どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年6月20日(月)新発売、サンポー食品のカップ麺「激辛高菜豚骨ラーメン」の実食レビューです。
カラダもってくれよ‥‥2022年も唐辛子10倍だァ──ッ!! 九州三宝堂「高菜博多ラーメン」対比10倍の辛さ「激辛高菜豚骨」三代目は “さらにコクと旨味の白濁豚骨” にブラッシュアップ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
激辛高菜豚骨ラーメン 2022
サンポー食品株式会社(SANPO FOODS Co.,Ltd.)とは、佐賀県三養基郡基山町に本社・工場を置き、即席めん(カップめん、棒状ラーメン)及び乾めんの製造・販売を生業とする九州のトップメーカーで、その起源は1921年(大正10年)1月に創業した「米穀卸大石商店」まで遡りますが、現在は即席カップめんを基幹に “九州の「うまい」をカタチに” しています。
今回の新商品「激辛高菜豚骨ラーメン」は、いつもの「九州三宝堂 高菜博多ラーメン」と比較して10倍の辛さを誇る “やみつきレベルが高い” 激辛カップ麺で、初めて登場したのは2020年7月27日と比較的に最近の話。翌2021年6月21日にも同じタイトルの「二代目」を発売しているため、3年連続の企画となっているのですが、まったくテコ入れなしの再販ではありません。
2020年7月発売の初代「激辛高菜豚骨ラーメン」は、1985年(昭和60年)10月の発売以来、現在は九州三宝堂(きゅうしゅう さんぽうどう)にカテゴライズされている “高菜博多ラーメン” の前身「高菜とんこつラーメン」をベースにした激辛カップ麺で、九州産のレトルト高菜はそのままに、唐辛子を10倍に増やした激辛仕様で市場に投下。
2021年6月発売の二代目「激辛高菜豚骨ラーメン」についても当時の「高菜とんこつラーメン」をベースにしていましたが、初代(2020年7月発売品)の九州産激辛高菜は据え置いたまま “すりごま” を新たに配合し、よりコク深いスープにリニューアル。初代は手に入らなかったので、泣く泣く見送ったものの、二代目は期待を裏切らない仕上がりから、このブログでは高評価を記録しています。
かくして三代目に突入した2022年の「激辛高菜豚骨ラーメン」は、2022年2月21日にブランドリニューアルを果たした「九州三宝堂 高菜博多ラーメン」をベースに、それと比較して10倍の唐辛子を使用したレトルト激辛高菜(九州産辛子高菜100%)を別添しつつ、お店のような炊き出し感を特徴とする “ポーク原料を増量した” というのが注目すべき改良ポイント。
即席カップめん業界における激辛商品といえば、まるか食品(群馬県伊勢崎市)が泣けるほど辛い「ペヤング 獄激辛やきそば」を発売して以来、それまでの辛味水準が大幅に狂い始め、直近だと獄激辛の辛さ2倍「ペヤング 獄激辛やきそばFinal」を発売するなど、まるで非常識な劇物が一般の市場に出回っているのですが、ただ辛い(痛い)だけでは商品として成り立ちません。
その点、サンポー食品の激辛カップ麺は一般受けするギリギリのラインを狙った商品が多く、今回の「激辛高菜豚骨ラーメン」シリーズも然り。公式のアナウンスに辛味を強化した旨のアピールはないため、現在の基準でいえば2022年も “激辛に片足を突っ込む程度の辛さ” になるかもしれませんが、それ以上に注目すべきはコクと旨味の白濁豚骨スープ。
ベースになっている「九州三宝堂 高菜博多ラーメン」は、2022年2月のリニューアルを機に “煎り胡麻(いりごま)を約17倍に増量し、なおかつ擂り胡麻(すりごま)をプラスしている” ため、オリジナルとの違いにも注目しながらレビューします。
開封
いつもの「九州三宝堂 高菜博多ラーメン」に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」に、後入れ「辛子高菜」と「調味油」の計3種。このカップ麺は九州三宝堂に入る前から大好きで、それこそサンポー食品の絶対的エース「焼豚ラーメン」に匹敵するほど。おかげで冷静に判断できないと思い、まだブログでは取り上げていないのですが、バイアス込みで評価すると暫定★6以上は確定。
続きまして三代目「激辛高菜豚骨ラーメン」に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」に、後入れ「辛子高菜」の計2種で、九州三宝堂の「高菜博多ラーメン」よりも明らかに辛子高菜の色が凶暴的。また粉末スープの小袋も大きめなのですが、二代目「激辛高菜豚骨ラーメン」には別添していた “調味油をカットしている” ため、これには漠然とトレードオフを感じざるを得ない展開。
