どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年9月30日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「ハリガネ ねぎだく豚骨」の実食レビューです。
よりストレート化を進めたナチュラルウェーブの「新かため極細麺」に進化!?「ハリガネ」シリーズ第22弾の新作登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ハリガネ ねぎだく豚骨
マルちゃんの「ハリガネ」とは、本場の博多とんこつラーメンをモデルに開発された “湯戻し1分” の極細かた麺が主役のシリーズで、しかしながら本格さ皆無のスナック的な味わいが特徴。お店のラーメンとは真逆の方向性にあり、もはや開き直ったかのようにインスタント感を強く押し出しているのですが、そのカップラーメンらしさが魅力的なブランドです。
発売当初から湯戻し「1分」の「極細麺」を採用し、いつもパッケージのイメージ写真では縮れのないストレート麺をリフトしているのですが、実際のところフタを開けてみたらゴリゴリの縮れ麺という‥w そんなギャップも許せてしまうのが「ハリガネ」の強みでもあるんですけど、今回の「ねぎだく豚骨」では “大きく麺を改良” したのだとか——
「ハリガネ」シリーズが初めて発売されたのは、2019年10月現在から遡ること8年以上も前の2011年5月9日。第1弾の商品名は「マルちゃん ハリガネ 極細メンかた とんこつ味」で、当時 “今までになかった極細麺” として業界初のハリガネ食感を実現。明星食品がノンフライ麺の「バリカタ」(現「極のチャルメラ」)を展開していますが、ある意味それとは真反対の位置に立っているブランドです。
「ハリガネ」とは、豚骨ラーメンの専門店で麺の硬さをオーダーする際のラーメン用語で、茹で時間の標準を「45〜70秒」とした場合、硬い順から「湯気通し」(0〜3秒)、「粉落とし」(3~7秒)、「ハリガネ」(7〜15秒)、「バリカタ」(15〜20秒)、「カタ」(20〜45秒)とされているのですが、一般的なのは「バリカタ」まで。
(初代ハリガネ「極細メンかた とんこつ味」)
中には “茹で時間0秒” の「生麺」を提供している実店舗も存在するらしいのですが、その状態では澱粉(でんぷん)質はアルファ化(糊化)していない、つまり生の小麦をそのまま食べている状態に他ならないため、高確率でお腹を壊します。と、それはさておき “マルちゃんのハリガネ” に話を戻しましょう。
2018年12月以降、東洋水産の縦型ビッグ製品に使用されている油揚げ麺は驚くほど急激にレベルアップしていて、それこそノンフライ麺の「マルちゃん正麺カップ」が誕生した日と同じくらい感動したのですが、今回の「ハリガネ ねぎだく豚骨」から “よりストレート化を進めた” ナチュラルウェーブの「新かため極細麺」に改良したとのこと。
以前から「ハリガネ」はインスタント感の強いブランドと書きましたが、忘れもしない2017年——11月13日に発売されたシリーズ第20弾「ハリガネ スパイシー豚骨」から、それまで丸刃だった麺を角刃の麺に変更。私の周りでは気にならないという声が多かったんですけど、明らかに改悪だったので、評価は★1(気持ち的には★0)と判定したのを覚えています。
(2017年11月発売「スパイシー豚骨」調理後)
その麺は2018年8月27日に発売されたハリガネシリーズ第21弾「ピリ辛高菜とんこつ」にも引き継がれ、やはり印象の悪さから★2(イマイチ)と評価していたのですが、前述したように飛ぶ鳥も落つ勢いで進化を続けている東洋水産の縦型カップ麺。シリーズ第22弾となる今回のテーマは「ねぎだく豚骨」ということで、麺の改良もさることながら、ねぎの量とスープの豚骨感にも注目です。
開封
別添の小袋は後入れの「特製油」が1袋、熱湯を入れる前にフタから取り外します。以前、同社の「本気盛」(2009年11月)と「やみつき屋」(2007年11月)から “ねぎだく豚骨” というタイトルの新商品が発売されたこともあるのですが、「ハリガネ」シリーズで正式に “ねぎだく豚骨” を冠した商品は記憶にありません。
ただ、同じようなコンセプトで「ハリガネ ネギトン」というネギ盛り系の新商品を2017年8月21日に発売しており、その頃まだ麺も改悪前の丸刃でカットされたもので、今回の「ねぎたく豚骨」と同じように別添の特製油付き。その「ネギトン」は超高評価の★6を叩き出しているため、ますます期待が高まる実食前の現在——
さすが “ねぎだく” というだけあって大量のネギが入っていたのですが、「ネギトン」に入っていた乾燥紅生姜はカット。販売店は量販店や一般小売店、コンビニなど、販路を問わない全チャネル販売で、コンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)の中では「ローソン」と「ミニストップ」で比較的よく見かけました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん はりがね ねぎだく豚骨 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場 内容量:95g(めん70g) 商品コード:4901990364249(JANコード) 商品サイズ:縦108mm×横108mm×高さ108mm 発売日:2019年09月30日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ミドル 容器材質:紙+プラ 湯量目安:370ml 調理時間:熱湯1分 小袋構成:1袋(特製油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、卵白)、添付調味料(ポークエキス、植物油、ラード、食塩、砂糖、香辛料、香味油脂、ごま、でん粉、たん白加水分解物、発酵調味料)、かやく(味付鶏挽肉、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、炭酸カルシウム、かんすい、増粘多糖類、カラメル色素、pH調整剤、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
