どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年12月27日(火)新発売、東洋水産のカップ麺「若武者外伝 ガッツリラーメン いち豚」の実食レビューです。
ローソン名店シリーズに初展開!? 福島は二本松の名店「麺処 若武者」グループのガッツリ系ブランド “GRいち豚” のカップラーメンが満を持して登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
若武者外伝 ガッツリラーメン いち豚
麺処 若武者(めんどころ わかむしゃ)とは、2009年(平成21年)12月9日に福島県は二本松で創業以来、ふくしま三大ブランド鶏『会津地鶏』『川俣シャモ』『伊達鶏』を使った「中華そば」や「鶏白湯」で絶大な人気を誇るラーメン店で、角川アスキー総合研究所の専門誌『ラーメンWalker福島』にて誰よりも早く総合部門1位を2年連続獲得し、福島県初の殿堂入りを果たした実力派。
なかでも2016年(平成28年)8月1日〜31日に実施されていた「Yahoo! 特別企画」の投票型コンテスト「ラーメン特集 2016-2017」における「第8回 最強の次世代ラーメン決定戦!」にて、見事 “次世代部門・優勝” を獲得した「次世代特濃旨辛鶏台湾ラーメン」(現「特濃旨辛福島鶏台湾」)は、ローソン名店シリーズの定番カップ麺になるなど、すっかり「麺処 若武者」の代名詞となっているのですが‥‥
今回の新商品「若武者外伝 ガッツリラーメン いち豚(いちぶた)」は、若武者グループの二郎インスパイア部門「ガッツリラーメン いち豚」の味わいを再現したカップラーメンで、製造者はローソンのカップ麺「麺処 若武者監修 特濃旨辛鶏台湾」を担当している東洋水産。若武者グループ代表・山本一平(やまもと いっぺい)店主監修のもと、初めて「いち豚」の即席カップめん化が実現しました。
あらためまして「ガッツリラーメン いち豚」とは、若武者グループの3号店に位置するブランドで、いわゆる “二郎系” や “二郎インスパイア店” ではなく、ラーメン二郎の総本山「三田本店」の流れを汲んだ直系店の中でもトップクラスの実力派として知られる関内二郎(ラーメン二郎 横浜関内店)をリスペクトした、すき焼き風のガッツリ系ラーメンを提供しています。そして、ここに至るまでの経緯が面白い。
2022年12月現在は福島県内に「福島上町本店」「郡山金屋店」「いわき鹿島店」計3店舗を展開している「いち豚」ですが、もともとは2018年(平成30年)5月12日にオープンした「優味麺亭 鸐(ゆうみめんてい やまどり)」にルーツを持ち、当初は “無化調・ミネラル・減塩減油” をコンセプトにした身体に優しいラーメンを提供していました。
しかし、2020年(令和2年)3月上旬——。そんなカラダ想いの「優味麺亭 鸐」が定休日に始めた二毛作ビジネスが “ガッツリ系” の「豚いち」で、しばらくは木曜日限定の隔週営業となっていたのですが、同年4月より月・火・木・金・土・日は「ガッツリラーメン 豚いち」として営業。水曜日のみ「優味麺亭 鸐」として営業するように切り替わり、2022年2月1日から店名を「いち豚」にリニューアル。
「豚いち」から「いち豚」に名前を変更した理由は、地域の皆様に “いちばん愛される豚ラーメン” となるように-・との想いに由来し、ニンニク・ヤサイ・アブラ・カラメ・ショウガといたコール(無料トッピング)システムの完備はもちろん、それとは別に「今週のアレ」という週変わりの無料トッピングを実施するなど、真逆といっても過言ではない業態変更にもかかわらず、見事に成功を収めました。
若武者ブランドのカップ麺は「若武者外伝 ガッツリラーメン いち豚」で通算8品目に該当するのですが、大判どんぶり型の容器を採用した商品も「ガッツリラーメン いち豚」が題材のカップラーメンも若武者監修シリーズ初の試み。前述のように店舗のラーメンは “関内二郎” をリスペクトしているようなので、スープの乳化具合や甘みの効かせ方に注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「粉末スープ」「液体スープ」「もやし調理品」の件4種で、もやし調理品は直近だと「マルちゃん正麺 カップ 濃厚もやし辛味噌(二代目)」にも使われていた安心と信頼のバリシャキもやし。二郎インスパイア系のカップ麺は数あれど、このバリシャキもやしに勝てる乾燥もやしは存在しないため、かなり大きなステータス。
麺は油で揚げずに乾燥させた非フライ麺で、パッケージに麺の製法までは記載されていませんが、原材料に “こんにゃく” を使用した構成から察するに、マルちゃん正麺(せいめん)カップと同じ「生麺ゆでてうまいまま製法(特許 第5719064号)」とみて間違いありません。この麺はクオリティの高さと引き換えにバリエーションが乏しいため、今回のスープに上手くハマってくれるのかどうかが最初の難関。
それと見逃せないのがローソン標準価格の設定で、まさかの310円(税込335円)と強気な値段。ローソンで買える「ジャッキーカルパス(72g)」や「粗挽き黒胡椒サラミ(57g)」などと同じ値段なので、そう考えたら感覚がズレてくるんですけどw コンビニで300円オーバーのカップ麺は高級な部類。はたして値段相応の仕上がりなのか、費用対効果的な部分も考慮した上で評価しなければいけません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:若武者外伝 ガッツリラーメン いち豚 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:160g(めん75g) 商品コード:4901990373487(JAN) |
