どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年5月9日(火)新発売 / 2023年8月10日(木)再販売、セブン-イレブン限定のカップ麺「HIKAKIN PREMIUM(ヒカキンプレミアム)みそきん 濃厚味噌ラーメン」の実食レビューです。
※2024年5月25日(土)午前10時〜再販分、5月30日(木)10時〜再販分、8月30日(金)10時〜再販分の「みそきん」は、このページでレビューしている商品と同じ仕様なので、内容に変更はありません。
日本を代表するYouTuber・HIKAKINさん初のオリジナルブランド「HIKAKIN PREMIUM」第1弾はカップラーメンとカップメシを展開!!
おいしい? まずい? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
HIKAKIN PREMIUM みそきん 濃厚味噌ラーメン
HIKAKIN(ひかきん / 本名:開發 光)とは、日本最大のYouTuberマネジメント事務所・UUUM株式会社(ウーム株式会社)のファウンダーであり、同社の最高顧問でもある人気動画クリエイターで、日本におけるYoutuber(ユーチューバー)の代名詞的存在。そんな彼が自身初のブランド「HIKAKIN PREMIUM」を立ち上げ、1年もの開発期間を費やし、満を持す第1弾の発売に至りました。
今回の新商品「HIKAKIN PREMIUM みそきん 濃厚味噌ラーメン」は、HIKAKINさんの下積み時代を支え続けた “ラーメン” に対する想いと夢を具現化した一杯で、製造者は即席カップめん業界最大手の日清食品。正規販売店はセブン-イレブン店舗に限定された留型商品で、同時に「みそきん 濃厚味噌メシ」も展開し、早くも大きな話題になっています。ただ、話題の震源は嬉しいニュースばかりではありません。
ご存知の方も多いかと思いますが、発売初日に「みそきん転売」というワードがTwitterのトレンドに入ったほど、正しいファンの足元を見た転売ヤー(※)の高額出品が相次ぎ、多くの店舗で売り切れ続出。なかには転売ヤーの影響を受けなかった店舗もあったようですが、その後にトレンド入りした「みそきん食べた感想」を追っても転売の話題に辿り着く始末——。
「HIKAKIN PREMIUM」の公式サイトが発表している販売価格は、みそきん濃厚味噌ラーメン=278円(税込300.24円)、みそきん濃厚味噌メシ=299円(税込322.92円)となっているのに対し、メルカリでは2食で1,800円前後、6食で3,500円前後の高額出品が相次ぎ、なかには1食あたり299万円で出品されていた事例も報告されているのですが、一部のフタ裏にはイラストが印刷されているらしく‥‥
7,999,990円‥‥蓋だぜ!?ww とまぁ流石に800万円弱の値付けはネタだと思いますけど、ピンキリで当たりフタの出品も多く、1枚あたり300〜1,000円前後の出品にはSOLD(売り切れ)の印が付いていました。意図的に買い占めたわけではなく、たまたま買った商品の当たりフタを出品しているのであれば、他の高額出品に比べて可愛いもんですけど、異常な事態であることは間違いありません。
2023年5月11日現在、いまだにTwitter界隈では「みそきんどこ」のツイートが引っ切り無しに投稿され、フリマサイトの不当な出品も目立つなど、HIKAKINさんが望まない方面でも話題になっているのですが、なんとか正規のルートで入手に成功した筆者。このブログではカップ麺を専門的にレビューしているため、いつものスタンスで評価しますが、その前に触れておきたいのが「麺処くるり」について。
HIKAKINさんが下積み時代に兄のSEIKINさん(せいきん / 本名:開發 聖也)と足繁く通っていたラーメン店「麺処くるり」(2015年8月31日に閉店後、現「大塚屋」としてリニューアル)が東京・市ヶ谷にあり、その味を継承した「二代目 麺処 くるり」(岡山・備前三門)を自身のYouTubeチャンネルでも取り上げていたことから、それをイメージしてカップ麺の開発に取り組んだのかもしれません。
すでに大手のニュースサイトでは平均的に高く評価されているのですが、Twitterでの評判・口コミは賛否両論となっている現在。話題性の高さについては近年稀に見るインパクトを放っているため、それについては申し分ないけれど、ひとつのカップラーメンとしての完成度はどうなのか、総合力の高さに注目しながらレビューします。
