どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年7月13日(月)新発売のカップ麺、明星食品「一平ちゃん夜店の焼そば 大盛 たらこ味」の実食レビューです。
ほぼたらこ!? 新具材の「たらこ風かまぼこ」を使用した変わり種!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
一平ちゃん夜店の焼そば 大盛 たらこ味
一平ちゃん(いっぺいちゃん)とは、1993年(平成5年)1月18日から販売されている明星食品のロングセラーブランドで、1995年(平成7年)2月20日にカップ焼そばの「一平ちゃん夜店の焼そば」を展開。当初はカップラーメンからスタートした「一平ちゃん」ですが、標準どんぶり型の通年商品は数年前に製造・販売を終了し、現在は焼そばに特化したブランドに切り替わりました。
今回の新商品「明星 一平ちゃん夜店の焼そば 大盛 たらこ味」は、子どもから大人まで幅広く愛される “たらこ味” の新作で、見た目も味も食感も本物のような “ほぼたらこ” の新具材「たらこ風かまぼこ」を開発。さらに焦がしバターの香りとたらこの旨味が効いた塩だれソースを合わせ、一平ちゃんならではの特製マヨ(たらこマヨ)に味付たらこ風味顆粒を別添とのこと。
前述の1995年2月20日は、からしマヨネーズを特徴とする定番のソース味「一平ちゃん夜店の焼そば」の発売日で、2006年2月に第2の定番フレーバー「塩だれ味」(現「明星 一平ちゃん夜店の焼そば 豚旨塩だれ味」)を新発売。それに続く第3の定番フレーバーとして、2012年2月に「明太子味」(現「明星 一平ちゃん夜店の焼そば 旨辛明太子味」)をリリースしているのですが、今回は “たらこ” がコンセプト。
たらこ(鱈子)と明太子の違いについて、元来「たらこ」は介党鱈(すけとうだら)の卵を塩漬けにした “辛くない鱈子” のことを指し、もともと漁師たちを中心に何百年も前から日本で食べられていたもの。対して「明太子」も介党鱈の卵を原料にしていますが、それを調味液に漬けて辛味を施した韓国・釜山(プサン)を発祥とする “たらこのキムチ漬け” がルーツ。
それを理由に「明太子」は辛い鱈子=辛子明太子と認識されるようになり、介党鱈の卵を塩漬けにしてから唐辛子を振りかける “まぶし型” の辛子明太子は山口県下関市が発祥とされ、塩漬けにした介党鱈の卵を唐辛子入りの調味液に入れて “二次漬け” する手法は福岡市博多区中洲に本社を置く「株式会社ふくや」の創業者・川原俊夫氏が生みの親といわれています。
などと書いている間に本題から脱線しそうなので「一平ちゃん夜店の焼そば」に話を戻しますが——2020年7月現在も定番商品として販売されている「明星 一平ちゃん夜店の焼そば 旨辛明太子味」は、文字通り辛味をつけた辛子明太子をカップ焼そばにアレンジしたもので、現時点の最終リニューアルは2020年2月3日。
定番の「一平ちゃん夜店の焼そば 旨辛明太子味」は、適度な硬さのスナック的な細麺に、魚醤や魚介エキス(かつお、さば等)と明太子風味のオイルを特徴とするポークベースの液体ソースを合わせ、2020年2月のリニューアルから別添の特製明太子マヨに含まれる明太子の味わいを強化。さらに味付明太子顆粒に刻み海苔、唐辛子を組み合わせたフリカケを特徴としています。
対する限定の「たらこ味」には新開発の “ほぼたらこ” を搭載かつ麺の量も大盛りなので、棲み分けについては問題なさそうな雰囲気。25年以上の歴史を持つブランドなので、もしかすると見落としているかもしれませんが、一平ちゃん夜店の焼そばシリーズから「たらこ味」の変わり種が発売されるのは今回が初めてかも‥‥
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は「ソース」「特製マヨ」「ふりかけ」の合計3種類。明星食品のニュースリリースには、ソースの特徴として “ポークの旨みをベースに、魚醤と魚介エキスでコクを——” と書いてあるため、そこは定番の「明太子味」と共通の項目になりますが、焦がしバターの風味が特徴のオイルは既存の定番フレーバーにはないポイント。
麺は熱湯3分のフライ麺(油揚げ麺)で、通常の「一平ちゃん夜店の焼そば」シリーズに使われているのは丸刃で切り出した細麺ですが、今回の「たらこ味」には比較的に太めの平打ち麺が採用されています。以前は変わり種でも通常商品と同じ汎用の細麺を使い回していましたが、2017年頃から太麺も出るようになり、やや個性の統一感が減ってしまった反面、サイズや食感に縛られなくなりました。
