どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年02月18日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん でかまる チーズタッカルビ風焼そば」の実食レビューです。
全国的に人気が高まっている話題の韓国料理「チーズタッカルビ」をマルちゃんがカップ焼そばにアレンジ!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
でかまる チーズタッカルビ風焼そば
東洋水産(マルちゃん)の「でかまる」とは、満足度の高い「うまい大盛」をスローガンに、味とボリュームの満足感を両立させることをコンセプトに掲げている大盛カップのブランドです。「でかまる」から汁なしカップ麺がリリースされるのは、2018年8月6日(月)の「RED汁なし担々麺」以来なので、およそ半年ぶりとなる程よいスパンですね。
「チーズタッカルビ(치즈닭갈비)」とは、2017年以降の第3次韓流ブームから女子高生を中心に大ヒットした韓国の焼肉料理、「タッカルビ(닭갈비)」に「チーズ(치즈)」をトッピングしたアレンジメニューで、その人気は2019年2月現在も衰えることを知らず、それどころか続々とチーズタッカルビに関連する新商品が開発されて一般のスーパーにも出回り、どんどん日本での知名度が増している今話題の食べ物です。
チーズの海がインスタ映えすることも日本で盛大にバズッた要因となっているのですが、「タッカルビ(닭갈비)」の「タッ(닭)」は鶏、「カルビ(갈비)」は肋骨または肋骨周辺の肉を意味しているので、タッカルビを直訳すると “骨周りの肉を食べる鶏料理” という意味合いになり、韓国・江原道(カンウォンド)の春川(チュンチョン)という地方で1960年頃に生まれました。
春川は「冬のソナタ」のロケ地にもなったことで有名な地方なのですが、豚肉などで店を営んでいたキム・ヨンソクという方が入手困難になった豚肉の代わりに鶏を二羽買ってきて、豚肉カルビのように調理しようとイメージしながら研究した結果、鶏を広げて味付けを施し、12時間寝かせた後に炭火で焼いたメニュー「鶏プルコギ」が「タッカルビ」の原型になったといわれています。
カップ麺のパッケージにも「甘辛ソースとチーズのコクが利いた濃厚な味わい!」と書いてあるように、ベースはコチュジャンや唐辛子、砂糖、醤油などで作った甘辛いタレで味付けしたもので、本場・韓国の伝統的なタッカルビは唐辛子の強い辛さも特徴となっているのですが、日本の味付けは基本的にマイルドですよね。ちなみに「ダッカルビ」と表記されることもありますが、そもそも韓国語には濁点の概念がないので、どちらも間違いではありません。
チーズタッカルビをイメージしたカップ麺といえば、パルド(paldo)の「王ふた チーズタッカルビ麺」や激辛カップ麺でお馴染みサムヤン(三養)の「チーズブルダック 炒め麺」、オットゥギの「コッコッコッ チーズポッキ」など、いくつか韓国メーカーの製品なら思い当たるのですが、おそらく日本のメーカーが製造する国産のカップ麺でハッキリと「チーズタッカルビ」を冠した新商品を製品化したのは今回の「でかまる」が初めてだと思います。
わりと最近、イオンのプライベートブランド「トップバリュ」から「ワールドダイニング タッカルビヌードル(World Dining DAK-GALBI NOODLES)」というカップ麺のリリースがあったので、今年の1月にレビューしているのですが、その商品にチーズは入っていませんでした。さて、焼そばに強いマルちゃんは「チーズタッカルビ」を汁なしカップ麺でどのように表現しているのでしょうか。
開封
別添の小袋は先入れの「かやく」、後入れの「液体ソース」と「粉末ソース」で合計3種類。イメージ的に液体ソースがコチュジャンや唐辛子、砂糖、醤油などで作った甘辛い味付けのタレ(ベース)で、粉末ソースがチーズのコクを演出する成分でしょうか。どちらかの小袋にパッケージよろしく、とろ〜ん‥と伸びるチーズ成分が入っていたらビックリですけど、最近のカップ麺はなんでもアリなので侮れません。
麺は油で揚げたフライ麺で、やや黒ずんだ色合いの角ばった太めの油揚げ麺です。東洋水産の大盛カップ焼そば製品や「珍々亭」などのカップ油そば製品に採用されるタイプの熱湯5分の太麺に見えるので、それほどソースが濃厚だという現れかもしれません。あいかわらず精製ラードの芳ばしい香りも顕著に漂っているのですが、その油揚げ麺特有の風味とソースのバランスにも注目ですね。
