どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年5月15日(月)新発売、日清食品のカップ麺「日清ドロラ王 魚粉、ザラザラ、魚介豚骨」の実食レビューです。
踊る極太麺に群がる魚粉の圧倒的な存在感!? ドロラ王シリーズ第2弾は「ドロドロ豚骨×ザラザラ魚粉」の濃厚やみつきスープを実現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
日清ドロラ王 魚粉、ザラザラ、魚介豚骨
日清ラ王(にっしんらおう)とは、1992年(平成4年)9月21日の発売以来、その時代における王道の味に進化し続けてきたブランドで、名前の由来はラーメンの王様。当初はカップ入り生タイプめんのフラッグシップモデルとして登場しましたが、2010年(平成22年)8月の生産終了後、大幅なリブランディングを決行し、以降はノンフライの即席カップめん及び即席袋めんを中心に展開しています。
今回の新商品「日清ドロラ王 魚粉、ザラザラ、魚介豚骨」は、ドロっとした質感のスープを特徴とする「日清ドロラ王」シリーズ第2弾を飾る一杯で、コンセプトはドロドロ豚骨×ザラザラ魚粉。濃厚な魚介豚骨スープを土台に、4種の魚粉(サバ、いわし、宗田かつお、ムロアジ)を使用した “あとのせ魚粉” を合わせ、さらに日清ラ王史上最も太い “踊る極太麺” を搭載と気合は充分。
あまり由来がポジティブではないので、この呼び方については賛否両論あるかと思いますが、ドロっとした魚介豚骨スープに魚粉をトッピングしたラーメン・つけ麺は通称 “またおま系” と呼ばれており、その呼び名が定着する前、2000年(平成12年)10月に創業した埼玉県川越市の名店「頑者(がんじゃ)」が “魚粉を初めて具材として使い” またおま系の原型となるスタイルを確立。
それは当時のラーメン業界に衝撃を与え、有名どころを挙げると「六厘舎(ろくりんしゃ)」や「つけめんTETSU」「中華蕎麦とみ田」など、後に全国的な知名度を誇る有名店の誕生に大きく貢献するのですが、同時に似たようなラーメン・つけ麺を提供する専門店が都内に乱立。瞬く間に濃厚魚介豚骨ブームが巻き起こり、新店が出ても “またお前もその味か‥‥” などと揶揄されるようになりました。
前述のように「日清ラ王」は “その時代における王道の味に進化し続けてきた” ブランドなので、またおま系が現在の王道なのか? という疑問が無きにしも非ずではあるものの、またおま系の王道をイメージした商品と捉えれば納得できなくもないですし、なにより「ドロラ王」が掲げるコンセプトとの相性は申し分ありません。
また昨年、ブランド史上最高レベルにドロドロした極濃(ごくのう)スープを実現し、その味わいが人気ラーメン店の「天下一品」に似ていたことから、ネット上で “ジェネリック天一” と話題をさらった第1弾「日清ドロラ王 ドロ、コッテリ、鶏白湯(※1)」の完成度が高かったこともあり、けっこう期待しているのですが‥‥
「日清ドロラ王 ドロ、コッテリ、鶏白湯」のメーカー希望小売価格は368円(税別)に設定されていたのに対し、シリーズ第2弾の「日清ドロラ王 魚粉、ザラザラ、魚介豚骨」は1食あたり398円(税別)と大幅に値上げされているため、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は429.84円の高額商品。
2023年6月1日の出荷分から適用される価格改定により、日清食品は自社の即席袋めん、即席カップめん、即席カップライスにおける製品価格を従来比10~13%アップさせると発表済みなので、また基準は変わってくるのですが、価格改定前の状態で398円(税別)の設定は安いとはいえません。其れ相応のインパクトが備わっているのかどうか、コストパフォーマンスについてのハードルは高めです。
※1 日清の “ジェネリック天一” ドロラ王「ドロ、コッテリ、鶏白湯」を食べてみた結果 → 再現度高すぎwww(2022年4月25日発売品)
