはもちろん、そろそろ同じ系統のカップラーメンも食べてみたくないですか? というわけで、派生品の展開にも期待しています【author・taka :a(大石敬之)】