どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年11月21日(月)新発売、エースコックのカップ麺「全国ラーメン店マップ 博多編 博多元気一杯!!監修 博多クリーミー豚骨ラーメン(三代目)」の実食レビューです。
伝説のコピペ『高菜、食べてしまったんですか!!!!????』で話題になった強制退場のラーメン屋「博多元気一杯」監修のカップラーメン第3弾は満を持すノンフライ麺で初のPREMIUM版に進化!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
博多元気一杯!!監修 博多クリーミー豚骨ラーメン 2022
博多元気一杯!!(はかたげんきいっぱい)とは、1999年(平成11年)7月14日の創業以来、福岡県福岡市博多区下呉服町で人気を博す博多とんこつラーメン専門店で、看板や暖簾などの目印はなく、店先に「青いバケツ」があれば(正確にはシャッターが完全に上がっていれば)営業中の合図という変わった店。しかし、たしかな実力の高さから、その味わいを求める客足が途絶えたことはありません。
今回の新商品「全国ラーメン店マップ 博多編 博多元気一杯!!監修 博多クリーミー豚骨ラーメン」は、看板の無い人気店「博多元気一杯!!」の味わいを再現したカップラーメンで、製造者は大阪府吹田市に本社を置くエースコック。以前に “規則を破った客に強制退場と出禁を言い渡す店” と語り草になったこともありますが、すでにカップ麺の監修も3度目ということで、数年前とは印象が異なります。
「博多元気一杯!!」監修のカップ麺が初めて発売されたのは、ちょうど4年前の同時期に当たる2019年11月25日。商品名は今回と同じ「全国ラーメン店マップ 博多編 博多元気一杯!!監修 博多クリーミー豚骨ラーメン」となっていましたが、縦型ビッグの紙容器に身を包み、油で揚げたフライ麺を搭載していました。
その後、2021年1月18日に二代目「全国ラーメン店マップ 博多編 博多元気一杯!!監修 博多クリーミー豚骨ラーメン」を発売しており、同じ商品名や製品スタイルも変わっておらず、しかしながら麺とスープのバランスを見直すなど、公式がブラッシュアップを謳っていたのですが、このブログでは初代と比較して星ひとつ落とす結果に——。
昨年のレビューでは締め括りに “引き続き今後もカップ麺を監修してくれるのであれば、ノンフライ麺を使用した大判どんぶり型の開発はもちろん、お店では復活の兆しが見えない「激辛高菜」を別添する、もしくはカレー味替玉をイメージした「味変用のカレーソース」を別添するなど、違ったアプローチにも期待したい” などと綴りつつ、正直そこまで新しい展開には期待していませんでした。
しかし、もちろん私の意見が反映されたわけではないと思いますけど、三代目に該当する2022年11月発売品では満を持すノンフライ麺を搭載&大判どんぶり型の容器を採用ということで、大きく製品スタイルを変えてきた「博多元気一杯!!」監修のカップ麺。とはいえ同じような変遷で失敗した事例も見てきたので、まだ手放しに評価できない部分が無きにしも非ず。
エースコックのニュースリリースを見ると、めんの特徴について “しなやかな弾力とコシを併せもった丸刃のめんです。滑らかで臨場感あふれるめんに仕上げました” との訴求があり、湯戻し時間は熱湯4分と若干ながら長めの設定。初代と二代目に使われていた油揚げ麺も悪くなかったのですが、大幅な進化に期待したいポイント。
そして、スープについては “豚骨の旨みを凝縮した濃厚ながら臭みのない味わい深い” との訴求が見られたのですが、前回発売品(二代目)のスープは初代と比較して旨みが弱く、それが総評の足を引っ張る要因になりました。というわけで、大幅に仕様を変更した三代目は吉と出るか凶と出るか、従来品との違いに注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「粉末スープ」と「液体スープ」の計3種。縦型ビッグのときに別添されていた小袋は、最初から容器の中に入っている状態だったので、もれなく小袋が粉末スープまみれになっていたのですが、その心配はありません。ただ、粉末スープと液体スープは “必ず後入れするように” 注意してください。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、博多とんこつラーメンに使われる麺といえば白っぽい極細ストレート低加水麺が主流となっているのに対し、それと比較して真逆に位置しているような黄色みの強さと縮れが目立っています。というのも実店舗で使われている麺も黄色っぽいため、色みについては再現度の高さに寄与している部分。
メーカー希望小売価格は270円(税別)となっているため、このシリーズでは過去最高値に設定されているのですが、それだけに本格的な味わいに期待できる展開。販売店はスーパーやドラッグストアなど、全国的に取り扱われているのですが、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は291円が相場になるため、それも意識しながらレビューします。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:全国ラーメン店マップ 博多編 博多元気一杯!!監修 博多クリーミー豚骨ラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816-175) 内容量:99g(めん65g) 商品コード:4901071211905(JAN) |
