どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年3月5日(月)新発売のカップ麺、エースコック「俺たちのガッツ飯 爆汗 ナポリタン風まぜそば」の実食レビューです。
「俺たちのガッツ飯」シリーズ第3弾は「ナポリタン」をアレンジした爆汗必至の「まぜそば」がテーマ!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
俺たちのガッツ飯 爆汗 ナポリタン風まぜそば
「俺たちのガッツ飯(おれたちのがっつめし)」とは、ウマいものを心ゆくまでがっつり食べたい欲張りな男性に向けた汁なしカップめんシリーズで、2018年6月18日(月)にシリーズ第1弾「俺たちのガッツ飯 爆汗 四川風麻婆油そば」を発売、2018年10月8日(月)にシリーズ第2弾「俺たちのガッツ飯 爆汗 四川エビチリ風油そば」を発売していました。
シリーズ第3弾となる今回のテーマは「ナポリタン風まぜそば」となっているのですが、間にあるサブタイトル的テーマは第1弾(前々回)・第2弾(前回)と同じく「爆汗」。読み方は「ばくあせ」ではなく「ばっかん」なんですけど、エースコック曰く “汗が噴き出るほどの辛さがクセになる” というコンセプトに由来している激辛カップ麺に位置しています。余談ですが、シリーズのロゴマークが「メタリカ」の『セイント・アンガー』(St. Anger)にしか見えません。
このブログではシリーズ第1弾の「四川風麻婆油そば」もシリーズ第2弾の「エビチリ風油そば」もレビューしているのですが、どちらも突き抜けて非常識な辛さではありませんでした。もちろん辛い食べ物が苦手だと厳しいであろうレベルには到達していたものの、「激辛ペヤング(まるか食品)」や「辛辛魚らーめん(寿がきや食品)」を激辛カップ麺の平均とするならば爆汗は大辛くらい。
それに味も「四川風麻婆」と言われたら遠からず近からず(いや、ちょっと遠いかな‥)、でもって「エビチリ風」に関しては完全にエビチリどこいった状態だったのでw たしかに油そばらしくタレは油たっぷりで「ガッツ飯」というコンセプト通り味の濃さも麺の量もガッツり系の仕上がりではあったんですけど、両者ともに総合点としては惜しい(あと一歩)という印象が強く、総評では★4と判定しました。
今回も同じく「爆汗」がテーマの大盛り汁なしカップ麺になるのですが、第1弾・第2弾の中華風(麻婆豆腐とエビチリ)から洋風(ナポリタン)へとテイストは大幅に変わり、タイトルも「油そば」ではなく「まぜそば」に変更。「油そば」と「まぜそば」の違いは一般的に呼び方の違い、つまり「汁の無いラーメン」の総称として同義語と認識されることも多いのですが、厳密には違う料理と区別しているお店もあります。
「油そば」の起源については諸説あるようですが、油そば発祥の店として最も有力とされている説は東京・武蔵野の亜細亜大学近くにある「珍々亭(ちんちんてい)」。文字通り油を使用しているのですが、主に胡麻油などの植物性油に由来し、そこへ醤油ベースのタレを合わせ、具材はラーメンに倣った定番のメンマやチャーシュー、ネギ、ナルトなど、余計なものは入れずに硬派でシンプルな構成となっていて、お店の卓上にある味変用の調味料は酢やラー油が一般的。
一方、「まぜそば」にも油やタレは使用されていますが、醤油ダレ以外のタレを使うこともあれば動物性のアブラ(豚の背脂や鶏油)を主軸にしている店も多く、トッピングには魚粉や卵黄(温泉卵)、ニラ、海苔、チーズなど多種多様なラインナップ(パターン)があり、その他お店独自のトッピングなどが豊富に用意されていることも珍しくありません。厳密に区別していない専門店もありますが、「まぜそば」の代表例としては「麺屋はなび」の「台湾まぜそば」がイメージしやすいのではないかと思います。
さて、今回のカップ麺に戻りましてパッケージには「赤唐辛子、青唐辛子が利いた激辛濃厚トマトソース!」と書いてあるように、ハッキリと「激辛」を主張しているのですが、「小さなお子様や辛いものが苦手なお客様のご飲食は――」などの警告文はありません。それに激辛トマトソースといえば「アラビアータ」が定番なので、ナポリタンと思える決定的な個性の打ち出し方も気になるところ。
