どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2021年4月12日(月)新発売、セブンプレミアムのカップ麺「一風堂 鶏とんこつ 柚子胡椒仕立て」の実食レビューです。
博多とんこつラーメン専門「一風堂」店主秘伝の限定メニューをカップラーメンとして商品化!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
一風堂 鶏とんこつ 柚子胡椒仕立て
一風堂(いっぷうどう)とは、福岡県福岡市中央区に本店を置く博多とんこつラーメン専門店で、1985年(昭和60年)10月16日、創業者・河原成美(かわはら しげみ)氏が当時33歳の頃、現在の大名本店(旧店名「博多 一風堂 総本店」)「博多 一風堂」をオープン。1994年(平成6年)3月6日には世界初のフードテーマパーク「新横浜ラーメン博物館」に関東第1号店を出店し、その名を全国に轟かせます。
今回の新商品「セブンプレミアム 一風堂 鶏とんこつ 柚子胡椒仕立て」は、一風堂の店主とセブン&アイグループ及び日清食品の共同開発商品で、店主秘伝の限定メニューをカップラーメンで再現。一風堂といえば、実店舗でもカップ麺でも博多仕込みの豚骨ラーメンが代名詞となっているところ、今回は豚骨×鶏白湯×柚子胡椒仕立てということで、カップ麺としては初の試み。
一風堂×セブン&アイグループ×日清食品のカップ麺が初めて発売されたのは、2000年(平成12年)4月18日。2021年(令和3年)2月8日にリニューアルした「セブンプレミアム ゴールド 一風堂 赤丸新味 博多とこつ」の初代に当たる商品で、名店の味をカップ麺で再現したハイエンド商品の先駆けであり、現在も続く “ご当店カップ麺” のブームを牽引しています。
>> セブンプレミアムゴールド【一風堂】監修カップ麺「赤丸新味」一風堂シリーズ史上最上級のスープを実現!!
さて、念のため今回の新作「一風堂 鶏とんこつ 柚子胡椒仕立て」のモデルになったメニューがあるのかどうか、日清食品の広報に問い合わせてみたところ、過去に “そういった商品が「一風堂」の実店舗で販売されていたわけではない” との回答。しかし、ちょっと気になったのが「セブンプレミアム向上委員会」で紹介されていた以下の商品説明文。
お店で過去に発売して人気を博した限定メニューがカップ麺になって登場しました!鶏の旨みと豚骨感があふれる白湯スープに、フレッシュで豊かな柚子の香りとピリッとした辛さの柚子胡椒を別添えにしました。具材に鶏つくね、キャベツ、たまねぎ、ねぎを加えて仕上げた有名店の味をお楽しみください。
セブンプレミアム向上委員会 > 一風堂 鶏とんこつ 柚子胡椒仕立て 102g
セブンプレミアム向上委員会とは、セブンプレミアムについて語り、商品開発に参加できる公式コミュニティサイトで、2021年4月17日(土)現在、そこには “お店で過去に発売して人気を博した限定メニューがカップ麺になって登場しました” と記載されています。つまり、すくなからずカップ麺のモデルになった商品が存在するということ——。
というわけで、これまでに「一風堂」の実店舗で提供されていた期間限定メニューを調べてみた結果、2013年(平成25年)3月22~5月6日までの期間中、大阪府箕面(みのお)市の「一風堂 箕面店」にて提供されていた「春限定 鶏豚(とりとん)ソバ 鶏白湯 一風堂仕立て」という商品がヒット。
鶏ガラを長時間煮込んだ鶏白湯に、一風堂の豚骨スープを絶妙なバランスでブレンドしたスープが特徴とされ、具材には春キャベツや刻み玉葱を使用。さらに塩漬けした豚の肩ロースチャーシューに、エビの揚げ玉、柚子が香る鶏しんじょ(鶏肉団子)などをトッピングした変わり種。今回のカップ麺「一風堂 鶏とんこつ 柚子胡椒仕立て」に海老は入っていないようですが、具材のキャベツ、たまねぎ、味付鶏つくねは共通点。
また箕面店の「春限定 鶏豚ソバ 鶏白湯 一風堂仕立て」がカップ麺のモデルになったと思う理由は、上記の共通点だけではありません。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「特製柚子胡椒」が1袋。実は一風堂の箕面店で「鶏豚ソバ」の提供が始まった際、オススメの食べ方として雑炊風の〆(しめ)が楽しめる「温玉ごはんセット(プラス40円)」も販売されていたらしく、温泉卵が入っている器のフチに柚子胡椒が添えられていたようなので、やはり箕面店の「鶏豚ソバ」が今回のモデルなのではないかと推定。
