どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年7月28日(火)新発売のファミリーマート限定カップ麺、エースコック「ちゅるげーそば 沖縄そば大盛り」の実食レビューです。
沖縄そば専門店「ちゅるげーそば なかぐすく古民家」監修のファミマ限定カップ麺ついに全国展開!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ちゅるげーそば監修カップ麺
ちゅるげ〜そば なかぐすく古民家(以下「ちゅるげーそば」)とは、2010年11月23日に創業した沖縄そば専門店「宜野湾(ぎのわん)そば」の2号店で、2012年4月12日にグランドオープン。本店の「なかぐすく古民家」は、築80年になる古民家を改装した趣のある店舗で営業しており、3種類のスープと3種類の麺から好きな組み合わせを選ぶことができる沖縄そばでも珍しい食べ方を特徴としています。
ちゅるげーそばの “ちゅるげー” とは、沖縄の方言で “縮毛” を意味しているらしく、天然パーマの創業者・新城潤一郎(しんじょう じゅんいちろう)氏のニックネームが店名の由来。なかぐすく古民家の “なかぐすく” は、ちゅるげーそばの本店が沖縄県中頭郡中城村当間(なかがみぐん なかぐすくそん とうま)にあるため、その地名(中城=なかぐすく)が由来となっているのでしょう。
今回の新商品「ちゅるげーそば 沖縄そば大盛り」は、大阪府吹田市に本社を置くエースコック株式会社と「ちゅるげーそば」の現店主・原國智氏の共同開発カップ麺で、コンビニの中でもファミリーマートでしか買えないPB商品として展開。先ほど創業者は新城潤一郎氏と書きましたが、2019年1月より “なかぐすく古民家” がFC(フランチャイズ)1号店に更新されたらしく、店長統括だった原國智氏が独立してオーナーに就任。
創業者の新城氏が全メニューのレシピを託し、それを完璧に再現してきた現店主の原國氏が今回のカップ麺を監修しているらしく、2020年7月14日(火)から一足早く地元・沖縄ファミリーマートにて先行販売開始。全国のファミリーマートでは2週間遅れの2020年7月第4週から販売開始となっており、32万4千食の数量限定で、なくなり次第終了とのこと。
実店舗のグランドメニューは、店名にもなっている「ちゅるげーそば」をはじめ、そば類だけでも沖縄そば、三枚肉そば、ゆし豆腐そば、軟骨ソーキそば、塩軟骨ソーキそば、てびちそば、軟骨盛そば、塩軟骨盛そばと豊富に取り揃え、そばとジューシー(沖縄の炊き込みご飯)がセットになった “お子様そばセット” が1グループあたり3名様まで無料という超絶サービスも人気の秘訣。
以前は2種類のスープ(あっさり、こってり)と4種類のスープ(細麺、太麺、手もみ縮れ麺、縮れ蒸し麺)から好きな組み合わせを選ぶことができたそうですが、現在は3種類のスープ「あっさりスープ(当店秘伝)」「こってりスープ(当店自慢)」「塩スープ(何処か懐かしい)」と3種類の麺「細麺」「平麺」「ちぢれ麺」から自由な組み合わせで注文できるそうです。
秘伝の「あっさりスープ」は県産鶏と豚骨に鰹節を重ねた3段仕込みの醤油味、自慢の「こってりスープ」は県産鶏と豚骨を長時間かけて煮出した鶏ガラ豚骨醤油味、何処か懐かしい「塩スープ」は県産鶏に昆布と鰹を “沖縄の塩” で仕上げたスープになっているらしく、今回のカップ麺は店主オススメの「塩スープ×ちぢれ麺」の組み合わせをモデルに商品化したとのこと。
カップ麺のパッケージにも “沖縄の塩シママース使用” とあり、お好みの濃さに調節できる “追いスープ付き” というのも興味深いポイント。毎年の夏になると増えてくる沖縄そば系の新商品ですが、追いスープ付きは珍しい試み。とりあえず私は本店の味を知らないので、これまでに発売されてきたカップ沖縄そばの水準を踏まえながらレビューしたいと思います。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は「かやく入り粉末スープ」と「追い粉末スープ」の合計2種類。ちなみにシママースとは、主にメキシコもしくはオーストラリアから輸入した天日塩を沖縄の海水で完全に融解し、平釜で再結晶化させて作る塩(マース)のこと。沖縄そばをはじめとする琉球料理はもちろん、漬物や焼き魚など、あらゆる料理や加工食品にも使われているため、聞き覚えのある方も多いでしょう。
麺は熱湯5分の油揚げ麺で、うどんのような見た目の白っぽい太麺ですが、原材料には梘水(かんすい)を使っている、つまり分類としては中華麺。しばしば沖縄そば系のカップ麺は “うどんっぽい” といわれることが多く、実際にカップうどんの麺に酷似した商品もあるので、それとの差別化に注目したいところ——そういえばエースコックの沖縄そば系カップ麺は久しぶりですね。
