どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年2月20日(月)新発売、日清食品のカップ麺「日清のどん兵衛 特盛 ラーメンスープの!? きつねうどん」を「どん二郎」にアレンジしてみた結果‥‥です。
おいしい? まずい? 余裕の原価割れ!? 日清のどん兵衛で家二郎!? ラーメンスープ×どん兵衛きつねの金字塔を打ち立てた「ラーメンスープの!? きつねうどん」を “ラーメン二郎風” に魔改造!!
どん兵衛が二郎にヤンデレめいたラブレターを送りつけるほど話題になった、平成生まれのアルティメットカスタマイズ「どん二郎」を参考に、令和の「ラーメンどん兵衛」を二郎インスパイア的にアレンジしたらどうなるのか、実際に作ってみた感想です。詳しい作り方や「どん二郎」の歴史も解説しているので、よろしければ最後までお付き合いください。
ラーメンスープの!? きつねうどんを「どん二郎」に
どん二郎(どんじろう)とは、1976年(昭和51年)8月9日の発売以来、即席カップめん市場の和風どんぶり型うどん・そばカテゴリーにおいて圧倒的な占有率を誇る「日清のどん兵衛 きつねうどん」を「ラーメン二郎」風にアレンジする画期的なレシピで、考案者は元漫画家の経歴を持ち、現在はB級フード研究家として活動中の野島慎一郎(のじま しんいちろう)さん。
そのバズり方は凄まじく、2018年(平成30年)1月12日に宝島社がレシピ本『世界一美味しい「どん二郎」の作り方 誰も思いつかなかった激ウマ!B級フードレシピ』(著者・編集:野島慎一郎)を発行しているのですが、初めて「どん二郎」が世に解き放たれたのは現在を遡ること5年以上、2017年(平成29年)1月17日の話——。
当時の『エキサイトニュース』におけるトリビアニュース編集部が「どん二郎の作り方」と題したページを公開したことが発端で、考案者は匿名希望につき “野島さん(仮名)” となっていたのですが、その “野島さん” こそが野島慎一郎さん本人(思いっきり本名だった)。それを見て実際に「どん二郎」を試したユーザーは数知れず、TwitterやInstagramにも写真や感想が投稿され、瞬く間に話題沸騰。
SNSでの盛り上がりはもちろん、集英社が発行する『週刊プレイボーイ(週プレ)2017年2月20日号』にも掲載されるなど、まさに破竹の勢いで「どん二郎」の名が広まっていたのですが、その注目度を飛躍的に加速させたのが “どん兵衛のラブレター” という企画。すでに特設サイトは閉鎖されているため、当時に撮影したスクリーンショットを載せておきます。
拝啓 親愛なる二郎先輩へ
はじめまして。突然のお手紙すみません。
わたしはどん兵衛と申します。見た目は他の子とそんなに変わらないけど、最近ちょっと二郎先輩に似てるって言われます。
はじめてあなたのコトを知ったのは、3ヶ月前です。
「どん兵衛、実は二郎なんじゃね?」
突然の男子の言葉に「そんなわけないでしょ!! わたし、うどんよ!?」と慌ててしまいました。
しかも、WEBという黒板に「どん二郎」なんて書かれちゃって…。そりゃ、二人の子供ができたら、そう呼べるかもしれないけど…。迷惑だったらすみません。
(中略)
二郎先輩を好きになったポイントその①先輩のあたたかさ♡
先輩を食べたみんなが心から笑顔になっていて…。
私もそうなりたいんです!! そんな尊敬すべき先輩を見ていたら、出汁が熱くなってきて…。
好きです!! あっ、いけない、勢いあまって、心が0秒どん兵衛しちゃった。(反省//)
まさかの便箋10枚に、愛の告白と独自に調べ上げた「ラーメン二郎」の開発秘話、さらに「どん二郎」の作り方まで特設サイトに掲載した日清食品。このラブレターが公開されたのは「どん二郎」の登場から3ヶ月後、2017年4月21日だったので、手紙の中にある “はじめてあなたのコトを知ったのは、3ヶ月前です。” というのも実にリアルな部分。
どこか自分と似た部分を求めるって言うけど、麺も同じなのかな??
