どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2021年3月16日(火)新発売、ローソン名店シリーズのカップ麺「博多一双 泡系濃厚豚骨ラーメン」の実食レビューです。
福岡で長蛇の列をつくる人気店「博多一双 博多駅東本店」の “泡系とんこつラーメン” をコンビニ限定のカップラーメンで再現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
博多一双 泡系濃厚豚骨ラーメン
博多一双(はかたいっそう)とは、株式会社EVORISEが運営する博多とんこつラーメン専門店で、創業は2012年(平成24年)11月27日。同店が誇る濃厚な豚骨スープの上に脂泡を浮かべた「ラーメン」は、まろやかな口当たりと独特の見た目から “豚骨カプチーノ” と呼ばれ、いちど食べたら忘れられない、これからの博多を担う豚骨ラーメンとして期待を集めています。
株式会社EVORISEの代表取締役を務める山田晶仁(やまだ まさとし)氏は、2004年(平成16年)3月12日に福岡市中央区大名で創業した元祖泡系「博多一幸舎(はかたいっこうしゃ)」の出身で、4歳下の弟・山田章仁(やまだ あきひと)氏と筑紫通りの一本裏手に「博多一双」をオープン。現在は「博多駅東本店」をはじめ、福岡県福岡市に「中洲店」と「祇園店」を展開し、全国的な知名度を誇る有名店に成長しました。
今回のカップ麺「博多一双 泡系濃厚豚骨ラーメン」は、サッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品株式会社と博多一双(株式会社EVORISE)の共同開発商品で、2020年3月10日(火)にも発売されたカップラーメンの続編。商品名は変わっていませんが、パッケージのデザインを刷新し、カロリーなどの栄養成分表示も増減しているため、まったくテコ入れなしの再販ではありません。
カップ麺のモデルになった「博多一双」のラーメンは、密度の高さと後味のいい濃厚な豚骨スープを理想とし、主原料の豚骨は国産子豚の骨だけを使用。その頭骨、背骨、げんこつ(特に旨みが強いとされる脛骨・大腿骨)を丁寧に下処理した後、3つの寸胴と高い火力を使い、骨が砕けるまで長時間炊き上げ、最大限に旨みを引き出した結果、骨の髄から生まれるのが “豚骨カプチーノ” の所以とされる小さな気泡。
スープの製法も独特で、1953年(昭和28年)に創業した福岡県久留米市の名門「大砲ラーメン」の創業者・香月昇(かつき のぼる)氏が確立し、その実子である二代目・香月均史(ひとし)氏が名付けた久留米の伝統技法「呼び戻し」を採用しているのですが、それとは対をなす博多の豚骨スープで一般的な「切り取り」という技法も取り入れているのが特徴的なポイント。
「呼び戻し」とは、創業当時のスープを絶やすことなく炊き続け、常に若いスープを継ぎ足しながら味に深みを出す技法のこと。対する「切り取り」とは、仕込んだスープを当日に使い切る技法を指し、その相反するスープの取り方を両立させたのが「博多一双」独自のスタイル。前述した “3つの寸胴” が重要で、それらを駆使しながら「呼び戻し」と「切り取り」を繰り返し、濃厚で複雑な豚骨本来の旨みと洗練された味わいを実現します。
そんな「博多一双」のカップ麺が初めて発売されたのは、2021年3月現在から遡ること約4年ほど前の2017年5月30日。その当初からサンヨー食品との共同開発商品で、コンビニの中でもローソンにしか売ってない販路限定のPB(プライベートブランド)商品として展開。まずは九州地区のローソンで先行販売後、同年6月6日から全国のローソンに販路を拡大し、今回のタイアップに至るパイプを確立しました。
これまでにリリースされた「博多一双」監修のカップ麺は、2017年5月(6月)発売の初代「博多一双 濃厚豚骨ラーメン」を皮切りに、2018年6月5日「博多一双 豚骨カプチーノ」を市場に投下。2019年はリリースがなく、2020年3月10日に「博多一双 泡系濃厚豚骨ラーメン」を発売しているため、このページでレビューするカップラーメンは “4代目” のコラボ商品に該当します。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「仕上げの小袋」が1袋。これについては2020年3月10日発売品(以下「前回」)から変わっておらず、小袋のデザインも完全に一致。また前述のように商品名も変わっていませんが、よく見るとフタの上に表示している「必要なお湯の目安量」が “410mlから420mlに増えている” 微妙な調整が気になるところ。
具材はチップ状の味付豚肉を筆頭に、キクラゲ、ネギと前回から変わった様子は見られず、粉末スープが多いのも共通のポイント。反して豚骨(粉末スープ)の香りが強く主張してくることはなく、それよりも油揚げ麺や乾燥ネギ特有の香りが目立っているため、本格感よりもインスタント感のほうが色濃い開封直後。
ローソン標準価格は211円(税込228円)ということで、値段については前回から値上げも値下げもなく、有名店が監修したローソン限定のカップラーメン「ローソン名店シリーズ」の縦型ビッグ製品における標準的な値段。2021年3月現在、縦型ビッグのNB(ナショナルブランド)商品をコンビニで購入した場合の税込価格は232円が相場なので、わずかに安く手に入ります。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:博多一双 泡系濃厚豚骨ラーメン 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 本社工場 内容量:97g(めん70g) 商品コード:4901734042266(JAN) |