※人気が出そうな商品や限定品を正規店から転売目的で買い占め、ネットオークション・フリマアプリ(ヤフオク、メルカリ等)を利用し、仕入れ値(定価)以上の高額出品で不当な利益を得ようとする個人、あるいは業者の蔑称。呼び名の由来はネットスラングで、せどり(安く仕入れた商品を適正価格で販売する行為)との区別を図り、転売厨(てんばいちゅう)とも呼ばれている。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「特製香味油」1パックのみで、食べる直前に加える後入れ仕様。先ほど “当たりフタ” について前述したように、一部のフタ裏には招き猫に扮するデフォルメされたHIKAKINさん(招き猫キン)が印刷されているため、ドキドキしながらフタを開けてみた結果‥‥
残念ながらフタ裏に招き猫キンは印刷されていなかったのですが、開封した途端に白味噌とニンニクが芳醇で、さっそく食欲を刺激してくれたMISOKINのファーストインプレッション。かやくは、もやし・メンマ・ネギの組み合わせで、肉具材は入っていませんが、もやしの量が多いのは好印象なポイントです。ただ、相場よりも高めの販売価格が玉に瑕。
というのも日清食品の「カップヌードル ビッグ」を例に挙げると、セブン-イレブン店舗での販売価格は245円(税込264.60円)で、それが2023年5月現在の縦型ビッグ製品における基準となっているのに対し、今回の「HIKAKIN PREMIUM みそきん 濃厚味噌ラーメン」の販売価格は278円(税込300.24円)と相場よりも高いことから、それも視野に入れた上で評価しなければいけません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:HIKAKIN PREMIUM みそきん 濃厚味噌ラーメン 製造者:日清食品株式会社 製造所:関西工場(滋賀県栗東市下鈎21-1) 内容量:108g(めん80g) 商品コード:4902105278406(JAN) |
発売日:2023年05月09日(月) 実食日:2023年05月11日(木) 発売地域:全国(セブン-イレブン店舗限定) 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 小売価格:278円(税別) 購入価格:300円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(特製香味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、チキンエキス、卵粉)、スープ(豚脂、粉末みそ、ポーク調味料、糖類、香辛料(にんにく、しょうが、唐辛子、胡椒、山椒)、小麦粉、でん粉、植物油脂、ごま、乳等を主要原料とする食品、食塩、オニオンパウダー、クリーミングパウダー、酵母エキス、香味油)、かやく(もやし、味付メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸Ca、かんすい、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、ビタミンB2、ビタミンB1、酸味料、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
たとえばセブンプレミアムの「すみれ 味噌キムチ味」(2022年10月31日発売品)しかり、近年の日清食品は縦型のカップラーメンにも積極的にノンフライ麺を導入しているのですが、今回は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。本格さでいえばノンフライ麺に劣るものの、フライ麺にしかない魅力もありますから、あえての選択かもしれません。
別添の小袋は後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「特製香味油」を温めながら待つこと5分。時間になったら「特製香味油」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。HIKAKINさんが絶賛している「二代目 麺処 くるり」の “みそらぁめん” は、トッピングの白髪ネギにラー油を掛けるスタイルを特徴としているため、それをイメージしての香味油でしょうか。
パッケージに辛さレベルの表示や辛味に対する警告文もないので、飛び上がるような辛さではないと思いますけど、念のため辛味の強さにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(108g)あたり |
カロリー:511kcal たん白質:11.3g 脂 質:24.2g 炭水化物:61.9g 食塩相当量:8.0g (めん・かやく:3.3g) (スープ:4.7g) ビタミンB1:0.36mg ビタミンB2:0.53mg カルシウム:151mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:511kcal(めん・かやく:392kcal)(スープ:119kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
もしかして新開発‥‥?