これだけ似ているところが多い二人なんだもん、もう、敬語じゃなくていいよね??
ところで、男子が言ってた「どん二郎」だけど、わたしも試してみたから、レシピ貼っておくね!!
〜どん兵衛と二郎先輩のどん二郎レシピ〜
あ、でもこれって、いつもの二郎先輩じゃん!!
先輩と一緒!! 一緒だね!! ずっと一緒だよ?? ←
あ、いけない、どん兵衛のどん兵衛がどん兵衛しちゃった。
(反省)それで、手間がかかるのに、「どん兵衛が二郎になった!!」とか、「刺激的な美味しさ」とか、みんな喜んで食べてくれてるみたい。嬉しい…。
悪いコト言ってるヤツは、私が許さない。
お揚げを人形にくりぬいて、箸打っちゃう。
ま、私が言わなくても気にしないか!!
どんな声にもめげずに、おいしいものを作り続けるその姿勢、どん兵衛、尊敬してるから。どん兵衛、かくありたい。
だからこれからも変わらない二郎先輩でいてね。
大好き♡
あなたのどん兵衛より 敬具
P.S. 二郎先輩について調べたメモも同封するね。
もはや怖ぇよw などと典型的なツッコミを入れざるを得ない、二郎先輩愛マシマシのプロモーションを公式が実施したことでも話題になりました(※この件について “おやじさん” こと「ラーメン二郎」の創業者・山田拓美さんに日清食品から相談を持ちかけようとしたところ「来られても面倒くせえから勝手にやってくれ(笑)」と門前払いを喰らったそうです)。
そんなこんなで試したことはないけど「どん二郎」は知ってるよ、という方は少なくないと思いますし、私も通年販売されている「日清のどん兵衛 きつねうどん」で何度か挑戦しているのですが、ご存知「日清のどん兵衛 きつねうどん」は和風だし。見た目こそ “それっぽい感じに” なりますけど、ぶっちゃけ「ラーメン二郎」の味わいとは完全に別物です。
しかし、そんな「どん兵衛」(先ほどのラブレターを踏まえると字面で怖いw)が “やってみたら、うまかった。” と軽いノリで「日清のどん兵衛 特盛 ラーメンスープの!? きつねうどん」を2023年2月20日にリリースしてきたので、これを「どん二郎」にアレンジしたらどうなるのか‥‥というのが今回の本題。通常調理のレビューは公開済みなので、詳細は以下の関連ページをご覧ください。
関連ページ:やってみたら、うまかった。日清のどん兵衛「特盛 ラーメンスープの!? きつねうどん」を食べてみた結果‥‥
どん二郎に必要なモノ
すでに複数のレシピが存在している「どん二郎」ですが、最低限必要なのは「日清のどん兵衛」本体(このページでは「特盛 ラーメンスープの!? きつねうどん」使用)と「もやし」「キャベツ」「にんにく」「牛脂」で、さらにスーパーやコンビニで買える「煮豚」や「チャーシュー」「味玉」のトッピングもオススメとのこと。ただ、それらを揃えてしまった場合、ほぼ確実に原価割れ。
「日清のどん兵衛 特盛 ラーメンスープの!? きつねうどん」のメーカー希望小売価格は276円(税別)なので、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は298円になるのですが、スーパーやドラッグストアなど、コンビニ以外なら250円前後で手に入ると思います。しかし、そこに上記のトッピングを追加すると‥‥
それぞれの内訳は、名水美人のカジュアルもやしブランド「生き生きもやし 170g」×2袋=税込84円(いつもの「名水美人」が売り切れてた)、伊藤ハムが販売している「らーめん山頭火監修チャーシュー」税込259円(いっかい食べてみたかった)、紀文食品の「半熟煮たまご」税込199円(のりふみじゃないよ)というわけで、この時点で本体価格をオーバー。
