どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年4月23日(火)ファミリーマート限定発売、東洋水産のカップ麺「ファミマル Lab Q かけ醤油らぁ麺」(249円+税)の実食レビューです。
札幌の名店「Japanese Ramen Noodle Lab Q」監修 “かやくを省いてスープに特化した„ 至高のカップラーメン初登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
Lab Q かけ醤油らぁ麺
Japanese Ramen Noodle Lab Q(じゃぱにーず らーめん ぬーどる らぼきゅう)とは、2014年(平成26年)6月12日の創業以来、日本屈指のラーメン激戦区として知られる北海道札幌市に本店を構え、現在は日本最大級のラーメン専門クチコミサイト「ラーメンデータベース」や「食べログ」の人気ランキングでも常に上位を占めている、札幌きっての実力派。
今回の新商品「Lab Q かけ醤油らぁ麺」は、札幌の名店「Japanese Ramen Noodle Lab Q」を創業し、多方面から高い評価を得続けている平岡寛視(ひらおか ひろし)店主監修のもと、同店の「醤油らぁ麺」をイメージして開発された一杯で、製造者はマルちゃんのブランドで知られる東洋水産。コンビニの中でもファミリーマートにしか売ってない、販売店が限定されているカップラーメンです。
本商品を監修している「Lab Q」の店主は、自らの脚で全国の生産者を訪ね、素材が持つ魅力を最高の状態に引き出すための調理方法はもちろん、提供の仕方まで徹底的に研究し、製麺技能士の国家資格も取得するなど、並大抵ではない姿勢でラーメンと向き合っている人物。また “みそラーメンの聖地„ に店を構えながら「醤油らぁ麺」と「塩らぁ麺」を看板に、高い評価を得ているところも興味深いポイント。
ちなみに屋号の「Q」は、Quality(質)とQuest(探求)に由来し “日本が誇るラーメンを日本食として捉え、日本人が日本の食材、食文化を正しく学び、ラーメンの素晴らしさを世界の人に知ってもらいたい„ という店主の想いと「日本のラーメン研究所」という意味合いを込め、英語表記の「Japanese Ramen Noodle Lab」と命名されました。
過去に「Lab Q」監修のカップラーメンがリリースされたことはないので、今回が記念すべき第1号になるのですが、まさかの「かけ醤油らぁ麺」という斬新な展開。つまり、袋麺との差別化にも繋がっている、カップラーメンのステータスといっても過言ではない “かやくを抜いた„ 具材なしの商品。
エースコックの「一蘭 とんこつ」しかり、明星食品の「麺とスープだけ」しかり、日清食品の「日清ラ王 濃香トリュフ醤油」しかり、すでに具材なしをコンセプトにしたカップラーメンは存在するので、これが初めての試みではありません。ただ、エースコックは「一蘭 とんこつ」に “秘伝のタレ„ を——
明星食品は「麺とスープだけ」に “だしパック„ を、日清食品は「日清ラ王 濃香トリュフ醤油」に “特製トリュフペースト„ を別添するなど、確かに具材らしい具材は省きながらも何か一つ、インパクトのある個性を持たせていたのですが、ファミリーマート×東洋水産の「Lab Q かけ醤油らぁ麺」はマジで麺とスープのみ。
ファミリーマート通常価格は249円(税込268円)なので、はたして高いのか安いのか‥‥については実食するまで分かりませんけど、パッケージに「鶏と魚介の旨みを利かせた、芳醇な醤油スープ!」や「スープにこだわった至高の一杯」などの訴求あり。見るからにスープにウェイトを置いた商品なので、その仕上がりについてはもちろん、麺の系統にも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れ「液体スープ」2パックと「特製油」の組み合わせで、たとえばネギだったりゴマだったり、そういった薬味系の小袋は別添されていません。もしかすると液体スープに何かしらの固形物が入っている可能性もありますが、パッケージのイメージ画像を見る限り、それは考えにくいパターン。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、ひとつ前のページでレビューした「満足の極み 山形鳥中華」(セブン-イレブン限定商品)と見た目は似ていますが、湯戻し時間の設定は異なります。ただ、原材料に “こんにゃく„ を使用しているため、系統的には「マルちゃん正麺(せいめん)カップ」の流れを汲んでいると判断して間違いなさそうな雰囲気。
