どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年9月30日(月)新発売のカップ麺、日清食品「日清のどん兵衛 ラーそば」の実食レビューです。
巷で話題の進化系そばメニューを「日清のどん兵衛」流にアレンジ!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
日清のどん兵衛 ラーそば
今回の新商品「ラーそば」は、和そば(蕎麦)にラー油を合わせて食べる斬新なメニューを「日清のどん兵衛」流にアレンジしたもので、 “ラー油入り蕎麦” の元祖は日本一行列のできる立ち食い蕎麦屋 “だった” 東京都港区・虎ノ門の名店「そば処 港屋 MINATOYA」。残念ながら「港屋」は2019年2月4日に寿命を迎えましたが、実店舗やカップめん業界に大きな変化を与えます。
2019年9月9日に「島耕作も愛した幻の立ちそば 虎ノ門 港屋 辛香るラー油の鶏そば」という「港屋」のカップ麺を日清食品が発売しているのですが、今度は「港屋」監修商品ではなく、天下の「どん兵衛」からオリジナルの「ラーそば」として発売。パッケージには “ラー油香る甘辛つゆ” と商品の特徴が簡潔に要約され、それ以外の情報はありません。
最初に「どん兵衛」の蕎麦シリーズからラー油系の商品が登場したのは、おそらく2016年11月7日発売「日清のどん兵衛 旨辛 鶏だし太そば」が初版。それは “どん兵衛史上もっとも太い熱湯5分の真っ直ぐな蕎麦” と “旨辛ラー油仕立ての鶏だし甘辛つゆ” を特徴とした、まさに「港屋」の「温かい鶏そば」にインスパイアされたようなコンセプト。
その次にリリースされたのは、2017年9月25日発売「日清のどん兵衛 辛旨そば にんにくラー油仕立て」で、当時 “日清のハロウィントリオ” として登場。それはそれは強烈にガーリックが効いた、ある意味「港屋」以上にインパクト抜群の問題作で、和風そば系のカップ麺にしては珍しく “魚介系の出汁(だし)も不使用” という異端な仕上がりで爪痕を残します。
第1弾は鶏だし×ラー油、第2弾はニンニク×ラー油、続いて登場したのは2017年11月20日発売「日清のどん兵衛 ラー油香る鴨だしねぎ太そば」で、今度は “どんぎつね” こと吉岡里帆さんのアイデアどん兵衛レシピを具現化した “鴨だし×ラー油” の組み合わせ。そして2018年11月26日に続編「日清のどん兵衛 和山椒香る旨辛ラー油太そば」という山椒アレンジ版を発売しているのですが——
ちょうど今回の新商品「ラーそば」が発売される約5ヶ月前、2019年4月29日に発売された「日清のどん兵衛 肉汁ラー油太そば」が記憶に新しいところ。それは熱湯5分の太蕎麦に濃いめのラー油×甘辛つゆを合わせたもので、今回の「ラーそば」にも熱湯5分の太蕎麦を採用している、まさに「肉汁ラー油太そば」から “肉汁” のワードがなくなったような状態。
ただ、パッケージの側面には辛味の強さを5段階で示す「辛さレベル」の表記があり、「肉汁ラー油太そば」の辛さレベルは「1」でしたが、「ラーそば」の辛さレベルは「2」と微妙にアップ。それでも標準(辛さレベル3)以下ではあるものの、前回は “ぜんぜん辛くない” と評価しているため、今回どのくらい辛いのか、甘辛つゆとの兼ね合いにも注目してみましょう。
なお、和蕎麦×ラー油を生み出した「港屋」のカップ麺は “鶏だし” で、前回の「肉汁ラー油太そば」は “牛脂×豚脂” の動物系という構成から、今回は何出汁なのかもポイントです(※それぞれの詳しい感想と評価につきましては、「島耕作も愛した幻の立ちそば 虎ノ門 港屋 辛香るラー油の鶏そば」と「日清のどん兵衛 肉汁ラー油太そば」の記事をご参考ください)。
開封
別添の小袋は「液体つゆ」と「かやく」の合計2袋、小袋の構成については前回の「肉汁ラー油太そば」と変わっていません。というか、液体つゆの小袋は赤基調で、かやくの小袋は青基調、それぞれデザインも色も “まったく同じ状態” です。小袋のデザインが完全に同じ場合、中身も変わっていないことが多いのですが、果たして——