前述のようにエビの揚げ玉は入っていませんが、時期的にも春キャベツを彷彿とさせるキャベツを筆頭に、味付鶏つくねや刻み玉葱を使用。そして箕面店の「鶏豚ソバ」には “背脂と鶏油、2種類の油” を使っていたらしく、それをイメージしたと思われる “ラード加工品” を多めに使用しているのもポイント。カップ麺のモデルは「鶏豚ソバ」である‥‥というのは筆者の推定ですが、けっこう共通点が多いですよね。
なお販売店はコンビニのセブンイレブンをはじめ、イトーヨーカドーやヨークベニマル、ヨークマートなど、セブン&アイグループのGMS(ゼネラルマーチャンダイズストア)も対象となっており、イトーヨーカドーのネット通販サイト・オムニ7でも取り扱いを確認。希望小売価格は208円(税込224円)ということで、2021年4月現在の縦型ビッグにおける標準売価(コンビニ・税込232円)よりも手に取りやすい値段に設定してあります。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:一風堂 鶏とんこつ 柚子胡椒仕立て 製造者:日清食品株式会社 製造所:F・静岡工場(静岡県焼津市相川17-2) 内容量:102g(めん70g) 商品コード:4902105264027(JAN) |
発売日:2021年04月12日(月) 実食日:2021年04月17日(土) 発売地域:全国(セブン&アイグループ限定) 取得店舗:ネット通販サイト(オムニ7) 商品購入価格:224円(税込) 希望小売価格:208円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(柚子胡椒) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、チキンエキス、大豆食物繊維)、スープ(ポーク調味料、豚脂、チキン調味料、食塩、でん粉、小麦粉、ゆず皮、青唐辛子ペースト、糖類、香辛料、植物油脂)、かやく(味付鶏つくね、キャベツ、ラード加工品、たまねぎ、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、かんすい、炭酸Ca、増粘多糖類、カラメル色素、香辛料抽出物、香料、トレハロース、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、マリーゴールド色素、炭酸Mg、クチナシ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は油で揚げていないノンフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。縦型カップにノンフライ麺の組み合わせといえば、これまで明星食品の得意分野となっていたところ、最近は日清食品も力を入れているジャンル。しかし、日清食品の場合 “麺の戻りムラが課題” になっているため、そこが今回も課題になりそうな予感——。
というわけで、ひとまず熱湯5分きっちりと守ったのですが、やはり麺のほぐれにくさが気になるところ。しかし、豚骨と鶏白湯をブレンドしたスープの香りは芳醇で、そこそこニンニクの香りも強く、食欲を刺激してくる実食前。それと玉ねぎの香りも強かったので、これもキーマンになりそうな雰囲気。
ちなみに別添の小袋(柚子胡椒)は後入れかつ小袋には “お好みで少しずつ溶かしながら入れてください” と記載してあるため、まずはスープ単体の味を確認。それから柚子胡椒を加えて生じる変化や念のため辛さレベルにも注目しつつ「めん」「スープ・柚子胡椒」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(102g)あたり |
カロリー:375kcal たん白質:10.9g 脂 質:8.2g 炭水化物:65.9g (糖 質:63.1g) (食物繊維:2.8g) 食塩相当量:7.8g (めん・かやく:3.1g) (スープ:4.7g) ビタミンB1:0.36mg ビタミンB2:0.36mg カルシウム:314mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:375kcal(めん・かやく:296kcal)(スープ:79kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ちょっと長めにケアするのがポイント
