どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年11月19日(火)新発売のファミリーマート限定カップ麺、日清食品「けやき 札幌味噌ラーメン」の実食レビューです。
ラーメン激戦区・札幌すすきので人気の味噌拉麺専門店「けやき」のカップラーメンがリニューアルして再登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
本場の名店「けやき」監修カップ麺
「けやき」とは、北海道札幌市中央区南6条西3丁目に本店を構える行列必至の味噌らーめん専門店で、1999年11月にオープン。創業以来、すすきの本店はカウンターのみ10席という小さな店構えで、店主・似鳥栄喜(にとり えいき)氏の創る「味噌ラーメン」は “五感に訴える一品料理としてラーメン” をテーマに提供されています。
店主の似鳥氏は、創作和食店「わびさび」を開業した経歴を持ち、当時の客から “札幌で味噌ラーメンの美味しい店はどこ?” と聞かれたことをキッカケに「自分が納得できる味のラーメン」を追求し始め、素材にこだわり、試行錯誤に要した期間は約2年——ようやく納得のいく味噌ラーメンが完成し、それまで経営しいていた「わびさび」を手放して「欅(けやき)」を開業しました。
もともとの屋号は「欅」と漢字で表記されていたのですが、修行時代をともにした兄弟子が味噌ラーメン専門店「欅(けやき)美園店」を札幌市内に出店(※2004年10月28日開業、現在は閉店)。看板や内装、メニューに箸立てのデザインまで、当時あまりに似たコンセプトから系列店なのではないかと混同や誤解を招き、似鳥氏は自身の店を現在の正式名称「にとりのけやき」に改称します。
現在の公式店舗は以下、すすきの本店・新千歳空港(国内線、国際線)・赤れんがテラス店(BISTRO JAPONAIS)以上。「麺」は1週間寝かせて熟成させた株式会社さがみ屋の黄色い中太縮れ麺を使用し、「みそだれ」には豆味噌や麦味噌など3種類の味噌をブレンドして野菜の甘みをプラス。「具材」はキャベツ、人参、キクラゲの他、中央に盛り付けられた白髪葱も「けやき」を象徴する特徴的なポイント。
スープは豚のゲンコツ(大腿骨)や背脂、新潟県産の鶏から取った動物系を軸に、野菜や椎茸の旨味をブレンドした清湯(ちんたん)系で、濁りが出ないように時間をかけながら低温で旨味を抽出。厳選豚肩ロースを使用した自家製チャーシューは、スープで煮込んだあとに秘伝の醤油だれで再び煮込むなど、徹底して素材と調理方法にこだわっています。
本店では注文が入るたびに一杯ずつ中華鍋で調理してるため、あえてカウンター10席という小規模な内装のまま営業を続けているのでしょう——さて、そんな「けやき」の味をカップラーメンで再現しているのは、以前から親交のある日清食品株式会社。今回もファミリーマートとの共同開発商品として、全国のファミリーマートを対象に数量限定で発売されました。
もともと「けやき」のカップラーメンは、サークルK・サンクス限定のオリジナル商品として開発されたもので、アピタ・ピアゴをはじめとするユニーのプライベートブランド「プライムワン(Prime ONE)」から発売されていたのですが、ファミリーマートとの経営統合により、現在はファミリーマート限定商品として契約が続いています。
実は2019年1月29日(火)にも「けやき」監修カップ麺「札幌味噌」がリリースされているため、今年2回目の登場になるのですが、前回は熱湯4分のノンフライ面を採用していたのに対し、今回は「熱湯5分」となっているため、パッケージのみ変更のリニューアルではありません(※2019年1月発売品の詳細につきましては、関連記事「けやき 札幌味噌」をご参考ください)。
開封
別添の小袋は、「液体スープ」「粉末スープ」「かやく」の合計3袋。液体スープの小袋は黒、粉末スープの小袋は青、かやくの小袋は赤と各小袋の色は前回と同じ配色なんですけど、キャベツのみ別添されていた “かやくの小袋が1つ減っている” という違いが見られます。2019年6月1日にカップ麺の値上げが実施されたので、原材料の高騰によるコスト調整かと思いきや——
前回・2019年1月発売品のファミリーマート標準価格は “税別” 276円(税込298円)だったのに対し、今回・2019年11月発売品の値段は税別258円(税込278円*)と21円も安くなっています。追加分のキャべツはカットされてしまいましたが、麺の仕様変更だけでなく、以前よりも手に取りやすい価格になりました(*軽減税率8%での税込価格)。
いま手元にある商品の製造所は、茨城県取手市にある日清食品の自社工場・関東工場(製造所固有記号:A)で、前回と同じ工場で生産。麺重量も調理前70gのノンフライ麺と変わっていませんが、明らかに前回よりも幅が広くなっています。前回は粘り気よりも歯切れの良さが目立っていたので、食感の変化が気になるところ。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:けやき 札幌味噌ラーメン 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(A)茨城県取手市清水667-1 内容量:133g(めん70g) 商品コード:4902105261897(JANコード) 発売日:2019年11月19日(火) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、大豆食物繊維、チキンエキス)、スープ(みそ、オニオン調味油、豚脂、ポークエキス、糖類、ごま、香辛料、食塩、魚醤、小麦粉、豆板醤、チキンエキス、酵母エキス、乳化油脂、オニオンパウダー、植物油脂、いか粉末)、かやく(味付肉そぼろ、キャベツ、にんじん、ねぎ、きくらげ)/ 増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、かんすい、リン酸Ca、香料、カロチノイド色素、セルロース、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、酸味料、炭酸Mg、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・いか・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
