どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年5月7日(火)新発売のカップ麺、明星食品「五郎家 しょうゆ豚骨ラーメン」ローソン先行商品の実食レビューです。
ローソン名店シリーズに鹿児島を代表する人気店「五郎家(ごろうや)」のカップラーメンが新登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
五郎家(568)しょうゆ豚骨ラーメン
「五郎家(ごろうや – NOODLE STORE 568 GOROYA)」とは、鹿児島県鹿児島市山田町(天文館通)にある行列の絶えない人気ラーメン店で、創業は2003年(平成15年)。店主・竹田健介さんは福岡の名店「一風堂(いっぷうどう)」と “博多魚系醤油らーめん” の元祖「中華そば郷家(ごうや)」出身の経歴を持ち、「Noodle Laboratory 金斗雲」店主・岸良倫明さんの師匠でもあります。
屋号に「家」を冠していますが、横浜を発祥とする家系ラーメン(いえけいラーメン)のお店ではありません。福岡の異なる修行先で学んだラーメンを鹿児島に持ち帰り、鹿児島ラーメンのお店として開業。「五郎家(ごろうや)」という屋号は “僕の大事なじいちゃんの名を店名にしました” とのことで、竹田さんの祖父の名前から取った——ってことは、おじいさんの名前は竹田五郎‥‥?
というわけで第14代航空幕僚長・第12代統合幕僚会議議長のお孫さんなのか調べてみたところ、特に関連する資料は見当たらなかったので先に進みましょう。「五郎家」監修のカップラーメンが発売されるのは今回が初めてのことではなく、以前にもローソン限定で「力の源ホールディングス」(一風堂)傘下の「渡辺製麺」がラーメンデータバンクと商品化、その前はサークルK・サンクスのオリジナル商品として「とかち麺工房」(旧:十勝新津製麺)とコラボしていました。
私は2016年9月27日に発売された渡辺製麺のカップ麺を記事にしているのですが、今回と同じく「しょうゆ豚骨」がテーマでありながら豚骨らしさは皆無に等しく、赤味噌と薬念醤(ヤンニンジャン)の主張が強いスープで税込298円のハイエンドモデル‥‥けれども当時のコンセプトは “店の味をベースにコンビニ向け商品として開発” だったので、純粋な再現カップ麺ではなかったんです。
そして今回もローソングループ限定商品なんですけど、メーカーは初のタイアップとなる明星食品に鞍替え。パッケージには “コクのある甘めのスープにキャベツたっぷり、揚げねぎが香ばしい一杯” とアピールしているのですが、お店の人気No.1メニュー「辛ねぎラーメン」ではなく焦がしネギの効いた五郎家のド定番「おなじみラーメン」(しょうゆベースの豚骨ラーメン)を再現。お店のラーメンは値上がりしたようですが、以前は1杯540円という破格の値段だったようですね。
そんな「五郎家」のファンは “ジロリアン” よろしく「ゴロリアン」と呼ばれ、もともとオープン当初から行列のできるラーメン店として有名だったそうですが、2016年2月に開催された「第2回鹿児島ラーメン王決定戦」の王者に輝いたことでイッキに知名度が高くなり、2018年2月の「第4回鹿児島ラーメン王決定戦」では第3回王者「TAKETORA(たけとら)」を抑えて優勝した実力派。
2019年の第5回大会では「TAKETORA」が2度目の優勝を勝ち取り、「五郎家」は準優勝ということで両者が鹿児島のラーメン界を牽引しているような状態にあるようですが、五郎家の行列写真を見ると男性や女性、ご年配の方から小さなお子さんまで幅広い客層が並んでいる、かなりの人気店であることが伝わってきました(ちなみに「五目にぎり」と「唐揚げ」も人気だそうです)。
「TAKETORA」のカップラーメンは南九州ファミリーマート限定商品として何度かサンヨー食品が再現しているのですが(関連記事:サッポロ一番 TAKETORA 勝武士らぁめん〈とんこつ〉)、「五郎家」のカップラーメンはローソン限定——ちょっと派閥的なものを感じつつ、すでにファンの方から “おなじみラーメンの味を忠実に再現できている” という声も上がっていたので、かなり期待しています。
開封
別添の小袋は後入れの「液体スープ」が1袋、先入れの「かやく」が2袋で、合計3種類の小袋が入っています。揚げネギは後入れの小袋(ふりかけ式)を予想していたのですが、かやくの片方に多めのキャベツと揚げネギ、もう片方にはチャーシューが別包装されていました。