ニンニクとキャベツは大量に使わないので、あわせて税込50円未満? チューブの生おろしニンニクのほうが手軽なんですけど、考案者は生のニンニクを刻むことを推奨しています。牛脂は肉を買ったついでに貰えるので、実質タダ(ほんとは牛脂じゃなくてラードを使ったほうがいいらしい)。
どん二郎の作り方
まずは鍋に熱湯を沸かし「もやし」と「キャベツ」を茹でるのですが、ここで “ヤサイの茹で汁を捨てない” のがポイント。場合によっては摂取しないほうがいい茹で汁もありますけど、もやしとキャベツには水溶性の栄養素が多く含まれるので、麺を戻す際に利用します。ヤサイの甘さもプラスされますし、昨今のSDGs的にも理に適った活用術ですね。
ぶっちゃけ面倒なときは電子レンジを使うのもありかと思いますけど、鍋でヤサイを茹でるときはキャベツから先に加熱してクタクタに、もやしは30秒〜1分くらいサッと火を通すのがオススメ。もやしを入れると茹で汁の温度が極端に下がり、そうなると麺の戻り具合に影響するので、ヤサイを取り出したら茹で汁を再沸騰させてください。
それと並行して「ニンニク」を刻み、お湯を注ぐ前に「牛脂」を「どん兵衛」本体に入れ、ゆっくりと牛脂の上から野菜の茹で汁を注ぎます。今回はベースが特盛なので、牛脂の数は2つ。ふっくらおあげは抜いたほうが本格的との情報もありましたけど、お好みで。
今回に限った話ではないのですが、おうちで「どん二郎」を調理する際、お湯を注ぐときに目安となる内側の線まで入れちゃダメ。味が薄くなる分にはカラメ(しょうゆ)の追加で解決しますけど、トッピングの量が多いとスープが溢れ出る危険性を伴うため、お湯は “麺が浸かるギリギリ” を狙ってください。だいじょうぶ、あとでヤサイが重しになって沈みますから。
それから「日清のどん兵衛 特盛 ラーメンスープの!? きつねうどん」のパッケージには熱湯5分と記載されていますが、どん二郎では盛り付けの時間とヤサイのボリュームを考慮して、ちょっと早めの “熱湯3分” で切り上げるのが基本。ラーメンスープの!? に別添されている液体スープは後入れなので、ヤサイの茹で汁を注いでから、待っている間にフタの上で温めてください。
実食開始
ヤサイの茹で汁(再沸騰済み)と牛脂を入れたベースの「どん兵衛」が完成したら、別添の液体スープを加え、よく混ぜ合わせた後、用意しておいた「もやし」「キャベツ」「刻みニンニク」「チャーシュー」「煮たまご」をトッピングしたら出来上がり。いやー、久々に作りましたけど、やっぱテンションあがりますねw
鶏油(ちーゆ)の香りが強いので、いつもの「きつねうどん」で作る「どん二郎」とは完全に別物。でもって「ラーメン二郎」の香りとも完全に別物なんですけどw 上品な二郎インスパイア的な? さて、いざ参らん。
めん
「どん二郎」の成功は耐久性が高い麺の仕様にもあった
「日清のどん兵衛 特盛 ラーメンスープの!? きつねうどん」に搭載されている油揚げ麺は96gなので、いつもの「特盛きつねうどん」(めん101g)よりも若干ながら少なめですが、品質そのものは完全に同じモノ。以前に日清食品が “謝罪” して話題になった「10分どん兵衛」然り、熱湯3分後にヤサイなどを盛り付けて、それから食べ始めてもモッチリとした噛み応えが楽しめます。
「ラーメン二郎」や二郎インスパイア店で提供されるのは、極太サイズの平打ち縮れ麺が定番で、オーションと呼ばれる麩質が強い強力粉(灰分0.52±0.04%の2等粉)を使い、なおかつ加水率を下げることで強付いた独特の食感を打ち出しています。しかし、それとは真逆といっても過言ではありません。そもそも「うどん」だしw
