どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年10月11日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん ごつ盛り スタミナにんにく醤油ラーメン」の実食レビューです。
安くて旨いマルちゃんの大盛りブランド「ごつ盛り」期間限定の “スタミナ系” でラインナップを強化!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ごつ盛り スタミナにんにく醤油ラーメン
ごつ盛りとは、マルちゃんとして知られる東洋水産の即席カップめんブランドで、食べ応えのある “ごっつい大盛り” がコンセプト。稀に同社の「でかまる」と混同されることもありますが、でかまるにはメーカー希望小売価格が設定されているのに対し、ごつ盛りはオープンプライスの廉価版という立ち位置なので、実際の販売価格には100円前後の差が生じています。
今回の新商品「ごつ盛り スタミナにんにく醤油ラーメン」は、にんにくの旨味と香りを特徴とするスタミナ系の期間限定フレーバーで、パッケージにもニンニクのイラストをプリント。マルちゃんの即席カップ麺といえば、流行りを意識しながらも優等生な商品が多く、世間的にも常識のあるメーカーとして認知されているのではないかと思いますが、ことニンニクにおいては(いい意味で)非常識。
「ごつ盛り」が初めて発売されたのは、現在を遡ること10年以上、2009年(平成21年)11月16日の話。それ以前に「でか一(いち)」という麺100g(湯切りタイプは麺130g)の大盛りブランドを展開していましたが、2008年(平成20年)3月17日の最終リニューアル以降、あえなく翌年に生産終了となり、その後継として開発されたのが「ごつ盛り」という流れ。
「ごつ盛り」発売当初のラインナップは「ワンタン醤油ラーメン」「コーン味噌ラーメン」「コク豚骨ラーメン」の3品で、2010年(平成22年)3月1日に「ソース焼そば(キユーピーからしマヨネーズ付)」を追加。2011年(平成23年)9月19日発売の「担々麺」は販売を終了しましたが、2012年(平成24年)2月に出荷累計数1億食を達成し、不動の地位を確立しました。
2021年10月現在の「ごつ盛り」が展開している通年商品は、発売当初より販売を続けている御三家「ワンタン醤油ラーメン」「コーン味噌ラーメン」「コク豚骨ラーメン」を筆頭に、順序不同で「豚骨醤油ラーメン」「塩担々麺」「ちゃんぽん」「ソース焼そば」「塩焼そば」と‥‥
コスパ最強【ごつ盛り】が「きつねうどん」と「天ぷらそば」を市場に投下!! 業界の勢力図が変わる可能性も——
もっとも新しいフレーバーが上記の「きつねうどん」と「天ぷらそば」で、この2品については販売エリアを関東と甲信越に限定しているのですが、オープン価格帯の大盛り和風カップ麺における台頭とされてきた「旨だし屋」(明星食品)はもちろん、東洋水産が誇る「赤いきつね でか盛」や「緑のたぬき でか盛」の立つ瀬さえも潰しかねない、とてもコストパフォーマンスに優れた良品でした。
さて、そろそろ今回の「ごつ盛り スタミナにんにく醤油ラーメン」に話を戻しましょう。コロナ禍で価格コンシャスなユーザーが増加したことを背景に、小売業界で一般的なHigh&Low(特売価格政策)とは一線を隠す価格戦略・EDLP(Everyday Low Price – 常時低価格販売政策)が再び注目を集めている昨今。
加えて外出の機会が減ったことによる “巣ごもり需要” が活況を呈する中、ニンニクの市場規模も増加を続けている現在。このタイミングでリリースされた安売り用の「ごつ盛り スタミナにんにく醤油ラーメン」は、伸長を続けるニンニク市場にもEDLPにも対応している、まさに現在の需要に応じたカップラーメンといっても過言ではありません。
開封
ええ、ちょっと壮大に語り過ぎた気もしますけどw それはさておき今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」に、後入れの「液体スープ」も付いて合計2袋。かやくは最初から容器の中に入っている状態ですが、安売り用のカップラーメンにもかかわらず、スープを粉末と液体に分けているのは味に対する “こだわり” を感じるところ。
かやくは味付挽肉のみとシンプルな構成で、麺は定番の「ワンタン醤油ラーメン」や「塩担々麺」などにも使われている熱湯3分の油揚げ麺となっているのですが、オニオンやガーリックを練り込むことでスープとの一体感に配慮。前身の「でか一(いち)」では100gの麺量を特徴としていましたが、現在の「ごつ盛り」に切り替わってから仕様も変わり、カップラーメンでは90gの麺量が基本になりました。
オープン価格(Open Price)といってもピンキリで、たとえばカメラなどの耐久消費財だと高額になりますが、インスタントラーメンでのオープン価格は基本的に安売り用を意味する価格帯。今回はイトーヨーカドーのネット通販サイト(オムニ7)で購入したところ、本体価格は98円(税込105円)と安く、その後に見かけたスーパーでの販売価格も税込98円だったので、これが「ごつ盛り」の相場。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん ごつ盛り スタミナにんにく醤油ラーメン 製造者:東洋水産株式会社 製造所:M8・関西工場(兵庫県神戸市西区見津が丘6-8) 内容量:125g(めん90g) 商品コード:4901990369732(JAN) |