けっこう遠慮なく縮れが施された平打ち麺で、やや加水率は低く、例えるなら「カップヌードル カレー」の延長線上にあるような、あの油揚げ麺を太くしたような質感と形状です。つまり、みそらーめん専門的の自家製麺、あるいは某製麺所の麺を再現したというよりも、潔いまでにカップラーメンらしい仕上がりで、まったくといっていいほど高級感はありません。
しかし、よく見ると原材料名の「小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、チキンエキス、卵粉」という構成は、過去に日清食品が製造・販売していた商品には当てはまらない配合で、みそきん専用に開発した可能性が高く、後述するスープとの相性も申し分ありません。あえてカップラーメンとしての美味しさを直向きに追求した、そんな姿勢が犇々(ひしひし)と伝わってくる仕上がりです。
またコラボ系のカップラーメン(縦型ビッグ)における麺重量は、平均して70gに落ち着くことが多いのに対し、今回は80gと食べ応えもバッチリ。セブン-イレブンでの販売価格を考慮すると、もうひと踏ん張り欲しい気持ちもありますが、スープとの相性がバッチリすぎたので、結果的に納得できました。
スープ
想像していたよりもガチめに作り込まれていた件
まずは別添の「特製香味油」を入れずに味を確認してみたところ、この時点で旨みの重心が低く、しっかりと乳化させた豚骨ベースの白湯(ぱいたん)を土台に、白味噌の優しくて深いコクを調和させ、香辛料(にんにく・しょうが・唐辛子・胡椒・山椒)とゴマのアクセントを絶妙に効かせている、なんとも複雑で緻密な味わい。めちゃくちゃ真面目なんだけど、ありそうでなかったタイプ。
ぶっちゃけ2、3口目までは特に感動もなく、むしろ没個性な印象を受けたのですが、それも最初だけ。
あえて奇を衒った要素を削ぎ落とし、旨みのレイヤーを重視しながら適度にフックを効かせている、その絶妙なバランスとセンスには、ある種の嫉妬を覚えたほど。この時点で “完成している” と感じたのですが‥‥
別添の「特製香味油」を加えると、ほんのすこしクセを持たせた豚脂の風味とコクが広がって、ワンランク上の美味しさにグレードアップ。ラー油のような色合いですが、極端に辛さがアップすることはなく、それよりも中華鍋を振るったような芳ばしさの演出が印象に残りました。しょぱさは抑えつつも濃いめの味付けだったので、諸々の余裕がある方は〆用の白ごはんもマストで用意してください。
かやく
コスト配分までハイセンスか
かやくは凡庸といわざるを得ない内容ですが、シャキシャキもやしの食感とメンマの発酵感はスープと相性がよく、全体のコスト配分を想像するとバランスは悪くありません。あくまでも想像ですけどw 即席カップめん業界は1銭(100分の1円)単位でコストを調整しなければいけないので、スープのステ振りを思えば納得できました。
総評
すべてのクリエイターに該当するイメージではないけれど、YouTuberは注目されてナンボの職業みたいな印象が強かったので、派手さのある味に仕上げているのかと思いきや、なんのなんの。むしろインパクトについては皆無に等しいテイストなので、最初の1口目に「こんなもんか」と肩透かしを喰らったのも束の間、うまみの追い上げが凄まじく、気が付いたら虜になっているような中毒性の持ち主。
なかでもスープの緻密なフレームワークについては素晴らしいの一言に尽きる仕上がりで、なおかつ誰もが安心して楽しめる、まるで彼の動画コンテンツに対する真摯な姿勢が投影されているような一杯でした。非常識な転売ヤーのせいで品薄状態の地域は多いかと思いますけど、食べる機会に恵まれた方は深呼吸を挟みながら、じっくりと味わってみてください【author・taka :a(大石敬之)】