どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年02月25日(月)新発売のカップ麺、日清食品「行列のできる店のラーメン 牡蠣鶏白湯」の実食レビューです。
最新トレンドの味を最高品質のスープで味わう「魚介系×鶏白湯Wスープ」シリーズ第3弾!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
行列のできる店のラーメン 牡蠣鶏白湯
「魚介系×鶏白湯Wスープ」とは、最新トレンドの味を最高品質のスープで味わう一杯をコンセプトに展開している「行列のできる店のラーメン」シリーズのWスープ(ダブルスープ)企画で、文字通り魚介系の素材を使用したスープと鶏白湯をミックスした、他にはない贅沢こってりスープの濃厚な味わいがテーマとなっています。
2018年8月20日(月)に発売された第1弾「海老鶏白湯」、そして2018年12月31日(月)に発売された第2弾「真鯛鶏白湯」に続く魚介系×鶏白湯Wスープ第3弾は、カップ麺としても珍しい「牡蠣(かき)」に着目。別名「海のチーズ」とも呼ばれている岩牡蠣の旬は夏(5月〜8月)にピークを迎えますが、「海のミルク」と呼ばれている真牡蠣の旬は秋口から春先なので、ちょうどいい時期のリリースですね。
たとえば大阪・阿倍野の「麺と心 7」(めんとこころ セブン)というラーメン店では2月の限定メニューとして提供されている「牡蠣白湯」など(2019年も2月19日から提供開始)、実際この時期に季節限定のメニューとして数年前から牡蠣(かき)を取り扱っている有名なラーメン店は何軒かあり、また牡蠣ラーメンは仙台で人気の名物料理ともいわれ、「牡蠣」「白湯」「ラーメン」などの複合ワードでネット検索してみると、複数の有名店がヒットします。
その中でも牡蠣拉麺(かきらーめん)や牡蠣つけ麺を提供している東京・錦糸町の牡蠣ラーメン専門店「佐市(さいち)」、そして金沢・安江町の「麺屋 白鷺 -shirasagi-(しらさぎ)」が提供している冬季限定メニュー・濃厚カキそば(まさに牡蠣×鶏白湯のWスープ)などがネット上では目立っているように感じました。
今回のカップ麺は有名店がダイレクトに監修した再現モノではありませんが、 “並んででも食べたい人気店の味を再現した商品” というのが「行列のできる店のラーメン」シリーズのブランドコンセプトなので、おそらく複数の店舗を参考にしているのでしょう。味噌ベースや醤油ベース、塩ベースの牡蠣ラーメンもヒットしましたが、牡蠣×鶏白湯ということで、上記の店が近いかもしれません。
また、パッケージに写っている丼のデザインも「麺屋 白鷺 -shirasagi-」で使用されている丼に近いカラーリングとなっているのですが、よくみるとデザインは異なります。もしかすると丼の図柄からカップ麺の主要モデルになっている店が割り出せるのではないか‥と、意地になって調べていたら1時間くらい経過していたんですけど、その間ひたすら「牡蠣」「白湯」「ラーメン」で画像検索ですよ。
ただ、イマイチこう近いようで遠いようなデザインしかなく、ワードを変えながら検索を続けていたところ、ありましたよありました! まさに「これだ!!」と思えるカップ麺のイメージ写真とデザインが完全に一致した藍唐草柄の美濃焼を発見。したのはいいんですけど、コレおもいっきり「業務用」として販売されていた丼で‥w よもやこのようなオチが待っていようとは。でも雰囲気のあるデザインですし業務用=プロ仕様なので、きっと実際に使用しているラーメン店もありますよね。丼の販売価格は税込605円、なかなか手頃なお値段でございました。
はい、というわけで丼はさておきフタ上のバーコード横に小さく「※スープに牡蠣エキスを使用」と書いてあるのですが、原材料名を確認してみると「かき調味料」が使用されています。パッケージでは「牡蠣エキス」(エキス:エキストラクト “extract” つまり抽出物の略称)、原材料名では「かき調味料」となっているので、なんだかオイスターソース‥? みたいな雰囲気なんですけど、単純に表現の仕方が違うだけみたいですね。
開封
たとえば同じ牡蠣でも中華系カップ麺に使用される頻度の高い「オイスターエキス」みたいな表記だと急にハードルが下がるというか、でも逆に「かき調味料」と書いてあったら “おっ” みたいな。なりませんかねw とりあえず別添の小袋は「液体スープ」「粉末スープ」「かやく」「焼きのり」の合計4種類、忘れずに取り出しましょう。
