どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年10月9日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「サッポロ一番 金色不如帰監修 はまぐりだしの塩そば」の実食レビューです。
ミシュラン掲載店「SOBA HOUSE 金色不如帰 新宿御苑本店」監修のカップラーメンが “はまぐりエキスの使用量UP” で再登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
サッポロ一番 金色不如帰監修 はまぐりだしの塩そば
SOBA HOUSE 金色不如帰(そば はうす こんじきほととぎす)とは、2006年(平成18年)1月11日11時11分11秒、東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目の路地裏で人知れず創業した「そばはうす 不如帰」に始まり、現在はラーメン激戦区として知られる新宿の地で不動の地位を築き上げた銘店で、ミシュランが発行する『ミシュランガイド東京 2019-2023』でも “一つ星” を獲得し続けている実力派。
今回の新商品「サッポロ一番 金色不如帰監修 はまぐりだしの塩そば」は、金色不如帰の山本敦之(やまもと あつし)店主監修のもと、同店が誇る「塩そば」の味わいを再現したカップラーメンで、販売者はサンヨー食品。昨年6月20日にもタテビッグの「はまぐりだしの塩そば」を発売していましたが、それと大きく異なるのはサンヨー食品の代名詞である “サッポロ一番” を商品名に冠していること。
たとえば東洋水産の「マルちゃん」然り、サンヨー食品の「サッポロ一番」も場合によっては社名以上に広く認知されているブランド。実際に『マルちゃんって東洋水産なの?』とか『サッポロ一番は知ってるけど、サンヨー食品は聞き覚えがない』みたいな事例も珍しくないため、東洋水産は現在も(ほぼ)すべての自社製品に “マルちゃんのスマイルマーク” を印刷しています。
そのように、サンヨー食品も以前は(ほぼ)すべての自社製品に「サッポロ一番」のロゴを印刷していたのですが、自社ブランドを明白に区別するため、2019年(平成31年)4月吉日に社内方針を変更。たとえば「カップスター」や「ポケモンヌードル」「旅麺」など、特定の商品群を除き “サッポロ一番のロゴを取り外し、サンヨー食品のロゴを配置する” ようになりました。
金色不如帰監修シリーズを例に挙げると、2022年6月20日発売の「はまぐりだしの塩そば」も例に漏れず、当時のパッケージには “サンヨー食品” のロゴが印刷されていたのですが、2023年10月発売品では特定のロングセラーだけに許された “サッポロ一番” のロゴに変わっているため、例年以上に力を入れていることが伝わってくる展開。
これは、2021年2月15日発売品からサンヨー食品とのコラボを続けている「久世福商店(くぜふくしょうてん)」監修シリーズと同じような変遷で、2023年9月11日発売の即席カップめん「久世福商店監修『毎日だし』で仕上げた きつねうどん」及び「同『毎日野菜だし』で仕上げた 塩らーめん」から “サッポロ一番” のロゴ掲載を解禁。
さらに同日、シリーズ初となる即席袋めん「久世福商店監修『毎日だし』で仕上げた 醤油らーめん」及び「同 塩らーめん」を発売しているため、もしかすると「SOBA HOUSE 金色不如帰」監修による即席袋めんの企画も進んでいるのではないか‥‥などと思いつつ、そろそろ本題に戻りましょうか。
容器側面に記載されている「全粒粉を練りこんだハリのある中細麺!」と「はまぐりだしの奥深いうまみが味わえる塩味スープ」の訴求は前回発売品から変わっていないのですが(厳密にいうと「旨み」が「うまみ」に変わってますけど、それはさておき)商談用の資料には “はまぐりエキスの使用量UP” との記載があるため、そこがリニューアルポイントになっているようです。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「仕上げの小袋」1パックのみで、これについては昨年の「はまぐりだしの塩そば」と同じスペック。ただ、必要なお湯の目安量を440mlから430mlに変えていたり、パッケージに “Tokyo Tokyo Old meets New” のロゴを追加していたり、この時点で変化が伝わってくるポイントも。
かやくは、味付鶏肉そぼろ・メンマ・ねぎの組み合わせで、イメージとしては可も無く不可も無し。というのもローソン限定の「金色不如帰 蛤だしの塩そば」(2020年9月1日発売品)には、セップ茸(ポルチーニ)のデュクセルをイメージした「ぶなしめじ」を搭載していたので、ちょっと寂しい気持ちが無きにしも非ずではあるものの、ひとまず内容としては昨年の「はまぐりだしの塩そば」と共通です。
メーカー希望小売価格は271円(税別)なので、2023年10月現在の即席カップめん業界における縦型ビッグで標準的な値段。コンビニで購入した場合の税込価格は292.68円になりますが、スーパーやドラッグストアなど、特に販売店は限定されていないため、コンビニ以外の店舗であれば、よほどの事情がない限り、希望小売価格よりも安く手に入るでしょう。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:サッポロ一番 金色不如帰監修 はまぐりだしの塩そば 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業 本社工場 内容量:89g(めん70g) 商品コード:4901734051664(JAN) |
