どうも、taka :aです。
本日の一杯は、電子レンジ加熱調理タイプのカップ入りチルド麺、ローソン「濃厚醤油だれの油そば」対ファミリーマート「醤油とんこつ油そば」の比較・実食レビューです。
どっちが美味しい!? “ローソンvs.ファミマ” 汁なしコンビニラーメン対決!!
ローソンとファミリーマート “どっちの「油そば」が美味しいのか” 実際に食べ比べてみた感想と経験に基づいて評価し、特徴と違いを比較しながら総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ローソンvs.ファミマ「油そば」徹底比較
日進月歩、常にレベルが向上し続けているコンビニグルメ業界。その中でも電子レンジで温めるだけで食べられるコンビニラーメン(チルド麺・レンジ麺)の成長は目覚ましく、しょせんコンビニのラーメンでしょ? などと侮れなくなってきた昨今。日本の大手コンビニ2社「ローソン」と「ファミリーマート」より、「油そば」がテーマの新作レンジ麺が同時期にリリースされました。
ローソンの新商品は「渾身の一杯 ~まぜ麺~ 濃厚醤油だれの油そば」というタイトルで、値段は税込498円。ファミマの新商品は「醤油とんこつ油そば」というタイトルで、値段は498円と同じ価格帯。先に発売されたのはファミマの「醤油とんこつ油そば」(2019年9月24日発売)、ローソンの「濃厚醤油だれの油そば」(2019年10月1日発売)は1週間遅れて登場します。
ローソンの「濃厚醤油だれの油そば」は、2019年5月28日(火)にも同じ商品名で発売されているため、今年2度目の発売(再販)。一方、ファミリーマートは2018年9月11日(火)に「醤油醤油まぜそば」というレンジ麺を発売しているのですが、今回は油そばから派生した “まぜそば” ではなく、クラシカルな印象の強い “油そば” が発売されました。
「油そば」と「まぜそば」の違いについて、どちらも呼び方が違うだけで “同じ食べ物” という意見も多いのですが、昭和30年代前半に生まれた「油そば」が先発で、発祥の店は東京・国立「三幸」または東京・武蔵野「珍々亭」というのが有力説。対する「まぜそば」は、2007年1月31日に五反田でオープンした六厘舎系列の「ジャンクガレッジ」という店がパイオニア的存在。
様々な具材を混ぜ合わせる「まぜそば」と違い、今回の両商品は醤油ダレと油(脂)を中華麺に絡め、シンプルな具材で頂く汁なしラーメン「油そば」の名を冠するもの。ちなみにコンビニの要冷蔵カップ入りチルド麺は、搬入から2日前後で消費期限が切れてしまうデイリー食品なので、配送の関係から地域によって製造を担当している工場が違います。
今回の購入店舗は両商品とも兵庫県北部のコンビニで、ローソン「濃厚醤油だれの油そば」を製造しているのは兵庫県加古川郡稲美町にある「株式会社オイシス 加古川工場」。この工場の特徴は、素材と水にこだわった独自の製麺技術にあり、 “真空ミキサー” を用いてミキシングした生地の製法が美味しさの秘訣。粉の内部にまで水分が浸透し、風味と食感に優れた生地の製造に成功しました。
一方、ファミリーマートの「醤油とんこつ油そば」を製造しているのは、京都府久世郡久御山町にある「株式会社ジョイアス・フーズ 京都工場」で、1988年竣工。実はジョイアス・フーズもオイシスと同じように真空ミキサーで生地をミキシングしているのですが、 “こねる・伸ばす” といった製麺工程で “手打ちの再現” を意識しているのがポイント。
ローソンの商品は本体価格461円、なぜかファミリーマートの商品は本体価格462円と1円の値段差が生じているのですが、先に触れたように両商品とも税込価格は498円と同じ値段。消費税率が8%から10%に値上げされている2019年10月5日(土)現在、どちらも軽減税率制度の対象商品なので、商品には税率8%の値段が表示されています。
製品特徴比較
ローソン「濃厚醤油だれの油そば」最大の特徴は、ミツカンの “やさしいお酢”(業務用調味酢)が別添されていること。それに加えて本体のカロリーは610kcal(お酢:15ml当たり12kcal)、脂質は21.3gと油そば系統の商品にしては控えめ。さらに保存料・合成着色料不使用という、コンビニでも健康に配慮した商品が多いローソンらしい心配りが見られました。
対するファミリーマート「醤油とんこつ油そば」に味変アイテムは別添されていませんが、こちらはカロリー728kcalとローソンの油そば対比118kcalもハイカロリーで、脂質も26.5gとローソンより高めの数値。商品名にも “とんこつ” を冠しているように、健康よりもジャンクで食べ応えのある背徳的な充足感を重視しているような姿勢を見せます。