メーカー希望小売価格は230円と若干ながら高めの設定で、販路を問わない全チャネル商品として展開。2020年7月現在、コンビニで購入した場合の税込価格は248円と安くはないものの、実際に立ち寄ったコンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)での取り扱いを確認しているため、発売日から1ヶ月ほどは目にする機会が多いと思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 一平ちゃん夜店の焼そば 大盛 たらこ味 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場 埼玉県比企郡嵐山町川島2360(R) 内容量:168g(めん130g) 商品コード:4902881437684(JAN) |
発売日:2020年07月13日(月) 実食日:2020年07月19日(日) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:248円(税込) 希望小売価格:230円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型ビッグ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:770ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(ソース・特製マヨ・ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、ソース)、ソース(半固体状ドレッシング、しょうゆ、糖類、豚脂、食塩、植物油脂、香味油、ポークエキス、たん白加水分解物、魚醤、魚介エキス、香味調味料、香辛料)、かやく(キャベツ、たらこ入り魚肉練り製品)、ふりかけ(たらこ加工品、のり)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、トレハロース、炭酸カルシウム、酒精、かんすい、増粘剤(加工デンプン、キサンタンガム)、ベニコウジ色素、香料、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、カラメル色素、カロチノイド色素、乳化剤、炭酸マグネシウム、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・かに・いか・さけ・さば・大豆・豚肉・りんごを含む)※原材料の海苔は、えび・かにが混ざる漁法で採取しています。また麺にかやくの色がついていることがありますが、品質には問題ありません。 |
実食開始
さて、上記の画像に写っているノーベルの “梅ねり” みたいな乾燥具材が新開発の「ほぼたらこ(たらこ風かまぼこ)」なのですが、吉岡里帆さん(どんぎつね)考案による日清食品販売のアイデアレシピ第2弾「日清のどん兵衛 とろつゆ仕立ての明太風あんかけうどん」(2018年11月26日発売品)に使われていた “明太風かまぼこ” に酷似した見た目。
日清食品が明星食品に対するTOB(株式公開買付け)を成功させた、つまり筆頭株主になったと発表したのが2006年12月15日の話。その1週間後となる12月22日に明星食品は法的に日清食品の連結子会社になり、良くも悪くも明星食品サイドの方針は変わってしまったのですが、資本業務提携の締結には技術提携も含まれているはずなので、どん兵衛のノウハウが活かされているのかも——などと考えている間に出来上がり。
新開発の “ほぼたらこ” もさることながら、たらことバターが香る液体ソースに特製たらこマヨとシーズニングの味付たらこ風味顆粒で賑やかな調理直後。引き続き “ほぼたらこ” の完成度にも注目しながら「めん」「ソース・特製マヨ」「具材・ふりかけ」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(168g)あたり |
カロリー:751kcal たん白質:15.2g 脂 質:34.0g 炭水化物:96.0g 食塩相当量:7.4g ビタミンB1:0.32mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:203mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いつもと違うコシの強い平打ち麺
