どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年10月7日(月)新発売のカップ麺、日清食品「チキンラーメンのカルボナーラ」の実食レビューです。
「汁なしチキンラーメン」と「濃厚チーズ」を絡めると “ヤバウマ説” ついにカップ麺で商品化!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
チキンラーメンのカルボナーラ
「チキンラーメン」が初めて発売されたのは、現在から遡ること61年以上前の1958年8月25日。そのチキンラーメンから初のカップ麺タイプ「チキンラーメンどんぶり」が発売されたのは、1990年8月21日のこと。以来、個性的な変わり種の新商品が数多く発売される中、新ジャンルの湯切りタイプ「汁なしチキンラーメン」が登場します。
「汁なしチキンラーメン」とは、カップ焼そばのように湯切りで作るチキンラーメンの変わり種で、2019年3月25日に発売された「チキンラーメンの油そば」が第1弾。「チキンラーメンのカルボナーラ」は、2019年6月24日に発売された第2弾「チキンラーメンのかまたま」に続くシリーズ第3弾の新作で、いずれもチキラーファンのアレンジレシピに基づいて開発されました。
厳密に元ネタ(発案者の名前)が特定されているわけではないのですが、第1弾の「油そば」、第2弾の「かまたま」、そして今回の第3弾「カルボナーラ」すべてチキンラーメンのファンを中心にネットで話題になっていた汁なしアレンジメニューを再現した商品なので、中には “それ袋麺をアレンジして作ったことあるよ” という方も多いでしょう。
チキンラーメン×カルボナーラは、NHKの連続テレビ小説「まんぷく」の最終回が放送された2019年3月30日、その同日にTBS系列で放送されていたテレビ番組『サタデープラス(サタプラ)』の「朝ドラでブーム沸騰中!『チキンラーメン』ヒットの3大自慢」という番組内のコーナーでも紹介されていたので、もしかすると今回の開発背景にも影響を及ぼしているかもしれません。
カルボナーラ風チキンラーメンのレシピ自体は、数年前からネット上にアップされていて、日清食品の公式ウェブサイトやクックパッドなどのレシピサイトでも紹介されているのですが、豆乳や牛乳、生クリームなどの乳製品を使用して作るレシピ、またはベーコンとチーズのみで仕上げる簡易版などレシピは様々。
前述のテレビ番組で紹介されていたアレンジレシピは、茹で上げたチキンラーメンの麺とスープを分別し、麺に炒めたベーコンと卵、粉チーズ、ブラックペッパー、パセリを加えたもの。カップ麺のパッケージでは、ひよこちゃんがチーズ用のグレーター(おろし金)でせっせと大きなチーズを削っているように、今回のカップ麺ではチーズの濃厚さをアピールしています。
残念ながらベーコンは本物ではなくベーコン風味ビッツ(粒状にした大豆たん白をベーコン風味に味付けしたもの)を使用しているようですが、味付けのソースはパルメザンチーズとエメンタールチーズを加えた濃厚なカルボナーラソースに仕上がっているらしく、前回・前々回と同じように “たまごをのせてさらにドロ旨い!” と、さらなるアレンジもイラスト付きで推奨。
また、湯切りの際に副産物のチキンスープが取れるのも “汁なしチキンラーメン” ならではの特徴ですね。ちなみに第1弾「チキンラーメンの油そば」は及第点以上(★4)と評価、第2弾「チキンラーメンのかまたま」はイマイチ(★2)と評価が伸び悩んでいるので、追いチーズなしでも満足できるくらいチーズが濃厚なのか、第3弾での巻き返しに注目です。
開封
別添の小袋は「粉末ソース」が1袋のみ、製造所は第1弾・第2弾と同じ静岡県焼津市にある日清食品の静岡工場(製造所固有記号「F」)。液体ソースの原料に卵粉(ランプン)を使用していますが、前回の「かまたま」に別添されていた卵黄ペースト(卵黄だれ)系の小袋は入っていないので、カルボナーラアレンジで定番の卵黄が欲しい場合、自分で用意しなければいけません。
その卵黄はともかく、それ以上に “黒胡椒が別添されていない” ことが心配なポイント。容器側面に記載されている「調理方法」の下に “※製品中の黒い粒は香辛料です” との注意書きがあるため、ちゃんと黒胡椒は入っているようですが、カルボナーラ(Carbonara)を日本語に訳すと「炭焼きパスタ」(炭焼き職人風)となるように、炭の粉に見立てられた黒胡椒は重要なポジション。