お湯を入れる前に開封する小袋は「かやく」のみ、液体・粉末スープの小袋を先に開封すると麺が戻らなくなるので、かならず後入れしてください。あとファミリーマートの公式ウェブサイトに掲載されていたイメージ写真には、お湯の目安量430mlと表示されていたんですけど、正しくは前回と同じ440mlです(※ファミマの宣材写真は、おそらくプロトタイプを撮影しているため、よく実際の商品とデザインがズレる)。
ちなみに日清食品が製造する「けやき」のカップラーメンが初めて発売されたのは、9年以上も前の2010年2月。初版のカップめん第1弾は、油揚げ麺を採用した縦型で再現されており、あらためて日清食品とは何回目のコラボになるのか調べてみたところ、今回の「けやき 札幌味噌ラーメン」で “第12弾” でした。
さて、こんもりと中央に盛られた白髪ねぎは再現できていませんし、前回よりもキャベツの量は減っているのですが、大口径の丼なのに寂しく見えない具材量は上等。あとは麺の変更による変化だけでなく、スープのテイストなど、前回との違いや共通点に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(133g)当たり
カロリー:537kcal |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:537kcal(めん・かやく:329kcal)(スープ:208kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
明らかに幅が広くなった今回のノンフライ麺は、その分ちょっと厚みがなくなって、前回ほどプリッと弾けるような歯切れの良さが目立ちません。極太ではないものの、けっこう幅が広い上に適度な縮れによってスープを持ち上げる能力は高く、原材料名そのものは変わっていないのですが、前回よりも粘り気があります。
ただ、もっちりとした加水率の高いポジティブな粘り気というよりも、すこしネチッとした感じのネガティブな粘り気で、茹で上げた後の糊化したヌメりに近いというか、手放しに好印象とは言えません。結果的にイマイチではないんですけど、前回のプリッとした卵麺っぽい印象と比較して衰えを感じました。
実店舗の麺と比較しても平打ち具合が強いため、お店の麺に近付けて改良したというよりも、日清食品の手元にある味噌ラーメン用の汎用麺(ちょっと高いカップラーメン用)を採用しているようなイメージ。税込260円以内の製品であれば納得のクオリティなんですけど、実売価格が下がった理由はキャベツのカットだけではないようです。
スープ
全体のカロリーが560kcalから537kcalに減っていたので、スープの濃厚さが落ちているのではないかと危惧していたのですが、調理直後に分別して分析した値でスープ単体のカロリーを見ると、実質ほとんど変わっていません(前回:207kcal、今回:208kcal)。しかし、前回のスープには使用されていなかった「豆板醤」が新たに配合されています。
粉末スープの小袋には、胡麻(すりごま・いりごま)と旨み成分、ジンジャーパウダー、いか粉末などが含まれていて、あくまでも下地を整える役割。厳密に投入する順序が指定されているわけではないのですが、とろみ成分(小麦粉等)が粉末スープに含まれていたので、まずは粉末スープを溶かしてから液体スープを入れたほうがいいでしょう。
液体スープには味噌ダレを中心に豚脂とオニオン調味油をミックスしたオイル成分が多めに含まれていて、味噌は輪郭のある赤味噌が主体。しかしながら、いわゆる「純すみ系」のスープほどエッジの効いたテイストではなく、見た目どおり重心の低い濃いめの味ですが、まったりとした動物系の旨味と湯気も立たないほどのオイル成分によって、丸みを帯びた味わいが並行します。
ただ、実店舗のスープは清湯ベースなのに対し、カップ麺のスープは白湯ベースの印象で、とろみの加減がボテッと人工的。それに前回よりも味の本数が減ったというか、豆板醤を起用したことで味覚は広がっているはずなのに、ちょっとボンヤリした印象を受けます。それでも税込278円という値段に見合った完成度の高さではあるものの、すこし大味になったようにも感じました。
具材
具材の構成は味付肉そぼろ、キャベツ、人参、ねぎ、キクラゲと前回の赤い小袋と同じ内容で、単純に追加分のキャベツがカットされような状態です。しかし、それでも具材の量は税込278円でも納得できる多さで、特にキャベツとキクラゲ、味付肉そぼろが効果的(※つまり人参とネギは目立っていないのですが‥w)。
いかにも味付肉そぼろはインスタント感の強い肉具材なので、実店舗の豚肩ロースには到底及びませんが、けっこうサイズが大きめで量も多く、野菜や大豆たん白加工品(フェイクミート)では出せない肉の旨味が好印象。大きめのキクラゲはコリコリとした食感が濃いめのスープに映え、みずみずしいキャベツもインターバルに嬉しく、きちんと値段に見合った内容です。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4+)
前回と比較して実売価格が税込21円も下がっているため、すこしでも手に取りやすい価格になったことには素直に好感が抱けます。しかし、キャベツがカットされているだけでなく、むしろキャベツが減ったことは実際そんなに気にならなくて、それ以上に麺の仕様が変わっていたことにマイナス21円以上の劣化を感じました。
どっしり濃厚なスープと具沢山な具材は値段に見合ったオリティですし、今回が初見だとイメージは変わってくるかもしれませんが、もし前回と同じく税込298円で開発していたら——という思いが無きにしも非ず。ノンフライ麺・どんぶり型の基本コンセプトは、手軽さよりも本格さなので、次は高かろう良かろうに振り切るか、最近ちょっと意欲的なノンフライ麺×縦型の新バージョンに期待したいですね。