どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年8月15日(火)新発売、ファミリーマート限定・数量限定のカップ麺「汁なしカレーうどん 大盛」の実食レビューです。
即席カレーうどんのパイオニアをコンビニ限定で汁なし化!? 愛されて58年、東洋水産の袋麺「カレーうどん 甘口」を湯切りタイプのカップ麺にアレンジ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
汁なしカレーうどん 大盛
「カレーうどん 甘口」とは、マルちゃんで知られる東洋水産の即席袋めんで、1965年(昭和40年)に同社が発売した即席カレーうどんの元祖「たぬきカレーうどん」にルーツを持つロングセラー。当初は満月に見立てた “初代のマルちゃん” と狸(たぬき)のイラストを目印にしていましたが、1970年(昭和45年)にパッケージのデザインを刷新し、名称を「カレーうどん 甘口」に改め、現在に至ります。
今回の新商品「汁なしカレーうどん 大盛」は、コンビニの中でもファミリーマートにしか売ってない、販路限定・数量限定の留型(とめがた)で、やさしい「カレーうどん 甘口」の味わいを湯切りタイプの即席カップめんにアレンジ。ファミリーマートの公式ウェブサイトには “ポークエキスをベースに、隠し味の醤油で味を調えた” との記載があるため、味の再現度は高そうな予感。
「カレーうどん 甘口」の即席カップめん化といえば、直近だと2020年(令和2年)12月1日に縦型ミドル(縦型ビッグよりも比較的に背が低いカップ)の「豚肉たっぷりカレーうどん」をファミリーマートが販売しており、もう少し遡ると、2017年(平成29年)10月23日にNB(ナショナルブランド)の「縦型ビッグ カレーうどん甘口」を東洋水産が発売していましたが‥‥
さらに遡ると、2015年(平成27年)11月16日に「カレーうどん 甘口」の発売50周年を記念して「縦型 カレーうどん」をリリースしていたり、2010年(平成22年)11月22日にも袋麺の発売45周年記念商品として「縦型 カレーうどん」を展開していたり、2007年(平成19年)11月19日と2004年(平成16年)11月1日にもレギュラーサイズのカップ麺を——というわけで、1度や2度の話ではありません。
しかし、袋麺の「カレーうどん 甘口」をイメージした「汁なしカレーうどん」については、少なくとも過去20年内に商品化された記録が残っていないため、おそらくブランド史上初の試み。オリジナルのスープは甘口の文字通り、マイルドで優しい和風カレー味を特徴としているので、その魅力が踏襲されているのかどうか、なおかつ大盛り麺との均衡など、そういった部分にも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「特製油」と「粉末ソース」の組み合わせで、かやくとオイルは袋麺と異なるステータス。製造者は東洋水産なので、もちろん味の構造は誰よりも熟知しているわけなんですけれども、汁なしアレンジ版でも違和感なく楽しめるように調整されているのかどうか(※私、実は「カレーうどん 甘口」大好きなんです)。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は5分と長めの設定。精製ラードの芳ばしさは「カレーうどん 甘口」にも共通する魅力になりますが、原材料名の構成は袋麺よりも複雑です。ちなみに「赤いきつね」や「緑のたぬき」然り、東洋水産の和風カップ麺で大盛りサイズだと、商品名に “でか盛” と付くのが定例なのですが、今回のパッケージには “大盛” と表示されているのが気になるところ。
よく見ると麺の内容量が120g(湯切りタイプにおける麺重量のディファクトスタンダードは、90gだとレギュラーサイズ、130gだと大盛りサイズ)なので、それが「でか盛」ではない理由なのか‥‥などと、すこし考えていたのですが、そういえば今年7月25日に発売された「赤いきつね焼うどん でか盛」の麺重量も120gだったので、NB or 留型の差でしょうか。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:汁なしカレーうどん 大盛 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関西工場(兵庫県神戸市西区見津が丘6-8) 発売元:株式会社ファミリーマート 内容量:146g(めん120g) 商品コード:4901990375597(JAN) |
発売日:2023年08月15日(火) 実食日:2023年08月19日(土) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 小売価格:258円(税別) 購入価格:278円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型ビッグ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:720ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(粉末ソース・特製油・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、精製ラード、食塩、でん粉、乾燥酵母、植物性たん白、卵白)、添付調味料(植物油、砂糖、香辛料、食塩、デキストリン、ポークエキス、粉末野菜、しょうゆ、たん白加水分解物)、かやく(味付豚肉、味付油揚げ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、炭酸カルシウム、レシチン、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容物は味付豚肉、味付油揚げ、ネギの計3種。いずれも新開発ではないけれど、味付豚肉はリアルさに定評のあるアイテムで、刻まれた油揚げはカレーうどんのイメージ的に嬉しく、ネギがエアドライ(熱風乾燥)ではなくフリーズドライ(凍結乾燥)なのも “こだわり” を感じる部分。