それに第1弾・第2弾ではフルカラーシュリンクラベル(「スーパーカップ 大盛りいか焼そば」などのようにデザインが外装フィルムに直接プリントされているタイプ)のパッケージが採用されていたのに対し、今回は紙のフタに直接デザインが描かれて外装フィルムは透明、また「爆汗」の書体も変わっていました。辛さレベルやナポリタンの再現度も気になるところですが、そもそも製品の作り自体が以前とは違うものに刷新されたのも興味深い変化です。
開封
別添の小袋は先入れの「かやく」、後入れの「調味たれ」と「スパイス」あわせて3種類。これについては第1弾・第2弾と同じ構成で、なんとなくスタイリッシュなSpiceのデザインも同じような雰囲気です。そこには一味唐辛子が主体の粉末が入っていたのですが、ジョロキア(激辛唐辛子)以上の品種は使用されておらず、またハバネロの癖も気にならない、しかしながら焙煎したような唐辛子特有の芳ばしい香りが印象的でした。
麺の量は一般的なレギュラーサイズのカップ焼そば(90g〜100g)よりも多い120gとなっているのですが、同社の「スーパーカップ 大盛りいか焼そば」をはじめ大盛り汁なしカップ麺の平均麺量は130gなので、ちょっと少なめの量になっています。この時点で油揚げ麺特有のニオイも強めに漂ってくるのですが、食欲旺盛な男性ユーザーに捧ぐ一杯なので、さしたる問題ではないでしょう。
私は兵庫県北部を中心に展開している近畿地区のローカルスーパーで購入したのですが、コンビニではローソンで見かける頻度が高く、行動圏内にあるセブンイレブンとファミリーマートの店舗では売ってないという状況でした。品揃えについては地域や店舗の入荷状況にも左右されるかもしれませんが、営業の関係でローソンが意欲的に取り扱っているかもしれません(ちなみにコンビニで購入すると税込価格245円が平均的な値段になると思います)。
製品情報・購入価格
製品名:俺たちのガッツ飯 爆汗 ナポリタン風まぜそば 製造者:エースコック 製造所:自社工場 兵庫県加東市(製造所固有記号 W) 内容量:156g(めんg120) 発売日:2019年03月04日(月) 実食日:2019年03月05日(火) JANコード:4901071207625 希望小売価格:230円(税抜) 発売地域:全国(スーパー・コンビニ等) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛寸胴型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:650ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(調味たれ / かやく / スパイス) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩)、たれ(植物油脂、砂糖、トマトペースト、動物油脂、食塩、トマトケチャップ、ソース、発酵調味料、チキンエキス、ポーク調味料、オニオンパウダー、ペパーソース、香辛料)、かやく(キャベツ、鶏・豚味付肉そぼろ、玉ねぎ、香辛料、唐辛子)/ 加工でん粉、炭酸カルシウム、酒精、カロチノイド色素、香料、かんすい、調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、カラメル色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉(表示が義務付け及び推奨されているもの) |
実食開始
「かやく」の原材料名はキャベツ、鶏・豚味付肉そぼろ、玉ねぎ、香辛料、唐辛子となっているのですが、香辛料は「スパイス」の中身を意味しているでしょう。あまりナポリタンらしい具材構成とは言えませし、それ以前に絶対量も少ないですね。ただ、メンマやナルトなど、硬派な「油そば」とは違う構成なので、そこは「まぜそば」らしい‥いや、この項目で油そばとの違いを言及すると四川風麻婆やエビチリ風での定義が怪しくなってくるのですがw
