どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年4月22日(月)新発売のカップ麺、日清食品「名店が認めた本格style 篝(かがり)鶏白湯Soba」の実食レビューです。
店主も唸る新シリーズ「名店が認めた本格style」第1弾は2年連続ミシュランガイド掲載店「銀座 篝」の再現カップラーメン!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
篝のカップ麺 鶏白湯Soba
「名店が認めた本格style(スタイル)」とは、絶大な人気を誇るラーメン店の味を忠実に再現した本格スープに生めん風ノンフライ麺を合わせた “ご当店監修カップ麺” の新シリーズで、その記念すべき第1弾として選出されたのはオープン以来行列の絶えない銀座の名店「篝(かがり)」。お店の人気看板メニュー、「鶏白湯Soba(とりぱいたん そば)」がカップ麺で再現されました。
「有名店シリーズ」で培われてきた技術を応用して全粒粉入り麺に進化させた「日清 THE NOODLE TOKYO」など、これまでにも有名店が監修したレベルの高い本格的なタテ型ビッグ製品をリリースしてきた日清食品ですが、いずれも油揚げ麺が基本だったので、生めん風ノンフライ麺を合わせた今回の新作は新たな試みです。
「銀座 篝(ぎんざ かがり)」とは、2013年3月1日に銀座4丁目の路地裏(銀座Aビル1F*)にオープンして瞬く間に行列店となり、2016年・2017年と2年連続で「ミシュランガイド東京」に掲出された行列の絶えない話題の名店(*ほぼ居抜きで2018年4月10日から「麺屋ま石」が出店)。店舗移転のため2017年11月15日から一時的に閉店していたので、「ミシュランガイド東京2018」には掲載されませんでしたが、3年連続ビブグルマン獲得も夢ではなかったかもしれません。
一時閉店から約1年後となる2018年12月27日、ようやく銀座6丁目に本店が復活したのですが、まるで料亭のような佇まいで、木造りの店内は落ち着いた雰囲気。そして、なんとクレジットカードまたは電子マネー決済のみ対応で現金払い不可・券売機なしという業界初の “キャッシュレス” 制度を導入し、次世代の決済方法を取り入れたことでも話題になりました(※現金しか持ち合わせていない方のために現金受付も用意されているそうですが原則キャッシュレス)。
今回のテーマとなっている「鶏白湯SOBA」は、まだ移転する前の「銀座 篝」創業以来もっとも人気が高いとされている看板メニューで、国産銘柄鶏100%の肉付き鶏ガラと丸鶏を大量に使い、純水だけで長時間炊き上げた濃厚系ぽってり鶏白湯スープ。そこに合わせるカエシはミネラル豊富な天然塩と魚介、昆布、椎茸などの旨味を合わせ、スープとカエシのバランスを重視しながら仕上げているとのこと。
麺は創業当時から三河屋製麺と共同開発した篝本店専用麺で、とことん国産小麦を追求し、麺を紙で包むことにより麺本来の弾力と熟成感を実現。具材には季節の野菜が彩りよくトッピングされ、他にも移転後の新メニューとして追加された「トリュフSOBA」や本店限定の「鶏白湯醤油SOBA」、水郷赤鶏・比内地鶏・大山鶏を合わせた清湯系の「鶏SOBA」もあるそうですが、こだわりの鶏油は「鶏SOBA」のスープから抽出した最高級の鶏油を使用しているそうです。
もともと水炊き専門店で腕を振るっていた方が店主を務めるラーメン店ということで、鶏に強いこだわりがあるようですね。そんな「銀座の名店が認めた本格style! 炊き出した鶏の旨み×生めん風ノンフライ麺」とカップ麺の容器側面でもアピールされているように、生めん風ノンフライ麺の完成度も然る事乍ら炊き出した鶏の旨味も注目のポイント。
日清食品のニュースリリースでも絶大な人気を誇るラーメン店の味を忠実に再現した本格スープと明言され、さらに「店主が唸る、再現度!」とまで冒頭からアピールしている渾身の自信作。本店では1,000円超えとなる「鶏白湯SOBA」は忠実に再現されているのでしょうか——
開封
容器の側面には笹があしらわれ、フタの上には「日清 THE NOODLE」シリーズと同じコラージュ写真をデザイン。お店で鶏白湯SOBAを注文すると「国産おろし生姜」と「フライドオニオン」が別添えで提供されるそうですが、それらの別添はなく、しかしながら今回の決め手になると思われる後入れの「銀座 篝 特製鶏油(チーユ)」がフタの上に貼り付けてあります。
製品スタイルは麺量70gのタテ型ビッグで、開封すると通常は喫水線(内側の線)から数ミリ下に位置しているはずの麺が容器の半分くらいまで沈み込んでいます。麺を適切に戻すためなのか、粉末スープを溶けやすくするための配慮なのか、単純に製造工程の問題か——ただ、これだけ麺が下にあったら熱湯を入れる時に溢れて火傷する危険性が下がるので、そこはメリットですね。
