どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年11月第2週新発売の汁なし二郎系レンジ麺、ファミリーマート「にんにく醤油 焼ラーメン」の実食レビューです。
ファミリーマートのジェネリック二郎「大盛にんにく醤油ラーメン」に続編の “焼きラーメン” 新登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、コンビニチルド麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ファミマ にんにく醤油 焼ラーメン
堰を切ったように現れたセブンイレブンのジェネリック二郎「中華蕎麦とみ田監修豚ラーメン(豚骨醤油)」に対抗するかのごとく、2019年10月15日にローソンが「にんにくが決め手! 豚醤油ラーメン」を発売。そして、示し合わせたかのように1週間後、2019年10月22日にファミリーマートが二郎系レンジ麺「大盛にんにく醤油ラーメン」を発売し、世を騒がせたのは最近の出来事——
「ジェネリック二郎(じろう)」とは、野菜や豚、にんにく、背脂、マシマシなど、二郎系・二郎インスパイア系を象徴する特徴を意識して開発された要冷蔵コンビニラーメンの異名で、現在コンビニ大手3社が三つ巴の状態。今回の「にんにく醤油 焼ラーメン」のパッケージは大人しいデザインですが、どう見ても “大盛にんにく醤油ラーメンの続編” です。
セブンイレブンの「中華蕎麦とみ田監修 豚ラーメン(ぶたラーメン)」が発売された2019年1月29日、まったく同じ日にファミリーマートも「野菜マシにんにく醤油ラーメン」という二郎系ライクな商品を数量限定で発売していたのですが、「豚ラーメン」の前に呆気なく撃沈——最初の野菜マシにんにく醤油ラーメンは、二郎系・インスパイア系に成り切れていない、中途半端なところがありました。
それ以来、ずっとセブンイレブンの「豚ラーメン」が二郎レンジ麺の独擅場でしたが、前述のローソン限定「にんにくが決め手! 豚醤油ラーメン」が豚ラーメンに切り掛かり、ファミリーマートが「野菜マシにんにく醤油ラーメン」の雪辱を果たすべく、ファミマの新生ジェネリック二郎「大盛にんにく醤油ラーメン」を市場に投下します。
「大盛にんにく醤油ラーメン」とは、セブンイレブンとローソンのジェネリック二郎と比較して圧倒的めん量を誇る全粒粉入り太麺300gを搭載した二郎系コンビニラーメンで、野菜やチャーシュー、さらに今回の新商品「にんにく醤油 焼ラーメン」のポイントでもある「卵黄ソース」を中央に鎮座させることで差別化を図り、コンビニ大手3社による “三つ巴の戦い” が激化。
豚と化調が織り成す癖まで再現した非乳化系スープと豚が秀逸なセブンイレブン「豚ラーメン」、オーションで打った二郎麺を豊富とさせる麺のクオリティが高いローソン「豚醤油ラーメン」、濃厚な乳化系スープと圧倒的なニンニク臭で他社を圧倒するファミリーマート「大盛にんにく醤油ラーメン」と各社それぞれ得意なフィールドを持ち、今回の “焼きラーメン” も前作同様「にんにく醤油」の名を冠しています。
商品のラベルには「1/3日分の野菜が摂れる」と野菜マシ系のアピールもあり、ちょっと下の写真では字が小さくて視認しづらいのですが、 “生野菜に換算して1日あたりの野菜摂取量350gの約1/3が摂取できます。(厚生労働省「健康日本21(第二次)より」)” とのこと。野菜の量よりも「厚生労働省」の文字が醸し出す漠然とした説得力たるや——
と、それはさておきファミリーマートの公式ウェブサイトには、 “にんにく醤油の風味に加え、マー油・背脂を加えた厚みのある味わいが特徴” とあります。マー油は「にんにく醤油ラーメン」には無かった要素なので、共通点と違いに注目してみましょう(※関連記事「大盛にんにく醤油ラーメン」ファミマの二郎系で競争激化!!ローソン・セブンと三つ巴)
作り方と注意事項
