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行列の絶えない不動の人気店【頑者】10年ぶりにカップ麺を監修 “またおま系” の源流「濃厚魚介豚骨」を再現!!

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日清食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2022年5月31日(火)新発売、日清食品のカップ麺「頑者 濃厚魚介豚骨ラーメン」の実食レビューです。

濃厚豚骨魚介つけ麺ブームのパイオニアが10年ぶりにカップラーメンを監修!? 行列の絶えない不動の人気店「頑者 本店」が創り上げた “元祖またおま系” の味わいを再現!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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頑者 濃厚魚介豚骨ラーメン

頑者(がんじゃ)とは、2000年(平成12年)10月の創業以来、埼玉県川越市(本川越)で絶えず行列を成す “濃厚豚骨魚介つけ麺ブーム” の火付け役で、現在はマニアの間で “またおま系”(またお前もその味か‥‥)などと揶揄されることもあるカテゴリーですが、それを切り拓いたのが「頑者」の創業者であり、当時のラーメン業界に一石を投じた大橋英貴(おおはし ひでたか)その人。

パッケージには店舗の概要と店主の写真を掲載

今回の新商品「頑者 濃厚魚介豚骨ラーメン」は、自家製極太麺×濃厚つけダレ×魚粉の金字塔を打ち立てた「頑者」の大橋店主監修のもと、同店の味わいを再現した縦型ビッグのカップラーメンで、全国に点在するイオングループの店舗を対象に新発売。製造は即席カップめん業界最大手の日清食品で、頑者監修によるカップラーメンが市場に姿を見せたのは彼此10年ぶり。

日清食品×頑者のコラボ商品といえば、カップ麺になった有名店が “次にカップ麺にしたい有名店を推薦する” リレー形式の企画「有名店が推す一杯」シリーズ第7弾として、無鉄砲(むてっぽう)の店主・赤迫重之(あかさこ しげゆき)氏の推薦により、2012年(平成24年)3月19日発売の縦型ビッグ「頑者 濃厚魚介醤油」を監修しているのですが、それが「頑者」史上初のカップ麺ではありません。

さらに遡ること2006年(平成18年)5月、公式のデータベースに情報は残っていませんが、大阪府吹田市に本社を置くエースコックが「頑者 荒節Wスープ仕込 濃厚和風ラーメン」という大判どんぶり型(ノンフライめん)のカップラーメンをリリースしていた経緯があり、2007年(平成19年)11月26日にも同じ製品スタイルの「頑者 Wスープ仕込み濃厚和風ラーメン -荒節仕上げ-」を市場に投下。

10年以上前にエースコックが販売していた頑者のカップ麺

さらに同日、現在の即席カップめん業界では完全に姿を消してしまった “つけめん” タイプの「頑者 Wスープ仕込み濃厚だれつけめん -荒節仕上げ-」を関東・甲信越エリア限定で発売していたのですが、エースコックとのコラボは其れっ切り。諸々の技術は当時よりも圧倒的に向上しているので、そろそろ「つけめん」再開してくれないですかね‥‥。

——と、それはさておき直近だと2021年8月30日発売のチルド製品「麺の達人 つけ麺用極太麺 4人前」(日清食品チルド)を監修していた「頑者」ですが、即席カップ麺の監修は「日清 有名店が推す一杯 頑者 濃厚魚介醤油」以来の話なので、なんと10年ぶり。ただ、前述のようにイオングループ限定のPB(プライベートブランド)商品という立ち位置から、該当する系列店舗にしか売ってない限定品。

イオングループの中でもGMS(総合スーパー)事業のイオンリテールやサンデー、スーパーマーケット事業のマックスバリュ、ディスカウントストア事業のビッグ・エーでの取り扱いは確認していませんが、コンビニ事業の「ミニストップ」では積極的に入荷している店舗が多く、頑者の公式Twitterアカウントによる情報に基づくと「ウエルシア」や「まいばすけっと」も販売店の対象とのこと。