販売価格については前述しましたが、たとえば普通サイズの「QTTA」236円(税別)をファミリーマートで購入した場合、1食あたりの税込価格は254円。それを大盛りサイズの「赤いきつねうどん でか盛」271円(税別)に置き換えると、税込価格は292円。ほかにも「マルちゃん正麺 カップ 芳醇こく醤油」278円(税別)を引き合いに出すと、確定で300円必要なので、けっこう安いんじゃない? などと。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ファミマル Lab Q かけ醤油らぁ麺 発売元:株式会社ファミリーマート 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:122g(めん75g) 商品コード:4901990377812(JAN) |
発売日:2024年04月23日(火) 実食日:2024年04月28日(日) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 小売価格:249円(税別) 購入価格:268円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ2袋・特製油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、大豆食物繊維、植物油脂、乳糖)、添付調味料(しょうゆ、チキンエキス、ポークエキス、植物油、鶏脂、香味油脂、りんご酢、酵母エキス、粉末そうだがつおぶし、こんぶエキス)/ 加工でん粉、酒精、調味料(アミノ酸等)、かんすい、炭酸カルシウム、カラメル色素、レシチン、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE)、増粘多糖類、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・りんごを含む) |
実食開始
2024年4月現在、ファミリーマートで販売されている大判どんぶり型のカップラーメンを例に挙げると「けやき 札幌味噌ラーメン」「とら食堂 ワンタン麺」「中華そば一力監修 豚骨鶏ガラ醤油味」「鹿児島ラーメンくろいわ 揚げネギ豚骨ラーメン」は、1食あたり297円(税込320円)なので、そこから具材を差し引いて計算すると‥‥いや、それでも249円(税込268円)は安いんじゃね?
などと考えながら熱湯を注ぎ、5分後にフタを開け、フタの上で温めておいた「液体スープ」2袋を‥‥なんですけど、ここで注意したいのが「調味油」の使い方。容器側面の調理方法には “5分後、液体スープ2袋を加えよくかきまぜ、特製油を加えてお召し上がりください„ と記載されている、つまり「調味油」を入れてからは混ぜないことを推奨しているため、調理の際は意識してみてください。
さて、ほんとうに具材らしい具材はもちろん、薬味さえも入っておらず、きわめてシンプルなファーストインプレッション。ぶっちゃけ蛇足になるような具材は入れんといてほしい‥‥などと感じることも珍しくない昨今の私なので、正直あまり抵抗ないんですけど、はたしてシンプルすぎるコンセプトが吉と出るか凶と出るか、引き続きコスパ的な部分にも注目しつつ「めん」と「スープ」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(122g)あたり |
カロリー:393kcal たん白質:12.1g 脂 質:10.7g 炭水化物:63.5g (糖 質:60.8g) (食物繊維:2.7g) 食塩相当量:6.2g (めん・かやく:2.4g) (スープ:3.8g) ビタミンB1:0.31mg ビタミンB2:0.36mg カルシウム:168mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:393kcal(めん:310kcal)(スープ:83kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
