どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年8月12日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん でかまる 泡立つ豚骨ラーメン」の実食レビューです。
マルちゃんの大盛りブランド「でかまる」から初の “泡系ラーメン” が登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
でかまる 泡立つ豚骨ラーメン
「でかまる」とは、「うまい大盛」をコンセプトに味とボリュームを兼ね備えた東洋水産(マルちゃん)の大盛りカップ麺シリーズで、初めて発売されたのは1989年(平成元年)7月。実は先月しれっと発売30周年を迎えていたのですが、特に30周年記念的なイベントもなく、かと思えば急に “泡系” をテーマにした面白い新商品が登場しました。
「泡系ラーメン(あわけいラーメン)」とは、その名のとおりスープの表面が泡立った状態で提供されるラーメンの総称で、ベースは豚骨スープ、もしくは鶏白湯スープが基本。 “元祖泡系” を提唱する福岡の「博多一幸舎(いっこうしゃ)」や「博多一双(いっそう)」、また関西では大阪のミシュラン・ビブグルマン掲載店「ふく流らーめん轍(わだち)」の “エスプーマ” も泡系で有名なお店。
最初に泡系カップ麺で世を騒がせたのは、「でかまる」がライバル視しているエースコックの「スーパーカップ」で、2015年4月6日に発売された「スーパーカップ1.5倍 衝撃の泡立ち 豚骨醤油ラーメン」と「同 鶏白湯ラーメン」がパイオニア的存在。その後、2016年1月11日に続編「極みのスーパーカップ1.5倍 超まろ豚骨ラーメン」と「同 超まろカレーラーメン」を発売しています。
「衝撃の泡立ち 豚骨醤油ラーメン」と「衝撃の泡立ち 鶏白湯ラーメン」は強烈に塩気が強く、完全に味覚を破壊された私は高評価をつけることができなかったのですが、翌年に発売された「超まろ豚骨ラーメン」と「超まろカレーラーメン」は見違えるほどマイルドで、しっかりモコモコの泡立ちと超まろテイストが記憶に残る名作でした。
もともと東洋水産の「でかまる」はエースコックの「スーパーカップ」に対抗すべく開発されたブランドなので、ある意味「でかまる 泡立つ豚骨ラーメン」は数年越しの対抗馬ともいえる今回、パッケージには「2つのスープを加える順番」「1. 液体スープを加えて軽くまぜる」「2. 粉末スープを加えてよくかきまぜる」(※上記を必ずお守りください)との注意書きがあります。
スーパーカップから発売された「衝撃の泡立ち」シリーズも「超まろ」シリーズも後入れ粉末スープがモコモコの鍵を握っていたのですが、それはそれはモコモコで、なんとも調理後はエスプレッソ感が凄まじいものでしたw 当時、後入れ粉末スープを先入れしてみた結果、みごとに泡が立たなかったので、今回も調理の際は留意しなければいけません。
ちなみに以前、ローソン限定商品としてマルタイが「博多一幸舎」の再現カップラーメンを開発し(2019年1月29日発売「元祖泡系 博多一幸舎監修 博多豚骨ラーメン」)、サンヨー食品が「博多一双」の味を再現したカップラーメンをローソン限定で販売していた経緯があり(2018年6月5日発売「博多一双 豚骨カプチーノ」)、それが関係しているのかどうか定かではありませんが——
コンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)の中では「ローソン」での取り扱いがダントツで多く、逆に他のコンビニには売ってない状況でした。これについては地域性も関係してきますし、スーパーやドラッグストア、ディスカウントストアでも販売されている商品ですが、もし見つからなかった時はローソンを狙うと入手しやすいかもしれません。
開封
別添の小袋は「液体スープ」「粉末スープ」「あとのせかやく」の3袋で、今回の小袋は “すべて後入れ” です。というわけで3つの小袋を取り出したら熱湯を注いで3分待機、それからフタを剥がして「1. 液体スープ(軽く混ぜる)」「2. 粉末スープ(がっつり混ぜる)」「3. あとのせかやく」をトッピングして完成、という手順ですね。
あらかじめ容器の中には東洋水産が誇るリアル系の味付豚肉が入っていて、けっこう脂身の部分が多く、やや全体的な量は少なめでしょうか。いつもは具沢山でも定評のあるラーメン版の「でかまる」なんですけど、泡の素にコストを要したのかもしれません(しかしながら「あとのせかやく」のゴマとネギは異様に多いですw)。
麺は熱湯油揚げ麺で、きっちり90gの大盛り仕様。メーカー希望小売価格は税別220円、コンビニ以外の店舗であれば税込200円前後、コンビニで購入すると税込232円が相場になります。2019年8月現在、大盛りカップ麺(縦型ビッグ及びバケツ型)の平均的な標準価格ですね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん でかまる 泡立つ豚骨ラーメン 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関西工場(兵庫県神戸市西区見津が丘6-8) 内容量:134g(めん90g) 商品コード:4901990363792の(JANコード) 商品サイズ:縦141mm×横141mm×高さ105mm 発売日:2019年08月12日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:大盛バケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:530ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・あとのせかやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、香辛料、粉末野菜、卵白)、添付調味料(ポークエキス、たん白加水分解物、ゼラチン、香味油脂、豚脂、乳等を主要原料とする食品、砂糖、デキストリン、香辛料、しょうゆ、植物油、食塩、卵白、酵母エキス)、かやく(ごま、味付豚肉、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸ナトリウム、pH調整剤、酒精、炭酸カルシウム、かんすい、カラメル色素、レシチン、クチナシ色素、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【本品原材料に含まれているアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン(特定原材料及びそれに準ずるもの) |