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「チャーシュー」に、後入れ「粉末スープ」「液体スープ」「あとのせ魚粉」の計4パック。パッケージの山盛り魚粉とは裏腹に、魚粉の小袋が小さく見えたので、ちょっと頼りない印象が無きにしも非ず。ただ、2種のスープには期待できそうな予感。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、日清食品のニュースリリースにも “踊る極太麺” と記載されていること、さらに独特の威厳を伴う佇まいから「豚ラ王(※2)」を彷彿とさせる雰囲気。またおま系の麺=ストレートの印象が強いため、それとは異なる雰囲気ではあるものの、だからこそスープとの相性が興味深く思える取り合わせ。
前述のようにメーカー希望小売価格は398円(税別)で、コンビニ以外の販売チャネルにも流通しているのですが、おそらくスーパーやドラッグストアでの販売価格も税込350円前後が相場になるでしょう。300円〜400円台のカップ麺も珍しくない近年ではあるものの、それでも高額な商品であることを念頭に置きながらレビューします。
※2 日清の二郎インスパイア【豚ラ王】三代目「ヤサイ、アブラ、ニンニク」は史上初のトリプルニンニクに!!(2022年1月10日発売品)
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清ドロラ王 魚粉、ザラザラ、魚介豚骨 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(茨城県取手市清水667-1) 内容量:133g(めん80g) 商品コード:4902105276815(JAN) |
発売日:2023年05月15日(月) 実食日:2023年05月16日(火) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:398円(税別) 購入価格:354円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:八角レギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(粉末スープ・液体スープ・チャーシュー・あとのせ魚粉) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、大豆食物繊維、チキンエキス)、スープ(ポークエキス、糖類、しょうゆ、豚脂、魚粉、ポーク調味料、香辛料、食塩、ねぎ、小麦粉)、かやく(チャーシュー)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、リン酸Ca、カラメル色素、かんすい、乳化剤、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、炭酸Ca、チャ抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、シリコーン、香辛料抽出物、酸味料、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「チャーシュー」のみ先入れで、オシャレに盛り付けられたフランス料理じゃないけれど、躍動感のあるノンフライ麺と焼き目をチラつかせるチャーシューの組み合わせは優雅で気品のある状態と思えなくも‥‥ないですかねw 濃厚魚介豚骨ならメンマも入れてほしかった的な物足りなさは否めないところになりますが、あいかわらずチャーシューの迫力は素晴らしいの一言。
チャーシューを入れたら内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分‥‥なんですけど、注意すべき小袋を入れる順番。スープ類は絶対に後入れしなければいけないことに加え「粉末スープ」は “投入後すぐによく混ぜてください” とあり、片や「液体スープ」は “必ず粉末スープを溶かした後に入れてください” となっているため、調理の際は注意してください。
また粉末スープは “お湯に溶けた後、徐々にトロミが強くなる仕様” だったので、粉末スープは最短でも1分、さらに液体スープを加えてから30秒くらい混ぜ続ける、くらいが安全かと感じました。それでは引き続き値段との兼ね合いにも意識を向けつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(133g)あたり |