さて、調理前の麺は——安定して縮れてますねw ただ、麺の表面には独特の艶が光沢を放っているのが特徴的なポイントで、これはマルちゃんの新世代系フライ麺に共通する項目。最近また「ナチュラルウェーブ」という言葉の使用を再開した東洋水産ですが、ここ最近に発売された太麺を引き合いに出すと、数年前のナチュラルウェーブ製法とは次元が違いました。
あとは熱湯を注いでからフタをして1分間、別添の特製油について特に指示はありませんが、原材料名に動物油脂(ラード)の表記があるので、たとえ1分でもフタの上で温めたほうがいいでしょう。ちなみに熱湯を注ぐ前から東洋水産らしいスナック的な、それでいて純度の高い獣臭と芳ばしい香りが漂ってきます。これヤバいかも。
などと期待値を煽られつつ、調理後の見た目もネギたっぷりで好印象なんですけど、引き続き “麺は角刃のまま” というのが気掛かりなポイント‥‥それでは、新かため極細麺になった油揚げ麺の仕上がりはどうかに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(96g)当たり
カロリー:465kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:465kcal(めん・かやく:362kcal)(スープ:103kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
東洋水産のニュースリリースには “よりストレート化を進めた” と書いてあるのですが、ぜんぜん今回もナチュラルに縮れております。それも太さと加水率をアップさせたら味噌ラーメンにも使えそうなゴリゴリの縮れ麺なので、ある意味これもインスタントらしい魅力があるものの、2年以上前に使用していた丸麺のほうが無難。
なぜか写真では縮れが控えめに見えますけど、なんのこれしき1cm間隔でバッキバキに縮れています。1分でフタを全部剥がし、軽く混ぜる、特製油を入れる、よく混ぜる——で、だいたい1分30秒。そのタイミングで食べ始めると部分的に乾燥状態で、それが馴染んでくるのはプラス1分後。中心部に独特のクニッとした弾力を残しますが、以前の麺と比較して特別な進化は感じません。
あえていえば麺の耐久力がアップしたような気がしないでもありませんが、すくなくとも「ハリガネ」というブランドがイメージしている博多とんこつラーメンの印象からは程遠く、中盤以降は “ふつうのカップラーメン” で、これといった特色も見られない改悪後の状態をステイ。パッケージでも強く「新かため極細麺」をアピールしていますが、大幅なアップデートではありませんでした。
スープ
調理前の粉末スープは香りからして期待値を煽ってくる頼もしい雰囲気で、どんな荒々しい豚骨スープが待ち構えているのかと思いきや、けっこう口当たりはライトです。ただ、とんこつ風の薄っぺらいスープではありません。乳化具合こそ控えめですが、ちゃんと芯に “骨っぽさ” を感じる筋の通った豚骨感。
豚骨臭は控えめでも体感的な塩気は強く、なかなかエッジの効いた味わい。原材料はポークエキスを筆頭に植物油、ラード、食塩、砂糖、香辛料、香味油脂、ごま、でん粉、たん白加水分解物、発酵調味料となっていて、チキンエキスや鶏脂など、豚以外の動物系や魚介系の素材は使用していません。
別添の特製油は植物性の油脂でラードを割ったようなオイルなので、100%ラードではないのですが、粉末スープでは出せないコクをプラスしてくれます。よく言えば王道、悪く言えば没個性なスープではあるものの、結果的なイメージは悪くありません。ただ、後半にかけて油揚げ麺臭がスープに滲み出てくるので、それがちょっと野暮ったく感じました。
具材
具材は味付鶏ひき肉、ねぎ、いりごまで、なるほど “ねぎだく” のタイトルに嘘偽りはありません。あくまでカップラーメンとしてのネギオオメではあるものの、博多万能ネギ風の小ねぎは豚骨ラーメンにピッタリ。ネギには動物系の香りを抑える効果もあるので、豚骨をライトに感じさせる要因にもなっているのですが、いい意味で乾燥ネギらしい軽さがプラスに働いて程よいバランス。
味付鶏ひき肉は援護射撃的な存在ですが、何気に量が多いので、意識しなくても口の中に飛び込んできて自己主張。それに胡麻の量も多く、煎り胡麻特有のプチッとした歯触りと芳ばしい風味にパンチを感じました。実店舗ではスープの具合によりますけど、マルちゃんの縦型とんこつラーメンに胡麻は必須ですね。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3)
過去の「ハリガネ」に固執するな! と言われたら返す言葉もないのですが、たしかに麺は芯の残る硬めの食感ではあるものの、博多とんこつラーメンらしさは皆無に等しく、「新かため極細麺」をアピールしていた今回も改悪後から大幅な変更なし。価値観は人それぞれなので、もちろん現行の角麺が好きな方の意見も尊重しますけど、やっぱりコレジャナイ感は否めません。
そこそこスープは美味しかったですし、ネギたっぷりも好印象なんですけど、いい加減この麺なんとかならないですかね‥‥というのが正直な感想です。そこに固執しなければ見方も変わってくるのだと思いますが、ハリガネというタイトルどおり “麺が主役” のブランドなので、引き続き改善に期待しています。