メーカー希望小売価格は税別290円という日清食品が手掛ける高価格帯ブランドの中でも「行列のできる店のラーメン」はフラッグシップモデルなので、とうぜん麺はノンフライ麺を採用。第1弾「海老鶏白湯」の時には致命的にほぐれにくかったことが引っ掛かりましたが、ほぐれにくさについては第2弾の「真鯛鶏白湯」で解消されました。
しかし、「海老鶏白湯」と「真鯛鶏白湯」の時には熱湯4分のノンフライ麺が使用されていたのですが、前回・前々回の麺とは明らかに違う、喜多方ラーメンとか佐野ラーメンを彷彿とさせるような平打ちの幅広ノンフライ麺(熱湯5分)が「牡蠣鶏白湯」には採用されています。日清食品の高価格帯カップ麺はスープの完成度が高い反面、ノンフライ麺がスムーズにほぐれないパターンが多かったりするので、まずそこが最初の関所ですね。
おそらく一般的なスーパーマーケットやドラッグストアなどであれば税込300円ジャストから以内に収まると思うのですが、定価購入必至のコンビニで買うと税込311円のハイエンド商品に位置する高級なカップラーメンなので、贅沢こってりスープの本格感はもちろん、まずは麺がストレスフリーにほぐれるかどうかをチェックです。
製品情報・購入価格
製品名:行列のできる店のラーメン 牡蠣鶏白湯 製造者:日清食品 製造所:関東工場(製造所固有記号 A) 内容量:111g(めん70g) 発売日:2019年02月25日(月) JANコード:4902105245873 希望小売価格:290円(税別) 発売地域:全国(全チャネル販売) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体スープ / 粉末スープ / かやく / 焼きのり) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉、食塩、植物油脂、大豆食物繊維、チキンエキス)、スープ(ポークエキス、動物油脂(豚、鶏)、しょうゆ、糖類、かき調味料、食塩、クリーミングパウダー、チキン調味料、香辛料、植物油脂)、かやく(味付鶏肉、のり、ねぎ、赤唐辛子)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、酒精、かんすい、炭酸Ca、カラメル色素、香料、乳化剤、焼成Ca、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【アレルゲン情報】小麦・卵・乳成分・豚肉・鶏肉・大豆(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載) |
実食開始
4種類の小袋で熱湯を注ぐ前に入れなければいけないのは「かやく」の小袋だけで、粉末スープと液体スープ、トッピングの焼き海苔は食べる直前に開封します。パッケージの調理後写真と比較して圧倒的にネギは少ないように思うのですが、逆に輪切りの赤唐辛子は量が多く、鶏肉に関してはタテ型カップだと入り切らなそうな頼もしいサイズが嬉しいですね。
お湯を注いでから5分後、各スープの小袋を入れる前にノンフライ麺をほぐします。懸念していた麺のほぐれ具合ですが、最初ちょっとだけ頑固だったけど、ストレスを感じるほどではありませんでした。ちなみに調理方法で厳密に指定されているわけではありませんが、「粉末スープ」を溶かしてから「液体スープ」を馴染ませるのが適切かと思います。
とろみ成分が粉末スープに仕込まれていたのですが、最初の15〜20秒ほどは大きな変化なし、混ぜ続けて30秒を超えたあたりから軽く粘性を帯びてきたので、とりあえず面倒でも45秒〜1分くらい混ぜたほうが安全かもしれません。粉末スープから牡蠣っぽい香りが漂うことはなく、ちょっと煮干っぽい香りを感じたのですが、原材料には使用されていませんでした。あれ‥w 軽く煮干とか魚粉っぽい香りがしたんですけどね。
お湯を注いでから液体スープは待っている間にフタの上で温めてくださいと書いてあるのですが、この液体スープが曲者‥というのも、とろみ成分は粉末スープにも仕込んでありましたが、こっちが「とろみの本丸」なんです。粉末スープ側に仕込んであったトロミ成分に反応し、粘度が増幅する仕掛けが施してあるのか驚くほどドロッドロ。
