どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年5月20日(月)新発売、寿がきや食品のカップ麺「カップ濃い味SUGAKIYAラーメン」(298円+税)の実食レビューです。
予想を上回る出荷でホームページの案内を削除!? Sugakiya店舗やチルド商品でも人気を博した “濃い味スガキヤラーメン„ をカップラーメンで再現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
カップ濃い味SUGAKIYAラーメン
Sugakiya(スガキヤ)とは、1946年(昭和21年)3月、名古屋市の中心部・栄にオープンした甘味処「甘党の店」を前身とし、1948年(昭和23年)から本格的にラーメンを提供し始めた、名古屋人のソウルフードといっても過言ではないラーメンチェーンで、運営母体は愛知県名古屋市中区丸の内に本社を構えるスガキコシステムズ株式会社(英: Sugakico Systems Co., Ltd.)。
今回の新商品「カップ濃い味SUGAKIYAラーメン」は、2022年(令和4年)9月15日に「Sugakiya」店舗の期間限定メニューとして登場し、翌年10月2日〜15日までの期間限定でチルド商品にもなった「濃い味スガキヤラーメン」の味わいを再現したカップラーメンで、製造者は愛知県豊明市沓掛町に本社を構える寿がきや食品株式会社(SugakiyaFoods Co., Ltd. )
Sugakiyaの運営母体と寿がきや食品って同じ会社じゃないの? などと、私も疑問に思っていた時期があるのですが、元を辿るとルーツは同じ。78年前に産声を上げた「甘党の店」が原点で、当初は文字通り甘味が主体の事業から始まり、女性を中心に人気を集めつつ、ラーメンを食べた後に訪れる客も増え “いっそのことラーメンも提供してほしい„ との要望から、まさかのラーメン事業をスタート。
寿がきや(すがきや)の名前は、創業者の苗字・菅木(すがき)に由来し、そこに縁起を担いで「寿」の字を入れ、ラーメンをメニューに加えたタイミングで「甘党の店」から「寿がきや」に店名を変更。1958年(昭和33年)には「株式会社寿がきや」が発足し、すぐさま新聞の広告でイメージキャラクターのデザインを募集した結果、今でも現役で活躍中の “スーちゃん„ が爆誕します。
その後、1962年(昭和37年)4月に “日本で初めてスープの粉末化に成功し、家庭用粉末スープ「中華スープの素」を発売する„ のですが、その偉業を成し遂げたのが現在の「寿がきや食品株式会社」で、設立は1963年(昭和38年)4月。以降、寿がきや(現「スガキコシステムズ」)は店舗の運営と拡大に集中し、寿がきや食品は調味料・加工食品メーカーとして成長を続け、スガキコグループの形成に至りました。
さて、話を本題の「カップ濃い味SUGAKIYAラーメン」に戻しましょう。本商品は、2022年(令和4年)9月15日から「Sugakiya」(スガキコシステムズ)の店舗で限定的に提供されていた「濃い味スガキヤラーメン」を、そのグループ会社である寿がきや食品がカップラーメンにアレンジした一杯なのですが、2024年5月31日現在、寿がきや食品の公式ウェブサイトに製品情報はありません。
発売日の前日までは製品情報を掲載していたのに、まさかの当日にリンク切れを起こしていたので、なにかトラブルが起きたのかと寿がきや食品に問い合わせてみたところ “予想を上回る好評をいただき、事前に準備した製品を全て出荷してしまいました。追加生産の見通しが立たず、大変心苦しい思いではございますが、弊社ホームページでのご案内を終了させていただきました„ との回答を受けました。
そのため商品の概要が確認できない状況なのですが、削除済みの該当ページには “名古屋をはじめ全国にファンをもつ『Sugakiya』の伝統あるおいしさを残しつつ、豚骨の力強さと濃厚さを最大限に引き出したスープが特長です。いつもの「スガキヤ」とはひと味違う、まさに「濃い味」をお楽しみいただけます„ との記載があったので、通常品との違いに注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」と「粉末スープ」に、後入れ「液体スープ」の組み合わせで、いつもの「カップSUGAKIYAラーメン」(液体スープ、かやく、ねぎ入かくし味)とは異なるラインナップ。なかでも後入れの隠し味が入っていないところは寂しいポイントになりますが、粉末スープの追加は新しいステータス。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、そこそこ細めに切り出されていますが、湯戻し時間は長めの5分。開封前は「カップSUGAKIYAラーメン」と同じノンフライ麺を使い回していると予想していたのですが、それよりも黄色味が強め。念のため原材料名を比較してみたところ、微妙に配合を変えていたので、まったく同じノンフライ麺ではありません。
ちなみに「カップSUGAKIYAラーメン」のメーカー希望小売価格は274円(税別)なのですが、期間限定の「濃い味」は298円(税別)に設定されているため、ちゃっかり値上げされています。つまり、裏を返せば “値上げの分だけ豚骨の力強さ期待できる„ ので、それ相応のクオリティに期待したいところ。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カップ濃い味SUGAKIYAラーメン 製造者:寿がきや食品株式会社 製造所:関東工場(群馬県高崎市新町2330-26) 内容量:118g(めん65g) 商品コード:4901677191519(JAN) |