麺は黄色みの強いノンフライ麺で、幅のある平打ち麺。渡辺製麺とのタイアップでは長野県の郷土料理である凍り蕎麦の製法をヒントにして開発された「氷結乾燥麺」でしたが(とかち麺工房の自己破産後に用地・施設を買収して製造)、今回は明星食品の丼型カップなので、おそらく「スーパーノンフライ製法」でしょう(※縦型だと「スチームノンフライ製法」)。
「ローソン先行商品」というのは後日、「ポプラ」などのグループ系列店でも取り扱われる可能性がある——という意味なんですけど、実質「ローソングループ限定商品」なので、税込258円必至という販売価格も踏まえた上で評価しなければいけませんね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 五郎家 しょうゆ豚骨ラーメン 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社(製造所固有記号 R) 内容量:112g(めん70g) 商品コード:4902881471350(JANコード) 発売日:2019年05月07日(火) |
麺の種類:ノンフライ麺(かんすい使用) スタイル:どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・かやく2袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉、でん粉、植物油脂、食塩、卵粉)、スープ(しょうゆ、香味油、豚・鶏エキス、糖類、たん白加水分解物、食塩、豚脂、チキンオイル、チャーシューエキス、香味調味料、香辛料)、かやく(キャベツ、チャーシュー、揚げねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、増粘剤(加工デンプン、増粘多糖類)、かんすい、酒精、炭酸カルシウム、香料、乳化剤、カロチノイド色素、炭酸マグネシウム、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【アレルゲン情報】小麦・卵・乳成分・豚肉・鶏肉・さば・大豆・ごま・ゼラチン(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載)※コンタミネーション:本品製造設備では、えび・かにを含む製品を生産しています。 |
実食開始
揚げネギは後入れがよかったなぁ‥‥などと開封前は思っていたんですけど、開封した瞬間そのイメージは変わりました。香りが強烈でw ちょっとズルいですね、この手放しに食欲をそそってくる芳ばしさ。加えてキャベツは乾燥状態から量が多く、チャーシューも薄めながらに脂身の入ったバラチャーシュー系で好印象。
お湯を注いで5分間、待っている間に液体スープの小袋をフタの上で温めて、 “ノンフライ麺をほぐしてから” 液体スープを馴染ませて完成——なんですけどキャベツw いやいや頼もしいですね。写真では左半分に寄せていますが、きれいに広げたらキャベツだけで麺を隠せそうな勢いですよ。
再現元の「おなじみラーメン」は従来の鹿児島ラーメンとは一線を画す “ネオ鹿児島ラーメン” と称される一杯で、豚骨は背脂入りでも風味を抑えながら醤油を前に出しているとのこと。はたしてどんな味なのか、コクのある甘めのスープと揚げネギの存在感にも注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(112g)当たり
熱 量:401kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:401kcal(めん・かやく:309kcal)(スープ:92kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ゆるい縮れのある中太サイズのノンフライ麺で、表面は摩擦抵抗ゼロの滑らかさ。加水率は高く、歯切れの良さよりも密度と粘り気を重視している多加水麺に仕上がっています。食べ始めは強めのコシと弾力、そして芳醇な小麦の香りが魅力となっているのですが、コシと弾力の持続性も長くて好印象。
