どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年7月24日(月)新発売、日清食品のカップ麺「東京新橋はるちゃんラーメン 中華そば」の実食レビューです。
ラーメンフリークの間でも物議を呼んでいる “ちゃん系ラーメン” の中でも異彩を放つ名店「はるちゃんラーメン」監修、ネオクラシックな味わいをカップラーメンで再現!!
そもそも “ちゃん系” って何‥‥? その実態に迫りつつ、実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
東京新橋はるちゃんラーメン 中華そば
はるちゃんラーメン(HARU CHAN Ramen)とは、東京都港区新橋2丁目・新橋駅前ビル1号館にある小さなラーメン屋さんで、2021年(令和3年)8月20日に開業したばかり。マニアの間では “とある複雑な事情” で注目されましたが、それは後述するとして‥‥オープンわずか1年3ヶ月で『ミシュランガイド東京2023』のビブグルマンに選出されるなど、たしかな実力の高さで人気を集めています。
今回の新商品「東京新橋はるちゃんラーメン 中華そば」は、ラーメンフリークが “ちゃん系” とカテゴライズしている店の中でも異彩を放つ「はるちゃんラーメン」監修のカップラーメンで、昔ながらの中華そばを現代風に進化させた、次世代の味わいを再現。製造者の日清食品曰く、まろやかな塩味×豚と煮干しの旨みにより、懐かしくも洗練された “ネオクラシックを感じる一杯” とのこと。
そもそも、ちゃん系(ちゃん系ラーメン)とは、2020年(令和2年)6月8日に突如として神田に現れた「ちえちゃんラーメン(中華そば ○江 もり中華)」に始まり、同年8月9日に「えっちゃんラーメン。(中華そば 東京 ○エ 新宿 もり中華)」オープン、同年10月17日に「ひろちゃんラーメン!(中華そば 東京 ○広 池袋 もり中華)」オープンと出店が相次いだことで話題になった呼び名。
いずれの店舗も赤い背景に白い文字で「中華そば ⚪︎(囲い文字)もり中華」と書かれた大きな看板を掲げ、しかしながら暖簾の上部に小さく書かれた「〜ちゃんラーメン」のほうを正式な屋号とし、2020年の後半から首都圏を中心に店舗が急増。それらの多くが “すごい煮干” や “豚王” で知られる「ラーメン凪」の跡地に出店されるなど、いくつかの興味深い共通点が存在するのですが‥‥
日清食品のカップ麺を監修することになった「はるちゃんラーメン」は、女性でも入りやすいオシャレでシンプルな外観に、箸とオカッパの女の子で「はるちゃんラーメン」の頭文字(は)を表現した、ユルいタッチのイラストをイメージキャラクターに据え、そこで提供される「中華そば」もオリジナリティが強いことで知られるなど、前述した “ちゃん系” に抱かれるイメージとは一線を画しています。
しかし、そんな「はるちゃんラーメン」を切り盛りしている店主の野口晴子(のぐち はるこさん)は、日本テレビ系列「情報ライブ ミヤネ屋」2010年(平成22年)10月15日(13:55〜15:50)放送分にて紹介された「特級中華そば 凪 西新宿店」の店主として取材を受けており、なおかつ「はるちゃんラーメン」オープン前の情報によると、工事中の名称は「ちえちゃんラーメン」だったとか——。
そもそも “ちゃん系” の草分けとなった「神田ちえちゃんラーメン」の所在地(東京都千代田区鍛冶町2丁目13−7)は、2020年2月2日にオープン(同年4月に閉店)した『ラーメン凪 BUTAO 神田店」の住所と完全に一致するなど、もはや言い逃れできないほど「ちゃん系」と「凪」は密接に関わっているのですが、それを指摘すると公式に否定されるため、それが “とある複雑な事情” と前述した理由です。
ちなみにカップ麺のモデルになった「はるちゃんラーメン」の「中華そば」は “昔ながらの味わいを現代風のラーメンに再構築したスタイル” を特徴としているため、ラーメン業界でいうところのNEOノス系(ネオノスタルジック系)にも該当する一杯。その懐かしくも洗練された雰囲気が熱湯を注ぐだけでも楽しめるのかどうか、日清食品の手腕が問われるところ。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、食べる直前に加える「豚と煮干しの香味油」1パックのみで、ここにも独特のタッチが印象的なイメージキャラクターを印刷しているのですが、しれっと “※煮干し香料使用” の文字が気になるポイント。はたして煮干し要素は香料だけで表現しているのか、それとも本物の煮干しエキス+香料で個性をブーストしているのか。
