どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2025年10月27日(月)新発売、エースコックのカップ麺「ぶっとメン 濃辛タンメン 大盛り」(285円+税)の実食レビューです。
独自技術「極太!多加水真空仕立て麺」で実現した “驚もっち麺×ストロングテイスト„ 圧倒的な食べ応えと美味しさを兼ね備えたカップラーメン登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ぶっとメン 濃辛タンメン
ぶっとメンとは、エースコックの独自技術「もちもち真空仕立て麺」にルーツを持ち、その技術を応用して開発された「極太!多加水真空仕立て麺」を特徴とするシリーズで、昨年10月7日発売の「スタミナ豚骨醤油ラーメン」が最初の商品。その後、まったく音沙汰なしの空白期間が1年を超えようとしていたので、インパクト重視の変わり種を一発屋で終わらせるエースコックあるあるかと思いきや——

昨年の「スタミナ豚骨醤油ラーメン」に次ぐ「ぶっとメン」待望のシリーズ第2弾として、前述の独自技術で実現した驚くほどモチモチの “驚(きょう)もちっ麺„ に、しっかりと濃くて辛い “ストロングテイスト„ なスープを特徴とする「濃辛(こいから)タンメン」を展開してきたエースコック。
同社の公式ウェブサイトやニュースリリースにも掲載されていない情報になりますが、商談用と思しき資料に “驚くほどもちもちの「極太!多加水真空仕立て麺」大盛りに、しっかり濃くて辛いスープを合わせた一杯だから、本能のままに豪快に食らい尽くしたくなるウマさで、ストレスもブッ飛ぶ強いヤツ„ と書かれていたので、担当者さんストレス溜まってんのかな‥‥などと。
さておき「極太!多加水真空仕立て麺」の源流となっている「もちもち真空仕立て麺」とは、かつて人気を博した若者向けのボックス型カップ焼そば「JANJAN(ジャンジャン)」の後身ブランド「焼そばモッチッチ」の開発チームが確立した製法で、インスタント特有のソフトな食感とは一線を画す “もちもち„ とした密度の高さが最大の特徴。

2017年(平成29年)6月19日に発売された「焼そばモッチッチ」は、従来の油揚げ麺にはなかった密度感でカップ焼そばを新たなステージに押し上げ、現在も女性を中心に支持されているのですが、さらに加水率(小麦粉の総重量に対する水分の割合)を高めた「多加水真空仕立て麺」の開発にも成功したエースコック。

それは「渾身の逸品」シリーズに採用されている製法で、従来の「もちもち真空仕立て麺」を超える密度感を実現し、まるでノンフライ麺に見紛うほどの噛み応えに筆者も驚きを隠せませんでした。
その流れを汲んだ極太サイズの真空仕立て麺が「極太!多加水真空仕立て麺」で、前述の「ぶっとメン スタミナ豚骨醤油ラーメン 大盛り」をデビュー作としているのですが、結論からいうと “かなり勿体無い„ 仕上がりだったんです。
というのも熱湯5分しっかり待ってからフタを開け、粉末スープを溶かしてから別添の液体スープを投入し、さらに混ぜ合わせてから食べ始めたところ、中心部はパッキパキの状態。まだ極太サイズの展開は早かったか——などと落胆しかけた頃、表面の入りから内部に至るまで、それこそノンフライ麺に見紛うほどの組織に変わり、その状態を評価するなら★7‥‥いや、★8もチラついたレベル。

まさに新時代の到来といっても過言でもない水準に到達していたからこそ、食べ始めの戻りムラが勿体無いと感じたのですが、その続編となる今回の「極太!多加水真空仕立て麺」は “驚もちっ麺„ を標榜している代物。パッケージにも「これが、新時代だ」と力強いメッセージを(なぜか控えめなフォントサイズで)アピールしているため、さらなる進化に期待しながらの実食です。
開封

これ気を付けていただきたいポイントなんですけど、フタの上に別添されている小袋を取らないまま、指でフタを引っ張りながら熱湯を注ぐと “うっかり指が滑った際にフタが閉まる„ おそれがあります。つまり “熱湯が跳ね返ってくる危険性がある„ ので、火傷を予防するために必ず小袋を取ってからフタを開けてください。

——で、今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてあった「液体スープ」1パックのみ。エースコックのタテロング製品といえば、容器の中で小袋が粉末スープまみれになっている光景が定番だったのに、すこし前にレビューした「千年こうじや」監修のカップ麺と同じく容器の中に小袋は入っていません。粉末まみれの小袋にストレスを感じているユーザーも多かったので、ついにラインを変更し始めたのでしょうか。
ちなみにメーカー希望小売価格は285円(税別)に設定されているため、2025年10月現在の大盛りサイズ製品における事実上の標準(271円+税)を上回る値。ただ、昨年の「ぶっとメン」と同じ希望小売価格なので、1年の間に値上がりしたわけではありません。とはいえコンビニで購入した場合の税込価格は1食あたり307円になりますから、少々お高めに感じてしまいますけど。
製品詳細情報・購入価格等
| 製品名:ぶっとメン 濃辛タンメン 大盛り 製造者:エースコック株式会社 製造所:+W 関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816−175) 内容量:101g(めん80g) 商品コード:4901071408244(JAN) |
| 発売日:2025年10月27日(月) 実食日:2025年10月28日(火) 発売地域:全国 小売価格:285円(税別) |
| 麺の種類:油揚げ麺 スタイル:タテロング 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
| 【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、植物性たん白、食塩)、スープ(粉末みそ、食塩、ポーク調味料、植物油脂、香味油、砂糖、豚脂、ガーリックペースト、香辛料、おからパウダー、乳化油脂、酵母エキス、全卵粉)、かやく(キャベツ、鶏・豚味付肉そぼろ、唐辛子)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸Ca、増粘剤(キサンタンガム)、乳化剤、かんすい、酒精、微粒二酸化ケイ素、カロチノイド色素、甘味料(カンゾウ、アセスルファムK、スクラロース)、酸化防止剤(ビタミンE)、香料、香辛料抽出物、酸味料、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始

