どうも、taka :aです。
本日の一杯は、ひっそりとリニューアルしていた定番カップ麺、日清食品「日清のどん兵衛 天ぷらそば」の実食レビューです。
2019年3月上旬——すべての「どん兵衛」がマイナーチェンジ!
いったい何が変わったのか実際に食べてみた感想と経験に基づいて判定し、リニューアル前と後の違いを解説します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
日清のどん兵衛 2019年3月リニューアル
1976年(昭和51年)8月9日に業界初となる “どんぶり型” 容器を採用し、「日清のどん兵衛 きつねうどん」を発売。その3ヶ月後に今よりも渋い茶色のパッケージで「日清のどん兵衛 天ぷらそば」を発売しているのですが、2019年3月――なんの前触れもなく「めん」と「つゆ」が更新されました。
あくまでもマイナーチェンジということで大々的なニュースリリースは発表されていませんが、この件について日清食品に問い合わせてみたところ “麺とスープをリニューアルして3月上旬から順次切り替えています” とのこと。
「うどん」「そば」どちらのシリーズもマイナーチェンジが行われているのですが、そもそも麺が変わったので、「きつねうどん」「天ぷらそば」「カレーうどん」「鴨だしそば」「鬼かき揚げ天ぷらうどん」「肉うどん」「北のどん兵衛」など、地域関係なく “すべて” のどん兵衛がリニューアル対象(※ただし「リフィル」やチルド・冷凍商品などカップめん以外のラインナップは除く)。
それも麺の原材料だけでなくスープ(つゆ)もマイナーチェンジしているため、東日本・西日本・北海道それぞれの味も変わりました(ちなみに私は兵庫県に住んでいるので、西日本仕様のレビューになります)。すでに「日清のどん兵衛 きつねうどん」についてはマイナーチェンジ前後の違いを記事にしているのですが——
「うどん」シリーズに使用されている油揚げ麺には新たに「昆布エキス」と「糖類」が練り込まれ、さらに麺の耐久力も向上。通常、5分待つところ10分待つ「10分どん兵衛」での違いも食べ比べてみましたが、明らかにマイナーチェンジ後は食感の持続性がアップして、10分どん兵衛のクオリティも上がっていました。
つゆの味も明らかに以前より穏やかになり、食塩の主張が控えめになって甘さが増すという変化が見られたので、典型的な関西舌の私は無条件で好印象だったりもしたんですけど、「そば」シリーズの油揚げ麺には昆布エキスではなく、つゆの方向性に合わせて「かつお節粉末」と「糖類」が新たに練り込まれています。
しれっと変更されてますけど、かつお節を麺に練り込むとか冷静に考えたら地味に大きな進化ですよね。もちろんレギュラーサイズだけでなく「特盛」サイズの麺とスープもマイナーチェンジ、さらに小さいサイズの「ミニ」に使用されている麺とスープも同じように調整されていました。
実はマイナーチェンジ前の「東日本」と「液体つゆ仕上げ(東日本限定)」の「天ぷらそば」も手元にあるのですが、まずは西日本どん兵衛の特徴や違いについて、ご覧いただければと思います。ちなみに余談なんですけど、「日清のどん兵衛」という名前の由来は「うどん」の「どん」と関西弁の「どんくさい」からきているんですよ。
開封
フタ上のデザインは変わっていませんが、容器側面にあるブランドロゴが大きくなり(その横に「W」と書いてあったら西日本、「E」と書いてあったら東日本の味)、アレルゲン情報や栄養成分表示(カロリー等)の配置が変わっています。「日清のどん兵衛」は目立つようになりましたけど、やや栄養成分表示が見づらくなりましたね。
別添の小袋は「彩り七味付き粉末スープ」と「あとのせサクサク天ぷら」で、各デザインは変わっていません。約半年前と比較して彩り七味付き粉末スープは簡素なデザインになりましたが、これについては「とろまろ月見そば」がパッケージでアピールされ始めてから(※賞味期限が2019年5月5日以降の商品から)刷新されました。