通常の「明星 一平ちゃん夜店の焼そば 旨辛明太子味」にも使われている汎用の細麺は、風味も食感もスナック的で、2019年5月6日のリニューアルから “しっかりした硬さに調整した” と明星食品はアピールしていたのですが、ちょっと早めに(2分30秒〜2分40秒くらいで)湯切りしたほうがいいかも——などと感じたのに対し、今回の平打ち麺は定番の細麺と印象が大幅に異なるタイプ。
やや調理直後は柔らかめに仕上がりますが、適度に粗熱が取れると弾力が増し、いつもの細麺よりも加水率が高く、サイズのわりにコシのある食感。また油揚げ麺特有のスナック的な風味も常に並行するのですが、油揚げ麺臭などと揶揄したくなるような風味ではありません。リアルな焼そばでは味わえない、フライ麺ならではの芳ばしい風味がプラスに作用しています。
軽快な歯切れよりも噛み応えのある弾力を強化した仕上がりなので、いつもの「一平ちゃん夜店の焼そば」に使われている細麺をイメージしていた場合、けっこうなギャップを感じることになるかと思いますが、単純にクオリティは低くありません。むしろ今回のソースや特製マヨ、ふりかけとの相性もよかったので、印象は悪くないどころか好印象でした。
ソース・特製たらこマヨ
ソースだけでも成立
明星食品のニュースリリースには “塩だれソース” と記載されていましたが、けっこう醤油や魚醤の風味が強く、イメージは焦がしバターしょうゆ的な味わい。加えて魚介エキスはカツオとサバの旨味を軸に、動物系は豚脂とポークエキスを使用している点など、液体ソースそのものは定番の「明太子味」をベースにしているのですが、それよりも比較的にたらこの風味が強く、バターの香りも明白で、ほとんど辛味は感じません。
また「明太子味」ではソースの繊細な部分を油揚げ麺臭が駆逐していたのに対し、新作の「たらこ味」では麺の風味とソースが目立って衝突することはなく、むしろ前述のようにカップ焼そばならではの相乗効果を感じるほど。このシリーズは特製マヨありき、ふりかけありきのパターンが定番なのですが、今回は液体ソースだけでも成立するくらい、きちんと練られた味わいです。
特製たらこマヨにも定番の「明太子味」に別添されている特製明太子マヨのような辛味はなく、そのまま舐めるとマヨネーズの酸味も比較的に控えめで、たらこの旨味と卵黄のコクが印象的な柔らかいテイスト。けれども実際にトッピングした後は、麺の熱に煽られた酸味がアクセントに嬉しく、シーズニング(たらこ風味顆粒)と麺の一体感を高めてくれるなど、そういった面でも効果的でした。
具材・ふりかけ
ほぼたらこスゴい!!
汎用のキャベツに特筆すべき項目はないのですが、みずみずしい食感がアクセントに嬉しく、ほぼたらこは加熱した焼たらこっぽい舌触りで、なるほど風味も食感も実にリアル。数は9個と大量に入っているわけではなかったものの、たらこを魚肉練り製品中45%使用しているらしく、その恩恵が感じられる仕上がり。前述した「どん兵衛」の時にも驚きましたが、それに匹敵するインパクトです。
味付たらこ風味顆粒は、市販の “たらこふりかけ” に入っているピンクのシーズニングに共通する普遍的な味付けで、かなりスナック的ではあるものの、それが油揚げ麺を使用した「一平ちゃん夜店の焼そば」に違和感なくフィット。もうすこし量が多いと嬉しかったのですが、しっかりと全体のたらこ感を加速させ、刻み海苔の風味もたらこを引き立ててくれている、とても効果的なふりかけでした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
麺が普段の「一平ちゃん夜店の焼そば」に使われている細麺ではなく、明星食品のニュースリリースには塩だれソースと書いてあったのに実際の味は焦がしバター醤油だった——という部分にはギャップを感じたのですが、どちらも結果オーライ。味の方向性は想像の範疇を超えないものの、ソース・特製マヨ・ふりかけ・具材(ほぼたらこ)すべてにおいて “たらこ” が感じられる名作です。
コンビニで購入した場合の値段は税込248円と地味に高く、めちゃくちゃコストパフォーマンスに優れた商品というわけではないのですが、コンビニで買っても損ではありません(もはや定番の「明太子味」を「たらこ味」に置き換えてほしいまである)。新開発の “ほぼたらこ” も完成度が高く印象的だったので、最寄りの販売店をチェックしてみてください。