製造所も「肉汁」と同じく茨城県取手市にある関東工場(製造所固有記号「A」)で、容器も熱湯390mlのレギュラーサイズを採用しているのですが、メーカー希望小売価格は税別180円から税別193円に値上がりしています(2019年6月1日に施行された価格改定の結果)。ただし、カップ麺は「軽減税率制度」の対象商品なので、2019年10月1日に実施される消費税率10%に増税の影響は一時的に受けません。
麺も前回と同じく熱湯5分の太蕎麦で、ノンフライ麺ではなく油揚げ麺を採用しています。おおむね麺の原材料名も変わっていませんが、よく見ると麺の中央には “月見ポケット” と思われる凹みを発見。これは2019年3月1日に行われた「天ぷらそば」の東日本先行リニューアルから備わっているもので、2019年9月9日から「天ぷらそば(西日本)」及び「鴨だしそば」にも導入されました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清のどん兵衛 ラーそば 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(A)茨城県取手市清水667-1 内容量:98g(めん66g) 商品コード:4902105255193(JANコード) 商品サイズ:縦144mm×横144mm×高さ75mm 発売日:2019年9月30日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:どんぶり型レギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:390ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:2袋(液体つゆ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、食塩、植物性たん白)、スープ(たん白加水分解物、しょうゆ、食塩、糖類、植物油脂、豚脂、牛脂、ビーフエキス、かつおぶしエキス、ポーク調味料、かつおぶし粉末)、かやく(味付豚肉、ごま、揚げ玉、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、リン酸塩(Na)、炭酸Ca、香料、乳化剤、増粘多糖類、グリセリン、カロチノイド色素、香辛料抽出物、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、ベニコウジ色素、(一部にえび・小麦・そば・卵・乳成分・牛肉・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
やや大きめにカットされた乾燥状態の青ネギは最初から容器の中に入っていて、かやくの小袋にはチップ状のチャーシュー(味付豚肉)と揚げ玉、ごま(煎り胡麻)と3種類の具材が入っています。とはいえ揚げ玉と胡麻については具材というか薬味の立ち位置ですし、チャーシューチップの量も多くありません。
とりあえず具材の構成については「肉汁ラー油太そば」と同じ内容で、情緒のないチップ状の具材とはいえ “本物の肉” なのは紛れもない事実。大豆ビーフや大豆ポークといったフェイクミート(大豆たん白加工品)じゃないのは素直に好印象ですし、このタイミングで生卵を “月見ポケット” に落としておくのもありですね。
あとは熱湯を注いで5分待機、待っている間に液体つゆの小袋をフタの上で温めておきましょう。で、調理直後の見た目はドッペルゲンガー並みに「肉汁ラー油太そば」と同じですし、甘濃い香りも共通点。それでは、5ヶ月前に発売された新商品との違いに注目しつつ、「めん」「つゆ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(98g)当たり
カロリー:400kcal |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:400kcal(めん・かやく:333kcal)(スープ:67kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
定番どん兵衛の「天ぷらそば」や「鴨だしそば」に使われている蕎麦と比較して、明らかにサイズは太く、エースコックの「厚切太麺」や東洋水産(マルちゃん)の「本気盛(マジモリ)」ほどワイルドな蕎麦ではないけれど、フライングは厳禁。早めに食べると太蕎麦のポテンシャルを最大限に引き出せないので、指定の熱湯5分ちゃんと待つ必要があります。