冒頭にて「タッ(닭)」は鶏、「カルビ(갈비)」は肋骨または肋骨周辺の肉を意味していると解説しましたが、「かやく」の小袋を開封すると、中には鶏肉ではなく味付豚肉そぼろとキャベツが入っているシンプルな構成。実際のタッカルビに使用される代表的な野菜にはサツマイモや玉ねぎなどが挙げられるので、だいぶカップ焼そば仕様にアレンジされています。
製品情報・購入価格
製品名:マルちゃん でかまる チーズタッカルビ風焼そば 販売者:東洋水産 製造所:関東工場(製造所固有記号 M1) 内容量:169g(めん130g) 発売日:2019年02月18日(月) 実食日:2019年02月18日(月) JANコード:4901990362665 希望小売価格:210円(税抜) 発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛用角型容器 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:680ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体ソース / 粉末ソース / かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、精製ラード、食塩、しょうゆ、香辛料、粉末野菜、卵白)、添付調味料(植物油、チキンエキス、ポークエキス、みそ、ソース、乳等を主要原料とする食品、砂糖、しょうゆ、デキストリン、たん白加水分解物、香辛料、食塩、豆板醤、豚脂、発酵調味料)、かやく(キャベツ、味付挽肉)/ 加工でん粉、トレハロース、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸カルシウム、酒精、香料、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC、ローズマリー抽出物)、パプリカ色素、pH調整剤、増粘多糖類、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【本品原材料に含まれているアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉(特定原材料及びそれに準ずるもの) |
実食開始
調理方法にも書いてありますが、お湯を注いでから5分後に湯切りを行なった後、ソース類は「液体ソース」から馴染ませ、それから「粉末ソース」をかけるように投入の順番が指示されています。粉末ソースを入れる前から乳製品の香りが漂ってきたのですが、この段階で味見してみると意外や意外、味がピンボケしていて野暮ったい(苦笑)。
豆板醤とかガツンと効いた甘辛い韓国テイストでベースは硬派にチーズ要素なし、そこへ粉チーズ系の粉末ソースでチーズを‥みたいな展開が来ると高を括っていたのですが、液体ソースは見た目のわりに辛さよりも甘さが目立っていて油脂が多く、ぼんやりとした味覚。しかし、粉末ソースを入れたら一変、超強烈にジャンクなチーズ臭が漂ってきましたw
ただ、その粉末ソースがベタッとモタつくので、なかなか全体に馴染ませるまでに根気が必要です。スピーディに混ぜないとダマになる危険性があるので、粉末ソースは2〜3回に分けながら麺の表面全体に万遍なく振りかけながら、手早く馴染ませるように意識してみてください。それにしてもスナック菓子さながらにジャンクで背徳的な香りで、いまのところ本物感ゼロですね。
東洋水産は「QTTA(クッタ)」の変わり種で超スナック系をテーマにしているので、今回その路線で攻めてきたのかもしれません。それでは、実際に食べてみましょう。チーズのテイストとタッカルビの再現度に注目しながら、「めん」「ソース」「具材」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
1食(169g)当たり
カロリー:730kcal |
めん
もちもちとした食感の食べごたえがある太めの角麺。
(出典:東洋水産「ニュースリリース」pdf)
もっちりとした食感の角刃でカットされた太い油揚げ麺で、前述したようにアブラたっぷりのカップ油そばに合わせる麺としても余裕で成立するレベルの存在感。ここで普段なら強めに精製ラードの芳ばしさが作用してくるのですが、後述するソースのテイストが超絶ヘッヴィィー級だったので、ほとんど気になりません。
で、その強烈にジャンクなソースに対して麺の存在感は対等と言えば対等だったんですけど、この胃にズシンと伸し掛かってくる重さ‥w チーズタッカルビのシメに入れる麺類といえばラミョン(一般的な即席の油揚げ麺)やタンミョン(韓国春雨)、チョルミョン(盛岡冷麺に近い麺)を合わせるイメージですが、もし「俺の塩」みたいな細麺だったら間違いなく埋没していたでしょう。