上記の画像では戻りムラを感じない見た目となっているのですが、熱湯5分ジャストでフタを開けた場合、やや部分的に戻っていないため、それについては要改善。けれども油揚げ麺と違って雑味を感じさせないのはノンフライ麺ならではの強みであり、ふんわり奥から上がってくる小麦の甘みや鼻に抜ける芳醇な香りなど、きっちりケアしてやれば満足度の高い質感。
形状は角刃で切り出された平打ち麺で、縮れは弱く、ここは日清食品が得意とする “ストレート製法” の強みが遺憾無く発揮されているポイント。たとえば前述の箕面店限定「鶏豚ソバ」には全粒粉が練り込まれていたのに対し、そういった要素は見られないものの、チキンエキスや大豆食物繊維を使用しているのは日清食品らしく、それによってスープとの一体感も悪くありません。
食べ始めの強靭なコシに加え、後半は適度な歯切れの良さを感じるのですが、やや加水率は高く、タイプとしては豚骨ラーメンよりも鶏白湯サイド。熱湯5分で食べられなくはないものの、よりナチュラルな食感に仕上げるために、熱湯5分きっちり守るのはもちろん、しっかり混ぜてから “2分くらい放置するのがオススメ” の食べ方です。
スープ・柚子胡椒
豚骨よりも鶏白湯の要素が強め
原材料名の構成から察するに、チキン調味料よりもポーク調味料のほうが多く使われているようですが、ほぼほぼ豚骨のクセはなく、どちらかというと体感的には鶏白湯寄りで、それを優しく豚骨のコクが支えているようなフレームワーク。後味に若干の骨っぽさを残すものの、荒々しい印象は皆無に等しく、もうすこし豚骨感を強めたほうが “一風堂らしい” と思えたかもしれません。
しかし、それだけに定番「赤丸新味」との差別化は申し分なく、普段あまりカップラーメンを食べ慣れていない方や女性の方でも食べやすい仕上がりは “一風堂らしい” と思えるポイント。土台の粉末スープが優しかったので、ノンフライ麺の風味やキャベツの優しさなど、時間の経過に合わせて滲み出る味の変化が分かりやすく感じられました。
加えて別添の柚子胡椒はペースト状で、そこまで青唐辛子の辛味は強くなかったのですが、そのまま舐めたらピリッと辛く、それ以上にスープから受ける印象と対比を描く鮮烈な塩気が味蕾を刺激。さらに刻んだ柚子皮の清涼感に、若干のホロ苦さと青唐辛子の若い風味も楽しめる、思いのほかに硬派な柚子胡椒でビックリ。
小袋にも記載されていたように、少しずつスープに溶かしながら食べるのはもちろん、前述のノンフライ麺や後述する味付鶏つみれにチビチビつけながら、味の変化と柚子胡椒のインパクトをダイレクトに楽しむのもオススメです。
具材
ネギを除いて鶏白湯サイド
味付鶏つみれに柚子は使用されておらず、しかしながら適度にスパイスを効かせた濃いめの味付けで、前述の柚子胡椒をつけて食べると “一品料理” に近い満足感が楽しめる、なかなか侮れない具材。キャベツも柚子胡椒の清涼感と相性がよく、刻んだ玉葱のフレッシュな香味と食感も鶏とんこつスープのアクセントに効果的。ネギは存在感の弱い小葱を使っているため、その穏やかな主張も好印象。
また一見すると目立ちませんが、ラード加工品もスープのコクを深めることに寄与しており、これは同じくセブンプレミアムの期間限定商品として登場した「蒙古タンメン中本 極豚(ゴットン)ラーメン」から頻繁に使われ始めたアイテム。背脂加工品のように粒感を残すことはないものの、調味油を加えたときに近いコクをプラスしてくれるため、ノンフライ麺でも薄っぺらいスープにならないのが利点だと感じています。
総評
めん・スープ・具材を各項目ごとに見ても、全体を通して見ても鶏白湯の要素が強く、博多とんこつラーメン専門店らしい豚骨感に期待するとコケますが、別添の「柚子胡椒」だけは文句の付け所が見当たらず、これで税込224円なら悪くありません。ただ、ノンフライ麺の戻り具合だけは要改善。
個人的に「一風堂」らしいと思えるポイントが少ないと感じたのですが、ある意味 “誰もが食べやすいラーメン” という印象は「一風堂」らしかったので、別添の柚子胡椒による味の変化に注目しつつ、肩の力を抜きながら食べてみてください(author・taka :a)