どうも、taka :aです。
本日の一杯は、コンビニ大手3社のカップ入りチルド麺「レンジ海老天そば」の徹底比較レビューです。
“セブンイレブンvs.ローソンvs.ファミリーマート” 2019年版「コンビニ年越し蕎麦ランキング」最強の海老天そば決定戦!!
実際に食べ比べてみた感想と経験に基づいて評価し、コンビニ各社の違いや総合力を判定・格付けします。よろしければ、最後までお付き合いください。
コンビニ海老天そばランキング 2019
日本のコンビニエンスストア大手3社「セブンイレブン」「ローソン」「ファミリーマート」より、年末の年越しそば商戦に向けて販売されている要冷蔵のレンジ麺「海老天そば」。つゆの味や蕎麦のクオリティはもちろん、今年は企業によって容器の構造も違うので、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較することにしました。
しかし、ちょっと面倒なのがセブンイレブンの「香り引き立つ海老天蕎麦」で、地域によって発売日がバラバラ。さらにメイン具材としてトッピングされている “海老天の数も地域によって違う” など(ある意味これも “セブンイレブンあるある” なのですが――)ややこしいことになっているため、食べ比べる前に各社の販売状況など、情報をまとめておきます。
セブンイレブンの「香り引き立つ海老天蕎麦(えびてんそば)」は、近畿地方だけ他の地域よりも1週間早い2019年12月17日(水)から “海老天2本入り” の海老天蕎麦を地域限定商品としてリリース。その後、岡山・広島・鳥取・島根・四国では2019年12月25日(水)以降順次発売となっていて、こちらの地域でも “海老天2本入り” の海老天蕎麦を展開。
一方、東北・関東・甲信越・北陸・東海・山口・九州では、2019年12月27日(金)以降順次発売と出遅れます。しかし、後発の地域では “海老天3本入り” の海老天蕎麦を販売しているらしく、値段も海老天2本入りは430円(税込464円)、海老天3本入りは460円(税込496円)と税込32円の差が生じていました(※2019年12月27日現在、北海道・沖縄での販売状況は発表されていません)。
ローソンの「海老天そば」は、2019年12月24日(火)の新商品として登場し、販売エリアは北海道から沖縄まで全国を網羅。ローソン標準価格は税込498円に統一され、海老天の数はセブンイレブンよりも少ない1本ですが、鹿児島県枕崎市の特産品 “枕崎産鰹本枯節” を使用した上品な出汁(だし)をアピールしています。
ファミリーマートの「レンジ海老天そば」は、ローソンよりも1週間早い2019年12月17日(火)の新商品として登場し、値段はローソンと同じく税込498円に統一。販売エリアは宮崎県と鹿児島県を除く全国のファミリーマート、海老天の数は1本。○○産の○○使用! みたいなアピールはないものの、3社の中で唯一「わかめ」と「白葱」をトッピングしているのが特徴ですね。
なお、今週から全国のミニストップで「柚子香る鴨南蛮そば(税込594円)」及び「海老天かき揚げうどん(税込572円)」というレンジ麺が2品同時に発売されているのですが、蕎麦のトッピングが海老天ではなく鴨肉を使用していること、そして海老天かき揚げうどんは文字通り蕎麦ではないので、年越し蕎麦ランキング2019のメンバーから外しました。
当地域は近畿エリアに該当するため、セブンイレブンからのエントリー「香り引き立つ海老天蕎麦」は “海老天2本入り” の税込464円バージョンを購入しています。ローソンとファミリーマートよりも安い値段で海老天は倍の2本、さらに海老天3本入りでも税込496円と3社の中では僅差でも最安値なので、トッピングについてはセブンイレブンが他社を圧倒するかたちでリード。
開封
次に容器の構造について、一部の商品(あんかけ・かきたま・カレー等)を除くセブンイレブンのレンジ麺には、2019年10月1日(火)以降 “中皿” が実装されています。この新容器によって従来のゼラチンスープからストレートタイプの「液体つゆ化」を実現しただけでなく、加熱中は蒸気だけを通す中皿の設計から「麺を蒸す」工程が入り、麺の食感を向上させることにも成功しました。
一方、ファミリーマートは従来の「つゆゼラチン」を採用しており、これは蕎麦つゆをゼラチンで凝固させたゼラチンスープのこと。2019年12月27日現在、セブンイレブンで販売されている旧容器商品にも同じ技法が採用されていて、これがレンジ麺の基本系。ゼラチンで固めた蕎麦つゆの上に麺をのせることで湯伸びを防いでいる、レンジ麺ならではの工夫ですね。