また、ローソンの原材料名や栄養成分表示は容器底面のラベルに記載されているので、購入前に店頭で確認する場合、商品の中身を崩さないように高く持ち上げなければいけませんが、ファミリーマートの栄養成分表示及び原材料名はフタの上に位置しているため、購入前にも確認しやすいのは嬉しい配慮でした。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:濃厚醤油だれの油そば / 醤油とんこつ油そば 製造者:オイシス / ジョイアス・フーズ 製造所:兵庫県加古郡稲美町六分一1362-62 / 京都府久世郡久御山町市田大領2-8 商品コード:2311920411653 / 2008123979119 名 称:レンジ麺 / 調理麺 |
麺の種類:茹中華麺 / 全粒粉入りゆで中華麺 スタイル:コンビニラーメン(チルド麺・レンジ麺) 容器材質:プラ(PS) 保存方法:要冷蔵(10℃以下) 調理時間:500W 3分00秒 / 500W 4分00秒 |
原材料名とアレルギー表示
【濃厚醤油だれの油そば(ローソン)】茹中華麺、醤油だれゼラチン、焼豚、調味酢、ラード、味付メンマ、ネギ、なると、のり、加工澱粉、糊料(加工澱粉、キサンタン)、かんすい、調味料(アミノ酸等)、酸味料、カロチノイド色素、カラメル色素、(原材料の一部に小麦・卵・乳・ごま・鶏肉・りんごを含む)※本品製造工場では、そば・卵を含む製品を生産しています。 |
【醤油とんこつ油そば(ファミリーマート)】全粒粉入りゆで中華麺植物油和え、たれゼラチン、チャーシュー、動物油脂。ねぎ、味付メンマ、なると巻、海苔 / 増粘剤(加工デンプン、キサンタン)、調味料(アミノ酸等)、酒精、かんすい、pH調整剤、乳化剤、加工デンプン、着色料(カラメル、クチナシ、コチニール)、酸味料、グリシン、酸化防止剤(V.E)、V.B1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※当工場では、そば・卵を含む製品を生産しています。 |
実食開始
ローソン「濃厚醤油だれの油そば」の加熱時間は、コンビニの電子レンジ(1500W)で1分00秒、家庭用の電子レンジ(500W)で3分00秒、加熱前に別添の酢は “かならず取り外してから” 調理してください。もし電子レンジが500W以上の場合、600W=2分30秒、700W=2分10秒、800W=1分50秒、900W=1分40秒、1000W=1分30秒が加熱時間の目安。
ファミリーマート「醤油とんこつ油そば」の加熱時間は、コンビニの電子レンジ(1600W)で1分20秒、家庭用の電子レンジ(500W)で4分00秒。それ以外の電子レンジでは、600W=3分20秒、700W=2分50秒、800W=2分30秒、900W=2分15秒、1000W=2分00秒を加熱時間の目安にしてください(※ファミマとローソンの電子レンジは消費電力が違います)。
どちらも電子レンジ専用商品なので、それ以外の加熱方法で調理してはいけません(※なお、「帯状のフィルムは剥がさずに」加熱してください)。さて、どちらも調理後は王道の雰囲気に仕上がりましたが、ローソンの商品では “お酢の味変効果” にも注目しつつ、何が違うのか「めん」「たれ・スープ」「具材」の特徴を解説し、両商品の違いと総合力を判定します。
【ローソン / ファミリーマート】
栄養成分表示:1食当り / 1包装当り カロリー:610kcal / 728kcal *ナトリウム表示量:2.1gから算出 |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。なお、上記の値に「やさしいお酢」の栄養成分表示はプラスしていません。 |
めん
(ローソン「濃厚醤油だれの油そば」)
ローソン(オイシス)の麺は、軽く縮れのある断面の四角い中太麺で、けっこう強めのコシが楽しめるのですが、思いのほか粘り気は控えめ。どちらかというと加水率が低く、 “ごわごわ” とした無骨な食感が目立ち、ちょっと二郎系に通じる無骨さが特徴的なポイント。ごわごわ系とはいえ練り上げられた生地の密度は高いですし、小麦の風味も芳醇です。
(ファミリーマート「醤油とんこつ油そば」)
対するファミリーマート(ジョイアス・フーズ)の麺は “全粒粉入り” の太麺で、ややローソンの麺よりも太く、 “ぷるんっ‥” とした独特の弾力が個性的。ソフトな口当たりでゴワゴワ感は皆無に等しく、小麦の風味も白い小麦粉だけでは出せない小麦全粒粉特有の芳ばしさがあり、適度な粘り気も感じられる、ややインパイア系ライクなローソンの麺とは真逆に近い印象。
どちらも麺重量は表示されていませんが、ほぼ具材のラインナップは同じような内容で、ローソンの炭水化物量は79.5g、ファミリーマートの炭水化物量は96.3g、体感的にも麺の量はファミリーマートのほうが多く、麺単体としてのレベルが高いのはファミマ×ジョイアス・フーズに軍配。でも、食べていて楽しかったのはローソン×オイシスの剛麺でした。