発売日:2021年10月11日(月) 実食日:2021年10月16日(土) 発売地域:全国(量販店・一般小売店 他) 取得店舗:ネット通販サイト(オムニ7) 商品購入価格:105円(税込) 希望小売価格:オープン価格 |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛りバケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:530ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(粉末スープ・液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、香辛料、粉末野菜、卵白)、添付調味料(しょうゆ、ポークエキス、香辛料(にんにく)、香味油脂、植物油、食塩、砂糖、ねぎ、たん白加水分解物、酵母エキス)、かやく(味付挽肉)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸カルシウム、酒精、かんすい、増粘多糖類、レシチン、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、pH調整剤、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「粉末スープ」のみ先入れで、この時点からニンニクの香りは漂ってくるのですが、まだまだ常識の範囲内。それもガーリックパウダーが主体の香りなので、けっこうスナック的なタイプになります。しかし、実はニンニクに強い東洋水産。たとえば「ごつ盛り」の「塩担々麺」や「塩焼そば」もニンニクの風味が容赦ないように‥‥
液体スープを馴染ませた途端、ニンニクの存在感がイッキにブースト。現在の即席カップめん業界では、これよりもニンニクの強いスープやソースも珍しくない状況なので、想定の範囲内といえば範囲内ではあるものの、実食するときはTPOを弁えたほうがいいレベル。さらに香りのベクトルだけでいえば、今を時めく “二郎インスパイア系” にカテゴライズできるファーストインプレッション。
もしかするとコンビニで販売されている可能性もありますが、東洋水産のニュースリリースに記載されている販売ルートは “量販店、一般小売店 他” となっていたので、コンビニよりもスーパーやドラッグストア、ディスカウントストアなどが確実かもしれません。それでは、引き続きコストパフォーマンスの高さに注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(125g)あたり |
カロリー:543kcal たん白質:12.8g 脂 質:28.5g 炭水化物:58.9g 食塩相当量:6.7g (めん・かやく:1.7g) (スープ:5.0g) ビタミンB1:0.39mg ビタミンB2:0.45mg カルシウム:200mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:543kcal(めん・かやく:444kcal)(スープ:99kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いつもの汎用麺と変わらない
形状は丸刃で切り出された断面の丸い中細麺で、サイズは同社の「でかまる」と比較して細く、縮れは強め。既存の「ごつ盛り」では「ちゃんぽん」にのみ熱湯5分の太麺を組み合わせていますが、それ以外のカップラーメンには同じタイプの油揚げ麺を使い回し、浮いた分のコストをスープに注ぎ込んでいるようなイメージ。
いかにもカップラーメンらしい油揚げ麺なので、たとえば「正麺(せいめん)カップ」のような高級感は皆無に等しく、食感も「QTTA(クッタ)」より軽め。しかし、数年前の「ごつ盛り」に使われていた汎用の麺と比較して、やや耐久力がアップしている現在。それでも後半にかけて軽めの食感にシフトしていきますけど、ある意味その軽さもカップラーメンらしいと思える魅力の一つ。
エースコックの「スーパーカップ」ほどコシの強い食感ではないけれど、たしかな弾力と歯切れのよさを併せ持ち、練り込まれたガーリックとオニオンの芳ばしさでスープとの一体感も申し分ありません。後述するスープの系統的に、強付きのある太麺を合わせてみても‥‥という思いもありましたが、結果的に使い回しの中細麺でも問題なかったです。
スープ
今を時めく “あのジャンル” を意識
先入れの「粉末スープ」を開封した途端、その時点でニンニクの香りが漂ってくると前述しましたが、あくまでも粉末スープは下支えに徹しているようなフレームワーク。液体スープを入れる前に味を確認してみたところ、ガーリックパウダーの存在感と化学調味料に由来する旨味を感じるのですが、これ単体で味が決まるわけではありません。
そこに後入れの「液体スープ」を加えると、ガーリックパウダーのみでは打ち出せない、生おろしニンニクの攻撃性がプラスされ、液体しょうゆベースのタレが廉価版とは思えない臨場感を表現。商品名では「スタミナにんにく醤油」となっていますが、スープだけ見ると明らかに二郎系のラーメンを意識したテイストで、その作り込みは値段以上。
ラーメン業界を賑わせている二郎系・二郎インスパイア系の影響から、即席カップめん業界でも豚の旨味×しょうゆ×ニンニクの組み合わせが定番になってきたので、ちょっと飽和状態にあるジャンルともいえるのですが、いい意味で「ごつ盛り」らしいジャンクな味わいと、いい意味で「ごつ盛り」らしからぬ本格さを併せ持ったスープです。
具材
麺とスープの出来を思えば問題ない
粉末スープの中に乾燥の青葱を仕込んでいたのですが、具材らしい具材は挽肉のみで、なおかつ少量という部分には廉価版らしさが否めません。とはいえカップラーメンの具材としては大きめに固められた挽肉で、旨味も強く、スープの作り込みと一般的な販売価格を思えば悪くありませんでした。
総評
麺は既存の「ごつ盛り」にも使われている汎用の油揚げ麺で、具材についても廉価版らしい手の抜きようといわざるを得ない仕上がりなのですが、スープに関しては値段以上。まだ見ぬ新進気鋭の味ではないけれど、最近の流行りを意識したテイストで、きちんと価値が見出せる良品でした。
けっこうニンニクの風味が強いので、いついかなる時も食べられる商品ではないのですが、ニンニクとか濃口醤油のコクをガツンと効かせたラーメンが食べたい気分のときに誂え向き。めん90gの大盛り商品でありながら、税込100円以下で取り扱っている販売店も少なくないと思うので、コストパフォーマンスについても高く評価できる一杯です【author・taka :a(大石敬之)】