ちなみにメーカー希望小売価格は昨年の193円(税別)から214円(税別)に値上がりしていますが、2022年6月1日出荷分より適用された価格改定に伴う変更で、2022年7月現在の標準どんぶり型における平均的な設定です。何はともあれ三代目「激辛高菜豚骨ラーメン」の調味油が撤退した、という変化についてはマイナスでしかないため、その穴を粉末だけでも補完できているのかどうか——。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:激辛高菜豚骨ラーメン 製造者:サンポー食品株式会社 製造所:本社工場(佐賀県三養基郡基山町長野230) 内容量:91g(めん60g) 商品コード:4901773101320(JAN) |
発売日:2022年06月20日(月) 実食日:2022年07月02日(土) 発売地域:全国 希望小売価格:214円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:340ml 調理時間:熱湯2分 小袋構成:2袋(粉末スープ・辛子高菜) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白)、スープ(ポークエキス、食塩、チキンエキス、香辛料、ホエイパウダー、糖類、粉末油脂、しょうゆ、デキストリン、ごま、ねぎ、たん白加水分解物、植物油脂、魚介エキス)、かやく(高菜(九州産高菜))/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、pH調整剤、増粘多糖類、かんすい、乳化剤、酸味料、ウコン色素、カラメル色素、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、香料、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・ごまを含む)※本品は、えびを使用した設備で製造しています。 |
実食開始
【九州三宝堂 高菜博多ラーメン】栄養成分表示[1食(97g)あたり]カロリー 413kcal、たんぱく質 9.1g、脂質 20.6g、炭水化物 47.7g、食塩相当量 5.8g(めん・かやく 2.5g / スープ 3.3g)、ビタミンB1 0.34mg、ビタミンB2 0.29mg、カルシウム 184mg |
まずは「高菜博多ラーメン」の調理後、レトルトのパックには九州産高菜と少量の輪切り唐辛子しか入っていませんが、そのレトルト高菜が主役。さらに、粉末スープの小袋にコーン、ネギ、煎り胡麻、赤唐辛子などが入っているため、けっこう賑やかな雰囲気です。
【激辛高菜豚骨ラーメン(三代目)】栄養成分表示[1食(91g)あたり]カロリー 368kcal、たんぱく質 8.9g、脂質 16.9g、炭水化物 45.1g、食塩相当量 6.1g(めん・かやく 1.8g / スープ 4.3g)、ビタミンB1 0.30mg、ビタミンB2 0.34mg、カルシウム 185mg |
片や「激辛高菜豚骨ラーメン」の調理後、こちらの粉末スープにコーンは同梱されておらず、煎り胡麻の量も少ないのですが、ツンとした香りを放つ激辛高菜が見どころ。どちらの高菜も “スープに馴染ませることで真価を発揮” するため、調理の際は全体を大きく混ぜ合わせてください。
ちなみにカロリーや脂質の値は「激辛高菜豚骨ラーメン」のほうが低めになっていて、それは調味油の有無だけでなく、実は麺の量にも微妙な違いが——。というわけで、引き続き九州三宝堂や “二代目” との違いにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。以下、各項目の評価と最後の総評は「激辛高菜豚骨ラーメン」の感想に基づきます。 |
めん
油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白) |
微妙にサイズが違う
いつもの「高菜博多ラーメン」に使われているのは、ラード(豚脂)配合の食用油で揚げたフライ麺で、熱湯2分の細麺でありながら、食べ始めはコリッとした歯応えが心地よく、香り高いラードの芳ばしさも印象的。スープとサイズのバランスはもちろん、レトルトの高菜も絡みやすい、なんとも緻密に計算されたサイズ感。
油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白) |