また、卵黄が凝固しないように生クリームを使って作るのは日本くらいで——という話はさておき、麺は「チキンラーメン(袋)」や「チキンラーメンどんぶり」よりも一回り太めに切り出された “汁なしチキンラーメン専用” の味付麺を採用しています。けれどもパッケージのイメージ写真では麺の色が異様に白いように、実際の麺も “普段より明らかに薄い色” で驚きました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:チキンラーメンのカルボナーラ 製造者:日清食品株式会社 製造所:静岡工場(F)静岡県焼津市相川17-2 内容量:93g(めん80g) 商品コード:4902105255490(JANコード) 商品サイズ:縦148mm×横148mm×高さ75mm 発売日:2019年10月07日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:汁なしカップ麺 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:380ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(粉末ソース) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、しょうゆ、食塩、チキンエキス、糖類、たん白加水分解物、香辛料、デキストリン、香味調味料、オニオンパウダー)、ソース(クリーミングパウダー、チーズパウダー、味付粒状大豆たん白、糖類、乳等を主要原料とする食品、卵粉、食塩、香辛料、香味調味料)、かやく(キャベツ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、かんすい、香料、カラメル色素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、増粘多糖類、炭酸Mg、カロチノイド色素、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
容器は「汁なしチキンラーメン」及び「日清のどん兵衛 汁なし」用に開発された特注品で、ソースが混ぜやすいように容器の底は溝がないフラットな仕様。そして湯切り時に安定するように、どんぶりの縁も汁ありタイプより幅があるのもポイント。具材のキャベツは最初から容器の中に入っているので、粉末ソースを取り出したら熱湯を注ぎ、3分後に湯切りします。
商品のフタ上には「湯切りで作るチキンスープ付き」と書いてありますが、東洋水産(マルちゃん)のカップ焼そばよろしく粉末スープが別添されているわけではありません。チキンラーメンならではの芳ばしい味付麺から滲み出たスープが “それ” なので、湯切りの際は流しに捨てるのではなく、大きめのマグカップなどに移し、「チキンスープ」として余すことなく楽しんでください。
ただし、必要なお湯の目安量は380mlとスープにしては多く、ある程度は麺が吸収するため380mlそのまま出てくるわけではないのですが、もし湯切りの際に全量移すのであれば “大きめの食器かマグカップを2つ用意” しておくと安心ですね。それでは、色の違う麺の風味とチーズの濃厚さに注目しつつ、「めん」「ソース」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(93g)当たり
カロリー:423kcal |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
麺の原材料名は、「油そば」と「かまたま」に使用されていた麺と一言一句まったく同じ内容で、並びも変更なし(※原材料名は “使用量の多いものから順に記載しなければいけない” というルールがあるので、配合が変わると原材料名の並びも変わる場合があります)。ただ、粉末ソースを混ぜる前・湯切り直後の麺は明らかに色白。真っ白ではないけれど、いつもの芳ばしい色ではありません。
