どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年11月22日(月)新発売、サンポー食品のカップ麺「激辛ごぼう天うどん」の実食レビューです。
地元民が愛する発売37周年の九州ご当地うどん「ごぼう天うどん」を激辛アレンジ!? どれほどの辛さなのか通常品と比較してみた結果——。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
激辛ごぼう天うどん
サンポー食品(SANPO FOODS Co.,Ltd.)とは、佐賀県三養基郡基山町に本社・工場を置く即席めん及び乾めんのメーカーで、創業は1921年(大正10年)1月。当初は米卸業の「米穀卸大石商店」として開業しましたが、1949年(昭和24年)6月9日に麺事業専門の「株式会社旭製粉製麺所」を設立し、現在は即席カップ麺と棒状ラーメンを主力商品に据え、九州の「うまい」をカタチにしています。
今回の新商品「激辛ごぼう天うどん」は、第4次激辛ブームの真っ只中にあることを背景に、サンポー食品を代表するロングセラーの一つ「ごぼう天うどん」をベースにした激辛カップ麺で、唐辛子を混ぜ込んだ “激辛ごぼう天” を新開発。なぜ「ごぼう天うどん」を激辛アレンジしたのかについては後述するとして、まずは今回のベースとなっている「ごぼう天うどん」の紹介を挟んでおきます。
サンポー食品の「ごぼう天うどん」とは、1984年(昭和59年)11月の発売以来、九州エリアの定番カップ麺として支持されているロングセラー商品で、最終リニューアルは2016年(平成28年)2月22日。福岡・博多うどんの特徴である “ふんわり” とした「やわうどん」を再現し、小えび入りの「かき揚げ風ごぼう天」をトッピング。
粉末スープは “いりこ・北海道産昆布・焼きあご(トビウオ)だし” を合わせた甘めの和風つゆで、ほぼほぼ攻撃性はなく、全体的に優しいテイスト。マルちゃんのブランドで知られる東洋水産も「バリうま ごぼ天うどん」という九州エリア限定の和風カップ麺を展開していますが、東洋水産の「ごぼ天うどん」は2000年から販売を続けている商品なので、このジャンルではサンポー食品のほうが先輩です。
2019年(令和元年)6月9日にサンポー食品(旧・旭製粉製麺所)が設立70周年を迎え、同社のイメージキャラクターを務める「ヤカンちゃん」のデザインが刷新された際、ロングセラーの「ごぼう天うどん」もパッケージのデザインを変更しているのですが、中身についての大幅な変更はありません。
ちなみにヤカンちゃんのデザインが刷新されたとき、妹のピッピちゃん* が生まれ、兄のヤカンちゃん(5歳)は「焼豚ラーメン 九州とんこつ味」を推しているのですが、ピッピちゃん(3歳)の推しメンNo.1は「ごぼう天うどん」だそうです。*カップ麺などの食べ頃を知らせてくれるキッチンタイマーの音「ピッピ」が名前の由来
そんな「ごぼう天うどん」を “なぜ激辛アレンジしてたのか” について、サンポー食品の公式ウェブサイトには “うどん店で七味唐辛子を大量に入れて食べているお客様を見て、うどんも激辛商品になり得ると思い商品化に至りました” と記載されており、なんとも単純明快な理由となっているのですがw 意外と有りそうで無かった展開。
いったい “どれほど辛い” のか‥‥その辛さレベルも然る事乍ら、既存の「ごぼう天うどん」が魅力は踏襲されているのかどうか、せっかくなので通常の「ごぼう天うどん」も調理・実食しながら「激辛ごぼう天うどん」との違いを比較するかたちでレビューします。
開封
まずは通常品「ごぼう天うどん」の開封後、別添の小袋は「粉末スープ」と「ごぼう天」の2種類で、ごぼう天は個包装になっているのですが、粉末スープ・ごぼう天ともに先入れを指定しています。ちなみに東洋水産の「バリうま ごぼ天うどん」は “斜め切りの牛蒡(ごぼう)に衣を付けて揚げている” のに対し、サンヨー食品の「ごぼう天うどん」は “かき揚げ式の天ぷら” を搭載しているのが相違点。