もちろんゼラチンで固めていないストレートつゆのほうが品質は上ですし、セブンイレブンは「未凍結かつお節を使用した出汁」と「専用のカエシ」を使用しているため、現状かなり差をつけているように見えます。ただ、液体つゆは持ち運びに神経を使わなければいけないのに対し、つゆゼラチンは加熱前なら “ちょっとくらいワイルドに持ち帰っても大丈夫” なので、気を使わなくていいのが利点。
ちょっと面白いのがローソンの構造で、ファミリーマートと同じようにゼラチン状の蕎麦つゆを採用しているのですが、蕎麦つゆと麺の間にオブラート状の膜(寒天シート?)が中敷のように挟んであります。実はローソンの和風レンジ麺を調理前に撮影したのは今回が初めてなので、このような工夫が施されていたのかと驚きました(※もちろんレンジアップ中に溶けるため、加熱調理後には残りません)
ちなみに今回は特別に調理前の状態を撮影していますが、コンビニの電子レンジ専用チルド麺は “購入後そのままの状態で加熱するように設計されている” ので、原則的に調理前の開封は避けてください。
実食開始
今回の「海老天そば」は、3社すべて保存方法10℃以下の要冷蔵・電子レンジ加熱専用商品なので、ラベルに記載されている加熱時間の目安に従って調理します。各社それぞれ容器のフタと外装フィルムの間に「七味唐辛子」の小袋を別添しているのですが、購入後そのまま電子レンジに放り込む仕様となっているため、わざわざ取り出す必要はありません。
ちなみにセブンイレブンとファミリーマートは大手加工食品メーカー「エスビー食品株式会社(S&B)」の七味唐辛子を別添しているのに対し、ローソンは大阪府堺市に所在する創業明治35年の老舗「株式会社やまつ辻田」の七味唐辛子を採用しています。S&Bの七味唐辛子よりも胡麻の量が多く、デザインも特別ですし、別添の小袋はローソンがワンランク上の印象を受けました。
レンジ加熱目安はセブンイレブンが5分00秒(500W)と3社の中ではもっとも長く、ローソンとファミリーマートは4分30秒(500W)と比較的に短めの設定。それからローソンとファミリーマートには中皿がないので、電子レンジ加熱後はフタを外すだけで食べられますが、セブンイレブンの新容器は麺と具材を中皿から蕎麦つゆに滑り落とさなければいけません。
たったそれだけの手間ではあるものの、勢い余って汁はね・汁こぼれによる汚れや火傷(やけど)の危険性があるので、お召し上がりの際には充分ご注意ください。それでは、コンビニ大手3社「セブンイレブン」「ローソン」「ファミリーマート」が送る「海老天そば」それぞれの特徴を解説します。
※以下、当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
セブン-イレブン(403kcal)
トッピングはメインの海老天が2本、かまぼこ1枚、やや大きめに刻んだ青葱とシンプルな内容で、開封した瞬間の香りは‥‥えっと、高速道路のサービスエリア内(西日本方面)で出てくるような天ぷら蕎麦あるじゃないですか、業務用の。あんな感じw お蕎麦屋さんの海老天蕎麦というよりもファミレス系の天ぷら蕎麦ではあるものの、つまりインスタント感は控えめで、澄んだ蕎麦つゆの方向性は出汁が命の関西風ど真ん中。
やや麺は小麦粉の含有量が多いのと卵加工品を使用しているため、蕎麦らしからぬ弾力が気になるところではあるものの、加熱中に余計な水分を吸わない構造から3社の中でトップクラスにコシが強く、雑味のないストレートつゆに蕎麦粉がフワッと香る優しい作り。面白いのが蕎麦粉の甘皮や粉末状の昆布を麺に練り込んでいることで、つゆとの一体感が高いのもポイントです。
かなり大きく見える海老天の大部分は衣が占めているため、意外と本体の海老は華奢だったんですけど、この業務用的な分厚い衣が地味に美味しくてw 淡い蕎麦つゆに衣のコクと甘味がベストマッチ。ただ、前述したようにセブンイレブンは発売エリアを細かく分けているので、もしかすると地域によって醤油の加減などが大幅に変わってくるかもしれません。
栄養成分表示(1包装当り)カロリー:403kcal、蛋白質:19.7g、脂質:12.5g、炭水化物:54.7g(糖質:51.3g、食物繊維:3.4g)、食塩相当量:4.6g〈推定値〉 |
【原材料名】つゆ(醤油、だし、みりん、砂糖、その他)、ゆでそば(そば粉、小麦粉、小麦たん白、卵加工品、昆布粉末)、海老天、ねぎ、かまぼこ / 加工澱粉、調味料(アミノ酸等)、膨張剤、カロチノイド色素、微粒酸化ケイ素、pH調整剤、(一部に卵・小麦・そば・えび・大豆・さばを含む)、〈添付七味唐辛子〉赤唐辛子、ちんぴ、黒ごま、けしの実、山椒、あおさ、麻の実、(一部にごまを含む) |
製造者:株式会社武蔵野 京都工場(京都府八幡市戸津55) |
ローソン(332kcal)