発売日:2021年03月16日(火) 実食日:2021年03月20日(土) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:228円(税込) ローソン標準価格:211円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯2分 小袋構成:1袋(仕上げの小袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、植物性たん白、粉末卵)、スープ(ポークエキス、食塩、デキストリン、ポークパウダー、植物油脂、油脂加工品、糖類、豚脂、おからパウダー、調味油脂、たん白加水分解物、酵母エキス、野菜エキス、香辛料、しょうゆ、香味油)、かやく(味付豚肉、キクラゲ、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、かんすい、増粘多糖類、カラメル色素、乳化剤、微粒二酸化ケイ素、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
必要なお湯の目安量は多くなったと前述しましたが、前回と同じく麺は熱湯2分の油揚げ麺で、けっこう細身。実店舗の麺は平打ちなのに対し、前回と同じく丸断面の油揚げ麺なので、形状の再現度が高いとはいえません。しかし、前回の油揚げ麺は想像していたよりもクオリティが高く、10段階基準で「めん★6.5」の高評価を叩き出しました。
さて、あとは熱湯を注いで2分後に別添「仕上げの小袋」を加えたら、よく混ぜ合わせて出来上がり。油揚げ麺から発生する気泡も功を奏し、お店の “豚骨カプチーノ” よろしくスープには泡立ちが見られる調理直後。カロリーは449kcalから447kcalに微減していますが、博多一双の公式Facebookアカウント曰く “サンヨー食品様とローソン様のご尽力により更に美味しくなりました” とのことなので、味の進化が問われるところ。
なお製造所は太平食品工業株式会社の本社工場(群馬県前橋市朝倉町555-4)となっていますが、1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部が太平食品工業なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、引き続き前回との違いに注目しながら「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(97g)あたり |
カロリー:447kcal たん白質:13.3g 脂 質:19.5g 炭水化物:54.5g 食塩相当量:6.0g (めん・かやく:2.1g) (スープ:3.9g) カルシウム:462mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:447kcal(めん・かやく:337kcal)(スープ:110kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
前回と同じく高品質
「博多一双」の実店舗で使われている麺は、出身店である「博多一幸舎」直営の製麺所「製麺屋 慶史(けいし)」と共同開発した特注麺で、博多の豚骨ラーメンで一般的な低加水麺(加水率26〜27%)とは一線を画す、やや高めの加水率が特徴的なポイント。さらに形状も平打ちで、スープとの一体感を大切にしています。
それを再現している今回の油揚げ麺は、丸刃で切り出された丸麺なので、前述のように形状の再現度が高いとはいえないものの、白っぽい見た目にプツンッ、と軽快な加水率の低い歯切れの良さが魅力。これぞ豚骨ラーメンのイメージにピッタリな仕上がりで、縮れの弱さが高級感を演出してくれる、とんこつ系のカップラーメンに使われる油揚げ麺の中ではトップクラスといっても過言ではないレベルの高さ。
おそらく前回と同じ油揚げ麺で、後述する泡系濃厚豚骨スープとの相性も問題なく、調理前の香りほど油揚げ麺ならではの風味が主張してこないのも利点。もちろん熱湯2分でも食べられますが、ところどころスナック感が残っているので、よりナチュラルに仕上げるために、仕上げの小袋を入れて混ぜ合わせた後、30秒〜1分ほど休ませてから食べ始めるのがオススメです。
スープ
明らかに前回よりもレベルアップ
もちろん写真の泡が最後まで消えないわけではない(というか消えないと怖いw)のですが、けっこう泡には持続性があり、豚骨カプチーノの異名を取る「博多一双」の泡系とんこつスープらしい雰囲気を再現。その下にあるスープも侮れない魅力の持ち主で、前回は “米粉” を使っていたところに “おからパウダー” が滑り込み、クリーミングパウダーを省いて野菜エキスを追加するなど、根本からフレームワークを刷新。
なかでも印象的だったのは、豚骨の “骨っぽさと豚脂の芳ばしい風味がアップしていた” こと。もちろん値段差に伴うレベルの違いは生じているのですが、2021年2月15日に発売されて話題になったカップ麺「一蘭 とんこつ」のスープに通じる臨場感があり、それを簡便性に優れた税込228円の縦型ビッグで実現していたことに驚きました。
具材
前回と同じラインナップ(ちょっと量が増えたかも?)
味付豚肉、キクラゲ、青葱は、いずれも前回から変わっておらず、他の商品にも使い回している汎用の具材。けれども全体的に量が増えているような印象で、スープを引き立てる青葱に、コリコリとした食感のキクラゲなど、蛇足的なトッピングはありません。
味付豚肉は情緒の感じられない、ハムみたいな食感の安っぽいチャーシューチップなので、それ以上でもそれ以下でもないのですが、きちんと肉具材を採用しているのは好印象。これがもし味付肉そぼろ(挽肉)だった場合、なんか違うな‥‥ってなると思うので、麺とスープの出来を加味すれば納得のラインナップです。
総評
麺と具材に関して大きな変化を感じることはなかったものの、スープはポークエキスとポークパウダーの旨みを軸に、前回は意識されていなかった野菜の穏やかな風味がプラスされ、やや人工的なトロミの加減も不自然に思わせない実力派。すくなくとも「博多一双」が監修してきた歴代カップラーメンの中で、最強クラスに仕上がっているのは間違いありません。
この進化をもって縦型ビッグは完成形といっても過言ではないレベルに達したので、このままクオリティを下げることなく「ローソン名店シリーズ」のレギュラーラインナップに加えるとともに、次はノンフライ麺を搭載した大判どんぶり型の本気モードに挑戦するなど、さらなる活躍を楽しみにしています(author・taka :a)