2020年7月現在、大盛りカップ麺のメーカー希望小売価格は税別220円、コンビニで購入した場合の税込価格は232円が相場となっているのですが、ファミリーマート通常価格は210円(税込226円)と良心的。今回はエースコックが誇る業界初の大盛りカップ麺「スーパーカップ1.5倍」と同じバケツ型(めん90g)なので、食べ応えには期待できそうです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ちゅるげーそば 沖縄そば大盛り 製造者:エースコック株式会社 関西滝野工場 兵庫県加東市河高1816-175(W) 内容量:100g(めん90g) 商品コード:4901071288655(JAN) 商品サイズ:140×140×105mm |
発売日:2020年07月28日(火) 実食日:2020年07月30日(木) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:226円(税込) 希望小売価格:210円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛バケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:500ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:2袋(かやく入り粉末スープ・追い粉末スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂。食塩、植物性たん白、砂糖)、かやく入りスープ(味付豚肉、ポーク調味料、食塩、魚介エキス、かまぼこ、砂糖、ねぎ、卵、チキン調味料、たん白加水分解物、カツオブシパウダー、オニオンパウダー、コンブパウダー、香辛料、シイタケエキス)、スープ(食塩、ポーク調味料、魚介エキス、砂糖、チキン調味料、たん白加水分解物、カツオブシパウダー、オニオンパウダー、コンブパウダー、香辛料、シイタケエキス)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、微粒二酸化ケイ素、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、香料、カラメル色素、紅麹色素、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の「かやく入り粉末スープ」は先入れで、具材は味付豚肉、半月かまぼこ、ねぎ、たまごの合計4種類。開封直後の香りは圧倒的にカツオが強く、ファーストインプレッションはカップうどんの粉末スープに酷似したもので、ややツンとした刺激臭も並行します。とりあえず小袋には “スープに充分熱湯をかけて” とあるため、そのように調理してください。
あとは熱湯を注いで5分待機、もう片方の「追い粉末スープ」は後入れで、容器側面の調理方法には “食べ進めながら、お好きなタイミングで追い粉末スープを入れ、お好みの濃さに調整してください” とのこと。小袋には、最初から入れるもよし!半分ほど食べてから入れるもよし!とあるので、とりあえず半分ほど食べ進めてから使い、投入前後の違いをレビューしますね。
なお沖縄ファミリマートでは、カップ麺の発売にあわせ「ちゅるげーそば監修 ジューシーおむすび」というコンビニおにぎりも数量限定で販売しているのですが、ジューシーおむすびは沖縄限定となっているため、残念ながら入手することができませんでした。それでは、カップうどんとの違いやシママースの塩梅に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(100g)あたり |
カロリー:416kcal たん白質:9.4g 脂 質:12.0g 炭水化物:67.7g 食塩相当量:6.0g (めん・かやく:2.0g) (スープ:4.0g) ビタミンB1:0.44mg ビタミンB2:0.40mg カルシウム:226mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:416kcal(めん・かやく:374kcal)(スープ:42kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
沖縄そばっぽさは弱いけど……
カップ麺のモデルになっている「ちゅるげーそば なかぐすく古民家」の “ちぢれ麺” は弾力があり、スープとの絡みが絶妙で、コシの強さが特徴とのこと。ネット上に詳しいレビューがなく、これ以上の情報は得られなかったのですが、製麺所は「ちゅるげーそば」の本店と同じ宜野湾市にある普天間製麺所(ふてんま製麺所)の麺を使用している模様。