とりあえず後入れの「調味たれ」には低い温度になると凝固する動物油脂が含まれていることと、調理方法には記載されていませんが「フタの上にのせよく温めて、お召し上がりの直前に入れてください」と小袋の両面に書いてあるので、お湯を内側の線まで注いだら4分間、フタの上で調味たれの小袋を温めておきましょう。
4分後に湯切りを行い、調味たれを混ぜ合わせ、仕上げの「スパイス」をふりかけたら完成です。調味たれを開封すると青唐辛子特有の香りが立ち、スパイスを開封すると赤唐辛子特有の芳ばしさが主張する、なかなか個性的な香りですが、トマトや甘みを帯びた香りは控えめなので、現段階ではナポリタン風の印象が皆無に等しい実食前。それでは、ナポリタンらしさと辛さレベルに注目しつつ、「めん」「たれ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
1食(156g)当たり
カロリー:647kcal |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。特に食物アレルギーなどのアレルギー疾患に懸念がある方は、念の為ご購入・お召し上がりの前に、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
しっかりとした弾力と滑らかさを併せ持つ丸刃の太めんです。口の中で存在感をしっかりと感じられる、食べごたえ抜群のめんに仕上げました。
(出典:エースコック「商品情報」)
食べ始め直後はモッチリとした弾力に力強さを感じる太めの油揚げ麺で、あまり縮れは強くありません。しかし、わりと早い段階からソフトの食感に変化します。中心部には適度に弾力が残ってはいるものの、かなり表面は柔らかく、まぜそばとしては頼りなさが否めなかった反面、ナポリタンとしてはソフトな食感がイメージにピッタリで好印象。
第1弾の「四川風麻婆油そば」ではガッシリとしたカドメン系の太麺で、第2弾の「エビチリ風油そば」ではモッチリとしたグルテンの粘り強い弾力が印象的な角刃の油揚げ麺が使用されていたのですが、まるで真逆を歩むような優しい口当たりと柔らかい食感から第1弾・第2弾とは大幅な違いを感じました。
麺の量は一般的な大盛り汁なしカップ麺の平均値よりも少ないと書きましたが、どうも「ガッツ飯」シリーズは前作から一貫して共通の麺量120gに固定されているので、どうやら120gが定量となっているようですね。後述するタレの青唐辛子による清涼感で多少なりとも誤魔化せてはいたものの、やや油揚げ麺特有の野暮ったさが気になったりもしたのですが、ソフトな質感はナポリタンっぽかったです。
たれ
オニオンやガーリック等の香味野菜の旨みが利いたトマトベースのナポリタン風調味たれです。別添のスパイスをふりかける事で、青唐辛子や、赤唐辛子の辛味が合わさり、最後まで刺激的な味わいに仕上げました。
(出典:エースコック「商品情報」)
タレを投入した直後は青唐辛子特有の爽やかな香りが立ち、スパイス(一味唐辛子)のかかっていない状態の味は同社が製造する「来来亭 旨辛麺(ファミマ限定カップ麺)」のように赤唐辛子とは違う青い辛味が目立っていて、なるほど個性的なテイストではあったものの、ナポリタンかどうかと聞かれたらハイそうです間違いありませんと即答することはできません。まず甘さですが、他社の製造するナポリタン系の汁なしカップ麺(特に日清食品と東洋水産が意欲的)は例外なく甘さが強めに効かせてあるのに対し、エースコックの「ナポリタン風まぜそば」は体感的に甘さが強くないのがポイント。
原材料の並びを確認すると砂糖が多めに使用されていることが分かるのですが(含有量の多い原材料から手前に記載されています)、体感的には砂糖の甘さよりも青唐辛子の清涼感が勝っているので、実際そんなに甘さが目立っているわけではなく、既存のナポリタン系カップ麺との大きな違いが見られます。ただ、そもそもナポリタン風かどうかの再現度に焦点を絞ると、残念ながらけっこう遠いw
