どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年5月20日(月)新発売のカップ麺、明星食品「明星 中華三昧カップ 上海焼そば」の実食レビューです。
クオリティの高いノンフライ麺と “こだわりの調味料” で仕上げた奥深い味わいの本格中華汁なし麺!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
中華三昧のカップ麺 上海焼そば
「中華三昧」ならではの弾力が特徴的なノンフライ麺を実装し、こだわりの調味料で仕上げた本格中華スタイルの汁なしカップ麺「明星 中華三昧カップ 上海焼そば」と「明星 中華三昧カップ 汁なし担々麺」が2品同時にリリースされました。ちょっとカメラの関係で青っぽく写っていますけど、実際のパッケージは写真よりも紫寄りです。
「汁なし担々麺」は約1年1ヶ月ほど前の2018年4月16日にも発売されているのですが、前回は「明星 中華三昧PREMIUM 汁なし担々麺」というプレミアムタイプでした。今回は両方とも「中華三昧PREMIUM」ではありませんが、中華三昧カップから「上海焼そば」が出るのは今回が初めてなので、けっこう新鮮味がありますね。
1981年に発売された高級麺(プレミアム系)ブームの火付け役「明星 中華飯店」を前身とし、高級袋麺のパイオニアとして同年10月27日に誕生した明星食品の本格中華ブランド「明星 中華三昧(ちゅうかざんまい)」ですが、初めてカップ麺になったのは1985年2月。
初版の商品名は「明星 中華三昧 肉メンマ拉麺」と「明星 中華三昧 五目焼そば」で、カップラーメンとカップ焼そばタイプの2品同時リリース。袋麺は発売当初からノンフライ麺でしたが、初めて発売されたカップめんタイプの中華三昧は “油で揚げたフライ麺” で、現在よりも底の深い丸型の容器を採用し、レトルト具材が入っていました。
今回のカップ麺にレトルト具材は入っていないようですが、麺は高級ノンフライ麺の先駆けとして受け継がれてきたノウハウを活かした弾力のあるノンフライ細麺、こだわりの調味料には「オイスターソース」を使用し、胡麻油が香る本格中華とパッケージにも書いてあります。しかし、それだけではありません。
原材料名を見ると記載されているのですが、あまりカップ麺では見慣れない「中国しょうゆ」の文字がありました。中国・上海の焼そば「上海炒面」に使用される中国醤油は、日本の大豆で造った塩気の強い醤油と違い、かなり色は濃い目だけど塩分は薄く、最初から砂糖が添加されているため “甘い” のも中国醤油の特徴です。
その中国醤油には大きく分けて塩気の強い「生抽」、それを熟成させた「老抽」の2種類あるのですが、上海炒面の味付けに使われるのは粘度の高い「老抽(中国たまり醤油)」で、具材には青梗菜に似た野菜「鶏毛菜(ジーマオツァイ)」と豚の細切り肉を入れるのが伝統的な雛形。
日本の “上海風” 焼そばといえば麺が細く、こってりと油脂が多めなのも特徴的で、味付けの調味料はオイスターソースがポピュラーですが、本場の上海炒面にオイスターソースが使われることは基本的にありません。なので今回は厳密に言うと “上海風” なんですけど、本格中華ブランド「中華三昧」の本気と中国醤油の個性に注目ですね。
開封
別添の小袋は先入れの「かやく」、後入れの「液体ソース」で合計2袋。なんかこう漠然と斜めにデザインされた「液体ソース」の文字がオシャレだなぁ‥‥と思いつつw 今回は大盛り商品とかではないのですが、けっこう液体ソースの中身は多いですね。たぷたぷしてます、たぷたぷ。
先ほど初版の中華三昧カップは油揚げ麺から始まったシリーズと書きましたが、ここ数年はタテ型・どんぶり型を問わず基本的にノンフライ麺ですね。けっこう細めのサイズなんですけど、湯戻し時間は熱湯4分となっています。ところで今回のパッケージやニュースリリースには、いつものように「スーパーノンフライ製法」の文字が見当たりません。
