どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2021年4月12日(月)新発売、明星食品のカップ麺「一平ちゃん夜店の焼そば×劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』ひつまぶし味」の実食レビューです。
劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』の公開を記念して「一平ちゃん」が “ひつまぶし” を再現!? 今しか食べられないオリジナル商品を展開!!
おいしい? まずい‥‥? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください(※映画のネタバレは含みません)。
一平ちゃん夜店の焼そば×名探偵コナン ひつまぶし味
一平ちゃん(いっぺいちゃん)とは、おなじみ “いっぺん食べたら、やめられない。” をキャッチフレーズに、1993年(平成5年)1月18日から販売されているロングセラーブランドで、発売当初は標準どんぶり型のカップラーメンから発足。その約2年後となる1995年(平成7年)2月20日、現在の主力商品である「一平ちゃん夜店の焼そば」を展開し、カップ焼きそば×からしマヨネーズという不動の金字塔を打ち立てます。
今回の新商品「明星 一平ちゃん夜店の焼そば×劇場版『名探偵コナン 緋色(ひいろ)の弾丸(だんがん)』ひつまぶし味」は、2021年4月16日に満を持して公開された劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』とのコラボ商品で、劇場版の舞台となっている名古屋の郷土料理「ひつまぶし」をイメージしたカップ麺。これまで様々な変わり種を発売してきた「一平ちゃん夜店の焼そば」シリーズですが、ひつまぶし味は前例にありません。
あらためまして『名探偵コナン』とは、漫画家・青山剛昌(あおやま ごうしょう)氏が生み出した推理マンガの金字塔で、小学館発行『週刊少年サンデー』1994年5号・1月19日より連載開始。黒ずくめの組織に謎の毒薬を飲まされ、子どもの姿になった “江戸川コナン” こと工藤新一(くどう しんいち)が数々の難事件を解決する姿を描き、現在は日本を代表する漫画作品の一つとして知られます。
1996年1月8日にテレビアニメの放送が始まるや否や、1997年4月19日に劇場版シリーズ第1作『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』を、1998年4月18日には劇場版シリーズ第2作『名探偵コナン 14番目の標的(ターゲット)」を公開。以降、名探偵コナンの映画は毎年春の恒例になり、今年の劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』はシリーズ第24作に当たる最新版で、もともとは2020年4月17日に公開を予定していました。
2020年3月23日、劇場版最新作『名探偵コナン 緋色の弾丸」の公開に先駆け、オリジナルロングスポーツタオルが抽選で合計3,000名様に当たる「明星 一平ちゃん夜店の焼そば×名探偵コナン緋色の弾丸キャンペーン」を実施していた明星食品。しかし、現在も猛威を振るっている新型コロナウイルス感染拡大防止のため、映画の公開延期を余儀なくされた2020年の春——。
というわけで、約1年の装填期間を経て再コラボに至った2021年の春。今回も抽選で3,000名様に大小2個セット(全3パターン)のオリジナルエコバッグが当たるキャンペーンをはじめ、全3種のポスター応募券コンプリートで江戸川コナン役の声優・高山みなみさんのサイン入り色紙とオリジナルポスターセットが抽選で10名様に当たる企画を実施しているのですが、このページで取り上げるのは「ひつまぶし味」の打ち出し方。
ひつまぶし(櫃まぶし)とは、蒲焼きにしたウナギの身を切り分けた後、お櫃に入れた白ご飯にのせて(まぶして)食べる日本の郷土料理で、名古屋めしの代表格。そのままウナギの味を楽しむのはもちろん、ワサビや刻み海苔などの薬味を添えたり、出汁(だし)をかけて食べたり、味の変化が楽しめるのもポイント。ちなみに「ひつまぶし」という名称は、名古屋の老舗「あつた蓬莱軒(ほうらいけん)」の登録商標です。
