どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年10月16日(月)新発売、日清食品のカップ麺「日清のどん兵衛 特盛ラー油肉汁きつねうどん」の実食レビューです。
豚の旨みがジュワッと広がる甘辛つゆに、ふっくらおあげ!? 禁断アレンジついに解禁 “ありそうでなかった” 辣油入り特盛きつねうどん爆誕!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
日清のどん兵衛 特盛ラー油肉汁きつねうどん
日清のどん兵衛(にっしんのどんべえ)とは、1976年(昭和51年)8月9日の発売以来、即席カップめん市場の和風どんぶり型うどん・そばカテゴリーにおいて圧倒的な占有率を誇るブランドで、同カテゴリーの売上No.1に君臨する絶対王者。現在は主力商品群のカップめんタイプを中心に、チルド(冷蔵)や冷凍、お椀で食べるシリーズなど、さまざまな形態で顧客のニーズに応えています。
今回の新商品「日清のどん兵衛 特盛ラー油肉汁きつねうどん」は、鰹の出汁(だし)と醤油のキレを効かせた関東風の甘辛つゆに、豚の旨みと甘みが詰まった肉汁、さらにラー油の辛味をアクセントに加えた一杯で、ちょいちょい「日清のどん兵衛」からリリースされるラー油入りの変わり種か‥‥などと、軽い気持ちでスルーしそうになったのですが、まさかの「きつねうどん」とは見過ごせません。
今でこそコンスタントに “辣油仕立ての和風つゆ” を特徴とする「日清のどん兵衛」がリリースされているのですが、2015年(平成27年)11月16日発売の「日清のどん兵衛 ラー油仕立ての鴨だしうどん」が事の発端で、それは年末にかけて需要が爆上がりする「日清のどん兵衛 鴨だしそば」をベースにしつつ、鴨だし×ラー油×うどんの新しいマリアージュで新しい勝負を仕掛けた意欲作でした。
当時のニュースリリースには記載されていませんが、立ち食い蕎麦の常識を覆した「そば処 港屋」(現在閉店)を震源地に「馳走麺 狸穴(まみあな)」「池袋 壬生 〜なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。」「そば 俺のだし(現・俺のそば GINZA5)」など、濃いめの蕎麦つゆにラー油と太めの蕎麦を組み合わせたガッツリ系のメニューがバズっていたので、その影響を受けていたことは言うまでもありません。
ちょうど同時期から数年、日清食品グループの傘下にある明星食品は「そば 俺のだし」や「馳走麺 狸穴」とのコラボを積極的に開拓し、マルちゃんのブランドで知られる東洋水産は「和風丼カップ麺シリーズ」や「本気盛(マジモリ)」からオリジナル商品を、エースコックは「スーパーカップ極太盛り」や「厚切太麺」から関連商品を展開するなど、ちょっとしたブームになっていました。
実は即席カップめん業界に先駆けて “辣油仕立ての和風つゆ” に着目したのは東洋水産で、こちらもコンスタントに姉妹品を発売していますが、日清食品は「旨辛 鶏だし太そば」「辛旨そば にんにくラー油仕立て」「ラー油香る鴨だしねぎ太そば」「和山椒香る旨辛ラー油太そば」「肉汁ラー油太そば」「ラーそば」「ラー油香るラーそば」「ラー油そば」など、定期的に「日清のどん兵衛」から新作を展開。
直近だと2022年11月28日に「日清のどん兵衛 特盛天ぷらラー油そば」をリリースしていたので、なるほど今年は特盛どん兵衛×ラー油の “きつねうどんバージョン” を出してきたのかと、その流れを思えば納得できなくもありません。ただ、思い返すと「日清のどん兵衛 きつねうどん」にラー油をトッピングするアレンジは、15年以上前に一部の界隈で話題になっていた組み合わせ。
そのため前人未到の領域とはいえないけれど、日清食品が「日清のどん兵衛 特盛ラー油肉汁きつねうどん」として正式に商品化したのは初めての試みで、なおかつ “肉汁” の訴求も興味深いポイント。はたして “ラー油×肉汁×きつねうどん” それぞれの魅力は共存できているのかどうか、仕上がりが楽しみです。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「液体つゆ」1袋だけなんですけど、想像していた以上に重たくてビックリ。そもそも本体を持ち上げた時点で重たかったので、あらためて内容量を確認してみたところ、通年販売されている「日清のどん兵衛 特盛きつねうどん(東)」の内容量は131g(めん101g)、こちらは150g(めん96g)となっており、なるほど重たいわけだと。
麺は油で揚げたフライうどんで、内容量だけに焦点を絞って比較すると、通年販売の「特盛きつねうどん」よりも「特盛ラー油肉汁きつねうどん」のほうが約20gも多いのですが、湯戻し前の麺重量は「特盛きつねうどん」よりも少なめです。これについてはレギュラーサイズの「きつねうどん」(めん74g)とスポット商品(めん66g)にも該当する話になるのですが‥‥
メーカー希望小売価格は285円(税別)なので、いつもの「特盛きつねうどん」(271円+税)よりも高めに設定されています。たとえばコンビニで購入した場合、新作の「特盛ラー油肉汁きつねうどん」は税込307.80円になるため、そこも評価の指標に入れておかなければいけません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清のどん兵衛 特盛ラー油肉汁きつねうどん 製造者:日清食品株式会社 製造所:静岡工場(静岡県焼津市相川17-2) 内容量:150g(めん96g) 商品コード:4902105281840(JAN) |