ただ、なまじ食べ応えがあったので、中盤から後半にかけて重いのなんのって凄まじいですよ‥w 本場韓国の即席カップ麺で定番の丸刃でカットした中太麺(熱湯3分〜4分)、でもって麺の量もレギュラーサイズならベストだったかもと思ったりもしたのですが、「うまい大盛!」がコンセプトの「でかまる」なので、麺量を変えるならブランドごと変えないといけませんね。とりあえず空腹MAXの時じゃないと、アレンジなしでは長期戦が予想されます。
ソース
チキンをベースに、味噌と豆板醤でコクと旨味を利かせた甘辛いソース。チーズのコクと風味を加え、チーズタッカルビ風に仕上げました。
(出典:東洋水産「ニュースリリース」pdf)
調理直後の香りや「めん」の項目でも触れましたが、すごいですよ‥w チーズは乳等を主要原料とする食品による演出で、実際にチーズパウダーは使用されていませんが、けっこうチーズっぽさは出ています。ただ、リアルなチーズ感ではなく、例えるなら「うまい棒(やおきん)」とか「チートス(ジャパンフリトレー)」のチーズフレーバーに近い超スナック式のチーズ感。
しかも粉末ソースでベトつくので、そのモタッとした感じがヘヴィーな印象を上乗せしてくるのですが、とけて伸びるチーズではないけれど、このベタッとした重厚感もチーズの演出に一役買っていると言っても過言ではありません。開き直ったようにジャンクなチーズ感は面白かった反面、タッカルビサイドの主張は弱めです。
たしかに豆板醤のピリッとしたアクセントを感じるものの、辛さレベルはピリ辛か、それ以下で、鶏の旨味よりも甘さが目立ちます。最初は韓国風の甘くてジャンクな濃厚チーズ味が強烈で背徳的な魅力を感じたのですが、後半けっこうキツい‥けど、高校・大学生の諸君、並びに胃袋なら若者に負けない男性陣は意外とヘッチャラかもしれません。それに、このベタッと重たくて甘いソースは本場韓国の汁なしカップ麺に通じるジャンクさを感じたので、そっちの再現度は高いと感じました。
具材
キャベツ、味付豚肉。
(出典:東洋水産「ニュースリリース」pdf)
東洋水産は歯応えのあるダイス状の鶏肉具材を持っているので(最近あまり見ませんが)、それを採用したほうが再現度的にはよかったのではないかと思った反面、まずキャベツよ心の底からありがとう、キミは救いのヒーローです。ってほど大量に入っているわけではなかったのですが、みずみずしいキャベツの存在がカラダとココロのインターバルに効果的で、もしキャベツがなかったら完食の難易度が大幅に上がっていたことでしょう。
味付豚肉(肉そぼろ)は大盛の麺量に対して多いとは言えませんし、タッカルビの再現度に大きく貢献することもありませんでしたが、ジャンクな韓国風チーズ味のソースにジャンクな肉そぼろの相性は単純に悪くなかったです。ただ、ここにシャッキシャキの長細い玉ねぎが入っていたら、ずいぶんと印象はプラスに傾いたと思うので、もう一捻りほしかったですね。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
極端に突き抜けてジャンクなテイストから味だけでいえば★5でも差し支えない中毒性を感じたのですが、食べ応えのある存在感の強い大盛の油揚げ麺が後半けっこう暴力的だったので、もしレギュラーサイズだったら★5かなぁ‥と、★ひとつ差し引きました。でも、チーズ味のスナック菓子が大好きで(私も大好きなんですけど)甘さ寄りの甘辛が大丈夫なら、間違いなく味は満足できると思います。
これでもか! ってくらいジャンクな汁なしカップ麺だったので、その派閥から一定の固定ファンを獲得するかもしれません。反面、ファーストインプレッションから味に尻込みしてしまった場合、また中盤以降に空腹感が追いついてこなかった場合は及第点以下の恐れもあります。個人的に味は大満足だったんですけど、韓国の激辛カップ麺よろしく一味唐辛子を大量に振りかけて武装したい感じでした。というか最後の一口を多めの一味唐辛子で激辛にアレンジしてみたら実際に美味しかったので(主観的な満足度★5以上)、激辛アレンジも視野に入れてみてください。
もし片手でスマートに食べられるハンディタイプの容器を採用し、麺の量もレギュラーサイズだったら、今回のジャンクな魅力をスナック感覚で程よく腹八分目に楽しめたと思うので、対エースコックのモッチッチ(旧「JANJAN」)じゃないけれど、そっちスタイルの新ブランドを開拓していくのも面白そうだなと感じました。まだ日本のメーカーが確立させていないジャンルですし、人気の韓国料理にインスパイアされた超スナック系をテーマに病み付きになる甘辛・激辛テイストのカップ麺をシリーズ化してガンガン作ろう、みたいな。マルちゃん狙い目だと思うので、ぜひお願いします。