油の量は一般的なソース味の定番カップ焼そばよりも多く、しかしながら麺に馴染ませた後もオイル成分が容器の底に残っていた第1弾・第2弾の「油そば」ほど多くなかったので、油の量が商品名を「まぜそば」に変更した大きな理由かもしれません。ただ、トマトペーストやトマトケチャップを使用していることから味はトマトベースではあるものの、ナポリタン風と前もって知らされている状態で食べても遠く、むしろトマト風味+青唐辛子の清涼感でどちらかというとメキシコ料理に近い印象を受けました。
別添のスパイスを加える前の辛さは贔屓目に見て中辛、辛い食べ物が得意ならピリ辛ちょい上程度の辛さなので、だいぶ物足りない印象です。麺を4口弱ほど食べた後にスパイスを全体に馴染ませたところ、とうぜん辛さは目に見えてアップしましたが、それでも辛さレベルは辛口ちょい上、贔屓目に見てもギリ大辛クラスといったところだったので、今回も激辛クラスには到達していません。
ほぼスパイスの中身はシリーズの前作同様に赤唐辛子が主体となっていて、他のスパイスや青唐辛子がブレンドされている様子もなく、唐辛子の品種も一般のスーパーに出回っている常識的なもの。ハバネロ特有の癖も感じませんでしたが、わりと瞬発力のある辛さから身体や顔がポカポカしてくる作用は得られました。でも真夏ならともかく爆汗ってほどの発汗作用はないような‥いや、私の新陳代謝が悪いだけだったら申し訳ないです。
たとえばソーセージやベーコンを彷彿とさせる燻製風味やフライパンで炒めたような調理感を演出する、またはスパイスの中にナポリタンで定番のパルメザンチーズ系の粉チーズを別添するなど、そういった工夫が凝らされていれば、もっとナポリタンらしい方向に引っ張れたかもしれませんね。
かやく
シャキシャキとした食感の良いキャベツ、程良く味付けした肉そぼろ、玉ねぎ、唐辛子を加えて仕上げました。
(出典:エースコック「商品情報」)
ナポリタンの定番具材といえばソーセージやハム、ベーコンなどの加工肉、人参、玉ねぎ、ピーマン、マッシュルームなどが一般的かと思いますが、そこから連想される共通の具材といえば玉ねぎくらいで、あとはソース味のカップ焼そばなどに入っていても不自然ではない具材のラインナップとなっています。いや、むしろ同社が製造するCoCo壱番屋監修シリーズなど、カレー味のカップ麺に入っていそうな内容ですね。
「シャキシャキとした食感の良いキャベツ」は、みずみずしい茹でキャベツ系で、あまり量も多いとは言えません。そして「程良く味付けした肉そぼろ」は、残念ながらシリーズ第1弾に使われていたハズレ系の肉そぼろで肉の旨味は得られず、味付けも微々たるもので食感はスポンジのごとくスカスカ‥あまり印象に残る具材ではないと思います。
「玉ねぎ」はエースコックが得意とする細長いフレッシュなシャキッとタイプではなく、いったん素揚げにしてから乾燥させたような雰囲気で、玉ねぎ特有のキレよりも甘みを意識しているような食感も風味も柔らかいタイプ。唯一好印象だったのは輪切りにされた大きめの唐辛子で、口に飛び込んできたときのピリッとしたアクセントには好感が抱けました。しかし、これらの具材からナポリタンを想起するのは、いくら想像力が豊かな方でも至難の業かもしれません。
総評
★★☆☆☆☆☆☆☆☆(★2)
美味しいかマズいかでいえば単純に不味くはなかったんですけど、やはり今回も激辛とは言えません。またナポリタン風にしてはトマトや甘さが弱めで調理感なども意識されておらず、ナポリタン成分は控えめ。というわけでトマト風味+青唐辛子の清涼感でメキシカン路線にイメージを切り替えて食べ進めてみたのですが、メキシカン風をイメージするとスパイス感に欠ける、結果まだ足場が固まっていないような印象が否めませんでした。
漠然と辛い汁なしカップ麺が多めに食べたい気分の時であれば度が過ぎない辛さと量的に満腹感は一定量満たされそうですが、肝心のナポリタンらしいクセになる中毒性や激辛に期待している方にはオススメできません。しかし、丸刃でカットされている口当たりのいいソフトな油揚げ麺は実にナポリタンらしかったので、今後なにかしらの機会にナポリタン系の汁なしカップ麺を製造する運びとなった際は、ぜひとも再び採用してもらいたいです。