発売日:2024年05月20日(月) 実食日:2024年05月31日(金) 発売地域:全国(沖縄除く) 取得店舗:ウエルシア薬局 小売価格:298円(税別) 購入価格:289.44円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、小麦たん白、植物油脂、大豆食物繊維、たん白加水分解物)、スープ(ポークエキス、動物油脂、しょうゆ、食塩、香味油、砂糖、ゼラチン、植物油脂、たん白加水分解物、煮干エキス、ムロ節粉末、ポークエキスパウダー、酵母エキス、昆布エキス、さば節粉末、ホワイトペッパー、昆布粉末、かつお節粉末)、かやく(チャーシュー、ほうれん草、メンマ)/ 加工デンプン、増粘剤(加工デンプン、増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等)、かんすい、炭酸カルシウム、乳化剤、着色料(クチナシ、カラメル)、微粒二酸化ケイ素、リン酸塩(Na)、酸化防止剤(V.E、V.C、ローズマリー抽出物)、酸味料、(一部に乳成分・小麦・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」と「粉末スープ」も先入れなので、ノンフライ麺ちゃんと戻るかな‥‥などと、すこし不安に思ったのですが、そのために通常の「カップSUGAKIYAラーメン」と微妙に配合を変えている可能性あり。また「かやく」に “ほうれん草を追加している„ ため、それも通常品との差別化に繋がっているポイント。
「かやく」と「粉末スープ」を空けたら内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分。時間になったら「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。パッと見は「カップSUGAKIYAラーメン」のネギを省き、ほうれん草を追加したような構成ですが、なるほど豚骨の香りは通常品よりも強く、あきらかにスープの油脂も多め。
また隠し味は別添されていませんが、ちゃんと “それっぽい香り„ も漂わせている調理直後。引き続き通常の “和風とんこつ„ との違いに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(118g)あたり |
カロリー:415kcal たん白質:12.2g 脂 質:16.0g 炭水化物:55.7g 食塩相当量:7.2g (めん・かやく:2.1g) (スープ:5.1g) カルシウム:130mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:415kcal(めん・かやく:302kcal)(スープ:113kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いつもより加水率が低め
いつもの「カップSUGAKIYAラーメン」に搭載されているノンフライ麺の原材料名は「小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、小麦たん白、大豆食物繊維、たん白加水分解物」なのに対し、こちらは「小麦粉(国内製造)、食塩、小麦たん白、植物油脂、大豆食物繊維、たん白加水分解物」ということで、よく見ると “植物油脂と小麦たん白の順番„ が違います。
また実際の仕上がりも通常品と比較して加水率が低く、しっとりとした口当たりは控えめですが、おそらく豚骨を強めたスープに対する配慮。実際の「濃い味スガキヤラーメン」に使われている麺よりも縮れが強いので、忠実に再現されているわけではないけれど、後述するスープとの相性に問題はなく、すこし粗めの麺質も慣れるとクセになる感じ。
粉末スープは先入れですが、それがノンフライ麺の戻り具合にネガティブな影響を及ぼすことはなく、熱湯5分きちんと待てば戻りムラも気になりません。ただ、あえて長めに放置すると、しっとりした口当たりが顔を出し始めるため、それはそれで魅力的に思えました(しっとり感については筆者の好み的な感想ですけど)。
スープ
いやいやビックリした
まずは「粉末スープ」単体の味を確認してみたところ、和風だし(ムロ節粉末、昆布エキス、さば節粉末、昆布粉末、かつお節粉末)とホワイトペッパーの絶妙な組み合わせから、なるほど例の隠し味を彷彿とさせるフレームワーク。とろみ成分も配合されていましたが、麺の戻りに影響するほど多くはありません。
そこに加える「液体スープ」は、通常品よりも圧倒的に炊き出し感が強い、ぽってりとミルキーなポークエキスが中心で、それをキュッと引き締める強めの塩気も「濃い味」の指標に含まれていたのですが、なるほど豚骨の力強さも「濃い味」たる所以であることを確かに実感。さらに豚脂の芳ばしさも含め、なるほど「カップSUGAKIYAラーメン」の延長線上にあるけれど、それとは一線を画す味わいにビックリ。
かなり乳化感が強いので、とろみ成分も最終的に不自然ではなく、炊き出し感は強めでも一般的にネガティブとされる豚骨臭は気にならない、想像していた以上に硬派な豚骨感に驚きました。正直、余裕で値段以上の仕上がりですよ、これは。
かやく
いいんじゃないでしょうか
寿がきや食品のカップラーメンに使われていたチャーシューといえば、簡単に破れるほど薄く切り出され、謎にケミカルな風味が目立っている、ぶっちゃけ商品によっては邪魔でしかないことも多々あったんですけど、それよりもサイズが小さく、厚みを持たせた形状も然る事乍ら、ケミカルな風味についても気になりません。
それどころか比較的に自然な肉っぽい風味が楽しめたのと、やや濃い目の味付けから、サイズのわりに食べ応えあり。メンマも特有の香りが強く、前述のスープと相性バッチリで、箸休めにも効果的。ホウレン草については、2023年9月7日に復活を果たした二代目「濃い味スガキヤラーメン」からネギと入れ替わりで追加された具材なので、それをイメージした様子。
スープの系統的に熱風乾燥のチンゲン菜でも食べてみたくなりましたけど、ちゃんとホウレン草の風味が楽しめたし、スープにも合っていました。家系では定番のトッピングですけど、和風とんこつ味のカップラーメンにホウレン草の組み合わせは珍しいので、そういった意味でも個性的でよかったです。
総評
既存する「カップSUGAKIYAラーメン」の面影を感じる仕上がりですが、それよりも圧倒的にポークエキスの主張が強く、なるほど「濃い味」の訴求は伊達じゃありません。メーカー希望小売価格が通常品より高いことを踏まえても、充分に納得できる良品でした。
ちなみに途中で二代目「濃い味スガキヤラーメン」について触れましたが、この感じだと今年の秋(9月頃)にも復活しそうな雰囲気なので、近くに「Sugakiya」の店舗がある方は、食べ比べ用に何個か保管しておくといいかもしれません(三代目が出なかったとしても、それはそれでジェネリック的に楽しめそうですし)【author・taka :a(大石敬之)】