次に「激辛ごぼう天うどん」の開封後、こちらも別添の小袋は「粉末スープ」と「ごぼう天」の2種類で、それぞれ同じサイズとなっているのですが、ごぼう天の色は一見して明白に赤く、この時点で辛そうな雰囲気。ただ、ごぼう天に小海老を加えている通常品と違い、激辛ごぼう天に小海老は入っていないため、そこが唐辛子とのトレードオフを感じる要素。
メーカー希望小売価格は両方とも193円(税別)なので、値段の設定に違いはなく、どちらも全国発売の商品となっているのですが、如何せん “九州を出ると売ってない問題が深刻” というのが玉に瑕。普段からサンポー食品のカップ麺を取り扱っている店舗であれば、入荷している確率も高いかと思いますけど、そうでなければ入手困難な商品になるかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:激辛ごぼう天うどん 製造者:サンポー食品株式会社 製造所:佐賀県三養基郡基山町長野230 内容量:87g(めん60g) 商品コード:4901773101146(JAN) |
発売日:2021年11月22日(月) 実食日:2021年11月27日(土) 発売地域:全国 希望小売価格:193円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:340ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:2袋(ごぼう天・粉末スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白)、かやく(唐辛子入りごぼう天ぷら)、スープ(食塩、香辛料、しょうゆ、糖類、魚介エキス、デキストリン、かつお節粉末、ねぎ、昆布粉末、煮干しイワシ粉末、酵母エキス、植物油脂、チキンエキス)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、酸味料、カラメル色素、膨張剤、増粘多糖類、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・さば・大豆・鶏肉・ごまを含む)※本品は、えびを使用した設備で製造しています。 |
実食開始
【ごぼう天うどん】栄養成分表示[1食(93g)あたり]カロリー 428kcal、たんぱく質 8.0g、脂質 20.2g、炭水化物 53.5g、食塩相当量 4.8g(めん・かやく 2.8g / スープ 2.0g)、ビタミンB1 0.41mg、ビタミンB2 0.30mg、カルシウム 181mg |
まずは「ごぼう天うどん」の調理後、別添の小袋は前述のように “すべて先入れ” なので、ごぼう天の衣はフニャフニャになってしまうのですが、その旨味が粉末スープのコクを深めてくれるのが大きな利点。ちなみに調理の際は、めんの上に「ごぼう天」をあけ、それから「粉末スープ」を投入し、スープの上から熱湯を注ぐのがポイント。
【激辛ごぼう天うどん】栄養成分表示[1食(87g)あたり]カロリー 413kcal、たんぱく質 7.8g、脂質 19.7g、炭水化物 51.1g、食塩相当量 4.6g(めん・かやく 2.6g / スープ 2.0g)、ビタミンB1 0.39mg、ビタミンB2 0.32mg、カルシウム 176mg |
「激辛ごぼう天うどん」の作り方も通常品と共通で、湯戻し時間も熱湯5分なのですが、通常品に入っている半月型の蒲鉾(かまぼこ)は入っておらず、これについてはコスト調整を感じるポイント。しかし、唐辛子の芳ばしい香りは頼もしく、通常品との差別化については申し分ありません。
ちなみに販売店は地域によって異なりますが、九州エリアのセブンイレブンでは取り扱いがあるらしく、全国区だとイトーヨーカドーでも取り扱っている店舗があるようなので、販売店の参考にしてください。それでは、引き続き通常品との違いに注目しながら「めん」「スープ」「ごぼう天」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。以下、最後の総評は「激辛ごぼう天うどん」の感想に基づきます。 |
めん
もしかして微妙に配合を変えている?