たとえば写真のようにドバッと一箇所に投入するとダマになりやすいので(ほぐせますけど手間)、まずは粉末スープをしっかりと溶かし、液体スープは全体に円を描くようなイメージで投入したら、すかさず念入りに混ぜてください。どのくらい高粘度なのかというと、レンゲや箸が立つほどではありませんが‥‥あ、でもプラスチックの薄いレンゲなら立つかもしれません、ってくらい。
とりあえず仕上げの焼き海苔をトッピングして完成なんですけど、ぜんぜん焼き海苔が沈みません(笑)。いつも焼き海苔が別添されている製品は撮影の時に焦ったりして緊張するのですが、なんのなんの余裕でパリッと状態をキープ。カップスープのポタージュ系と比較しても比にならないくらい超ぽってり系なので、ほんと念入りに混ぜてください。
その超高粘度スープを不自然に思わせないだけの旨味が打ち出されているのかどうか、牡蠣だしと濃厚な鶏白湯の旨みが際立つという贅沢こってりWスープに注目しながら「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
1食(111g)当たり
カロリー:396kcal |
※参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:396kcal(めん・かやく:298kcal)(スープ:98kcal) |
めん
食べ応えのある太麺。濃厚スープによく絡みます。
(出典:日清食品「ニュースリリース」)
「行列のできる店のラーメン」シリーズに採用されるノンフライ麺は、角刃でカットされた口当たりに輪郭のある断面の四角い中細麺が多く、やや中心部に芯を残すような固めの歯応えも印象的なポイント。加水率の低い低加水麺はコシは強くて存在感があり、歯切れの良さも兼ね備えている縮れのないストレート麺が定番となっています。
しかし、今回は熱湯5分しっかり守ってからスープ類を馴染ませる前に食感を確認してみたところ、普段と比較して圧倒的に加水率の高い多加水麺(水分を多く含んだ麺)が採用されていました。さらに形状はエッジの効いた角刃の中細麺ではなく平打ちの太麺、しかも軽く縮れが施されている、最近のシリーズの傾向としてはイレギュラー。
どうしても粉末スープと液体スープを馴染ませている間に柔らかめの食感になってしまいますが、ひとつのノンフライ麺としての基礎クオリティは高く、柔らかめになっても粘り気のある弾力をキープ。今回はスープに攻撃性がなかったので、麺とスープの一体感を素直に楽しむことができました。ちぢれ平打ち麺という形状と超ぽってり高粘度スープが相俟って、とにかく一体感が尋常じゃなかったです。
スープ
滋味深い旨みと豊かな風味が凝縮した牡蠣スープと濃厚な鶏白湯を合わせた、”贅沢こってり” なWスープ。
(出典:日清食品「ニュースリリース」)
ラーメンというか牡蠣のクリームパスタ的な洋風の面持ちで、たしかに鶏白湯といえば中には洋風テイストのポタージュ系スープもありますが、動物系のクセを最小限に抑えつつ植物や魚介では出せない畜肉系の厚みを表現し、ふわっと鼻を抜ける加熱した牡蠣特有の丸みを帯びた芳香が個性的。ではあったんですけど、強烈に高粘度なのに癖がなさすぎて粘度の高さに旨味が追い付いていないようにも感じます。
また、ミルク感についてはクリーミングパウダーによる演出を強く感じたので、やや人工的なワザとらしさが過度にも思えたんですけど、まったりと舌全体を包み込んでくるマイルドさは分かりやすいですね。それだけに後半のピンボケ感が否めなかったりもしたのですが、後述する具材の輪切り唐辛子が味のアクセントになり、テンションの抑揚を生んでくれていました。
鼻を抜ける牡蠣の香りと舌の脇に感じる旨味は個性的で、それを最も強く感じたのは後味に残る余韻。ぽってりと高濃度すぎて最初ちょっと旨味が届きにくいというかボヤけているような印象が並行するのですが、口の中が空になった時に残る余韻は「牡蠣」由来の旨味。そのタイミングで一息入れるように深呼吸すると牡蠣の旨味がパッと開いたので、ちょっと意識してみてください。で、かなり鶏白湯の鶏は弱いです。
消費者庁のホームページにも掲載されているのですが、食品表示法で定められているルールに則り、原材料名の並びは “最も一般的な名称で、使用した重量の割合が高い順に表示しなければいけない” というルールがあります。つまり今回のスープに占める割合で最も多い成分は「ポークエキス」、次に「動物油脂(豚)」ということは、つまりジャンルとしては鶏白湯じゃなくて豚骨スープ‥‥?