添付調味料は2袋とも後入れなので、かやくを麺の上に空けてから熱湯を注ぎ、フタの上で「特製油」を温めながら待つこと5分。時間になったら麺の戻し湯を捨て、全体に「特製油」を絡めてから「粉末ソース」を投入し、よく混ぜ合わせたら完成です。いやー、さすが本家本元のマルちゃん製造、香りの再現度は申し分ありません。
しかし、袋麺にはない特製油を別添していること、さらに熱湯を注ぐだけの調理方法も含め、いろいろと仕様が異なる汁なしカレーうどん。それでもオリジナルの魅力が伝わってくるのかどうか、引き続き「カレーうどん 甘口」との共通点や違いに注目しつつ「めん」「特製油・粉末ソース」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(146g)あたり |
カロリー:707kcal たん白質:11.4g 脂 質:34.6g 炭水化物:87.6g 食塩相当量:6.0g ビタミンB1:1.12mg ビタミンB2:0.50mg カルシウム:277mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
煮込みとは異なるベクトルを歩んでいるけれど‥‥
袋麺の「カレーうどん 甘口」を鍋で調理すると、愛情たっぷりに煮込まれた麺は透明度の高いビジュアルに仕上がり、いざ口に運ぶとソフトで優しい食感から、強靭なコシで熱狂的なファンを量産している讃岐うどんとは真逆に位置するタイプではあるものの、その儚さが情緒的。片や「汁なしカレーうどん 大盛」の麺は‥‥ごついなオイw
今年の「赤いきつね焼うどん でか盛」(2023年7月24日発売品)はレビューしていませんが、原材料名の “小麦粉(国内製造)、植物油脂、精製ラード、食塩、でん粉、乾燥酵母、植物性たん白、卵白” という構成は完全に一致する内容で、体感的にも然り、袋麺の「カレーうどん 甘口」とは違うガッシリとした食感。比較的に厚みのある形状も相俟って、ずいぶんと力強く感じます。
さらに表面の滑らかさや透明度の高さなど、ぶっちゃけ再現度が高いとは評価できない仕上がりですが、噛めば噛むほど滲み出てくる精製ラードの芳ばしさはオリジナルに共通する魅力。あの儚さに期待していた場合、おまえ誰やねん状態に陥る危険性はありますが、食べ応えについては本家を超える内容で、これはこれと割り切れば悪くありませんでした。
特製油・粉末ソース
特製油もカレー風味
麺を戻してから湯切り後、先に絡ませなければいけない「特製油」の小袋には “ほんのりカレー風味” のオイルが充填されていて、直に舐めてもスパイシーさは控えめですが、単なる潤滑油ではありません。次に加えるのは「粉末ソース」なので、とろっと麺にスープが絡み付いてくる、あのテクスチャーは再現できていない‥‥というか、ドライな口当たりからは真逆の印象を受けます。しかし——
きちんとカレーの個性を打ち出しながら、刺激的な要素は控えめで、ふわっと醤油の香りが鼻に抜ける、優しい味のベクトルは「カレーうどん 甘口」そのもの。比較的に動物系の厚みが増していたり、オイルのコクがプラスされていたり、汁なし専用のチューニングを感じる部分はありますけど、しっかり本家に寄せた味付けで、カレーうどんでは珍しく和風だしの橋渡しに頼っていないのもポイント。
液体ソースを使う選択肢もあったと思いますが、袋麺の「カレーうどん 甘口」に別添されているのも粉末スープですし、この味は粉末でしか出せないのかもしれません。
かやく
充分です
何かが特別に多いわけではないけれど、砂糖や醤油で甘辛く味付けされた豚肉は、赤身の繊維質と脂身のジューシーさが楽しめる、とてもリアルな肉具材。刻み揚げはジュワッとジューシーで、フリーズドライのネギも不必要に主張してくることはなく、いずれも優しいカレー味にフィットしていました。袋麺のパッケージには、鶏肉や人参をトッピングしていますけど、まったくもって充分な内容です。
総評
ファミリーマートの留型として企画するのではなく、PB(プライベートブランド)の「ファミマル」からリリースし、販売価格を「元祖スタミナ満点らーめん すず鬼監修 こってり鬼濃 醤油まぜそば」などと同じ基準となる249円(税込268円)で販売されていたら‥‥と、そこだけが微妙に引っ掛かったので、ほんのちょっと総評から差し引いています。ただ、気持ち的には「★6」クラスの一杯。
麺の力強さ(儚さ)やテクスチャーの違いなど、袋麺の「カレーうどん 甘口」とは異なるデフォルメを感じる部分はありますが、味のベクトルは本家に忠実。その再現度も含めて高く評価できる良品だったので、オリジナルが好きな方はもちろん、ノスタルジックなカレー味に魅力を感じる方も、売り切れ前に最寄りのファミリーマートで捕獲してください【author・taka :a(大石敬之)】