たれ・スープ
(ローソン「濃厚醤油だれの油そば」)
ローソンのタレは攻撃性のないテイストで、魚介系の旨味もあるのですが、パンチのある魚粉添加型ではなく出汁(だし)の旨味を効かせています。また、かなり甘さが目立つ甘辛い醤油ダレに仕上がっていて、なんとか混ぜる前は容器の底にタレの存在を確認できましたが、しっかり混ぜ終わった後は容器の底にタレが残ることはありません。
油脂はラードが主体で「油そば」というタイトルですが、まったくもってギトギト感は控えめ。それなりに唇はオイルでポテッとしますけど、油そばに懸念されがちな塩辛さも控えめですし(※むしろ甘い)、お酢を入れる前の状態から食べやすかったので、これなら油そばビギナーの方や普段あまり油そばに馴染みのない女性の方でも親しみやすいと思います。
で、忘れちゃいけない別添「やさしいお酢(調味酢)」の量は15ml。どのくらいの量かというと、写真のように100均で販売されているタイプのレンゲ(標準サイズ)なみなみの量。これが普通の米酢だと元の味が大幅に崩れますが、 “そのまま飲めるくらいのツンとしない上に甘い” ので、全量投入しても大丈夫。リンゴ酢と昆布酢をブレンドしたような味わいで、さら食べやすくなりました。
(ファミリーマート「醤油とんこつ油そば」)
対するファミマはタレというよりも完全に「醤油とんこつスープ」のベクトルで、けっこう乳化も強く、イメージとしては “鶏油を入れない家系ラーメン” または “二郎インスパイア系の店舗で提供される汁なしメニュー” のスープに近い雰囲気。塩気のエッジが控えめなローソンのタレと比較して、ファミマのスープは甘さが弱く、どちらかというと玄人向けの塩っぱい系で魚介は目立ちません。
とんこつ(骨)の臭みは丁寧に抑えてありますが、俗に言う非乳化系のスープではなく、醤油寄りの醤油豚骨スープで適度にガーリックのキレもあり、エッジの効いたタレの攻撃性を残しながらも丁寧に乳化。念入りに混ぜても最後まで容器の底に少しスープが残っている状態で、味の方向性は完全に別のベクトルを歩んでいました。
具材
(ローソン「濃厚醤油だれの油そば」)
ローソンの具材は「チャーシュー・メンマ・なると・ねぎ・刻み海苔(のり)」で、チャーシューは豚バラ系。チャーシューの味付けはタレと同じく醤油を控えて豚の旨味で食わせるような、それに “ちゃんと炙りの芳ばしさが楽しめる焼豚(やきぶた)” で、脂身の部分も多くてジューシー。やや小さめにカットされていますが、ちょうどいいサイズ感が混ぜやすさに寄与しています。
メンマはコリコリと歯ごたえが強く、こちらの味付けも塩っぱさは控えめで甘みが目立ち、青葱(あおねぎ)は電子レンジ加熱後もシャキシャキ感が残っていて、全体的に甘いタレや具材の中で清涼感が効果的なアクセント。刻み海苔は調理直後から自己主張が強く、しっかり混ぜた後は常に磯の風味が楽しめるキング・オブ・薬味とでも言わんばかりのバイプレイヤー。
(ファミリーマート「醤油とんこつ油そば」)
ファミマの具材も「チャーシュー・メンマ・なると・ねぎ・刻み海苔」と構成自体は同じなんですけど、チャーシューは大きめにカットされた豚バラ肉が1枚で、炙りチャーシュー(焼豚)系の芳ばしさは目立っておらず、しっとりとした口当たり。味付けもタレに合わせて醤油や甘さを控え、薄化粧のまま媚び諂うことなく硬派に鎮座。
メンマはローソンと食感も風味も似ていましたが、本数は半分くらい。ネギは青葱ではなく白葱で、こちらは倍以上かつ白葱特有のシャープなキレが汁なし二郎系のスープと相性抜群。刻み海苔は比較的に太く短めにカット、ナルトは両商品とも異様にモチモチで、電子レンジ加熱後はフライパンで炒めた焼き蒲鉾(かまぼこ)みたいな風味が面白かったです。
まとめ
まず「油そば」らしさについて、どちらの商品も “硬派ではない” です。ローソン「濃厚醤油だれの油そば」の仕上がりを端的に表現すると、豚脂(ラード)でコクを出した甘濃い和風鶏ガラしょうゆラーメンを汁なしアレンジしたような状態で、ファミマの「醤油とんこつ油そば」は汁なし二郎インスパイア系のスープをイメージしているような雰囲気(※生卵とかチーズ入れたらヤバいですよコレ)。
で、どっちが美味しいのかと聞かれたらタイプが違いすぎるのですが、とりあえず “食べながら美味しい” と思ったのは「ローソン」、食べ終えてから “また食べたい” と思ったのは「ファミマ」です。汁なしラーメンに馴染みがない方や女性にオススメしたいのは圧倒的にローソンで、塩っぱくて常習性のある乳化系の汁なし麺が好きならファミマ。結論、どちらも【おいしい】ので、好みに合わせてお選びください。