撮影協力:ミニストップ店舗

はたして「頑者 本店」が誇る濃厚な味わいを全面に押し出しているのか、それとも老若男女が楽しめるように食べやすくデフォルメされているのか、ちなみに10年前の「有名店が推す一杯」では賛否両論あったので、どのように進化しているのか楽しみです。

開封

頑者の代名詞といっても過言ではない魚粉を別添

今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「特製後がけ魚粉」が1袋。そこまで量は多くないのですが、天面のシズルにも小さく盛られた魚粉のイメージが確認できるように、食べる直前にトッピングできる魚粉の別添は嬉しいポイント。そして、魚粉は別添の小袋だけにあらず。

粉末スープに多めの魚粉を仕込んでいる様子

かやくの構成は味付豚肉、味付メンマ、ナルト、ネギとシンプルですが、フタを開けた途端に攻め寄せてくる魚粉の香りは圧巻で、かなり重奏的。ただ、香りで感じたファーストインプレッションは “どん兵衛の粉末スープを濃縮したような-・” だったので、日清食品のカラーが強めの掴み。

イオングループが設定している本体価格は215円(ミニストップでの販売価格は税込232.20円)だったので、NB(ナショナルブランド)のメーカー希望小売価格に換算すると、縦型ビッグで標準的な220円(税別)‥‥というのは、5月末日までの話。ちょっと余談になりますが、2022年6月1日(水)出荷分より “従来の希望小売価格から6~12%ほど値上げされた” ので、今後は基準が変わります。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:頑者 濃厚魚介豚骨ラーメン
製造者:日清食品株式会社
製造所:+F 静岡工場(静岡県焼津市相川17-2)
内容量:109g(めん80g)
商品コード:4902105272336(JAN)
発売日:2022年05月31日(火)
実食日:2022年06月01日(水)
発売地域:全国
取得店舗:CVS(ミニストップ)
商品購入価格:232.20円(税込)
希望小売価格:215円(税別)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:紙
湯量目安:420ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:1袋(特製後がけ魚粉)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、チキン調味料、卵粉)、スープ(魚粉、豚脂、ポーク調味料、小麦粉、糖類、でん粉、クリーミングパウダー、粉末しょうゆ、チキン調味料、食塩、酵母エキス)、かやく(味付豚肉、味付メンマ、なると、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、カラメル色素、炭酸Ca、香料、乳化剤、かんすい、酸味料、グリセリン、酸化防止剤(ビタミンE)、カロテン色素、クチナシ色素、チャ抽出物、ビタミンB2、シリコーン、ベニコウジ色素、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉を含む)

実食開始

平打ちストレート麺を搭載

麺は油で揚げたフライ麺で、ちぢれは弱く、数年前に日清食品が展開していた「有名店シリーズ」の低加水麺を彷彿とさせる佇まい。10年以上前にリリースされた「有名店が推す一杯」にも太めの平打ちストレート麺を搭載していましたが、すくなくとも完全に同じ麺ではないでしょう(万が一にも同じだったら逆にスゴい)。

雰囲気はイイ感じ

別添の魚粉は後入れなので、お湯を注ぐ前にフタの上から取り外し、内側の線まで熱湯を注いだら、フタをして待つこと5分。麺は適切に解けましたが、とろみ成分が強かったので、溶け残りがないように容器の底から念入りに混ぜ合わせてください。

ちなみに「有名店が推す一杯」では “頑者の特徴である魚介系の風味を感じることができる別添オイル付” だったので、それについては大きく仕様が変わっている2022年発売品。はたして “またおま系” のルーツとなった「頑者」ならではの魅力が伝わってくるのかどうか、引き続き「めん」「スープ」「具材」の項目に分けて特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(109g)あたり
カロリー:493kcal
たん白質:14.8g
脂  質:19.9g
炭水化物:63.6g
食塩相当量:7.3g
(めん・かやく:2.9g)
   (スープ:4.4g)
ビタミンB1:0.37mg
ビタミンB2:0.64mg
カルシウム:326mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:493kcal(めん・かやく:390kcal)(スープ:103kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

