どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年3月21日(月)新発売、日清食品のカップ麺「カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質 チリトマトヌードル」と「カップヌードル リトマトヌードル」の実食・比較レビューです。
たんぱく質たっぷり15g&糖質50%OFF「カップヌードルPRO」第3のフレーバーは “ハイプロテイン白謎肉” 入りの「チリトマトヌードルプロ」を展開!! いつもの味と違いを比較してみた結果——。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
カップヌードルPRO チリトマトヌードルプロ
カップヌードル(CUPNOODLE)とは、1971年(昭和46年)9月18日の発売以来、即席カップめん市場で圧倒的な占有率を誇る日清食品の基幹ブランドで、発売当初から若者向けのユニークなプロモーションを積極的に展開。その結果、国内では2017年度から2020年度まで4期連続最高売上を更新し、発売50周年を迎えた2021年に世界累計販売500億食を達成するなど、不動の地位を築き上げました。
今回の新商品「カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質 チリトマトヌードル」は、国内初の “たんぱく質強化カップ麺” として話題になった「カップヌードルPRO」第3のフレーバーで、1982年(昭和57年)7月23日から販売を続けている「チリトマトヌードル」の味わいを据え置いたまま、たんぱく質15g&糖質50%OFFの機能系商品にアレンジしたカップ麺です。
カップヌードルPRO(プロ)が初めて発売されたのは、2021年4月5日と最近の話。いつもの美味しさを踏襲しつつ、たんぱく質を15g配合し、なおかつ新製法の “低糖質三層フライ製法” で糖質50%OFFを実現した「カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質」と「カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質 シーフードヌードル」を市場に投下。
商品名はプロテインを表す “プロ” と上位モデルに冠される “Pro” に由来し、メーカー希望小売価格は通常の「カップヌードル」よりも割高でありながら、その付加価値が健康意識の高い消費者を中心に評価され、リピート率は「カップヌードル カレー」に匹敵する数値を記録。2021年の売り上げも当初の計画比200%を達成するなど、日清食品の想定を超えるヒットを叩き出しました。
それを受けた日清食品は、UUUM専属の人気動画クリエーター「はじめまして松尾です」と “弾き語りトラックメイカーアイドル” を自称する「眉村ちあき」を起用したテレビCM『カプヌのプロ 売れてる 篇』を2022年1月1日に公開し、そのシュールな世界観で若者を中心とする新たな顧客の獲得に成功。
「チリトマトヌードルプロ」でも同様に、松尾ワールド全開のテレビCM『カップヌードルPRO チリトマト出た 篇』を打つことで、ラインナップの強化を図りました。ちなみに “トマトマン” というキャラクターが新たに登場しているのですが、その正体については謎に包まれており、CM内の事象についてスタッフ全員「こういうものだ」と意味を深く追求することはなかったそうです。
しかし、プロモーションはシュールでも “真面目に悪ふざけする” のが日清食品。今回の「チリトマトヌードルプロ」でも通常の「チリトマトヌードル」1食あたりに対して「たんぱく質15g」と「糖質50%オフ」を実現し、なおかつ「食物繊維1食分入り」もアピール。
さらに通常の謎肉(なぞにく)対比たんぱく質を1.8倍に強化した、鶏肉ベースの「ハイプロテイン白謎肉」を新規に開発するなど、かなり徹底した姿勢を見せてきました。とはいえ “いつもの味と違い過ぎたら本末転倒” なので、どれほどオリジナルの「チリトマトヌードル」に近いのか、通常品と比較しながら違いと共通点を解説します。
開封
さて、まずは「チリトマトヌードル」の開封直後。現時点での最終リニューアルは発売35周年を目前とした2017年6月26日で、このタイミングから従来の鶏肉ダイスは廃止となり、鶏肉をベースにした “白い謎肉” が採用されます。いまさら味についての詳しい説明は不要かと思いますけど、リニューアルを機に粉末スープの配合も見直され、すこし味が変わりました。
次に「チリトマトヌードルプロ」を開封してみると、かやくのキャベツ、コーン、トマト、インゲンは共通で、新具材の “ハイプロテイン白謎肉” は量が多く、オリジナルの白い謎肉を凌駕する勢い。ただ、その分だけトマト加工品の数が少ないなど、具材のバランスに個体差が生じているのはカップヌードルあるあるの一つ。場合によってはスープの味が大幅に変わるので、ちょっと困ったところ。