今回は発売日の午前0時過ぎ(深夜)に入荷された商品を即座に押さえたのですが、それでも消費期限は2日後の2019年11月14日(午前4時)となっているので、およそ入荷から52時間後。電子レンジで温めるタイプの要冷蔵コンビニ麺は、通称・日配(ニッパイ)と呼ばれるデイリー食品なので、日持ちするのは長くても入荷から2日前後といったところ。
兵庫県北部のファミリマートで販売されているカップ入りチルド麺は、基本的に「株式会社ジョイアス・フーズ」というメーカーが担当しています。しかし、デイリー食品の製造者は、地域が異なると “企業そのもの” が変わる、つまり取引先の下請業者や製麺設備も違うため、微妙に(ときには大幅に)仕上がりが変わってくることも珍しくありません。
さて、チラッと見えているチャーシューの形は異なるものの、中央に鎮座している卵黄ソースは「大盛にんにく醤油ラーメン」との共通点。加熱調理方法は電子レンジ専用で、汁なし皿型カップは基本的にラップで全体が包まれています。ここで注意事項——家に持ち帰って加熱する場合、このラップは “加熱前に破らないでください”(※調理不良の原因になります)。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:にんにく醤油 焼ラーメン 製造者:株式会社ジョイアス・フーズ 京都工場 製造所:京都府久世郡久御山町市田大領2-8 商品コード:2008232918023 発売日:2019年11月第2週 |
麺の種類:全粒粉入り焼き中華麺 スタイル:皿型レンジ麺 容器材質:プラ 保存方法:要冷蔵(10℃以下) 調理方法:電子レンジ専用 加熱目安:1600W 1分10秒 / 500W 3分30秒 小袋構成:-(別添なし) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】全粒粉入り焼き中華麺、ゆで野菜(もやし、キャベツ、食塩)、チャーシューたれ和え、ソースゼラチン、卵黄加工品、豚脂、にんにく風味油、ねぎ、フライドガーリック / 増粘剤(加工デンプン、キサンタン)、pH調整剤、酒精、調味料(アミノ酸等)、加工デンプン、グリシン、かんすい、乳酸Ca、トレハロース、着色料(カラメル、クチナシ、カロチノイド、フラボノイド)、酸化防止剤(V.C、V.E)、乳化剤、酵素、ショ糖エステル、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造工場では、そば・卵を含む製品を生産しています。 |
実食開始
加熱時間の目安はファミリーマートの電子レンジ(1600W)で1分10秒、家庭用の電子レンジ(500W)で3分30秒、カップラーメンを作るときの待ち時間と変わりません。そして上記写真のフタ上にある空気孔をラップが塞いでいるように、この状態だからこそ内部が万遍なく温まる構造になっている、というのが事前にラップを破いてはいけない理由。
冷蔵状態のまま持ち帰って調理する際、家にある電子レンジが500W以上だった場合の加熱時間の目安は、600W(2分55秒)、700W(2分30秒)、800W(2分10秒)、900W(1分55秒)、1000W(1分45秒)になります。あくまでも500W=3分30秒に基づく単純計算ですが、電子レンジのワット数が違う方は目安としてご参考ください。
さて、卵黄ソースは加熱されて儚く崩れてしまいましたけど、なかなかにジャンクで雰囲気のある調理直後。上記の写真は混ぜる前の状態ですが、食べる前に “よく混ぜてから” お召し上がりください。それでは、引き続き汁あり版との違いや共通点に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、コンビニラーメンとしての総合力を判定します。
栄養成分表示:1包装当り(推定値)
カロリー:654kcal |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
汁ありの「大盛にんにく醤油ラーメン」は極太麺だったのに対し、今回の「にんにく醤油 焼ラーメン」では縮れのない角断面の太ストレート麺で、どちらかというとソフトな食感。そのためオーション(強力粉)で打った加水率の低い二郎めん特有のゴワつきは楽しめないものの、実は全粒粉が練り込まれていて、しかも “実際に焼いている” のがポイント。