再現度は低いけど基礎クオリティは高い

4.0

原材料に梘水(かんすい)を使用しているため、分類上は “中華麺” に該当するのですが、体感的に「日清のどん兵衛」に使われている油揚げ蕎麦(日本そば)の延長線上にある質感。そば粉の風味を感じるわけではないものの、後述するスープの魚介が強いので、ずいぶんと印象は和のベクトルに引っ張られます。

加水率は低め

「頑者 本店」で提供されている麺は、埼玉県川越市今成の製麺所「ひかり食品」を実家に持つ店主こだわりの自家製麺で、もっちりとした粘りと弾力のある質感を特徴としているのですが、それをイメージしている油揚げ麺の加水率は低く、粘り気や反発性よりもスパッ、とした歯切れの良さが印象的。基礎クオリティの高い油揚げ麺ではあるものの、再現度は高くありません。

たとえば有名店監修のカップラーメンでマイナスに作用することが多い油揚げ麺の風味は気にならなかったり、日本蕎麦のように軽快な歯切れの良さが心地よかったり、結果的にスープとの相性は悪くなかったので、ちょっと評価が難しかったりもするのですが、間を取って及第点+αとします。

スープ

ど真ん中だけどデフォルメされて優等生に

4.0

別添の魚粉を加える前から魚介のインパクトが強く、豚骨も濃厚で、まさに “またおま系” のイメージを地で行く仕上がり。でん粉や小麦粉、増粘多糖類などで強引に粘度を高めているため、やや人工的なテクスチャーではあるものの、それを不自然に思わせない骨組みにつき、結果的にネガティブではありません。

ただ、あまりにも優等生な濃厚魚介豚骨なので、この道を築き上げたパイオニアが監修しているのに、よくある “またおま系” の一つに思えてしまう側面も——。たとえば明星食品の「銘店紀行 中華蕎麦とみ田」(セブン&アイ限定)や「六厘舎監修 魚介香り立つ極濃豚骨中華そば」(ローソン限定)も同じカテゴリーで、それとは異なるベクトルに位置するものの、王道が故に保守的な側面も感じました。

具材

固形具材は少ないが

4.0

本物の肉よりもヘルシーな印象が強く、コストが低い大豆たん白加工品が横行している昨今、本物の味付豚肉なのは好印象なのですが、お世辞にも量が多いとはいえません。メンマ、ナルト、ネギはラーメンらしい顔触れで、雰囲気を高めてくれるアイテムではあるものの、かやくだけ見れば可もなく不可もなし。ただ、業界で初めて “魚粉を具材として成立させた” それこそが「頑者」の偉業。

魚粉も具材

店舗で使われているトッピングの魚粉は、鰹節問屋マルサヤ(東京都大田区)に特注した「頑者」だけのオリジナルで、数種の素材を独自の配合でブレンドしたり、きめの粗さや細かさを何度も調整したり、つけめんの具材として成立させるために試行錯誤を繰り返した結果の賜物。

しかし、それを再現した「特製後がけ魚粉」を単体で味わってみると、純粋な魚粉ではなく “うま味成分” を配合していたので、もっとシンプルにシャープな魚粉のほうがよかったかもしれません(※とはいえスープの深みは確実にアップします)。

総評

4.0

ラーメン業界を席巻した “またおま系” の源流「頑者 本店」監修ということで、なるほど王道を地で行く雰囲気は感じられたものの、それをカップラーメンにデフォルメさせた結果、よくも悪くも優等生な仕上がり。もちろん「おいしい」「まずい」の二択でいえば前者なのですが、パイオニア監修の特別感に欠ける印象が無きにしも非ず。

麺の質感もイメージと違ったので、結果として残ったのは “無難に美味しい” でした。しかし、万人受けするか否かは即席カップめん業界で重要視される項目なので、食べやすいのは評価すべきポイント。しかし、かつて話題を独り占めした “つけめんタイプのカップ麺” はレッドリストもとい絶滅状態なので、今回を機に「頑者」が復活のトリガーになったら嬉しいです【author・taka :a(大石敬之)】

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