トッピングはセブンイレブンと同じ構成で、海老天の本体も同じくらいのサイズですが、青葱の刻み幅が狭く、かまぼこの半分だけ波型の飾り包丁を入れている芸の細かさが印象的なポイント。容器が全体的に黒いので、このままでは蕎麦つゆ本来の色が判断できないのですが、加熱調理後の香りは濃口醤油と鰹が目立つ東日本向けの雰囲気を漂わせます。
実際の味わいも濃口醤油がキリッと効いた関東風のテイストで、枕崎産鰹本枯節の出汁も力強く、やまつ辻田の七味唐辛子が関東風の蕎麦つゆとベストマッチ。反面、かなり蕎麦のコシは弱く、食感についてはセブンイレブンの足元にも及びませんが、セブンとファミマの蕎麦よりも太くて蕎麦粉の香りにも輪郭があり、キリッとした蕎麦つゆにも負けません。
海老天はレンジアップ中ずっと蕎麦つゆに浸かっている状態なので、サクサク感は皆無ですが、本体のプリッとした食感はセブンイレブン以上。それに3社の中で七味唐辛子の辛さと風味を最大限に活かしているのもローソンの特徴で、西日本にいても関東風の蕎麦が楽しめるのが魅力だと感じました(※セブンイレブンとファミリーマートの七味唐辛子よりも2割増で辛いです)。
栄養成分表示(1食当り)カロリー:332kcal、蛋白質:22.9g、脂質:9.8g、炭水化物:38.5g、Na:1.7=食塩相当量:4.32g〈推定値〉 |
【原材料名】そばつゆゼラチン、茹そば、海老天、かまぼこ、ネギ、かつおだし、寒天加工品、七味唐辛子 / 糊料(増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等)、酸味料、pH調整剤、グリシン、酢酸Ca、加工澱粉、膨張剤、乳化剤、カロチノイド色素、クチナシ色素、酵素、ソルビット、トレハロース、(原材料の一部に小麦・卵・乳・さば・大豆・ごまを含む) |
製造者:株式会社オイシス 加古川工場(兵庫県加古郡稲美町六分一1362番62) |
ファミリーマート(337kcal)
つゆの味は完全に関西風で、セブンイレブンの「香り引き立つ海老天蕎麦(近畿)」と似ているのですが、それと比較して色は濃いめ。しかしながら体感的な塩分濃度はセブンイレブンの蕎麦つゆよりも低く、さらに甘みも強めに効かせてあって、年末の喧騒をホッと忘れさせてくれそうな優しい味。そして意外にも蕎麦のコシが強く、湯伸びした印象を与えません。
やや蕎麦粉の香りは弱かったのと、さすがに食感はセブンイレブンの蕎麦には敵いませんが、ローソンの蕎麦とは比べ物にならないほどコシが強く、つゆゼラチンを採用してこのクオリティなら上出来も上出来。さらに具材も個性的で、ネギは青葱ではなく斜め切りの白葱を採用し、わかめが入っているのも唯一無二のポイント。そして、海老天のクオリティもファミリーマートが断トツです。
このあと身包み剥がした3社の海老天を並べますが、そもそも衣のクオリティからして明らかに作りが違っていて、たとえばセブンとローソンの海老天を一括で大量生産した業務用の海老天とするならば、ファミマの海老天は “一尾ずつ手揚げしている” ようなイメージ。本数ではセブンに負けますけど、海老天の質にこだわりを感じたのはファミリーマートでした。
栄養成分表示(1包装当り)カロリー:337kcal、蛋白質:21.9g、脂質:8.2g、炭水化物:44.2g、食塩相当量:4.1g(麺・具:1.2g、スープ:2.9g)〈推定値〉 |
【原材料名】つゆゼラチン、ゆでそば、えび天ぷら、わかめ、かまぼこ、ねぎ、袋入り七味とうがらし / 加工デンプン、調味料(無機塩等)、pH調整剤、膨張剤、乳化剤、着色料(カラメル、クチナシ、カロチノイド、野菜色素)、納豆菌ガム、糊料(増粘多糖類)、炭酸塩(Na、K)、(一部にえび・小麦・そば・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・ゼラチンを含む) |
製造者:株式会社ジョイアス・フーズ 京都工場(京都府久世郡久御山町市田大領2-8) |
まとめ
もとよりセブンイレブンは地域に根差した製品が多いのと、近畿エリアの「海老天蕎麦」だけ一足早く地域限定商品としてリリースしているため、もしかすると蕎麦つゆの味はゾーンごとに分けられている可能性もありますが、コストパフォーマンスの高さと蕎麦(麺)のクオリティはセブンイレブンの圧勝です。ただ、身包み(衣)を剥がした海老天のエビを並べてみると――
海老天1本あたりのサイズと品質はファミリーマートが断トツで、ローソンちっちゃい‥w というわけで2019年の「コンビニ年越し蕎麦ランキング(チルド篇)」は、総合力順で1位:セブンイレブン、2位:ファミリーマート、3位:ローソンという結果になりました。もちろん好みもあると思いますので、基準としては蕎麦を重視するならセブン、関東風ならローソン、関西風ならファミマがオススメです。それでは、良いお年をお迎えください。