原材料に卵粉が練り込まれているので、ジャンルとしては「たまご麺」に分類されるのかもしれませんが、プリッとした歯切れの良さは意識されていません。しかしながら食べ始めは力強いコシと小麦の風味をダイレクトに、ちょっと休ませてスープに馴染ませると麺の粘り気が増してスープとの絶妙な一体感が楽しめる、まさに最初から最後まで終始おいしい麺ですね。
ややゴワつきの残る渡辺製麺の氷結乾燥麺とは完全に別物で、中盤以降しっとりと——それでいて適度に鋭角な断面から口当たりには輪郭があり、スープとのバランスも完璧でした。お店の再現度が評価できず申し訳ないのですが、ひとつのカップ麺としてのクオリティは高く、麺量70gなのも嬉しいポイントですし、税込258円でも惜しくない高品質なノンフライ麺です。
スープ
豚骨よりも醤油の主張が強いという前評判だったので、醤油がガツンとキレたスープを覚悟していたのですが(※その系統が実は苦手)、なんのこれしき想像以上に優しいスープで驚きました。さすがに食塩相当量5.0gのスープなので、直接ごくごく飲んだら喉が乾きそうなテイストではあるものの、舌を鋭利に突き刺してくるようなダイレクトアタッカーではありません。
使用している醤油が濃口醤油主体(実は薄口醤油より塩分濃度が低い)であること、加えて食塩のキレもありますが “醤油のキレ” が先行するためコクがあり、塩を舐めた時のように直接的な塩分濃度ではないんです。さらにチャーシューの煮汁をタレに使用することで芳ばしく、豚の旨味と醤油のコクを凝縮したようなカエシに仕上がっていて、パッケージでもアピールされていた “甘めの” というキーワード‥‥甘みの源泉は糖類ですが、人工甘味料は不使用で、しかしながらジャンクな甘さが憎い。
舌に纏わり付いてくるような人工甘味料主体の暴力的な甘さではなく、ジャンクでも自然に、そして具材のキャベツから滲み出る野菜の甘味も印象的。それらが適度に醤油のカドにヤスリをかけ、液体スープの中にも仕込んであった揚げネギが芳ばしく、表面に浮かぶ多めの香味油でコッテリ感はあるんだけどクドくない——なにこれ絶妙ですね。丁寧に脇を固める豚骨と鶏ガラを合わせた清湯系のスープはバックヤード以上ですし、揚げネギのホロ苦さと甘みの兼ね合いに中毒性を覚えました。
具材
具材はキャベツ、チャーシュー、揚げネギとシンプルな構成ですが、実際のラーメンもチャーシュー(写真で見る限りサイズは圧倒的に違ったけどw)、キャベツ、ねぎ、揚げネギが基本となっていたので、再現度の高いラインナップですね。お店のキャベツは千切りの茹でキャベツらしいのですが、千切りではないものの食感は茹でキャベツ系ですし、厚みがあって量も多く、食べ応えはバッチリ。
キャベツの甘みが濃いめのスープを適度に中和してくれるインターバルに嬉しく、鹿児島ラーメンの代表的な具材といえばキャベツですし、個性の演出にも効果的ですね。さらに焼豚はジューシーな脂身が嬉しいバラチャーシュー系で、きちんと側面に焼き目が見られる丁寧な仕事ぶり。ショボいチャーシューが蔓延っている昨今、それと比較して薄めではあるものの面積は広く、脂身のジューシーな弾力と甘さで思いのほか満足度の高い肉具材です。
揚げネギは液体スープにも仕込まれていましたが、液体スープを入れる前から写真のように先入れの揚げネギがスープの色を変え、フライド系特有の芳ばしい甘みと香りを添加。ただしスープが甘濃いテイストなので、フライド勢がガンガンに主張してくるわけではないのですが、揚げネギも鹿児島ラーメンの個性的なポイントの一つですし、「五郎家」の個性を表現する上でもキーパーソンなんだと思える存在感は放っていました。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
2016年に発売されていた渡辺製麺×ラーメンデータバンクの「五郎家(568)しょうゆ豚骨」とは完全に別物で、想像ですが今回のほうが再現度は高いのではないかと感じました。特にコッテリ甘濃いスープの中毒性は凄まじく、白ご飯にも合いそうなテイストで、芳ばしい揚げネギの香りとフライド系のホロ苦い甘みも絶妙。
鹿児島ラーメンは基本的に豚骨と鶏ガラを使用した半濁スープが特徴となっているのですが、それとは一見して明白に違う醤油色のスープ‥‥しかしながら揚げネギやキャベツなどの特徴的な具材、さらに鹿児島の醤油は甘いことでも有名ですし、なるほどルーツは鹿児島にありながら “ネオ鹿児島ラーメン” というのにも納得の個性派でした。値段は税込価格258円ですが、その価値は充分にある完成度の高い一杯です。