いやいや、とんこつスープのような癖はなく、あくまでも畜肉系の旨味を表現することに癖のない豚由来の成分を使用しているような仕上がりで、もちろん動物油脂(鶏)やチキン調味料も使用されているのですが、鶏白湯かと言われたら違います。確かに白濁した白湯スープではあるものの、鶏油の芳ばしさや白濁どろどろ超高粘度スープに見合うだけの鶏は見えませんでした。
実は前回の「真鯛鶏白湯」もスープに占める割合の動物系は豚脂とポークエキスの含有量が多く、前々回の「海老鶏白湯」もポークエキスの含有量が最も多かったので、ある意味それが行列の魚介系×鶏白湯Wスープに共通するポイントになりますし、牡蠣を尊重して動物系の主張を押さえ込んだのかもしれませんが、牡蠣も大切だけどテーマはW(ダブル)、もうちょっと鶏にも胸を張ってほしかったですね。
かやく
蒸し鶏、ネギ、赤唐辛子、のり。
(出典:日清食品「ニュースリリース」)
蒸し鶏は鶏白湯のイメージを加速、ネギは大きめカットでナチュラルな食感と風味が好印象(※ただし量は少ない)、そして赤唐辛子はスープの項目でも触れたように濃厚なテイストを引き締め、けっこう量も多く、もちろん辛い食べ物が苦手な人でも事前に臨戦態勢に入らなければいけないほど辛いわけではありませんが、ちょいちょいピリッ、ピリッと想像以上のバイプレイヤー。
正直、この赤唐辛子によるアクセントが後述する総評に★を0.5くらいプラスしています。それにスープの項目では鶏がイマイチだったような書き方をしていますが、具材の蒸し鶏は量が多く、鶏らしい旨味もバッチリ。これによって不透明だった鶏の存在感が確立し、ここまで入れてなんとか「鶏白湯」としての体を成しているように感じました。
焼き海苔の食べ方は濃厚なスープを絡めてから、麺を包むようにして食べるのがオススメ。牡蠣白湯系のラーメンに海苔をトッピングしている店は多いので、そのイメージからカップ麺にも焼き海苔を別添したものと思われますが、実際に相性はバッチリです。ちっちゃいけど、存在価値は絶大ですよ。
海苔が持つ磯の香りと牡蠣の旨味は見事に調和を果たし、それでいて雰囲気を損なわずに大きな気分転換となる味変効果があったので、2枚しかない貴重な海苔、それもサイズは大きいとは言えない貴重な海苔、効果的に使いましょう。タイミングとしては濃厚なスープに舌が慣れてくる頃合いを見定め、味覚にインターバルを与える感覚をイメージしながら意識的に食べてみてください。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
これまで日清食品の行列シリーズは何度が突出して濃厚ぽってり系の超高粘度スープを打ち出してきましたが、歴代の中でも最高クラスにドロドロで、そこにカップ麺としては珍しい重なる牡蠣の旨みから、たしかに値段相応の高級感と期間限定商品らしく物珍しさも打ち出せています。しかし、その高粘度スープに伴う旨味(特に鶏)が追い付いていなかったので、クリーミングパウダーや出生不明のナチュラルではないトロミなど、人工的な仕掛けが目立っているように感じました。
最初は鼻を抜ける牡蠣の香りと舌の脇に感じる個性に滋味を覚えたものの、あまりにも高粘度すぎて旨味が味覚に到達するまでの速度が徐々に失速。舌が慣れてくる後半は感動も薄れ、のっぺりとした印象が先行します。なので、タイミングよく効果的に海苔を使う、ちょっと途中で深呼吸してみるなど、舌が旨味に慣れて鈍感になってしまわないように、気分と味蕾をリフレッシュしながら食べ進めるのが美味しく食べるコツと言えるかもしれません。
とはいえ漠然とクリーミーな味覚、ふと抜ける牡蠣の旨味、ぽってりとした口当たりのポタージュ系スープには高級感があり、その高粘度スープをピリッと引き締める具材の赤唐辛子にワザを感じたので、及第点に★ひとつプラスしました。ダイレクトに牡蠣が攻めてくるようなスープやドロドロの粘性率に見合う鶏のナチュラルな濃厚感に期待しているとコケてしまうかもしれませんが、牡蠣白湯というテーマは珍しいので、高粘度スープが気になる方は鶏への期待値を事前に調整し、上記の美味しく食べるコツをご活用いただければ幸いです。