発売日:2022年12月27日(火) 実食日:2022年12月27日(火) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 小売価格:310円(税別) 購入価格:335円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体スープ・粉末スープ・かやく・もやし調理品) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、植物油脂、乳糖、大豆食物繊維)、添付調味料(しょうゆ、ポークエキス、豚脂、植物油、香辛料、糖類、デキストリン、食塩、たん白加水分解物)、かやく(もやし、キャベツ、焼豚、にんじん)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、かんすい、カラメル色素、炭酸カルシウム、レシチン、酸化防止剤(ビタミンC、ローズマリー抽出物、ビタミンE)、増粘多糖類、酸味料、クチナシ色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ベニコウジ色素、ビタミンB1、甘味料(ソーマチン)、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、丸型の焼豚が1枚に、少量のキャベツとジャンル的には頼りないラインナップ。なかでも店舗の厚切りチャーシューは、とろけるような食感を特徴とし、マニアの間で “神豚(かみぶた)” と呼ばれる至高の逸品なので、もうちょっと力を入れてほしかった思いもありますけど、もやし調理品の別添を踏まえると許容範囲内でしょうか。
もやし調理品と添付調味料は後入れなので、かやくを入れてから熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「液体スープ」と「もやし調理品」を温めながら待つこと5分。時間になったら「粉末スープ」と「液体スープ」を馴染ませて、最後に「もやし調理品」をトッピングしたら出来上がり。豚の迫力こそ妥協しなければいけないポイントになりますが、漂ってくる湯気の香りは想像以上にイイ感じ。
ただ、販売店はローソン限定かつ税込335円のハイエンドクラスに位置するカップラーメンなので、引き続きコストパフォーマンス的な部分にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(160g)あたり |
カロリー:413kcal たん白質:12.3g 脂 質:11.8g 炭水化物:64.4g 食塩相当量:7.1g (めん・かやく:2.3g) (スープ:4.8g) ビタミンB1:0.25mg ビタミンB2:0.31mg カルシウム:192mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:413kcal(めん・かやく:322kcal)(スープ:91kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
二郎インスパイアっぽくはないけど高品質
「福島上町本店」と「いわき鹿島店」では、福島県福島市にある1950年(昭和25年)創業の製麺所「羽田製麺」から取り寄せている特注の太麺を使い、3店舗の中でも「郡山金屋店」だけは完全自家製麺で、麺の厚みや配合に違いがあるようです。そのどちらをイメージしているのかは定かでないけれど、ひとまず今回のノンフライ麺は、よくも悪くも「正麺カップ」の流れを汲んだ質感で‥‥
二郎インスパイア御用達のゴワゴワ・ワシワシとした質感は皆無に等しく、むしろ洗練された雰囲気を感じるくらい。そのため “それっぽい” かと聞かれたら、可もなく不可もなしと答えますけど、結果的に後述するスープとの相性は悪くありません。やや加水率は高めに設定されていますが、スープの馴染みも悪くなかったので、おおむね「正麺カップ」が好きなら違和感なく楽しめるでしょう。
近年の東洋水産が手掛ける高価格帯のノンフライ麺は、もれなく「生麺ゆでてうまいまま製法」なので、一つ覚えの決まり文句というかマンネリ気味に感じることもありますけど、けっしてクオリティが低いわけではありません。ただ、とんこつ専用の極細バリカタ麺だったり、インスパイア系の加水率が低い極太麺だったり、来年はバリエーションを増やしてもらいたいですね。
スープ
液体スープの臨場感に注目
まずは「粉末スープ」単体の味を確認してみたところ、目立っていたのは東洋水産が得意とするガーリックパウダーと人工的な旨み成分で、あくまでも土台を支えることに徹しているようなフレームワーク。いかにもカップラーメンらしいというか、臨場感のある味わいとはいえないけれど、続けて「液体スープ」を加えると一変。
この系統としては上品に思える味わいですが、漠然と “それっぽい” 雰囲気が楽しめる水準には達しており、ふと鼻に抜ける豚のニオイが想像していた以上にリアル。しょうゆのコクは明確でありながら、カエシそのものは比較的に甘く、すき焼き風と形容される味わいに近付けてあるのですが、ガーリックパウダーとは別に刻みニンニクと生姜が仕込んであるので、ただ甘ったるいだけのスープではありません。
大きめの背脂は入っていませんが、そこそこアブラの量は多く、誇張し過ぎない程度に豚臭かったのも印象的。また実店舗のスープは “ちょっぴり乳化させている” とのことなので、乳化具合も近いのではないかと感じました。東洋水産らしく優等生にデフォルメされてはいるものの、たとえば日清食品の「豚ラ王」とは別のベクトルを歩みながら、しっかりとハイレベルな仕上がりです。
かやく
もやしが好きなら試してほしい
丸い焼豚は前述のように “神豚” の足元にも及ばないクオリティで、キャベツも量が多いとはいえないけれど、もやし調理品の満足度は凄まじく、これについては文句の付け所が見当たりません。長期保存の観点からpHを調整しているので、どうしてもナムルっぽい感じになるのですが、その淡い酸味がスープの(いい意味で)下品な部分を引き出してくれる効果があり、それも含めて印象に残りました。
総評
現在の東洋水産が誇る「生麺ゆでてうまいまま製法」の例に漏れず、今回も麺の仕様が「マルちゃん正麺 カップ」そのままなので、そろそろバリエーションを増やしてほしいのが本音ではあるものの、優等生でありながらも “それっぽい” スープの臨場感は記憶に残るレベル。
残念ながら神豚に該当する具材は入っていませんが、もやし調理品から得られる満足度は高く、結果的に税込335円という販売価格を加味しても良品だと感じました。こちらは通年販売されている「特濃旨辛鶏台湾」と違い “期間限定” なので、気になっている方は早めに最寄りのローソン店舗をチェックしてください【author・taka :a(大石敬之)】