それをイメージして作られたエースコック製造の油揚げ麺は、もちもちとした加水率の高い多加水麺で、程よい塩気と油揚げ麺ならではの甘みが印象的。形状は縮れの施された厚みのある太麺で、かなり滑らかな口当たり。カップ沖縄そばに使われる油揚げ麺は無骨な太麺が多いのに対し、それと比較して食べやすい仕上がりとなっているため、沖縄そばを知らない方でも親しみやすいと思います。
もちろん梘水(かんすい)の保水効果における特有の弾力やコシも備わっているため、うどんとは異なる食感なのですが、沖縄そば特有のゴワゴワとした食感は控えめ。無骨なカップ沖縄そばの太麺に期待している方は、事前にイメージを調整する必要がありますけど、スープとの相性は良好で、食べ始めの強付いたコシにカップうどんとは一味違う魅力が得られました。
スープ
和風だし強め
追い粉末スープを入れる前はカツオの風味が強く、動物系はクセのない豚骨を軸に鶏の旨味を重ねているのですが、けっこう和風だしが強めのテイスト。しかもカツオ(グルタミン酸)にコンブパウダー(グルタミン酸)とシイタケエキス(グアニル酸)を加えて “うま味の相乗効果” を図っている、エースコックの大盛りバケツ型にありがちな大味の印象は受けません。
和風だしの強さから “つゆ” のイメージが強く、しかしながら醤油は不使用で、一般的なカップうどんに使われることのない動物系のコクが和風カップ麺と差別化。沖縄の塩(シママース)使用の恩恵は目立って主張しているわけではないものの、追い粉末スープ投入前の塩気は程よい塩梅で、食塩特有の尖りは控えめですが、化学調味料特有のピリピリとした刺激が伴います。
「追い粉末スープ」を加える前に直接舐めて味を確かめてみたところ、さすがに直接だと味は濃いめに伝わってきたのですが、しょっぱい感じではありません。かやく入り粉末スープと同じく化学調味料特有のピリピリとした刺激が並行するものの、濃い和風だしの旨味とジャンクな甘さが相俟って、そのまま熱々の炊き立てごはんにかけて食べてもゼッタイに美味しいヤツw
などと思いながら話を戻しまして——たとえば原材料名(食塩、ポーク調味料、魚介エキス、砂糖、チキン調味料、たん白加水分解物、カツオブシパウダー、オニオンパウダー、コンブパウダー、香辛料、シイタケエキス)を見ても分かるように、追い粉末スープの中身は「かやく入り粉末スープ」の “かやく抜き” といった内容で、ほぼ同じ粉末スープとみて間違いありません。
そのため味の方向性が変わることはなく、追い粉末スープを全部入れても単純に味が濃くなるだけので、思わぬ相乗効果や雰囲気の激変は見込めないのですが、グッと旨味がパワーアップ。勢い余って半分以上食べてから入れてしまったのですが、そこまで量が多くなかったこともあり、すべて入れても塩気は強くなりすぎませんでした。
具材
具材はスーパーカップ品質(弱い)
実店舗では “すべてのメニューに薄焼き卵がトッピングされている” らしく、それをイメージして今回のカップ麺にも口当たりのいい卵(かきたま)が採用されているのですが、量が少ないうえに混ぜると散り散りになってしまうのが玉に瑕。多めのネギは歯触りの強い汎用の青ネギで、半月の蒲鉾(かまぼこ)はエースコックの和風カップ麺にも入っている汎用の魚肉練り製品。
味付豚肉は三枚肉(ばら肉)ではないですし、軟骨ソーキ(骨付きあばら肉=スペアリブ)でもテビチ(豚足)でもなく、いうなれば燻製感のないベーコンのような肉具材。ファミリーマートで販売中の「来来亭 しょうゆラーメン」にも入っているので、まったく新開発ではないのですが、当たり外れの激しいエースコックの “程よく味付けした肉そぼろ” よりも安定感のある具材です。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
麺は意識するとカップうどんのフライ麺とは違いますが、沖縄そば特有のゴワゴワした食感が楽しめるタイプではないので、ちょっと差別化が曖昧なのも事実。また動物系のクセが弱く、和風だしが強いスープの方向性も “うどんっぽい” という印象に結びつける要因となっているため、もうすこし動物系をはじめ個性的な要素があったほうが分かりやすかったかもしれません。
とはいえ「ちゅるげーそば なかぐすく古民家」の塩スープ×ちぢれ麺も “うどんっぽい” のであれば、けっこう再現度は高いのでしょう。とりあえずカップ沖縄そば特有のワイルドさは控えめだったので、このジャンルに求めている期待値で評価は変わってくるかと思いますが、単純に味だけでいえば美味しかったので、値段も手頃ですし、気になっている方は最寄りのファミリーマートをチェックしてみてください。