発売日:2023年10月16日(月) 実食日:2023年11月09日(木) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:285円(税別) 購入価格:246円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:560ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(液体つゆ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、こんぶエキス、大豆食物繊維、糖類)、スープ(しょうゆ、たん白加水分解物、豚脂、香味油、ポークエキス、糖類、植物油脂、食塩、魚介エキス、しいたけエキス、かつおぶし粉末、香辛料)、かやく(味付油揚げ、味付肉そぼろ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸Ca、リン酸塩(Na)、カラメル色素、香料、pH調整剤、セルロース、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、カロチノイド色素、乳化剤、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、チャ抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の「液体つゆ」は後入れなので、それを取り出してから熱湯を注ぎ、フタの上で「液体つゆ」を温めながら待つこと5分。それにしても、どん兵衛+きつねうどん+ラー油+肉汁の組み合わせなんて誰が考えたんでしょうね(あなたの柔軟なセンス、わたしも見習いたい)。
さて、お湯を注いで5分経ったら「液体つゆ」を投入し、よく混ぜ合わせたら完成です。いつもの「きつねうどん」には粉末スープを搭載しているため、おあげのサイズがデカすぎて混ぜにくい‥‥などと思いながら調理しているのですが、すんなりと溶け込んでくれる液体つゆ、ありがたい。っていうか、しれっと小さくないですかね、おあげのサイズ。
それと前述のように、通常の「特盛きつねうどん」よりもメーカー希望小売価格が高いので、コストパフォーマンス的な部分はもちろん、念のためラー油の辛さにも注目しつつ「めん」「つゆ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(150g)あたり |
カロリー:633kcal たん白質:14.7g 脂 質:30.6g 炭水化物:74.7g 食塩相当量:7.0g (めん・かやく:2.2g) (スープ:4.8g) ビタミンB1:0.24mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:244mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:633kcal(めん・かやく:494kcal)(スープ:139kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
安心と信頼の「どん兵衛」クオリティ
先に湯戻し前の麺重量は「特盛きつねうどん」(めん101g)よりも少ないと前述しましたが、原材料名の “小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、こんぶエキス、大豆食物繊維、糖類” という構成は完全に一致する内容で、実際の仕上がりにも目立った違いは生じていません。
先入れの粉末スープは別添されていないため、それに伴う差は少なからず生じているかと思いますが、体感的には “ふっくら、もっちり” とした「どん兵衛」ならではのフライうどん。縮れの弱さも然る事乍ら、あえて10分放置することで話題になった “10分どん兵衛” にも耐えられる、独特の弾力と耐久性の持ち主です。
しょうゆベースの和風つゆはもちろん、洋風・中華風・韓国風・エスニック系など、お国柄を問わず柔軟に対応してくれる万能さを兼ね備えているため、ちょっと攻めた添付調味料でも基本的に喧嘩することはなく、今回の「特盛ラー油肉汁きつねうどん」も然り。後述する液体つゆは個性が強いので、うどんの存在感とも対等に渡り合えていました。
つゆ
けっこう濃い味
基本は濃口しょうゆベースの関東風で、鰹の旨みも強く、そこそこ甘みも効かせてありますが、味の輪郭は鋭いタイプ。ラー油の辛さは強過ぎない程度に、それでいて喉に直撃すると地味にヤバいくらいの辛さレベルは誇っていたので、けっこう絶妙なラインだと感じたのですが、それよりも濃口しょうゆのエッジが少し人を選ぶかも。
ただ、濃口しょうゆ+ラー油の相性はパワフルで、それを適度に包み込む甘さとの共演は中毒性が高く、肉汁の旨みがワイルドさの底上げに寄与。思いのほか豚脂が大人しかったので、アクが強いポークオイルを使うとか、炙り焼きの風味を添加するとか、もう一工夫ほしかった部分もありますけど、このまま蕎麦を合わせても大丈夫そうな足場の堅い仕上がりでした。っていうか蕎麦でも食べたいw
かやく
意外と相性は悪くなかったんだけど‥‥
既存の「特盛きつねうどん」に入っている油揚げは、レギュラーサイズの「きつねうどん」に入っている油揚げよりも大きいので、そのボリュームに期待していたのですが、レギュラーサイズ用の揚げ油ですよねコレ。数年前から大豆たん白加工品(フェイクミート)を多用しまくっている日清食品なので、本物の肉そぼろは嬉しいポイントになりますけど、メーカー希望小売価格を踏まえると及第点です。
総評
パッケージでは力強く訴求していたわりに肉汁は大人しかったので、それについては肩透かしを喰らったのですが、きつねうどん+ラー油+肉汁の組み合わせ自体は悪くありません。ただ、いつもの「特盛きつねうどん」と比較してメーカー希望小売価格の設定は高いのに、それよりも少ない麺重量や油揚げのサイズなど、コスパ的な観点から星ひとつマイナスしました。
とはいえ “辣油仕立ての和風つゆ” といえば蕎麦の印象が強いところ、きつねうどんにラー油と肉汁をブッ込んだ精神は素晴らしく、気になっている方は試す価値あり。ちなみに公式の発売日は10月16日ですが、全国のセブン-イレブンを対象に、今週から順次発売予定となっておりますので、買い逃した方は最寄りの販売店をチェックしてみてください【author・taka :a(大石敬之)】