どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年9月23日(月)新発売の減塩カップ麺、日清食品「カップヌードル ソルトオフ」と通常商品「カップヌードル」の比較・実食レビューです。
世界中にある “約170種類の塩” を集めて分析!? 塩分30%オフなのに “ちゃんとおいしい” 減塩カップヌードル登場! というわけで通常商品と比較してみた結果——
おいしい? まずい? 2つのカップヌードルは何が違うのか、実際に食べ比べてみた感想と経験に基づいて評価し、通常版・減塩版の違い判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
カップヌードルソルトオフ
そもそも “なぜ今” になって「減塩」なのか——およそ “健康ブームだから” とか、 “塩分の摂取量(高血圧・生活習慣病)を気にしている人が増えているから” など、漠然とした開発背景なら誰しも察しが付くでしょう。しかし、実は2016年12月中旬、日清食品は “減塩カップヌードルを開発している” と今回の件「カップヌードルソルトオフ」について宣言していました。
当時、まだ「カップヌードルソルトオフ」という商品名が公表されていたわけではありませんが、メディア各社に向け “3年後までにカップヌードル1個当たり15%の減塩を目指す” と発表。つまり、2019年12月までに世界初のカップラーメン「カップヌードル」の塩分を減らすと大々的に宣言していました。けれどもカップヌードルといえば日清食品の大看板ブランド、下手なことはできません。
おそらく今回の新商品「ソルトオフ」は、2016年12月に掲げた公約のアンサーで、主力のカップヌードルを中途半端に減塩(塩分15%オフ)して顧客満足度を落とすのではなく、本格的な減塩商品をブランドラインナップに追加することで「いつものカップヌードル」を存続させられるように、つまり置き換えではなく “棲み分け” させた、公約に対する策なのではないか——と。
上記は個人的な見解なので、もし記事公開から3ヶ月後に “本家カップヌードルも塩分15%オフにリニューアル!” みたいなことになったらゴメンナサイなんですけど、今回の「ソルトオフ」は数量限定・期間限定商品ではありません。すくなくとも1年間は販売継続を予定しているカップヌードルの新・レギュラー商品(通年販売商品)として開発されたので、年内に本家も減塩する確率は低いと思います。
塩分のカット率は、通常のカップヌードル(レギュラーサイズ)と比較して30%オフ、およそ2年と9ヶ月前の公約から倍となる減塩を実現。世界中の約170種類の塩を調べてたどり着いた新製法「ちゃんとおいしい! ソルトオフ製法」を生み出し、カップヌードルならではの美味しさそのままに “ちゃんとおいしく” 減塩させたそうです。
減塩や低カロリー、低糖質(ロカボ、ローカーボ)など——2019年9月現在の「カップヌードル」から発売されている機能系カップ麺* は「コッテリーナイス」と「ライト(Lite)」だけなので、減塩のみにフォーカスした現行品は「ソルトオフ」の他にありません(* 私の造語なので一般的ではないのですが、このブログでは健康に配慮したカップ麺のことを「機能系カップ麺」と表現しています)。
「カップヌードル ライト」は、「おいしさ×198kcal×食物せんい」をアピールしている “低カロリー” がコンセプトのブランドで、2019年6月に終売が予定されていたのですが、引き続き販売を継続。ミスト・エアードライ製法とオリジナル3層麵製法によるノンフライ麺と油揚げ麺の中間的な麺が特徴的なポイントで、おいしさとカロリーカットの両立を実現したもの。
「カップヌードル コッテリーナイス」は、新・意識高い系こってりカップヌードルで、「ポークしょうゆ」「クリーミーシーフード」「キムチ豚骨」の3フレーバー展開。ノンフライ麺を使って脂質50%オフ、カロリー50%オフ、糖質40%オフを実現しているのですが、「コッテリーナイス」も「ライト」も食塩相当量は4.4〜4.7gなので、塩分に関する健康への付加価値はありません。
開封
(カップヌードル / ソルトオフ)
さて、通常の「カップヌードル」が食塩相当量4.9gなのに対し、「ソルトオフ」の食塩相当量は3.2gなので、通常商品比マイナス1.7g。塩分の摂取量を制限している方にとっては厳しいラインになるかもしれませんが、とりあえず4.9gの30%は1.47g=マイナス30%は3.43gになるため、ばっちり食塩相当量30%オフ以上のカット率を実現。