一見するとカップ焼きそばには結びつかないテーマに思えるのですが、明星食品は2015年7月と2016年7月に「一平ちゃん夜店の焼そば 蒲焼のたれ味」を発売していた経緯があり、今回の「ひつまぶし味」も “うなぎエキス” を加えた蒲焼風味の「ソース」を使用。さらに薬味をイメージした「ふりかけ」に、出汁(だし)をイメージした「特製マヨ(お出汁風味マヨ)」を別添ということで、単なるキワモノではないかもしれません。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「ソース」に「特製マヨ」と「ふりかけ」で合計3種類。小袋のデザインは汎用なので、たとえば『名探偵コナン』のロゴやキャラクターなどがデザインされているわけではないのですが、それぞれ前述のように中身は “ひつまぶし” をイメージしている様子。
ちなみに湯切り口のタブがポスター応募券で、1〜3番の応募券を集めると、抽選で高山みなみさんのサイン入り色紙&オリジナルポスターが10名様に当たるキャンペーンに応募できる仕様になっており、それぞれ「1=明星 一平ちゃん夜店の焼そば 大盛」「2=明星 一平ちゃん夜店の焼そば」「3=明星 一平ちゃん夜店の焼そば 豚旨塩だれ味 or 旨辛明太子味 or 名探偵コナン ひつまぶし味」とのこと。
メーカー希望小売価格は193円(税別)ということで、通常サイズの定番ソース味「一平ちゃん夜店の焼そば」と同じ値段。2021年4月現在、コンビニで購入した場合の税込価格は198円になりますが、スーパーやドラッグストアなど、コンビニ以外の店舗であれば税込100円前後で手に入る場合も珍しくないと思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 一平ちゃん夜店の焼そば×劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』ひつまぶし味 販売者:明星食品株式会社 製造所:R・東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:115g(めん90g) 商品コード:4902881437899(JAN) |
発売日:2021年04月12日(月) 実食日:2021年04月16日(金) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:ネット通販サイト(オムニ7) 商品購入価格:138円(税込) 希望小売価格:193円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型レギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:550ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(ソース・特製マヨ・ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩)、ソース(半固体状ドレッシング、糖類、しょうゆ、植物油脂、食塩、みりん、うなぎエキス、醸造酢、たん白加水分解物、ポークエキス、香辛料)、ふりかけ(ごま、のり、ねぎ、粉わさび調味料、香味調味料)/ カラメル色素、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、かんすい、酒精、増粘剤(加工デンプン、増粘多糖類)、香料、乳化剤、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、甘味料(スクラロース)、ベニバナ黄色素、(一部に卵・乳成分・小麦・ごま・大豆・豚肉・りんごを含む)※本品製造設備では、えび・かにを含む製品を生産しています。原材料の海苔は、えび・かにが混ざる漁法で採取しています。 |
実食開始
麺は一平ちゃんシリーズの中でも細めに切り出された油揚げ麺で、通常の「一平ちゃん夜店の焼そば」にはソースや糖類を練り込んでいるところ、こちらの原材料名は “小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩” とシンプルな作り。原材料名の構成はレギュラーサイズの「豚旨塩だれ味」や「旨辛明太子味」と共通ですが、それよりも黄色味が強く見えるので、もしかすると汎用ではないのかもしれません。
別添の小袋は3種類とも後入れなので、小袋は開けずに熱湯を注ぎ、待つこと3分。具材として鰻(うなぎ)が入っていないのは仕方ないとして、キャベツすら入っておらず、そこが寂しいところではあるものの、ソースから漂うロースト醤油の芳ばしい香りは印象深く、特製マヨ&ふりかけの彩りにより、けっこう賑やかな調理後。