実食開始
まずは小袋を入れずに熱湯を注ぎ、待っている間に液体スープの小袋をフタの上で温めます。そして3分後に液体スープをあけ、混ぜる前の状態が上の写真。豚骨醤油ラーメンばりの色合いですが、純とんこつスープでも異様に液体スープの色が濃いめなのは珍しい話ではありません。その液体スープを溶かした後に粉末スープを投入し、混ぜる前の状態が下の写真。
後入れ粉末スープを開封した瞬間から、液体に面した部分がシュワシュワと泡立ち、ひとりでに発泡を始めます。ちなみに前述した「博多一幸舎」や「博多一双」のカップラーメンでは、スープを泡立てるために表面を箸でシャカシャカシャカッ、と素早く小刻みに動かさなければいけなかったのに対し——
今回の粉末スープは異様に泡立つので、豪快に全体を混ぜてしまっても大丈夫。その結果、かつてのエースコックが打ち出してきた泡系カップ麺に匹敵するモコモコ具合で、なんかもう凄まじいインパクトなんですけどw さらに仕上げの小袋「あとのせかやく」もスゴい。
満遍なく広げたらスープの表面9割を埋め尽くすほどの量で、中央に集めた豚肉を避けるようにトッピングしたところ、軽く2周は回せました。それでは、驚愕の泡立ちに比例して豚骨も濃厚なのかどうかに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(134g)当たり
カロリー:615kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:615kcal(めん・かやく:492kcal)(スープ:123kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
丸刃でカットされた中細サイズの油揚げ麺で、けっこう加水率は低く、粘り気よりも歯切れの良さを重視しているようなタイプ。食べ応えが重視される大盛りバケツ型のカップラーメンにしては頼りない弾力で、食べ始めの段階から食感も風味も軽く、それも特有の魅力ではあるものの、今回は安っぽい印象が先行します。
もともと自己主張の弱い麺というのも「でかまる」らしい個性になるのですが、大盛り90gなのに経時劣化耐性に優れた麺ではないため、けっこう焦って食べなくてはいけません。もちろんヤワ麺にはヤワ麺の良さがありますし、とんこつ発祥の地・久留米では博多と違って柔らかめがデフォの店も多いのですが、今回そのベクトルとは異なるもの。
「でかまる」の麺には熱湯4分の油揚げ麺もあり、そちらは “しっとり” とした口当たりが心地よく、今回の麺より食感の劣化も控えめです。もちろんスナック的な麺自体の印象は悪くありませんし、オニオンとガーリックが練り込まれているため、その独特の芳ばしさも個人的には好みだったんですけど、可も無く不可も無しの原因はスープにあるように感じました。
スープ
まず液体スープだけの状態で軽く味見してみたところ、液体スープにはリアルな系統の豚骨エキスが仕込んであり、少量ながら小さな背脂も浮いています(※ただし視認できたのは2粒)。でも液体スープのみでスープとして成立させるには頼りなく、色のわりにタレの要素も弱いため、味に締まりはありません。
モコモコの泡を作り出す後入れ粉末スープに塩気が含まれていたので、そのバランスを考慮しての塩梅と思われるのですが、後入れ粉末スープを全投入した後も塩気が鋭く突き刺してくることはなく、比較的に穏やかな味わい。スープの食塩相当量は4.4gと少ない値ではないものの、まったりとした——いや、まったりしすぎですねコレは。
泡が残っている最初の数口こそ直感的な味わいですが、泡の消失は早く、そこに含まれている成分も純粋な豚骨ではありません。中でも乳等を主要原料とする食品の影響力が強く、それ自体は別に珍しい手法ではないですし、チーズっぽい豚骨味にもジャンクな魅力を感じる反面、かなりギミック的なテイストかつ嫌にスープが “ねっとり” しているのが気になりました。
前述した「ふく流ラーメン 轍」の泡系は “亜酸化窒素で食材をムース状にしたエスプーマをのせている” のが特徴なので、食材(乳製品)をムース状にした「轍」スタイルと思えば腑に落ちないないこともありませんが、濃厚かつ自然な豚骨スープに期待しているとズッコケる確率が高いです。
具材
あとのせかやくは開封前から特筆すべきゴマの多さに驚き、実際に開封するとスープの表面を覆い尽くすほどのネギと白胡麻が入っていて好印象。後入れのネギは乾燥ねぎ特有の風味ではあるものの、先入れの状態よりも風味がよく、大量のゴマが締まりのないスープに芳ばしいパンチを与えてくれるため、かなり効果的な存在でした。
見慣れた味付豚肉は醤油と砂糖の甘辛い味付けで、タレの要素が弱かった豚骨スープの中で味の中核を担うほどの存在感。もしかすると大量のネギとゴマで豚骨の風味が抑制されてしまったのでは‥‥? と、念のために “あとのせかやく未使用の状態” でも食べてみたのですが、結果的にスープ自体のイメージは変わらなかったです。
総評
★★☆☆☆☆☆☆☆☆(★2)
後入れ粉末スープを入れた瞬間、シュワシュワシュワーッ!! と発泡するエンタメ性の高さは記憶に残ること請け合いです。しかし、今回そこがピークなので、泡が消えてからの失速が著しく、無難な油揚げ麺にネットリとした粘度の高いギミック的なチーズ風とんこつスープという構成から、いわゆる純度の高い「泡系豚骨」のイメージとは大違いでした。
それを差し引いて割り切れば面白い商品ですし、駄菓子ライクなスナック感も本物のラーメンでは楽しめない魅力ではあるものの、ねっとりした舌触りと味のピンボケ具合はナンセンスだったので、ちょっと厳し目に見ています。パッケージの本格的なアプローチと実際のテイストは真反対だったので、もし食べる前に記事を読んでイメージが違うと感じた方は、イメージを再調整しておいたほうが安全かもしれません。