片や「激辛高菜豚骨ラーメン」にも同じ油揚げ麺を使っているのかと思いきや、わずかに細く切り出されています。もしかするとロット差という可能性もありますが、調理前の状態から明らかにサイズが違ったのと、それに伴う口当たりにも変化を感じたので、単なるロット差や個体差ではないかもしれません。ただ、ラードに由来する芳ばしい風味など、普遍的な魅力については据え置きです。
ちなみに二代目「激辛高菜豚骨ラーメン」の麺重量は65gで、現「九州三宝堂 高菜博多ラーメン」の麺重量も65gなのですが、今回の三代目「激辛高菜豚骨ラーメン」の麺重量は60gと若干ながら減らされています。たぶん、コストとの折り合いでしょう。しかしながら激辛高菜のインパクトが強いため、量については気にならないというか、むしろ早めに倒せることはメリットかもしれませんw
スープ
スープ(豚脂、ポークエキス、食塩、チキンエキス、ごま、香辛料、ホエイパウダー(乳製品)、粉末油脂、コーン、ねぎ、しょうゆ、たん白加水分解物、植物油脂、魚介エキス) |
粉末スープは辛くない
「高菜博多ラーメン」の粉末スープは、主原料となるポークエキスの他に、チキンエキスやホエイパウダー、乳等を主要原料とする食品で豚骨の脇を固め、魚介エキスを隠し味に使うなど、純度100%の豚骨スープではありません。
しかし、大黒柱は豚骨と即答できる骨組みであることは間違いなく、あえてライトに仕上げることで、レトルト辛子高菜の魅力を最大限に引き出す観点から見ると最適な骨組み。調味油のクセも抑えてありますが、粉末では出せないオイルのコクに、豚脂ならではの芳ばしさが食欲を刺激してくれます。
スープ(ポークエキス、豚脂、食塩、チキンエキス、香辛料、ホエイパウダー(乳製品)、乳等を主要原料とする食品、植物油脂、ごま、ねぎ、しょうゆ、魚介エキス) |
片や「激辛高菜豚骨ラーメン」のスープは粉末だけの構成で、実食前は頼りなく感じていたのですが、なんのこれしき豚骨の旨みは「高菜博多ラーメン」よりも強くてビックリ。二代目「激辛高菜豚骨ラーメン」に別添されていた、ごま油の風味が強い調味油が撤退したことで、従来よりも豚骨に集中できる構成に変わっています。すりごまのコクは気にならなくなりましたけど、いい意味で思い切りましたね。
チキンエキスやホエイパウダー、乳等を主要原料とする食品、魚介エキスなどを組み込んでいるのは「高菜博多ラーメン」にも共通する項目ですが、豚骨感については別物といっても過言ではありません。オリジナルではレトルト辛子高菜を尊重しているのに対し、こちらは豚骨の荒々しさと激辛高菜を打つけることで火花を散らせ、お互いのインパクトを光らせているような相乗効果を感じました。
かやく
かやく(高菜(九州産高菜)) |
激辛高菜は伊達じゃないw
「高菜博多ラーメン」のレトルト高菜は、パッケージの表現通り “ちょっピリ辛” で、なんといってもラーメン店さながらのリアリティが魅力。ちゃんと胡麻油で炒める工程を挟んでいるため、お店の卓上にある辛子高菜と遜色ない、圧倒的なクオリティが楽しめます。これ、白ご飯に乗せたり高菜炒飯にアレンジしても美味しいのですよ。
かやく(高菜(九州産高菜)) |
片や「激辛高菜豚骨ラーメン」の激辛高菜は‥‥辛いw もちろん味が分からなくなるほど非常識ではないけれど、一般の市場に出回っているカップラーメンのトッピングとしては、充分に激辛を謳える辛さには到達しています。ただ、この刺激的な辛さとリアルな高菜の風味がスープの豚骨感を舌に叩き込んでくれる、ひとつの媒体としても機能する設計なので、ただ辛いだけのアイテムではありません。
前述のように “激辛高菜をスープに馴染ませる” ことが美味しく食べるために重要なポイントなので、一般的な激辛(?)が大丈夫な方は、もれなく全量しっかりとスープに馴染ませてください。※食べ始めの瞬発力は控えめですが、後半にかけてジリジリと舌に蓄積し、頭角を現してくるタイプです。
総評
「九州三宝堂 高菜博多ラーメン」とは似て非なる別物で、昨年の二代目「激辛高菜豚骨ラーメン」と比較しても調味油の有無や豚骨感の改良など、明らかに変化していた三代目。総評は昨年から横這いの「★5」としていますが、総合力は三代目(2022年)のほうが高く、いい方向転換だと感じました。
サンポー食品のカップ麺は九州を出た途端にエンカウント率が低くなるので、売ってない地域も多いかと思いますが、見かけたときは試していただきたい。豚骨ラーメンに高菜の組み合わせと辛い食べ物が好きな方にとっては、まさに打って付けの一杯です【author・taka :a(大石敬之)】