「ごぼう天うどん」に使われている油揚げ麺は「日清のどん兵衛」や「赤いきつね」よりも幅が狭く、食べ始めこそ適度なコシを感じるものの、すぐに “ふんわり” と柔らかい質感にシフト。ただ、その “ふんわり” とした儚い弾力こそ「博多うどん」特有の魅力。またサンポー食品のカップ麺は、麺を揚げる際の油にラードを使用しているため、独特の芳ばしい風味が漂ってくる、その背徳感も見逃せません。
「激辛ごぼう天うどん」の麺もラード入りの揚げ油を通過しているため、独特の芳ばしい風味を伴い、やや通常品よりもコシを強めに感じたのですが、後半にかけて “ふんわり” とした儚い弾力にシフトしていくのは共通のポイント。しかし、それでも通常品と比較してコシに持続力があったので、もしかすると小麦の配合を微妙に変えているのかも‥‥。
ちなみに調理前の麺重量は、通常品が65gなのに対し、新作の「激辛ごぼう天うどん」は60gに減らされていたのですが、期間限定のカップ麺では珍しくないこと。むしろ麺量60gは標準どんぶり型での平均的な値なので、特別に少ないわけではありません。もうすこし柔らかいほうが「ごぼう天うどん」らしいと感じたものの、それについては放置時間を引き延ばせば解決です。
スープ
辛さレベルは辛口ないし大辛くらい
「ごぼう天うどん」の粉末スープに使われている海産物は、かつお節粉末を筆頭に、昆布粉末、煮干しイワシ粉末、焼きあご(とびうお)粉末、あじ煮干し粉末と複雑で、醤油のタイプは九州らしく甘口のテイストを表現。やや化学調味料に由来するピリピリとした刺激が並行するものの、それ以外に攻撃的な要素はありません。
醤油や食塩よりも出汁(だし)を重視した優しい味わいで、ほんのすこし唐辛子のアクセントを感じるのですが、辛い食べ物が苦手な方でも気にならない程度だと思います。
「激辛ごぼう天うどん」の粉末スープもオリジナルの流れを汲んでいるのですが、あじ煮干し粉末と焼きあご粉末は使用していないため、それについては大きな違い。ただ、通常品には使われていない黒ごまや白ごまを追加しているのと、明らかに唐辛子(細挽&粗挽)の量が多く、それらに由来する芳ばしい風味と攻撃性の高さで通常品と差別化。
昨今の即席カップめん業界では、極端な辛さのスープも多くなっているため、正直この程度では “ふつうに辛口” ないし “大辛” といわざるを得ない辛さレベルになりますけど、辛い食べ物が苦手な方は、とりあえず避けておいたほうが安全な辛さには到達しています。
ごぼう天
ごぼう天は辛くても辛くなくてもインパクト大
「ごぼう天うどん」に使われているメインの「ごぼう天」は、熱湯5分で麺が見えないほどのサイズに膨張し、その衣から滲み出る膨よかな旨みに思わず笑みが溢れ、ふわっと香る小海老天の芳ばしさも大切な見どころ。肝心の牛蒡は薄めの笹掻きなので、東洋水産の “太かごぼ天” には負けますけど、牛蒡が持つ芳ばしい風味は強く、たっぷりの衣から得られる満足感も一入。
「激辛ごぼう天うどん」に使われている「激辛ごぼう天」のサイズと笹掻き牛蒡は通常品と共通で、しかしながら衣に唐辛子を練り込んでいるのが大きな違い。残念ながら小海老天は入っていませんが、これ単体で食べても唐辛子の辛味を感じる逸品で、すくなからずスープにも影響を及ぼしていることは間違いありません。
ちなみに蒲鉾や牛蒡の数は個体差によって変動するため、必ずしも今回のバランスが絶対というわけではないのですが、衣のボリューム感については毎回それほど違わないと思います。
総評
辛味は同社の「九州地獄豚骨ラーメン」や「激辛高菜豚骨ラーメン」と比較して弱く、一般的に見ても “辛口〜大辛” 程度の辛さだと感じたので、商品名に激辛を冠すのであれば、もうすこし辛さに振り切ってほしかったところ。ただ、明らかに通常品と比較して辛味は強く、真面目な商品が多い和風カップめんカテゴリーの中で見ると、かなりインパクトの強い仕上がりであることは間違いありません。
今回の総評は「激辛」の観点から★ひとつマイナスしましたが、激辛系のカップうどんは発展途上のカテゴリー。その中で「ごぼう天うどん」を辛くする発想は面白く、味だけでいえば★5クラスの一杯でした【author・taka :a(大石敬之)】