今回、私は日清食品グループの公式オンラインストアで購入していますが、ネット通販サイト限定商品ではありません。2019年04月22日(月)より全国のスーパーマーケットやカップ麺の新商品に強いドラッグストアなどでも販売されますし、製品スタイルがコンビニ向けのタテ型ビッグなので、4月23日(火)から全国のコンビニでも取り扱いが始まります(※搬入状況によっては一部の店舗で取り扱いがないかもしれません)。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:名店が認めた本格style 篝 鶏白湯Soba 製造者:日清食品株式会社 製造所:静岡工場(製造所固有記号 F) 内容量:96g(めん70g) 商品コード:4902105240960(JANコード) 〃 :14902105240967(ITFコード) 規格サイズ:縦109mm×横109mm×高さ119mm 発売日:2019年04月22日(月) |
麺の種類:ノンフライ麺(かんすい使用) スタイル:縦型ビッグ・大盛サイズ 容器材質:紙 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(特製鶏油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉、食塩、チキンエキス、植物油脂、大豆食物繊維)、スープ(動物油脂(豚、鶏)、チキン調味料、食塩、クリーミングパウダー、でん粉、糖類、乳化油脂)、かやく(卵、味付鶏肉、ねぎ、赤ピーマン)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、かんすい、増粘多糖類、炭酸Ca、カロチノイド色素、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、フラボノイド色素、カラメル色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【アレルゲン情報】小麦・卵・乳成分・豚肉・鶏肉・大豆(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載) |
実食開始
あらかじめ容器の中には赤ピーマン、たまご(黄)、ねぎ(緑)、味付鶏肉(白)と彩のよい4種類の具材が入っているのですが、それぞれ細切れで、粉末スープが固めてある歪な形の塊が目立っています。麺は調理前からコシが強そうな佇まいの黄色味を帯びたノンフライ麺、これまでの傾向からフライングするとヤバそうなので、熱湯5分ちゃんと待ちましょう。
また、日清食品が設定しているメーカー希望小売価格が独特で、基本的にタテ型ビッグのカップ麺は税別205円が平均、有名店監修の再現モノになってくると税別210円になることもあるのですが、今回は税別215円と微妙に高めの値段設定なんです。スーパーなどであれば税込200円以下で購入かもしれませんが、コンビニの値段倍率は税抜205円だと税込216円、210円なら225円、220円は235円が基本なので、税込230円が相場でしょうか。
別添の「特製鶏油」は熱湯を注いでから5分間、待っている間にフタの上で温めてから食べる直前に入れる後入れ仕様なので、先に入れないように気を付けましょう。5分経ったら特製鶏油を入れて、よくかき混ぜたら出来上がり。とろみ成分が粉末スープに仕込んであったので、しっかり混ぜるのも美味しく食べるポイントです(それにしても特製鶏油の香りがヤバいくらい芳ばしい‥‥)。
それでは、生めん風ノンフライ麺と鶏の旨みを凝縮したクリーミーな濃厚スープに注目しつつ、「めん」「スープ・特製鶏油」「具材」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(96g)当たり
熱 量:389kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:389kcal(めん・かやく:286kcal)(スープ:103kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
のどごしの良い生めん風ノンフライ麺。
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース >『名店が認めた本格style 篝 鶏白湯Soba』」)
製品説明に “のどごしの良い” とあるように、麺の表面は摩擦抵抗のない滑らかな質感で、縮れも見られないストレート麺が採用されています。サイズは特別に太くも細くもない中くらいで、断面は四角く鋭利な直角。表面は摩擦抵抗ゼロの滑らかさですが、麺自体は凛としていて口当たりには輪郭があります。
透明感のある見た目が美しく、しかしながら強いコシと加水率が高めの弾力が見所。ただ、熱湯5分プラスかき混ぜ1分でも部分的にムラが見られたので、7~8分前後が食べごろかもしれません。かなり麺の存在感は強めですが、特製鶏油の芳ばしい香りが麺の表面をコーティングしてくれるので、孤立するような印象は受けませんでした。
イメージとしては「日清ラ王」のノンフライ麺に近い系譜にあり、時間の経過に伴う劣化にも強くて小麦の香りは芳醇。明らかに本物の生麺よりも伸びにくく、ややゴムっぽいノンフライ麺特有の弾力が残っているため、そこまでナチュラルに生めん風ではありませんが、日清食品らしくコシの強い高品質なノンフライ麺です。
スープ・特製鶏油
鶏の旨みを凝縮したクリーミーな濃厚鶏白湯スープ。
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース >『名店が認めた本格style 篝 鶏白湯Soba』」)