手元にある両商品の賞味期限は、リニューアル前:2019年8月8日(製造日2019年2月8日)、リニューアル後:2019年9月6日(製造日2019年3月6日)となっているため、やはり3月上旬には新しくなっていたわけですね(※カップ麺の賞味期限は製造日から6ヶ月後なので、逆算すると製造日が割り出せます)。
賞味期限の下段右端に記載されている「O」は製造所固有記号といって日清食品の「滋賀工場」を意味し、その反対側にも「滋賀工場製造」と明記されているのですが、これについてはマイナーチェンジ前・後と変更ありません。ちなみに同シリーズの「きつねうどん」は「静岡工場(F)」製造なので、実は「うどん」と「そば」それぞれ違う工場から出荷されています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清のどん兵衛 天ぷらそば 製造者:日清食品株式会社 製造所:滋賀工場(製造所固有記号 O) 内容量:100g(めん72g) 商品コード:4902105004173(JANコード) 規格サイズ:縦144mm×横144mm×高さ75mm 発売日:2019年03月上旬 ※リニューアル |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい不使用・蕎麦) スタイル:どんぶり型レギュラー・標準サイズ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(彩り七味付き粉末スープ・あとのせ天ぷら) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉、そば粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、しょうゆ、かつお節粉末、糖類)、かやく(天ぷら)、スープ(糖類、食塩、魚介調味料、粉末しょうゆ、かつお節粉末、ねぎ、七味唐辛子、たん白加水分解物、昆布調味料)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、炭酸Ca、カラメル色素、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部にえび・小麦・そば・卵・乳成分・ごま・大豆を含む) |
【アレルゲン情報】小麦・そば・卵・乳成分・えび・大豆・ごま(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載) |
実食開始
さて、調理前の蕎麦を並べて比較してみたのですが、写真の向かって左がリニューアル前、右が糖類・かつお節粉末を練り込んだリニューアル後の油揚げ麺です。ほんのちょっとリニューアル後のほうが麺の隙間が少ないような‥‥とも思ったんですけど、色や香りに大幅な違いはなく、特に鰹節が練り込まれたからといって特別な香りがするわけでもありません。
写真の向かって左がリニューアル前、右がリニューアル後の粉末スープになるのですが、こちらも見た目・香りともに大差なく、いたって “いつもの” 調理前。ちなみに東日本のつゆは鰹風味が特徴で色が濃いめ、西日本のつゆは昆布の旨味が特徴で色が薄め、北のどん兵衛(北海道)は西日本と比較して昆布・甘さ・醤油が強めでした(※それぞれリニューアル前)。
さて、完成です。ほぼ見た目も香りも変わりませんが、マイナーチェンジによる違いに注目しつつ、「めん」「つゆ」「天ぷら・彩り七味」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(100g)当たり
熱 量:479kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:479kcal(めん・かやく:458kcal)(スープ:213kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
どちらの蕎麦も縮れの弱いストレート状で、サイズや麺量(72g)、必要なお湯の目安量も420mlと同じですが(※熱湯の量が違うと保温性や浸透圧が異なるため同じ麺でも微妙に食感が変わります)、粉末状の鰹節もしくは糖類を練り込んだことが影響してか “しなやかさ” に一段と磨きがかかり、特に食べ始めは “コシ” の強さに違いを感じます。