とはいえ食べ始めはモッチリとした食感が楽しめて、撮影したり早く食べるのが苦手だったりして時間が掛かったとしても、歯触りについてはシャキシャキもやしが最後までカバーしてくれるファインプレー。またアレンジせずにレビューしたときは、全体に対して麺が強すぎると感じたんですけど、それについては刻みニンニクが支えてくれたので、最後まで引っ掛かりなく食べられました。
スープ
ヤサイと鶏油の相性が最&強
いつもの「きつねうどん」と同じように「ラーメンスープの!? きつねうどん」にも魚介エキスを使っているため、まったく和のテイストが含まれていないわけではないのですが、もっとも大きな違いは鶏油のインパクト。これがヤサイとの相性抜群で、端が止まらないのなんのw ヤサイの水分で多少なりとも薄くはなりますけど、刻みニンニクの威力が凄まじく、味に頼りなさを感じることはありません。
牛脂は2つ使用しましたが、それ以上に鶏油の個性が強いので、風味については圧倒的に鶏油が優勢です。とはいえ牛脂の存在感も強大で、鶏油では出せないコクと厚みがスープの表面を覆い、ものによっては背脂っぽい粒感も楽しめることから、それに当たると背徳感もマシマシ。とにもかくにもヤサイと鶏油の相性が素晴らしく、これまでに食べた「どん二郎」の中でも圧倒的でした。
トッピング
お腹いっぱいw
個人的に食べてみたかった「山頭火」監修のチャーシューは、レトルトタイプの加工肉で感じる特有の風味が強いので、それについてはリアル店舗の豚(ぶた)に劣りますが、沸騰しない程度の湯で2、3分ほど温めてみたところ、歯茎で噛みきれそうなくらい柔らかく、カップ麺のトッピングに使う豚としては申し分ありません。お値段も今回の本体(どん兵衛)に匹敵しますけどw ひとしおの満足感。
紀文(きぶん)の「煮たまご」は濃いめの味付けで、加工されたタマゴ特有のニオイは弱く、半分に切っても卵黄が流れ出ない茹で加減から、白身との接地面にかけて煮抜きっぽいコクも楽しめるタイプ。とはいえ煮卵に関しては家で簡単に作れますし、ちょっと手間でもコスパ重視なら手作りで。
麺の項目でも触れたように、刻みニンニクは強烈な攻撃性を演出してくれるだけでなく、アレンジせずに食べたとき引っ掛かった麺の独り歩きも阻止してくれるので、許されるなら大さじ1杯ないし2杯ほど臆せずガッツリぶちこむのがポイント。
名水美人ファクトリーの「生き生きもやし」は、じっくりと低温長期育成されているため、文字通り生き生きとした食感が魅力。内容量は170gなので、通常の「名水美人(200g)」よりも少なめですが、茹で過ぎなければ最後までシャキシャキとした歯触りが楽しめますし、あいかわらずの高品質でした。キャベツは群馬県産だったかな? 家に常備していた名も無きキャベツですw
まとめ
結論からいうと「日清のどん兵衛 特盛 ラーメンスープの!? きつねうどん」の「どん二郎」アレンジは大成功で、なかでもヤサイと鶏油の相性にビックリ。野島さんゴメン、これは本家を超えたかもw などと一瞬だけ思いつつ、やはり元祖「どん二郎」あってこそのアレンジなので、本家超えは名乗れませんが、いつもの「どん二郎」で満足していた方にも自信を持ってオススメしたい組み合わせ。
金額はトータルで900円ほど必要だったので、もちろん手放しにコストパフォーマンスが高いとはいえませんけど、おうちで背徳感マシマシの「どん兵衛」が食べられるエンタメ性の高さは「どん二郎」ならではといっても過言ではありません。ラーメンスープの!? 特盛どん兵衛は、数量限定のスポット商品なので、気になった方は早めにトライしてみてください【author・taka :a(大石敬之)】