実際の味わいもしかり、これまで以上に味付けは控えめですが、チキンラーメンの原材料を大きく変えることは日清食品の社内でも “御法度” とされている行為。通常のチキンラーメンと比較して、汁なしラーメン専用の麺は圧倒的もちもち感を誇り、やや味付けは薄くなりましたが、味のベクトルは間違いなくチキンラーメンです。
濃い目の味付け麺にタレ・ソースを絡めた場合、どうしても味が濃すぎる傾向にありますが、後述するソースと合わせた後の濃さや味のフィッティングも加味すると、実際このくらい味を抑えるくらいがベスト。芳ばしい元祖鶏ガラしょうゆ味のロースト醤油感が控えめになったことで粉末ソースと麺のマッチングは高く、それでいてチキンラーメンとしての体裁は保っていました。
ソース・チキンスープ
結論から言うと、今回の粉末ソースは大当たりです。ビックリするくらい混ぜにくかったけどw それを乗り越えた先に待っているのはド濃厚なチーズの旨味。ただ、それよりも先行するのは燻製風のスモーキーな風味で、おそらく粉末ソースの小袋に同梱されていたベーコン風味ビッツと香料によるものですが、ベーコンを彷彿とさせる芳ばしい風味が先陣を切ります。
その後、間髪入れずに畳み掛けてくるのがチーズの高濃度な旨味。使用量としてはチーズパウダーよりもクリーミングパウダーのほうが多く、乳等を主要原料とする食品のサポートありきですが、チーズパウダーも多めに使用していますし、これだけ濃度が高ければ追いチーズの必要ありません。もし混ぜムラが発生しても麺が味付け麺なので、それはそれで濃淡が面白いと思えるくらい。
ど濃厚テイストでも粉末ソースの食塩自体は控えめなのと、麺の味付けが控えられていたことから、結果的に塩っぱい味にはなりません。残念ながら黒胡椒は目立っていませんが、物足りなければ粉チーズよりも安価にちょい足しアレンジできますし、まったりとしたチーズのコクにガツンと効いた燻製風の香りがカルボナーラらしく、芳ばしい元祖鶏ガラしょうゆ味とも絶妙にフィットしていました。
前回・前々回よりも麺の下味が抑えられている分、そこから取れるチキンスープもロースト醤油の芳ばしさが控えめになっているのですが、けっこう塩気はキリッとしていて、後味にキレがあります。今回の粉末ソースはチーズが濃厚な上に甘みも効かせてあったので、チキンスープは味覚をリセットするのに効果的な存在でした(※通常サイズのコップが2個あればスープ全量回収可能です)。
具材・ちょい足しアレンジ
具材はキャベツとベーコン風味ビッツの2種類で、キャベツはカルボナーラらしい具材でもなければ細切れで量も少ない “とりあえずキャベツ”(とりあえず汁なしカップ麺だから入れときましたよ的なキャベツ)ですし、ベーコン風味ビッツも前述したようにベーコンっぽい味付けの大豆たん白加工品に過ぎません。
ただ、この箸先で摘めるか摘めないかの “ふりかけ的なアクセント” が侮れない。同社の大豆たん白加工品というと「日清のどん兵衛 カレーうどん」等に使用されているクニッとした「大豆ビーフ」や「大豆ポーク」が定番ですが、今回は極小サイズが功を奏し、食べ始めはサクサクとした食感が心地よく、燻製風の香りが効果的でした。
で、アレンジなしの状態で食べ終えてから、今度は卵黄とブラックペッパーを追加してみたところ、それはそれは当たり前のように美味しかったですw 元の味を壊すことなく濃度が跳ね上がるため、カップ麺をアレンジすることに抵抗がなければ生卵の黄身と黒胡椒を追加してみてください。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
各項目の星を足してから3で割ると、総評は★5.5(上出来)になるのですが、もはや具材の寂しさも気にならないくらい味の満足度が高かったので、今回は★6(買い置き決定レベル)としました。いつもより芳ばしさを控えた麺とスモーキーで濃厚なチーズソースはバランスがよく、それでいてチキンラーメンらしさも残っていて、ほぼ文句の付け所が見当たらなかったです。
(卵黄と黒胡椒で★7になる説)
もし追加トッピングするなら、卵黄(or 温泉卵+粉チーズ)×ブラックペッパーがダントツでオススメ。2012年11月26日発売の「チキンラーメンどんぶり フレンチ坂井宏行シェフ監修レシピ バター香るクリームスープ仕立て」がカップめん版チキンラーメンの中で最強の変わり種だと思っているのですが、今回のカルボナーラしかり、チキンラーメンとクリーム系・チーズ系の組み合わせは本気でヤバいですね。