先に「カップヌードルPRO」は通常の「カップヌードル」よりも割高と触れたように、メーカー希望小売価格は「チリトマトヌードル」(193円・税別)よりも高い206円(税別)に設定されているため、コンビニで購入した場合の税込価格を例に挙げると通常の「チリトマトヌードル」であれば198円。対して「チリトマトヌードルプロ」は222円なので、ほぼ同じ内容量で24円もの差が生じています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質 チリトマトヌードル 製造者:日清食品株式会社 製造所:B・下関工場(山口県下関市小月小島1-1-12) 内容量:79g(めん60g) 商品コード:4902105271780(JAN) |
発売日:2022年03月21日(月) 実食日:2022年03月24日(木) 発売地域:全国 取得店舗:日清食品グループ オンラインストア 商品購入価格:222円(税込) 希望小売価格:206円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:310ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:別添なし |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、植物性たん白、食塩、サイリウム種皮粉末、しょうゆ、チキン調味料、たん白加水分解物、香辛料、ポークエキス、卵粉、香味調味料)、スープ(コラーゲンペプチド、トマトパウダー、豚脂、香辛料、たん白加水分解物、ポーク調味料、香味調味料、糖類、野菜調味料、あさり調味料、オニオンパウダー、プロセスチーズ)、かやく(味付鶏ミンチ、キャベツ、コーン、トマト加工品、いんげん)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(増粘多糖類、アルギン酸エステル)、香料、かんすい、炭酸Ca、環状オリゴ糖、ベニコウジ色素、焼成Ca、香辛料抽出物、カロチノイド色素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、カラメル色素、炭酸Mg、ビタミンB2、くん液、ビタミンB1、チャ抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む) |
実食開始
「チリトマトヌードル」のカロリーは1食(76g)あたり354kcalで、たん白質は8.4g。食物繊維は炭水化物に要約されていますが、チリトマトヌードルの炭水化物(45.5g)から逆算で「チリトマトヌードルプロ」の糖質×2(37.2g)を抜いても8.3gなので、多めに見積もっても10gには満たないと思います。
次に「チリトマトヌードルプロ」を調理してみたところ、カロリーは1食(79g)あたり303kcalだったので、例えるならベビーチーズ(QBB)1個分ほどの差が生じているのですが、糖質量は18.6gと圧倒的に少なく、食物繊維は20.2gと糖質を上回る値。ストイックな糖質制限中の方にとっては高めの数値になりますが、ロカボ(ゆるやかな糖質コントロール)中であれば許容範囲内でしょう。
ちなみに “サイリウム種皮粉末” を麺に練り込むことで糖質50%を実現しているのですが、前回の「カップヌードルPRO」や「同 シーフードヌードル」とは配合が異なるので、そのあたりにも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を比較・解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示(比較) 左「チリトマトヌードル」≠ 右「チリトマトヌードルプロ」 |
カロリー:354kcal > 303kcal たん白質:8.4g < 15.7g 脂 質:15.4g < 17.9g 炭水化物:45.5g > 38.8g (糖 質:-g > 18.6g) (食物繊維:-g < 20.2g) 食塩相当量:4.0g > 3.7g (めん・かやく:1.7g > 1.5g) (スープ:2.3g > 2.2g) ビタミンB1:1.45mg > 0.87mg ビタミンB2:0.25mg < 0.36mg カルシウム:96mg < 112mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:354kcal > 303kcal(めん・かやく:325kcal > 282kcal)(スープ:29kcal > 21kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。以下、各項目の評価と総評は「カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質 チリトマトヌードル」の感想に基づきます。 |
めん
「チリトマトヌードル」原材料名:油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、たん白加水分解物、ポークエキス) |
やっぱり「カップヌードルPRO」の食感は頼りなかったw
いつもの「カップヌードル」に使われている油揚げ麺は約2mm幅なのに対し、スープの味が濃めに仕上がる「チリトマトヌードル」には約3mm幅の太麺を合わせ、やや白っぽい見た目も印象的。サイズについては「カップヌードル カレー」や「同 味噌」と共通の項目になりますが、それよりも原材料の構成がシンプルで、スープとの相性を緻密に計算していることが窺えます。