まずベースのスープはシンプルな構成で、クリーミングパウダーや乳化油脂によるサポートもありますが、あくまでそれらは補佐に過ぎません。ややポークの存在も感じたので、純粋な鶏100%のスープではないものの、しっかり鶏が軸にあり、お店のカエシ(塩かえし)で意識されている昆布や椎茸などの和風だしは目立っていませんが、きちんと濃厚で旨味に奥行きがあります。
鶏骨が砕けるまで炊き出したような荒々しい濃厚鶏白湯ではなく、丁寧に灰汁(アク)を取り除きながら鶏の癖を抑え、そのまま白濁するまで旨味を丁寧に抽出しているような——容姿は「ラーメン」としての体を成しているのですが、いわゆる洋風系鶏白湯の王道を地で行くようなスープに仕上がっていて、最終的にポークが気にならなくなるほど明白に鶏。
なるほど生姜でアレンジしたら大幅に「和」の表情になりそうですし、フライドオニオンやブラックペッパーでアレンジしたら「洋」にもなりそうな、それでいてプレーンの状態でも味に不安を覚えることなく「鶏」が楽しめる、あながち “店主が唸る再現度!” というのも誇張ではありません。そして、何と言っても決め手は「特製鶏油」の存在感。
鶏の芳醇な香りをさらに引き立てる“特製鶏油”。
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース >『名店が認めた本格style 篝 鶏白湯Soba』」)
黄金色に輝く美しい鶏油は開封した瞬間から特有の芳ばしい香りが鼻腔を擽ってくるのですが、全体に混ぜ合わせても芳ばしい香りが消し飛ぶことはありません。通常、軽く醤油で香り付けが施されていたりもするのですが、今回は食塩で味を整えるのみというシンプルさ。それによって鶏油の香りが何物にも阻害されることなくダイレクトに伝わってきて、鶏の旨味がストレートに引き立てられています。
またカエシの塩梅も絶妙で、クリーミーな濃厚スープと特筆すべきレベルにある鶏油の芳ばしさ、どちらもクドいと感じさせないよう適度に後味を引き締めて、程よい余韻の波長から後引く味わいを表現。鶏油の芳ばしさを極限までダイレクトに楽しみたい場合は特製鶏油を入れる前に混ぜて “入れてからは混ぜずにオイルを浮かべたまま” 食べる、じんわり奥から上がってくる渾然一体の旨味を楽しみたい場合はよく混ぜてください。
具材
鶏肉、かきたま、赤ピーマン、ネギ。
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース >『名店が認めた本格style 篝 鶏白湯Soba』」)
お店の鶏白湯SOBAには低温調理の銘柄鶏チャーシューを筆頭にヤングコーンやズッキーニ、プチトマト、ラディッシュ、かぼちゃ、レンコン、サツマイモなどなど、ラーメンとしては珍しい旬の野菜が季節ごとにトッピングされているのですが、それっぽい具材といえば赤ピーマン(パプリカ)くらい。カップ麺の具材に特別感はなく、新開発・新規採用の素材も見当たりません。
ここまでの写真では綺麗に整えていましたが、しっかり混ぜるとビジュアル効果は消失。鶏肉は “白い謎肉” が入る前の「カップヌードル チリトマトヌードル」に入っていたダイス状の鶏肉で、噛むと凝縮された旨味が楽しめますが、日清食品の鶏系カップ麺によく入っている蒸し鶏や炭焼チキンほどの存在感はありません。ネギの食感とパプリカの甘い風味がスープに映えてはいたものの、たまごは混ぜると散り散りで、ときたま優しい口当たりを感じるくらい。
以前、日清食品は「カップヌードルライトプラス」というシリーズでズッキーニや大きな赤パプリカ、揚げ茄子、フライドオニオン、かぼちゃ、インゲン、レンコンなどの具材を積極的に採用してくれていた時期があったので、ここぞとばかりに使用してほしかったところではあるものの、スープ(特に鶏油)のインパクトを加味すれば贅沢なお願いかもしれませんね。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
具材の貧弱さは否めませんでしたが、ハイレベルなノンフライ麺に特筆すべきは特製鶏油の芳ばしさ。ひたむきに鶏と向き合ったような濃厚スープに絶妙な塩梅の塩かえし、さらに上質な鶏油の香りが重なって、真っ直ぐ濃厚な鶏白湯に仕上がっていました。で、麺を食べ終えてから残ったスープに白ご飯と粉チーズ、ちょっと多めのブラックペッパーを入れてアレンジしてみてください。
まさに “〆のチーズリゾット風” で、めちゃくちゃ美味しいですw ごはん投入はハードルが高くても、ベースが奇を衒うことなく真っ直ぐに濃厚だったので、もし途中で鶏油の芳ばしさに飽きてきたらキレのある生姜の風味や和山椒のアクセントで和テイストに味変するもよし、パンチが足りないと感じた方はシンプルにブラックペッパーで洋風テイストにアレンジするのも間違いありません。
実際に試してみて粉チーズとブラックペッパーの相性が申し分ないことは分かりましたが、とても上品なスープだったので、個人的にはポワブルロゼ(ピンクペッパー)をオススメします。ただ、かなり鶏油が芳ばしいので、アレンジなしでも満足度は高いですし、とにもかくにも鶏が高濃度な「銀座 篝」のこだわりが伝わってくる高品質なカップ麺でした。