かやくは味付豚ミンチ、メンマ、花形カマボコ、ネギの組み合わせで、なかでも花形カマボコが目を引くアイテム。ただ、お店の「中華そば」にトッピングされている麩は入っていないこと。それに味付豚ミンチは「カップヌードル」でも定番の謎肉(なぞにく)と思しき肉具材なので、だとすれば特有のジャンクさが裏目に出ないかどうか、というのも注目したい点。
メーカー希望小売価格は278円(税別)なので、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は300.24円になりますが、スーパーやドラッグストアなど、コンビニ以外の店舗も販売店の対象に入っています。ただ、2023年7月現在、いわゆる縦型ビッグのメーカー希望小売価格における事実上の標準は271円(税別)となっているため、それを思うと少し高めの設定といわざるを得ません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:東京新橋はるちゃんラーメン 中華そば 製造者:日清食品株式会社 製造所:静岡工場(静岡県焼津市相川17-2) 内容量:94g(めん70g) 商品コード:4902105281192(JAN) |
発売日:2023年07月24日(月) 実食日:2023年07月26日(水) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 小売価格:278円(税別) 購入価格:300.24円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(豚と煮干しの香味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維、植物油脂、チキン調味料)、スープ(豚脂、食塩、でん粉、植物油脂、糖類、魚介調味料、たん白加水分解物、ポーク調味料、酵母エキス、粉末しょうゆ、にぼし粉末、チキン調味料、香味油)、かやく(味付豚ミンチ、ねぎ、味付メンマ、魚肉練り製品)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、香料、炭酸Ca、乳化剤、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、ベニコウジ色素、くん液、チャ抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、シリコーン、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、湯戻し時間は長めの5分。たとえば大豆食物繊維を使っていたり、チキン調味料でスープとの一体感を高めようとしていたり、いかにも日清食品らしい原材料の配合となっているのですが、同社のニュースリリースには “つるみのあるもっちりとした麺は、まるでお店で食べるような食感が楽しめます。” と記載されているため、もしかしたら新開発かも?
別添の小袋は後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「豚と煮干しの香味油」を温めながら待つこと5分。っていうか小袋の名称でも “わざわざ「豚」と「煮干し」を強調している” あたり、これも「凪」の匂わせなんじゃ‥‥などと、考えすぎですかねw
それはさておき別添「豚と煮干しの香味油」を加えた途端、文字通り豚と煮干しの複雑な香りが重なって、グッと食欲を引き出してくれた調理直後。はたして、その期待を裏切ることのない仕上がりなのか、引き続きネオクラシックな雰囲気にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(94g)あたり |
カロリー:356kcal たん白質:8.5g 脂 質:9.1g 炭水化物:59.9g 食塩相当量:7.3g (めん・かやく:2.3g) (スープ:5.0g) ビタミンB1:0.24mg ビタミンB2:0.34mg カルシウム:168mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:356kcal(めん・かやく:281kcal)(スープ:75kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