私の購入店舗と価格はイオンリテールで税込198円でしたが、希望小売価格は税抜218円と若干ながら高いので、もしコンビニで購入すると税込235円が平均的な販売価格になります(※ただし2019年6月1日以降は価格改定による値上げで変動している確率大)。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 中華三昧カップ 上海焼そば 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社・埼玉工場(R) 内容量:120g(めん85g) 商品コード:4902881438285(JANコード) 発売日:2019年05月20日(月) |
麺の種類:ノンフライ麺(かんすい使用) スタイル:丸皿型レギュラー・カップ焼そばタイプ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:600ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:2袋(液体ソース・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉、でん粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、卵粉、大豆食物繊維)、ソース(植物油脂、糖類、しょうゆ、香味油、中国しょうゆ、オイスターソース、鶏・豚エキス、食塩、たん白加水分解物、チャーシューエキス、醸造酢、香辛料、しいたけエキス、香味調味料)、かやく(チンゲン菜、チャーシュー、人参、ニラ、キクラゲ)/ 加工デンプン、カラメル色素、酒精、調味料(アミノ酸等)、かんすい、炭酸カルシウム、乳化剤、卵殻カルシウム、増粘多糖類、香料、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、酸味料、(一部に卵・乳成分・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【アレルゲン情報】小麦・卵・乳成分・豚肉・鶏肉・大豆・ごま(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載)※コンタミネーション:本品製造設備では、えび・かにを含む製品を生産しています。 |
実食開始
先入れの「かやく」を開封すると、やたら大きな青梗菜に驚いたのですがw 他にもチャーシュー、人参、ニラ、キクラゲと具沢山。チャーシューはチップ状ですけどニラは軸の部分も見えますし、細切りカットの人参やキクラゲも歯ごたえがありそうですね。
あとは熱湯4分待って、お湯を捨てたら液体ソースを全体に絡めて完成です。かなり具沢山で調理後の掴みはバッチリなんですけど、湯切り時に人参が湯切り口から2.5個くらい逃げ出したのと、ニラが大量にフタの裏に張り付いていたので、 “かやくは麺の下に” あけるのがいいかもしれません。
それから外装フィルムやフタ上に記載されている調理方法に “液体ソースはフタの上で温めてください” などの記載はなく、オイル成分も豚脂(ラード)などの動物油脂主体ではありませんが、軽くフタの上で温めました。今回はオイスターソース使用ということから日本式になりますけど、日本式として本格的なのかどうか、「めん」「ソース」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(120g)当たり
熱 量:512kcal(カロリー) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
高級ノンフライ麺の先駆けとして受け継がれてきたノウハウを生かした、しっかりとした弾力のある細麺です。
(出典:明星食品公式ウェブサイト「トップページ > ニュースリリース『明星 中華三昧カップ 汁なし担々麺 / 上海焼そば』」)
断面の丸い縮れた細麺で、けっこうな細さなのに熱湯4分と長めの設定なんですけど、きっちり待っても柔らかめに仕上がることはありません。個性の強い胡麻油の香りにも簡単に丸め込まれないくらい小麦の風味が豊かな麺で、かなりコシも強く、わざと中心部に芯を残しているような歯ごたえのある食感から細麺でも存在感はバッチリ。
中国の上海炒面は基本的に太麺なので、それと比較すると圧倒的に細く、再現度が高いとは言えません。もちろん本場で細麺の焼そばを提供している店もありますが、日本の中華料理店などで作られる上海風焼そばの場合、麺は基本的に太麺よりも細いものが多く、今回のソースと麺のバランスも適切だったので、まったく好印象でした。