その太さもさることながら、ほぼ縮れのないストレート状というのが日清食品らしいポイントで、明らかに普段の蕎麦とは違う、田舎蕎麦(いなかそば)路線の野趣に富んだ荒々しさを打ち出しているのですが、どことなく気品のようなものを備えているのが「どん兵衛」流。そば粉の香りも強く、今回のラー油×甘辛つゆとのパワーバランスも問題ありません。
ちなみに2019年3月上旬、リフィルやチルド・冷凍商品などを除く定番どん兵衛全商品が一斉にマイナーチェンジしていて、それぞれの粉末スープ及び液体スープをリニューアル。そのタイミングから蕎麦シリーズの麺には「かつお節粉末」と「糖類」が練り込まれているのですが、今回の太蕎麦はマイナーチェンジ前の構成です。
つゆ
やはり液体つゆの方向性は間違いなく「肉汁ラー油太そば」の延長線上にあり、動物系の出汁(だし)はビーフエキスとポークエキス、さらに豚脂(ラード)や牛脂(ヘット)もブレンドしたもので、鶏肉エキスや鶏油は使用していません。魚介系の出汁はカツオが中心を担い、ほとんど煮干し(いりこ)は目立っておらず、サバや昆布、椎茸などのサポートはなし。
さらにカエシの醤油は薄口ではなく濃口で、かなり甘さが強いのも「肉汁ラー油太そば」から受け継がれている共通点になるのですが、明らかに “しょうゆの使用量が控えめに” なり、ずいぶんと食べやすい濃度になっています。とはいえ塩辛さが控えめになったというだけで濃い味ですし、なるほどラー油の辛さもアップしていますね。
「肉汁ラー油太そば」の時には辛さレベル1もとい “0.5” が関の山だと感じたんですけど、今回の「ラーそば」は “ちゃんとピリ辛レベル” に到達。日清食品の辛さレベルは同じ「2」となっていても、商品によってピリ辛〜中辛までの振り幅が地味に大きかったりするのですが、今回は硬派にピリ辛だったので、こけおどしの辣油風ではありません。
加えて前述した豚脂や牛脂のコク、さらに胡麻油の芳ばしい香りが強めに漂ってきて食欲を刺激してくれるのですが、あくまで硬派とはいえピリ辛のラインなので、極端に辛い食べ物が苦手でさえなければ大丈夫。それでいて甘辛つゆを絶妙に引き締めてれるアクセントから、前回よりもバランスが向上したように感じました。
具材
つゆには牛脂やビーフエキスを使用していますが、具材は牛肉ではなく味付豚肉を筆頭に胡麻、揚げ玉、ねぎとシンプルな構成で、「肉汁ラー油太そば」の具材から変わっていません。特筆して具沢山な内容ではないけれど、前述したように大豆たん白加工品(偽肉)で代用しているわけではないですし、それぞれ今回の甘辛つゆとマッチしています。
つゆのベースが甘辛い醤油味なので、けっこう大豆ビーフでも違和感なくハマりそうかも——と、思う反面、やつは強烈な甘さと燻製風の癖が目立つ自己主張の強い具材。それを思えば柔軟性の高いハムみたいなチャーシューチップの印象も悪いわけではなく、いい意味で当たり障りないというか、情緒はないけど無難な選択かなと。
胡麻、揚げ玉、ネギについては現状これといって特に不満もなく、あえて言えば量もうちょっと増やしてほしいのと、定番の刻み海苔が別添されていたら——ということくらい。変わり種どん兵衛は具材が貧弱になりがちなので、それを踏まえると弱くありません。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
結論、5ヶ月前に発売された「日清のどん兵衛 肉汁ラー油太そば」の二番煎じです。ただ、比較して醤油が弱くなったのと、すこしだけラー油の辛さがアップして、麺と具材は変更なし——といったところ。潔いまでの再販ですが、ある意味これは一つのラー油入り蕎麦として完成形にあると思うので、甘濃い辣油入り蕎麦が好きなら素直にオススメしたいですし、今後も定期的に発売されそうな完成度の高い一杯です。
それから麺の中央にあった凹みに生卵を入れてから調理してみた結果、卵との相性は申し分なかったんですけど、生卵によって熱湯の温度が下がることに加えて白身が密着している部分の麺が5分では戻らなかったので、月見アレンジする場合の待ち時間は “熱湯7分弱” が適切だと感じました。さらにマストアイテムの揚げ玉と刻み海苔をトッピングすると味の満足度は飛躍的に上昇するため、実に月並ですが、お試しください。