「一平ちゃん夜店の焼そば」を食べるときは “最初から全体を大きく混ぜ合わせる派 vs. 部分的に味の変化を楽しむ派” に分かれると思うのですが、今回は全体を大きく混ぜないで、部分的な味の個性と兼ね合いに注目しつつ「めん」「ソース・特製マヨ」「ふりかけ」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(115g)あたり |
カロリー:524kcal たん白質:10.1g 脂 質:24.8g 炭水化物:65.0g 食塩相当量:4.4g ビタミンB1:0.28mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:163mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
けっこう細いけど一定のコシをキープ
たとえばシリーズ史上もっとも太い麺を採用した「明星 一平ちゃん夜店の焼そば 大盛 豚塩ガーリック」(2021年4月5日発売)をはじめ、最近は熱湯5分の太麺も見境なく使ってくるのですが、今回の油揚げ麺はシリーズの中でも細く、そうそうこれこれ、みたいな。それでいて意外とコシが強かったので、これは数年前と比較して進化を感じるところ。
お櫃ではなくプラ製のPS容器に身を包み、白めし感も皆無に等しいというか皆無なので、ここはモロでカップ焼きそばらしいポイントになりますが、一平ちゃん夜店の焼そばシリーズらしいアイデンティティを表現。後述するソースや特製マヨ、ふりかけとの相性もよく、油揚げ麺ならではの甘味が心地よい、ファンの期待を裏切らない仕上がりです。
たとえばソース味の「一平ちゃん夜店の焼そば」をはじめ、定番の「豚旨塩だれ味」や「旨辛明太子味」の麺量は100gとなっているところ、今回は90gと若干ながら少なめの値。けれども汁なしカップ麺の麺重量は90gが標準なので、特別に少ないわけではありません。ちなみにカップ焼きそばの麺量を90gに固定したのは、まるか食品の「ペヤング ソースやきそば」です。
ソース・特製マヨ
あくまでソースは蒲焼のタレだけど美味しい
明星食品曰く “ローストした醤油に、みりん、うなぎエキスを加えた、うなぎの蒲焼をイメージした甘めの醤油タレと香ばしい醤油の香りを付けたオイルを合わせた液体ソースです。” ということで、うなぎエキスを実際に使用しているのですが、そこまで鰻が強く主張してくるわけではありません。しかし、直火で炙った醤油を彷彿とさせる芳ばしい風味は強く、漠然と蒲焼のタレっぽいテイストは実現。
甘さも強すぎず、それでいて弱すぎない効かせ方で、いつもは特製マヨありき、ふりかけありきの印象が強いところ、今回はソースだけでも成立するくらい骨太な味付け。そこそこ油脂の量も多く、こってりとした部分については鰻の蒲焼きに通じるポイントといえるかもしれません。
そこに味の変化が楽しめる特製マヨ(お出汁風マヨ)を加えてみたところ、いつもの “からしマヨ” とは完全に別物で、やや酸味の強いマヨネーズをベースにしつつ、ふわっとカツオの出汁を効かせたテイスト。ローストしょうゆベースのソースとマヨネーズの相性は申し分なく、カツオの要素も出汁を彷彿とさせる柔らかい味わいで、荒削りの魚粉とは違う、それでいて濃密な旨み。
そんなに鰻の味が強いわけではなかったので、ひとくち食べて「ひつまぶし味」だ!! とはならなかったものの、けっこう濃いめのソースに対し、マヨネーズの酸味がアクセントに嬉しく、そこへ賑やかな変化をもたらしてくれる「ふりかけ」の存在も見逃せません。
ふりかけ
まさに引き立て役
ひつまぶしの薬味をイメージしたという「ふりかけ」の内容は、わさび顆粒、刻み海苔、ねぎ、ごまの4種類。わさび顆粒は「明星 一平ちゃん夜店の焼そば 大盛 超わさび 醤油味」と同じ粉わさび調味料と思われますが、そこまで極端に刺激が強いわけではなく、風味を重視した効かせ方。あれです、永谷園の「わさび茶づけ」に入ってる緑の顆粒みたいなイメージ。
カップ焼きそばで定番のキャベツすら入っていませんが、刻み海苔、ねぎ、ごま、それぞれの風味も効果的で、固形具材は入っていなくても物足りなさを感じることはありませんでした。
総評
はたして「ひつまぶし」かと効かれた場合、だいぶデフォルメ感はあるものの、芳ばしいローストしょうゆベースの蒲焼き風「ソース」をはじめ、カツオの旨みを効かせた「お出汁風マヨ」に、わさび顆粒が効果的な「ふりかけ」など、あながち的外れなフレームワークではありません。
もうすこし「うなぎエキス」も目立っていれば‥‥という思いもありますが、ひつまぶしをテーマにしたカップ麺は珍しく、単純に「おいしい」か「まずい」かでいえば前者。奇抜な話題性に感けた商品ではない、意外と硬派な作りだったので、これを機に試してみてください(author・taka :a)