発売日:2023年10月09日(月) 実食日:2023年10月11日(水) 発売地域:全国 取得店舗:ウエルシア 小売価格:271円(税別) 購入価格:267.84円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(仕上げの小袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(小麦全粒粉5%)(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、粉末卵)、スープ(食塩、糖類、魚介調味料、豚脂、魚介エキス、植物油脂、ポーク調味料、こんぶエキス、しょうゆ、香辛料、たん白加水分解物、マッシュルームエキス、みりん、酵母エキス、香味油)、かやく(味付鶏肉そぼろ、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、香料、レシチン、酒精、微粒二酸化ケイ素、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、増粘剤(キサンタン)、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・いか・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本製品で使用している魚介調味料の原料(はまぐり、あさりなどの二枚貝)には、かにが共生しています。 |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、サンヨー食品の縦型ビッグだと(有名店が監修したカップラーメンでは特に)総評の足を大きく引っ張ることも珍しくないのですが、同社の公式ウェブサイトには “当社独自の高密度製法により-・” との訴求あり。この表記があるときは、心配とは裏腹に高確率でクオリティが高く、しかも今回は前回発売品と同じように “小麦全粒粉5%使用” というのも期待が高まるポイント。
別添の小袋は後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「仕上げの小袋」を温めながら待つこと3分。時間になったら「仕上げの小袋」の中身を加え、よく混ぜ合わせたら完成です。けっして具沢山とはいえないけれど、考えようによっては洗練されたビジュアルとも捉えられる雰囲気で、はまぐりとトリュフの上品な香りが印象的。
ちなみに製造所は太平食品工業の本社工場(群馬県前橋市朝倉町555-4)となっているのですが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、単純に “サッポロ一番の工場” という認識で問題ありません。それでは、引き続き前回発売品との違いや進化の度合いに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(89g)あたり |
カロリー:389kcal たん白質:7.2g 脂 質:16.8g 炭水化物:52.3g 食塩相当量:6.7g (めん・かやく:1.8g) (スープ:4.9g) ビタミンB1:0.32mg ビタミンB2:0.34mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:389kcal(めん・かやく:304kcal)(スープ:85kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
油揚げ麺の中では余裕でハイクオリティな部類
実店舗の「塩そば」に使われているのは、2018年(平成30年)5月25日に旧店舗を現在の地に移転した理由にもなった “自家製麺” で、北海道産のブランド小麦「春よ恋」を主体に、計6種類の国産小麦を使用。また小麦の胚乳だけでなく「春よ恋」の石臼挽き全粒粉も配合し、製麺後は専用の高湿冷蔵庫で半日寝かせるなど、研究を積み重ねた店主の “こだわり” が詰め込まれています。
以前にノンフライ麺を搭載した「金色不如帰」監修のカップラーメンもありましたが、今回は油で揚げたフライ麺なので、特有の芳ばしさを筆頭に、残念ながら生麺と見紛うようなクオリティとはいえません。しかし、わざわざ全粒粉を練り込んでいるのは、店舗の自家製麺をイメージしているポイントで、さらに縮れを抑えることで可能な限り高級感を演出。
食べ始め直後は揚げ油に由来する風味が目立つので、どうしても雑味に繋がる要素になりますが、それが気になるのも最初だけ。加水率は低めの設定から、スープとの一体感は高く、サンヨー食品の縦型カップで感じることが多い “悪い意味での安っぽさ” も控えめなので、スープのニュアンスが酷く崩れることもありません。おそらく前回と同じフライ麺だと思いますけど、ぜんぜん結果オーライです。
スープ
たしかに蛤の存在感がアップしていた
まずは「仕上げの小袋」を入れる前に、粉末スープ単体の味を確認してみたところ、この時点では蛤(はまぐり)よりも鯛(たい)が強く、それと同時にフライ麺の芳ばしさもフロントに感じるため、特筆するほどの高級感はありません。ただ、フライ麺の芳ばしさと鯛の旨みが結び付き、鯛の骨を軽く炙ったような芳ばしさが鼻に抜けるところは面白いポイント。
続けて「仕上げの小袋」を加えると、けっして主張し過ぎることはなく、それでいて個性を表現する上では申し分ない絶妙なラインを突いた、なんとも柔らかいトリュフの風味を筆頭に、ふわっと全体を包み込むようなバターっぽいコクが相俟って、いっきに洋風の面持ちにシフト。
さらに、二枚貝を中心とする魚介の旨みも鮮明で、蛤の膨よかな旨みも然る事乍ら、舌の脇をキュッと引き締めてくる浅蜊(あさり)の旨みも効果的。さらにマッシュルームエキスを隠し味に加えることで、イタリアンやフレンチに通じる洋風の面持ちを演出しつつ、昆布・醤油・味醂(みりん)で和の精神も忘れない、まさに「金色不如帰」ならではと思える世界観が詰め込まれていました。
というわけで、基本的な味の組み方は昨年の「はまぐり塩そば」から変わっていませんが、前回は蛤よりも浅蜊を強く感じたのに対し、今回は蛤と浅利が対等のバランスから、なるほど “はまぐりエキスの使用量UP” に納得した次第です。
かやく
蛇足的なアイテムなし
味付鶏肉そぼろ・メンマ・ネギ、いずれもカップラーメンのベクトルを出ない具材なので、それ以上の高級感を打ち出すには至らないアイテムになりますが、鶏肉そぼろは生姜の風味とスパイスが強めの味付けで美味。スープとの相性も良好で、それについてはメンマも然り。熱風乾燥のネギはジャキジャキとした歯触りですが、あえて使用量を控えているようなイメージで、ほどよい存在感でした。
総評
昨年の「金色不如帰監修 はまぐりだしの塩そば」と比較して、大きく変わった要素といえば、パッケージのロゴが “サッポロ一番” に変わったことくらい。全粒粉入りのフライ麺や具材の構成はもちろん、スープのフレームワークも極端に変わっているわけではなかったので、ほぼほぼ再販のイメージで問題ありません。
しかし、注意深く味わってみると、目立ったトレードオフを感じさせることはなく、それでいて確かに蛤の存在感が増していたので、そこに進化を感じました。すでにタテビッグとしては完成形に位置しているため、そろそろ大判どんぶり型+ノンフライ麺の本気モードが恋しいタイミングではあるものの、それだけにコチラは手軽に、なおかつ安心して楽しめる一杯です【author・taka :a(大石敬之)】