麺量は85gと汁なしカップ麺(標準サイズ)の平均めん量よりも5g少ない値となっているのですが、最後までカタめの歯応えが持続するため、少ないなぁ‥と量的な不満を目立って感じることもないでしょう。小麦感が強い分、やや部分的にモタッとしていた箇所もありましたが、ソースに含まれる油脂を絡めながら食べると解決です。そう、その油脂が凄かった‥w
ソース
濃口しょうゆと中国しょうゆにチキンエキス、ポークエキス、チャーシューペースト、オイスターエキス、シイタケエキス、ジンジャー、ガーリックを合わせた甘めのタレにごま油、オニオン、ローストしたネギの風味を加えたオイルを合わせました。
(出典:明星食品公式ウェブサイト「トップページ > ニュースリリース『明星 中華三昧カップ 汁なし担々麺 / 上海焼そば』」)
濃口醤油で日本人の口に合うようにチューニングされていますが、中国醤油の種類は体感的に生抽(シンチョウ)ではなく老抽(ラオチョウ)で、かなり濃い見た目でも実際は甘みが強く、ぜんぜん塩っぱいソースではありません。中国醤油らしい個性的で複雑な味わいに加えてオイスターソースのコクも深く、抽出された牡蠣の旨味が存分に味わえる仕上がりから、こだわりは本格的。
さらに丁寧な鶏・豚エキスだけでなくチャーシューエキスも併用することで旨味の重心を下げ、適度な香味野菜と隠し味の僅かな酸味、そして生椎茸ではなく干し椎茸を思わせる乾物の旨味にもワザがある、さすが「本格中華」の謳い文句は単なる飾りや見掛け倒しではありません。但し体感的には液体ソースのうち半分くらいアブラなので、ひと口目から唇はテッカテカになりますw
もはや「油そば」レベルのオイル量なんですけど、豚脂ではなく植物油脂なので、ラード主体の「まぜそば」ほどジャンクではありません。むしろ芳醇な胡麻油の香りに加えて玉ねぎオイルや葱油による香味オイル特有の芳ばしいアクセントが味わい深く、それは中華鍋で調理したかのような臨場感を表現することにも大きく寄与していました。
もし実際の中華料理店などで今回の上海焼そばを提供している店舗があったら、昼のピークタイム後には床ぬるぬる現象でスリップ事故が多発するかもしれません(※イメージです)。
かやく
チャーシューチップ、ニラ、ニンジン、チンゲン菜、キクラゲを組み合わせました。
(出典:明星食品公式ウェブサイト「トップページ > ニュースリリース『明星 中華三昧カップ 汁なし担々麺 / 上海焼そば』」)
さすが税別218円のカップ麺、クオリティの高いノンフライ麺と本格的なソースに続いて具材にも余念はありません。もとからチップ状のチャーシューは甘辛い味付けが施されているため、今回の甘濃いソースとの一体感は高く、ソースに含まれるチャーシューエキスと大量の油を纏うことで具材のチャーシューも(ちょっと)本格的な風味になります。で、もっとも存在感があったのは青梗菜。
写真では大きな葉の部分も目立っているのですが、茎の存在感が半端じゃありません。すべての青梗菜が並外れて大きいわけではないものの、それぞれ存在感のあるサイズ。茎の部分はシャキッとした歯応えと独特の甘みが楽しめますし、葉の部分も若干のホロ苦さがアクセントに効果的。実食前に「鶏毛菜」という聞きなれない野菜の名前を出しましたが、本場の上海炒面では青梗菜も定番です。
人参は意外と歯応えが弱かったのと、ニラもクタクタですが、ニラについては軸の部分が3本ほど入っていて、この3本が重要w かなり風味が強く、たった3本でもパンチがあります。キクラゲは思っていたほど主張してこなかったんですけど、ソースが日本式の上海風だったので、組み合わせとしてはバッチリですね。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
本場の上海焼そば(上海炒面)は基本的にオイスターソースは使わないため、味付けや麺のサイズも日本の中華料理店で提供されるタイプの日本式(上海風)ですが、それを実直に極めてきたような内容は実に本格的で、とても高い満足感が得られました。
とにかくソースに含まれている油脂の量が凄まじいので、そこだけ注意が必要なんですけど、さすが本格中華ブランド「中華三昧」らしい出来栄えですね。これまで上海風のカップ焼そば製品は他社からもリリースされているのですが、ノンフライ麺で再現したものは珍しいですし、とてもよくできた商品です。