「チリトマトヌードルプロ」原材料名:油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、植物性たん白、食塩、サイリウム種皮粉末、しょうゆ、チキン調味料、たん白加水分解物、香辛料、ポークエキス、卵粉、香味調味料) |
片や「チリトマトヌードルプロ」の油揚げ麺は、本家ほど厚みのある形状ではなく、切刃の溝巾も約2mm幅と標準的。原材料名も複雑で、先にリリースされた「カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質」や「同 シーフードヌードル」とも異なる原材料名となっているのですが、あいかわらず頼りない食感ですねコイツはホントにw
撮影に手間取ったから-・などの条件は関係なく、熱湯3分ジャストで食べ始めても柔らかめに仕上がる設計で、重量は本家と同じでも “麺としての満足感” は控えめです。ただ、それだけにスープ感覚でも食べられるので(糖質制限中に何言ってんだ的なことにはなりますけどw)夜食にサラッと食べたり、おやつ感覚で食べたり、そういったシーンであれば、さほどネガティブではないかもしれません。
スープ
「チリトマトヌードル」原材料名:スープ(トマトパウダー、香辛料、糖類、たん白加水分解物、豚脂、ポークエキス、香味調味料、野菜調味料、魚介エキス、食塩、オニオンパウダー、チーズパウダー、野菜エキス) |
さらっとライトなテイストにアレンジ
「チリトマトヌードル」のスープといえば、トマトの濃厚な旨みと程よい酸味を軸に、ピリッとした唐辛子の辛さを重ね、クミンやオレガノなどの香辛料を絶妙に効かせているのもポイント。ランキングなどのイメージから「カップヌードル」「シーフードヌードル」「カレー」に続く “第4のフレーバー” と思われがちですが、実はシーフードヌードルよりも古株です。
「チリトマトヌードルプロ」原材料名:スープ(コラーゲンペプチド、トマトパウダー、豚脂、香辛料、たん白加水分解物、ポーク調味料、香味調味料、糖類、野菜調味料、あさり調味料、オニオンパウダー、プロセスチーズ) |
片や「チリトマトヌードルプロ」のスープもメキシカンな味わいで、クミンやオレガノを使っていることに加え、隠し味のアサリやチーズなど、きちんと「チリトマトヌードル」の遺伝子を感じる骨組みなのですが、比較して大きく違うのはトマトの存在感。
味の主軸にあるのは間違いなくトマトではあるものの、あきらかに味の厚みが異なるため、結果的な印象としては “チリトマトヌードルっぽい味の派生品” みたいな印象を受けます。麺の項目でも触れたように、スープ感覚で食べる分には程よいライトさになりますが、いつものガツンとしたトマトの濃さに期待していた場合、ちょっと小手先のスープに感じるかもしれません。
逆にいえば “チリトマトの味は好きだけど、すこし濃すぎるんだよな‥‥” と感じている方にとっては、このライトさに価値が見出せると思います。
具材
「チリトマトヌードル」原材料名:かやく(味付ミンチ、キャベツ、コーン、トマト加工品、インゲン) |
ハイプロテイン白謎肉のほうが美味しいかもw
「チリトマトヌードル」に入っている “白い謎肉” とは、鶏肉や野菜などの素材をミンチ状にし、フリーズドライ加工した具材の総称で、豚肉ベースの茶色い謎肉よりもサッパリとした味わい。個人的にはリニューアル前の味付鶏肉が好きだったので、ちょっと残念な変更に思えたものの、キャベツ、コーン、トマト、インゲンについては引き続き採用されています。
「チリトマトヌードルプロ」原材料名:かやく(味付鶏ミンチ、キャベツ、コーン、トマト加工品、いんげん) |
対して「チリトマトヌードルプロ」ではインゲンの表示が平仮名になっているのですが、キャベツ、コーン、トマト加工品、インゲンは共通の具材で、味も食感も変わりません。ただ、新たに開発された “ハイプロテイン白謎肉” は表面のキメが粗く、本家の白い謎肉ほど表面が滑らかではなかったので、それについての口当たりは異なります。
とはいえ味について大きな変化はなく、舌触りや食感に関していえば “ハイプロテイン白謎肉のほうが見た目も食感も謎肉らしかった” ので、むしろ好印象でした(それにしても「ハイプロテイン白謎肉」っていう呼称のインパクトすごいですね)。
総評
いつもの「カップヌードル チリトマトヌードル」対、プロ意識の高い「カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質 チリトマトヌードル」を比較してみた結果、先にリリースされた「カップヌードルPRO」と同様に麺の食感は頼りなく、スープのトマト感も軽くなるなど、それなりのデフォルメを感じる仕上がりでした。
でも、これが何味かと聞かれたら「チリトマトヌードル」で、高たんぱく&低糖質の付加価値と控えめな罪悪感を加味すれば、販売価格も込みで納得できるでしょう。さて、次は順当に「カレー」がプロ化されるのか、あえての「味噌」や「旨辛豚骨」にスポットが当たるのか、個人的には「トムヤムクンヌードル」をアレンジしてほしいなー、って何気に続編が楽しみですw【author・taka :a(大石敬之)】