たとえば熱湯で戻す即席カップ焼そば(常温保存)の場合、しばしば冗談で “焼そばなのに焼いてない” などと揶揄されることもあるのですが、この麺は原材料名上「全粒粉入り焼き中華麺」となっていて、まぜそばではなく “焼きラーメン” であることが証明されています。比較的にソフトな食感ではあるものの、ベチャッとしないところに焼き調理の恩恵を感じました。
やや後半の “うどんっぽさ” は否めませんが、重量感のある腹落ちで食べ応えがあり、体感的な麺量は270g前後といったところ。小麦の風味は芳醇で、ふわっ‥‥と上がってくる小麦全粒粉の芳ばしい風味に全粒粉ならではの奥行きが見えました。終始もやしがシャキシャキなので、ソフトな弾力の麺でも最後まで飽きなかったです。
スープ
二郎系のスープは大きく2種類に分類され、乳化が進んでいない醤油ベースの醤油とんこつ味を「非乳化系」といい、乳化が進んだ豚骨ベースの豚骨しょうゆ味を「乳化系」といいます。今回は「大盛にんにく醤油ラーメン」のスープと同じく後者の乳化系に分類され、醤油感は香り付けに過ぎない抜群の包容力を誇った “ど乳化系” のクリーミーなテイスト。
見た目以上に油脂のインパクトが強かったので、もしかすると背脂は溶けちゃったのかも——と思いきや、卵黄ソースの真下あたりから背脂ごろごろ出てきて背脂健在(※上記の写真は一部)。それなりに食塩のキレも効かせてあるのですが、もやしとキャベツをガッツリまぜた後は程よい塩梅で、忘れちゃいけないのが卵黄ソースです。
卵黄ソース自体は正直このまま食べても “ぜんぜん美味しくない” のですが、卵黄加工品のコクは伊達じゃありません。卵黄ソースを避けて混ぜても乳化感の強いスープに卵黄のコクが重なることで、乳化の進み具合が急加速。スープ自体のニンニクは常識的でマー油も極端に目立っていないけれど、ほんのり漂う焦がしニンニク油の香味がアクセントになっていました。
具材
調理直後(そのまま手入れなし)の写真では平らだったキャベツ、もやし、ねぎをパパッと中央に積み上げてみたところ、思いのほか山になってビックリ。キャベツはクタッと一体感を重視していましたが、もやしはシャキッと自己アピール。ぺったんこ状態ではイマイチだった二郎感も、いざ積み上げてみたら雰囲気ありますね。
チャーシューは赤身の部分まで柔らかく、けれどもホロホロした缶詰チックな柔らかさではなくて、繊維質を自然に残しながらも歯触りはストレスフリー。脂身の部分は甘く、適度な弾力があって、ほんのり芳ばしい炙り風味から “ちゃんと焼き豚” なのも好印象。味付けも濃過ぎず薄過ぎず、フライドガーリックの芳ばしい薫りが相俟って、おつまみ需要も見出せるタイプのチャーシューです。
スープの油分にガーリックオイルや黒マー油系のアクセントが仕込んでありましたが、ニンニクの本丸は上記写真のチャーシューにも張り付いているフライドガーリック。「大盛にんにく醤油ラーメン」の刻みニンニクほど強烈ではないけれど、さすが口に飛び込んで来た時のインパクトは上々だったので、喫食のタイミングには気を付けてください。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
にんにくの度合いでいえば「大盛にんにく醤油ラーメン」に劣りますし、麺も極太ワシワシ系の二郎麺ではないけれど、スープにおける乳化の進み具合や卵黄ソース、たっぷりの野菜など、既存のジェネリック二郎を汁なし化しているような印象は裏切りません。朝ご飯や仕事の休憩中には向きませんが、仕事終わりの晩酌にチビチビつまみながら食べるのにも打って付け。
二郎系の焼きラーメンを実際に提供している店はあるものの、現状まだ珍しいジャンルですし、カップ麺でもレンジ麺でも二郎系・インスパイア系がブームになっている昨今、その流れに乗りながら焼きラーメンに着目したのも面白く、新たな市場を開拓しそうな勢いを感じました。値段は税込550円、やや同ジャンルの中でも高めの設定ですが、食べ応えがあって癖になる味わいの良品です。