正麺カップのイメージが強い
途中で引き合いに出した「満足の極み 山形鳥中華」と組織が似ていたので、重複した感想になりますが、生麺ゆでてうまいまま製法(特許5719064号)の系譜に連なる乾燥麺の中では加水率が低く、粘りは控えめ。それでいてザクッ、パツン、みたいな歯切れ重視のタイプでもないけれど、食感の面では内側から強めに押し返してくる空気感と反発性が印象的。
風味の面では、いい意味で粉っぽい、乾いた小麦感が広がるため、それなりの自己主張を備えているのですが、スープの味に強く影響するほどではありません。むしろ、粉っぽい風味の隙間にスープの旨みが浸透していくようなイメージで、きちんと一定の存在感を放ちながら、スープとの一体感にも配慮が行き届いた取り合わせ。
最近の東洋水産が手掛けているノンフライ麺を大別すると「生麺ゆでてうまいまま製法」(マルちゃん正麺カップ系)、あるいは「つるっと食感温水なめらか製法」(麺づくり系)の2パターンなので、そろそろ次の革命に期待したい気持ちも否めませんけど、噛んだ途端に “マルちゃん„ と分かる、そこは大きなステータスかもしれません。つまり、再現度については高く評価できない商品も多いのですが‥‥w
スープ
いやいやいや‥‥
濃いめのピンク? それとも赤紫? 厳密にいうと何色なんだコレw などと思いながら、とりあえず黒×銀じゃないほうの小袋に充填されていた「液体スープ」の味を確認してみたところ、だいぶ醤油にウェイトを置いた内容で、ほとんど動物系や魚介系の要素には振っておらず、フレッシュな醤油感が中心。特有のコクやキレについてはもちろん、すこしキュッと舌を締めてくる酸味も絶妙で、醤油の使い方ひとつ取っても印象的。
続けて黒×銀の小袋に充填されていた「液体スープ」を加えてみたところ、こちらにも醤油が含まれていたのですが、それと同時に宗田節や昆布の旨みも強く、例えるなら蕎麦つゆを彷彿とさせる味わい。この時点では、まだラーメンとして成立させるには頼りない骨組みで、それこそ蕎麦とか入れたら合うだろうなー、みたいな感じなんですけど、別添の「特製油」を加えると空気が激変。
まずハッとさせられたのが鶏脂のアピールで、わかりやすく鶏油(ちーゆ)のインパクトを伝えるために、取って付けたような芳ばしさを全面に主張させているオイルとは一線を画す、じっくりと低温で鶏皮から抽出したような、カップラーメンの別添とは思えないほどナチュラルで臨場感のある旨み。しかも、たっぷりと充填されているため、かなりの存在感。
おかげで動物系の要素がイッキに強まり、ひとつのラーメンとして成立する水準に達するのですが、次にビックリしたのが香辛料を使用していないこと。それどころかニンニク、ショウガ、タマネギなど、ラーメンのスープ作りで定番の香味野菜さえも使用していません。しかし、厳選された醤油感とオイルのインパクト、さらにリンゴ酢などのアクセントも奏功し、物足りなさは皆無。
後味は醤油のキレと芳醇な鶏脂の余韻を中心に、ほんのりとした甘みも感じるのですが、味醂(みりん)や糖類、甘味料に由来する甘味ではないところも印象深かったポイント。それらの要素が緻密に計算されたバランスで掛け合い、きちんと各々に個性を主張してくるのですが、口の中で丸みを帯びながら渾然一体になる、いやはや久々に唸りました。
総評
いくつかのパターンは存在しますけど、そろそろ食傷気味な印象が否めないノンフライ麺を使用しているため、それについての新鮮味に欠ける印象は否めません。しかし、スパイスや香味野菜に頼ることなく「らぁ麺」として成立させていた、なんとも味わい深いスープの完成度は凄まじく、あえての具なしだったからこそ、緻密な魅力と真っ直ぐに向き合えたので、これはもう大成功だったんじゃないかと。
しかも、お値段なんと249円(税込268円)でしょ? 安い安いw たとえばファミリーマート通常価格の設定が273円(税込300円)だったとしても、迷うことなく★6即決していたので、総評は★7の大台に乗せました。実店舗では「塩らぁ麺」も高く評価されているので、フレーバー別の「かけ塩らぁ麺」や「かけ鶏白湯塩らぁ麺」など、ぜひ続編の開発もお願いします【author・taka :a(大石敬之)】