強靭もっちり多加水麺
なんやかんや撮影していたら “いい感じに伸びちゃった” のでw 最初の実食では気にならなかったのですが、きちんと時間通りに(2食目を撮影なしで)食べ始めると、ほぐれにくいなぁ‥‥というのがファーストインプレッション。その原因となっている箇所は戻りムラになりやすいため、どうしても不自然に硬い部分が生じてしまいます。
ただ、うっかり油断してたら歯が欠けそうになるほど致命的な戻りムラではなく、それだけに食べ始めは強靭な歯応えが楽しめるので、これはこれと割り切れば悪くありません。つまり、裏を返せばノンフライめん特有のクセを伴う、生麺らしからぬベクトルを歩んではいるものの、揚げ油に由来するニオイは皆無。そして程よい小麦感も功を奏し、スープのニュアンスを崩すことがなかったのも大きな利点。
加水率は高めの設定で、表面がツルツルと滑らかなこともあり、ややスープを弾く傾向が無きにしも非ずではあるものの、後述するスープとの相性は悪くなかったです。ただ、熱湯5分しっかり待ってから「豚と煮干しの香味油」を混ぜ合わせ “再びフタをしてから4、5分後がベストかも” と感じたので、時間に余裕がある方は、ちょっと長めに待ってみてください。
スープ
想像以上に濃かった件
まずは「豚と煮干しの香味油」を入れる前に味を確認してみたところ、動物系は豚の旨みを中心に、そっと鶏が脇を固めているような構成で、想像以上に厚みのあるテイストだったのですが、それ以上に強く訴えかけてくるのは煮干しのシャープな旨み。動物系は膨よかで、魚介は鋭く、バシッと塩のキレも強い、けっこうストロングな世界観。
粉末しょうゆを使用していますが、しょうゆベースのスープほど明確な存在ではなく、かといって塩味と断言できるほど塩に寄っているわけでもない、その中間に位置するようなバランスで、ちょっと単体で飲むにはショッパめかな——などと思いつつ、この力強さが存在感の強いノンフライ麺に対し “後述するスープとの相性は悪くなかった” なと、素直に感じられた要因。
続けて「豚と煮干しの香味油」を加えると、文字通り「豚」と「煮干し」の個性が強くなるのですが、豚については特段にクセのあるタイプではありません。ほんの少量、容器の内側や箸に付着したアブラが真冬でもないのに白く凝固するので、なんか怪しいなとは思いましたけどw いわゆる二郎インスパイア商品の別添ほどクセのあるニオイではなかったです。ただ、印象的だったのが苦味の種類。
煮干し香料による匂いのブースト効果も然る事乍ら、なんというか例えるならカテキンっぽい、緑茶の渋みや苦みに似た感覚が後味に残ったので、なんだこれはと。それが極端に違和感だったとか、邪魔だったとか、そういうわけじゃないんですけど、厚みのある動物系と魚介の旨みが攻め込んできたと思ったら、余韻に程よく和のマスキングを残していく、そこには新しい感覚を覚えました。
かやく
ごちゃごちゃしているようで悪くない
「はるちゃんラーメン」の「中華そば」にトッピングされているチャーシューは、ちゃん系の例に漏れず “切り立てのチャーシュー” なのに対し、カップラーメンでは例の “謎肉” と呼ばれている肉具材を使用しているため、本格さは皆無です。ただ、大・小と2つのサイズがある謎肉のうち、今回は大きなタイプばかりを選別しているので、謎肉好きにとっては朗報の展開。
それがスープとチグハグなら問題ですけど、なぜか不思議と馴染んでいたし、やや力強いスープとメンマの相性も良好で、ネギが熱風乾燥(エアドライ)よりも自然な食感と甘味が楽しめる凍結乾燥(フリーズドライ)だったのも嬉しいポイント。お麩の代用に突っ込まれた花形カマボコも見た目に心地好く、全体的に量も多めで好印象でした。
総評
はたして「はるちゃんラーメン」の味を忠実に再現しているのかと聞かれたら、随分とデフォルメされている部分はあると答えます。ただ、雑味のないノンフライちぢれ平打ち麺に、それを支える分厚いスープ、でもって意外と多めに入っていた具材など、ひとつのカップラーメンとしての総合力は低くありません。
食べ始めに麺の戻りムラが気になったので、気になる方は少し長めにケアするなど、ちょっと工夫が必要な部分もありますが、このクオリティならコンビニで買っても損はないでしょう。ちなみにコンビニではセブンイレブンで多く見掛けたんですけど、数量限定のスポット商品なので、気になっている方は早めに最寄りの販売店をチェックしておいてください【author・taka :a(大石敬之)】