撮影しながらではニュアンスが完全に掴めないと思い、最初は撮影ありで食べ比べ、その次に撮影なしでも比較したんですけど、やはりリニューアル後の麺は喉越しや歯切れのよさなどがブラッシュアップ。真横に並べて真剣に比較しないと分からないような差かもしれませんが、油揚げ麺特有の風味も穏やかになり、以前よりも洗練された印象を受けました。
ちなみに2019年3月1日(金)の東日本先行リニューアルから「日清のどん兵衛 天ぷらそば(東日本仕様)」と「日清のどん兵衛 天ぷらそば 液体つゆ仕上げ」に生卵がのりやすい “月見ポケット”(※2007年発売「特盛天ぷらそば」天玉そば用の「たまごポケット」以来なので、約12年ぶりの復活)が実装されているのですが、2019年5月10日(金)現在、まだ「西日本仕様」と「北のどん兵衛」の麺に卵用の凹みはありません。
つゆ
蕎麦の違いについては実に繊細な変化でしたが、つゆの差は分かりやすいですよ。天ぷらの風味が滲み出る前の味を確認しておきたかったので、撮影なしで実食した際(2回目)に天ぷらや後入れの彩り七味などをトッピングせずに調理してみたのですが、まず体感的にもっとも分かりやすかったのが糖度の違い。
【マイナーチェンジ前】糖類、食塩、魚介エキス、粉末しょうゆ、かつお節粉末、ねぎ、たん白加水分解物、七味唐辛子、昆布エキス |
【マイナーチェンジ前】糖類、食塩、魚介調味料、粉末しょうゆ、かつお節粉末、ねぎ、七味唐辛子、たん白加水分解物、昆布調味料 |
原材料名を並べてみると魚介エキスが魚介調味料に変わっていたり、昆布エキスが昆布調味料に変わっていたりするのですが、これについては2020年に完全移行する「新食品表示制度」の方針に沿った単なる表記変更かもしれません。しかし、テイストは明らかにリニューアル前よりも柔らかくなっています。
つゆの食塩相当量は0.1g増えているのですが、甘さが増したことによって全体的に丸みを帯びて穏やかになり、つゆの色も薄くなって(粉末しょうゆの量が減って)醤油感も弱くなりました。とはいえベースの和風出汁は変わっていないので、もともと西向けの蕎麦つゆが好きならマイナスはないでしょう。ところで醤油の風味が強いのは「東」ですが、実は塩気の強さは「西」が上なんですよ。
天ぷら・彩り七味
たしか1992年に発売された「天ぷらどん兵衛そば」(当時まだ熱湯4分の頃)から “あとのせ式” の天ぷらあとのせ製法が導入され、以来ずっとサクサク食感が定番になっているのですが、天ぷらはリニューアル前もリニューアル後も変更ありません。個体差によってエビが多い少ないはありますけど、いつもの天ぷらでした。
天ぷらと同じく「彩り七味」も特に変わった様子は見られませんが、彩り七味の中には「赤唐辛子、陳皮、白ごま、和山椒、金ごま、あおさ、しそ」が入っていて、東日本は赤唐辛子を多めにブレンド、西日本は和山椒の風味を重視しています。ただ、同じ西日本でも「きつねうどん」と比較して「天ぷらそば」のほうが赤唐辛子ちょっと多めかもしれません。
もちろん天ぷらを入れるタイミングは各位お好みのタイミングで結構なんですけど、熱湯2分くらい経過した時に “途中入れ” すると上部サクサク、中もっちりの絶妙な食感が楽しめるので、気になった方は試してみてください。
まとめ
リニューアル前・リニューアル後を同時に食べ比べてみた結果、麺に「かつお節粉末」と「糖類」が練り込まれて以前よりも洗練された印象に変わったこと、そして西日本仕様では「つゆがマイルドになった」ことが分かりました。あくまでマイナーチェンジなんですけど、「日清のどん兵衛 きつねうどん(リニューアル後)」と同じ傾向です。
全国的に「うどんは西」「蕎麦は東」という意見が多いのですが、これまで西日本どん兵衛の天ぷらそばが好きだった方にとってはネガティブな変化ではないでしょう。特に甘口つゆが好きな方にとっては確実に好印象な変化だと思いますし、実際けっこう食べやすくなっていて、私個人的にもポジティブなリニューアルでした。明らかに「きつねうどん」もマイルドになっていたので、西日本では甘口を望む声が多かったのかもしれません。