ただ、通常商品のカロリーは353kcalなのに対し、ソルトオフは372kcalと実は “ソルトオフのほうが高カロリー” で、19kcalアップ。さらに参考値(調理直後に分別して分析した値)を見ると、通常商品のスープは18kcalしかないのですが、ソルトオフのスープは49kcalと “コッテリーナイスのスープよりもカロリーが高い” という——
(カップヌードル / ソルトオフ)
さらに開封直後、中身は一見すると大差ありませんが、ソルトオフに「コロ・チャー」は入っていません。しかし、具材の全体量は明らかにソルトオフのほうが多く、なんと「謎肉」は「10個」と “通常商品(2.5個)の4倍”も入っていて驚きました。さすがに10倍以上入っている「謎肉祭」ほどではないですど、現段階かなり好印象です。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カップヌードル ソルトオフ 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(A)茨城県取手市清水667-1 内容量:79g(めん65g) 商品コード:4902105260517(JANコード) 商品サイズ:縦96mm×横96mm×高さ107mm 発売日:2019年09月23日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:300ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:-(別添なし) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、チキンエキス、ポークエキス、ポーク調味料、たん白加水分解物、香辛料)、かやく(味付豚ミンチ、味付卵、味付えび、味付豚肉、ねぎ)、スープ(豚脂、粉末しょうゆ、糖類、香辛料、たん白加水分解物、香味調味料、ポーク調味料、メンマパウダー)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、塩化Mg、炭酸Ca、香料、かんすい、カラメル色素、増粘多糖類、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、香辛料抽出物、くん液、ビタミンB2、ビタミンB1、酸味料、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
(「カップヌードル」調理後)
今回の「カップヌードル」及び「カップヌードルソルトオフ」どちらも同じスーパーマーケットで購入したのですが、通常商品は税込138円だったのに対し、オルトオフは税込159円と若干ながら高めの値付けでした。でもメーカー希望小売価格は同じなので、コンビニ購入だと税込198円が2019年9月現在の相場。通常商品の調理後は、きわめて安心感に満ち溢れています。
ちなみに厚生労働省の「食事摂取基準」2005年版では、食塩相当量の目標摂取量(1日あたり)を男性10g未満・女性8g未満と定めていたのに対し、2010年版では男性9g未満・女性7.5g未満と厳しくなり、現在の最新版である2015年版では男性8g未満・女性7g未満と年々制限が増しているため、翌2020年版では男性7.5g未満・女性6.5g未満に改定される確率も——
(「カップヌードルソルトオフ」調理後)
その救世主となるか、「ソルトオフ」の調理後は謎肉の比率が圧倒的に多く、なんだか得した気分なんですけど、まったく同じ謎肉かどうかは食べてみなければ分かりません。それでは、カップヌードル(通常品)と減塩版・ソルトオフの違いに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
【カップヌードル / ソルトオフ】
栄養成分表示:1食(77g / 79g)当たり カロリー:353kcal / 372kcal |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:353kcal / 372kcal(めん・かやく:335kcal / 323kcal)(スープ:18kcal / 49kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
(通常品の麺)
このシリーズに使われている麺は、大きく分けて3種類の太さがあり、「カップヌードル」は標準の約2mm幅に切り出されています。2019年9月現在の原材料名は「小麦粉、植物油脂、食塩、チキンエキス、ポークエキス、しょうゆ、たん白加水分解物、香辛料」となっていますが、令和2年3月31日に食品表示法が一元化されるため、近々 “ポーク調味料” が表示に追加されるかもしれません。
(ソルトオフの麺)