カロリー:476kcal たん白質:16.1g 脂 質:12.3g 炭水化物:75.3g 食塩相当量:7.9g (めん・かやく:2.9g) (スープ:5.0g) ビタミンB1:0.37mg ビタミンB2:0.43mg カルシウム:403mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:476kcal(めん・かやく:337kcal)(スープ:139kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
トリプルニンニク前の踊る極太麺
啜り上げたときの文字通り “踊る” ような躍動感に、カップラーメンの基準で見れば充分に極太といえるサイズ、それでいて低めに下げられた加水率の設定から、やはり「豚ラ王」の流れを汲んだノンフライ麺と見て間違いありません。ただ、2022年1月10日発売の「日清トリプルニンニク豚ラ王 ヤサイ、アブラ、ニンニク」と決定的に違うのは “にんにくを練り込んでいない” こと。
「日清トリプルニンニク豚ラ王 ヤサイ、アブラ、ニンニク」と同様に、サイズは切刃番手・12番(溝巾2.5mm)を継承しているのですが、それよりも体感的な加水率は低めの食感で、誰にも媚びない無骨さが魅力的。ただ、まったく協調性がないわけではありません。時間が経過しても粘りは控えめで、しかしながら密度は高く、意図的に魚粉を絡めても埋没することのない適切な存在感。
そのため雰囲気としては「またおま系」よりも圧倒的に「二郎インスパイア系」寄りのイメージになりますが、後述する濃厚魚介豚骨スープとの相性に問題はなく、こういった取り合わせも “あり” だなと勉強になりました。ゆっくり食べてもネガティブに伸びることはないので、必要のない不具合を起こさないように、調理の際は指定の湯戻り時間きっちり守ったほうが安全です。
スープ
またおま系ど真ん中
液体スープよりも先に溶かさなければいけない「粉末スープ」は熱風乾燥のネギ入りで、いくらか魚粉も入っているのですが、とろみ成分が本丸。やはり粘度の付け方が人工的ではあるものの、それが「ドロラ王」のコンセプトですし、とろみの加減を不自然に思わせない工夫となっているのが豚骨の強さ。
「液体スープ」を馴染ませた後は、そんじょそこらの豚骨ラーメンでは太刀打ちできないくらい、ぶっとい豚骨の旨みが広がって、おもわず息を呑んだほど。生臭い感じではないのですが、いい意味で程よく獣臭もあり、そこに濃密な魚介のコクが相俟って、なるほど “またおま系” のイメージど真ん中。
なかなかにストロングな味わいですが、食塩による鋭さよりも旨みを詰め込んだが故の濃い味で、糖類による甘さは人工的ではあるものの、おかげで塩っぱさにヤスリが掛かっています。素材の原型が無くなるまで煮込んだような、そっち系のドロドロではないけれど、きちんと値段に見合った満足感が得られました。
かやく
魚粉も具材と思えば
粉末スープにネギを同梱していましたが、実質的な具材はチャーシューのみなので、せめて濃厚な魚介豚骨スープと相性がいいメンマくらいは入れてほしかった‥‥と、そのような不満が無きにしも非ず。ただ、厚切りのチャーシューは丁寧に炙って焼き目を付けている、日清食品ならではの焼豚なので、1枚から得られる満足感はハンパじゃありません。
さらに「頑者」が提唱した “魚粉を具材として使用する” というアイディアに倣い、あとのせ魚粉も具材と思えば頭ごなしに頼りないと評価できない内容で、魚粉を麺に絡めながらインパクトをダイレクトに楽しむもヨシ、あるいはスープに溶かして濃度を底上げするもヨシ。いずれにせよ砂糖などの余計な成分は入っていなかったので、純粋に魚粉の風味が楽しめました。
総評
メーカー希望小売価格が398円(税別)の大物なので、カップ麺なんか安くてナンボ、というスタンスの方には手放しにオススメできません。ただ、踊る極太麺こと日清ラ王史上もっとも太い極太ノンフライ麺の躍動感は素晴らしく、想像以上に豚骨の重心が低い魚介豚骨スープの満足感も値段に見合ったクオリティの高さだったので、これで398円(税別)なら充分 “あり” なんじゃないかと。
かやくはバラエティに富んだ内容とはいえないけれど、厚切りチャーシューの満足度は高く、4種の魚粉も具材と思えば納得できるコスト配分だったので、総評は★5(このブログでは高評価)としました。しかし、せっかくの魅力も粉末スープの溶け残りが出ると台無しなので、調理の際は徹底的に混ぜてください【author・taka :a(大石敬之)】