発売日:2022年11月21日(月) 実食日:2022年11月24日(木) 発売地域:全国 小売価格:270円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、たん白加水分解物、大豆食物繊維、卵白粉)、スープ(ポークエキス、植物油脂、乳化油脂、食塩、豚脂、ポーク調味料、しょうゆ、チキンエキス、たん白加水分解物、ポークコラーゲン、酵母エキス)、かやく(焼豚、キクラゲ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(増粘多糖類、加工でん粉)、酒精、重曹、炭酸Ca、乳化剤、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、香辛料抽出物、カラメル色素、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、初代と二代目には大豆加工品(フェイクミート)を筆頭に、熱風乾燥のネギとキクラゲを搭載していましたが、大豆加工品は丸い焼豚に変わり、ネギも熱風乾燥ではなく凍結乾燥(フリーズドライ)タイプに進化しています。ただ、値段を踏まえると豪華なラインナップとはいえないため、麺とスープに重点を置いたことが伝わってくるフレームワーク。
「液体スープ」と「粉末スープ」は両方とも後入れなので、内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」の小袋を温めながら待つこと4分。時間になったら “ノンフライ麺を箸でほぐし「粉末スープ」を加えて完全に溶かしてから「液体スープ」を加え、再度よく混ぜる” 調理手順も重要なポイント。なかでも粉末スープに強めのトロミ成分が含まれていたので、とにかく混ぜる、徹底的に混ぜる。
またスープ類を熱湯よりも先に入れてしまった場合、麺の戻りに悪影響が出るため、くれぐれも注意してください。それでは、引き続き従来品との違いに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(99g)あたり |
カロリー:341kcal たん白質:9.6g 脂 質:8.7g 炭水化物:56.0g 食塩相当量:7.1g (めん・かやく:2.4g) (スープ:4.7g) カルシウム:313mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:341kcal(めん・かやく:232kcal)(スープ:109kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
エースコックの強みが遺憾無く発揮されている
従来の縦型ビッグには、加水率が低めの油揚げ麺を合わせていたのに対し、満を持して搭載されたノンフライ麺の加水率は高く、しっとりとした口当たりと光沢のある見た目も印象的。一般的にイメージされるであろう博多とんこつラーメンの麺とは大きく異なる質感になりますが、実店舗の麺も加水率高めとの評判ですし、調理後は縮れも気になりません。
熱湯4分きちんと守ってから粉末スープを入れて完全に溶かし、液体スープを入れて再度かき混ぜて‥‥などと作っている間に1、2分は経過すると思いますが、極端に伸びることはありません。むしろ加水率が高めのノンフライ麺に有り勝ちなゴムっぽさが和らいで、アシのある質感を残しながら、適度な歯切れも楽しめるメリットのほうが上回ります。
ほぼ縮れのない形状かつ表面の摩擦も少ないのですが、後述するスープがポタージュみたいに “ぽってり” しているため、細めのサイズが功を奏し、スープとの一体感も申し分ありません。また保温性に優れた高粘度スープの中にありながら、最後までネガティブに伸びる気配を見せず、むしろ麺の主張が弱くなってくる後半のほうが美味しかったので、その変化も印象に残りました。
スープ
白い。クリーミー。
まずは「粉末スープ」単体の味を確認してみたところ、やや人工的な旨みが中心に存在していたのですが、その中にある骨っぽさも印象的。とはいえ一般的にネガティブとされるような癖はなく、イメージとしては出汁(だし)っぽいというか、そっち系の旨みが主体。そしてトロミ成分が強烈で、手早く混ぜてもダマになるレベルなのですが、ここで混ぜる作業を怠ってはいけません。
続けて「液体スープ」を加えると、色味は白さに磨きが掛かり、グッと旨みも深くなるのですが、引き続き獣臭などは気になりません。ぽってりとクリーミーな味わいに、とんこつの出汁感が重なる様は、まさに「博多元気一杯!!」のスープに通じる特徴で、かなりデフォルメされてはいるものの、ここまでクリーミーさに振り切ったスープは即席カップめん業界でも珍しいタイプ。
カエシに醤油を使用していますが、あくまでもスープに寄り添うように、とにかく乳化感を徹底的に追求した仕上がりに強い個性を感じました。もちろん本物に匹敵する味とはいえないけれど、お湯を注ぐだけで食べられるカップラーメンとしては、けっこうイイ線いってるんじゃないかと思います。
かやく
細切りのキクラゲがハイライト
ちょこんと入っている焼豚は、エースコックの縦型カップ麺で頻繁に見かける肉具材で、けっこう濃いめの味付けから、実際に食べてみるとサイズ以上の存在感。ネギは主張が弱く、香りは強いフリーズドライ資材を合わせることで、スープのクリーミーな部分を邪魔しないように‥‥との配慮が伝わってきます。
反対にキクラゲはコリコリとした歯応えが強く、ぽってりしたスープの中で強烈な自己主張を放っていたのですが、それも箸休めに効果的。ここだけ見ると値段に見合った内容とはいえないけれど、実際のトッピングも基本はチャーシュー、キクラゲ、ネギとシンプルなので、あながち的外れなラインナップではありません。
総評
これまでの縦型ビッグと比較して、もはや別物といっても過言ではない仕上がりだったのですが、しっとりとした細めの多加水麺はクオリティが高く、とことんクリーミーさを追求したスープも印象的。かなりデフォルメされてはいるものの、それだけに「博多元気一杯!!」が伝えたい部分が分かりやすく強調されているような、いいデフォルメだったと思います。
これまではハードルの高さばかり目立って取り沙汰されることが多かった「博多元気一杯!!」ですが、現在の店舗は雰囲気がよく、もちろん撮影OK。引き続き店内での通話は禁止されていますけど、それも他の飲食店で当たり前とされるルールに過ぎません。カップ麺もフタ裏にあるイラストよろしく優しい雰囲気に包まれていたので、クリーミーさ全振りの豚骨スープが気になる方は、積極的に試してみてください【author・taka :a(大石敬之)】