対する「ソルトオフ」の麺は見た目こそ大差ありませんが、ちゃんと “麺も減塩している” ので、やはり吟味すると麺の下味を控えめに感じます。ただ、あくまでも比較的な話。真横に並べて同時に食べ比べなければ気が付かないような違いで、それこそ多めに入っている謎肉やエビ、スクランブルエッグと一緒に食べたら “まったく気にならない” ですね。
もちろん、麺の量を減らして全体の食塩相当量を下げてウヒヒヒヒ‥‥みたいな小手先の “なんちゃって減塩” ではなく、ちゃんと麺の量は通常品と同じように65gをキープ。調理前の麺は0コンマ何mmの差で若干ながらソルトオフのほうが太かったんですけど、結果的に誤差の範囲内というか気にならないですし、独特の弾力も同じでした。
スープ
(通常品のスープ)
このブログでは「洋風しょうゆ味」と中途半端に表現しているのですが、完全なる洋風でもなければ和風でもなく、公式では「ペッパーしょうゆ味」と題される傾向にあり(「謎肉祭」参照)、隠し味のメンマパウダーがポイント。まさに普遍的な味わいで、具材のエビに由来する海鮮風味、謎肉から染み出る肉の旨味、スクランブルエッグの甘味など、それらが渾然一体となって見事に調和。
対する「ソルトオフ」のスープを真横に並べて比較した結果、やはり味の濃淡には違いがあり、そもそも通常品のスープでは “3番目に使用量の多い「食塩」を使っていない” 食塩不使用のスープなので、とうぜんながら味の輪郭に差が出てきます。それに粉末しょうゆの量も控えているように感じたのですが、ネガティブに思うほど薄味ではありません。
(ソルトオフのスープ)
どうやら日清食品は世界中から約170種類もの塩を集めた結果、食品としての食塩を廃止して、代わり食品添加物の塩化Mg(えんかマグネシウム)で味を整える作戦に出た模様。すっぱりと食塩はカットされましたが、まず味の基礎は紛うことなく「カップヌードル」で、メンマパウダーの隠し味も踏襲し、胡椒を中心とした香辛料と豚脂(ラード)の量を増やしているのも工夫の一つ。
また、コロチャーを省いて謎肉の量を増やしたのも薄味対策と見て間違いなく、試しに通常品・ソルトオフの両方から “具材を全部取り出して調理してみた” 結果、びっくりするほどソルトオフのスープは頼りなかったんですけど‥w 正しく調理した状態のソルトオフは見違えるほどコクが深く、いかに具材の及ぼす影響力が強いのかを見直しました。
具材
(通常品の具材)
2019年上半期発売分のカップヌードルを月別に購入し、100個以上比較して統計を取った結果、謎肉の数は “平均3個” だったので、特別に少ないわけではありません。たまにハズレで謎肉1個の時はエビが異様にデカかったり、謎肉が大当たりで6個の時にはエビが異様に小さかったり、総重量で具材の比率は変わってくるのですが、謎肉の数は3個が標準で、今回の通常品は実に標準的なバランス。
そして、まさかの謎肉いっぱい「ソルトオフ」発表のニュースリリースには、日清食品が自ら「味付豚ミンチ(謎肉)」と公言しており、実際に食べてみた感じも減塩謎肉とかではなく、まさに “あの謎肉” です。他、スクランブルエッグや謎海老(プーバラン)、ねぎも同じ内容で、単純にコロチャーが消えて謎肉が極端に増えた状態と思っていただいて差し支えありません。
(ソルトオフの具材)
今回は3度の食べ比べを行なった結果、謎肉の数は「通常品」2.5個、3個、2個。「ソルトオフ」は10個、9個、11個で平均10個前後(通常品比3倍以上)を記録。カップヌードルは謎肉多めがよくてスープは1滴も残せないけど塩分は気になるお年頃‥‥という絶妙な欲求をお持ちの方は多いと思うので、心当たりのある方は試してみる価値ありですよ。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
通常の「カップヌードル」で塩分濃度はベスト、または通常品でも味気ない、もしくは減塩して長生きするくらいなら好きなもの食べて——という意志を貫いている方にとって「ソルトオフ」は頼りない商品だと思います。ただ、需要がないわけではありません。むしろ “ふつうのカップヌードルを食べる時は、多めに熱湯を入れないと味が濃くて——” という方にとっては素直にオススメ。
塩分を抑えたことで得られる健康への付加価値に対し、味のトレードオフが完全にゼロとは言えず、やや中途半端な減塩率ではあるものの、2016年12月に掲げた塩分15%オフの減塩マニフェストを達成したと言っても過言ではない「ソルトオフ」。コロチャーなんか要らんのやー! 謎肉を増やせー! という方にとっても朗報ですし、なるほど “ちゃんとおいしい” 減塩商品だと納得できる機能系カップ麺でした。
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