麺は油で揚げたフライ麺で、こいつが今回の主役。サイズは昨年の「スタミナ豚骨醤油ラーメン」に搭載されていた “極太!多加水真空仕立て麺„ と同じくらいで、原材料名の並び(小麦粉、植物油脂、植物性たん白、食塩)も完全に一致します。ということは、またもや食べ始めのパキッとした戻りムラが気になるかもしれない‥‥

そのような不安を覚えながら熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分。時間になったらフタを剥がし「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。キャベツの量はタンメンらしく(そこそこ)多めに入っていますけど、肉そぼろの量は笑っちゃうくらい少なくてw というのも「スタミナ豚骨醤油ラーメン」との共通点。ただ、無論のこと香りは別物。
ちなみに容器の側面に “辛い味わいにつき、小さなお子様や辛いものが苦手なお客様のご飲食はご注意ください„ との注意事項が記載されていたので、極太!多加水真空仕立て麺の仕上がりはもちろん、辛味の強さにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
| 栄養成分表示:1食(101g)あたり |
| カロリー:420kcal たん白質:9.4g 脂 質:14.3g 炭水化物:63.5g 食塩相当量:6.9g (めん・かやく:2.2g) (スープ:4.7g) カルシウム:223mg |
| 参考値(調理直後に分別した値) 熱量:420kcal(めん・かやく:324kcal)(スープ:96kcal) |
| ※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん

密度がありしっかりとした噛みごたえのある極太めんです。めんに適度な味付けを行いスープと相性良く仕上げました。
出典:https://www.acecook.co.jp/news/003176/

約1年で大幅に進化!
昨年のレビューには “熱湯5分きちんと守ってからフタを開け、粉末スープを溶かしてから「液体スープ」を投入し、さらに混ぜ合わせてから食べてみたところ、中心部がパッキパキ„ と書き残していたのですが、なんのなんの。熱湯を入れて5分後に粉末スープを溶かす → 液体スープを入れる → 再度よく混ぜる=合計6分半ほどで食べ始めたところ、中心部のパキパキが目立っていません。

それでも初っ端から内部まで完全に戻り切っていたわけではないけれど、部分的な戻りムラが気になるのも最初だけ。ゆっくりと弾力を楽しみながら2、3口目に突入する頃合いになると内部まで水分が浸透し、かんすいを使用した中華麺でありながら、うどんのようなモチモチとした質感が伝わってくる、これまでにない密度感と不具合の解消に驚いた次第。
エースコックといえばの揚げ油に由来するニオイは1年前の「極太!多加水真空仕立て麺」よりも強めに漂ってくるけれど、それも含めて後述するスープとの相性に問題はなく、むしろ辛いスープとジャンクさを高め合う相乗効果あり。当たり前のように耐久性も優れているため、食べ終わる頃になっても特徴的な弾力が衰えることはなく、むしろ後半にかけて魅力が増しているように感じました。
スープ

ポークをベースに香味野菜の旨みを加えた味噌スープです。別添の液体スープによって辛みと、甘いオニオンの風味が加わり、食欲をそそる味わいに仕上げました。
出典:https://www.acecook.co.jp/news/003176/

よくある感じだけど悪くない
まずは「液体スープ」を入れずに味を確認してみたところ、粉末みその鋭さだったり、うまみ成分の主張だったり、食塩のカドだったり、ガーリックパウダーの尖らせ方だったり、オニオンの存在感だったり、ポーク調味料のジャンクさだったり、おからパウダーの舌触りだったり、増粘剤による人工的な口当たりだったり、いかにもエースコックらしい構成で、よくあるインスパイア系の配合に手を加えたようなフレームワーク。

そのため斬新な要素は見当たらなかったけれど、別添の「液体スープ」を加えた途端、唐辛子の辛味とニンニクのエッジが際立ち、なるほど「驚もちっ麺」に負けない “しっかり濃くて辛い„ ストロングテイストを体現。辛さレベルは得意な方だと中辛以上〜ふつうに辛口、苦手な方にとっては辛口以上の水準に到達していますが、同時にウマミも強いので、辛さだけが独り歩きするようなスープではありません。
かやく

シャキシャキとした食感の良いキャベツ、程良く味付けした肉そぼろ、唐辛子を加えました。
出典:https://www.acecook.co.jp/news/003176/

麺のインパクトを思えば及第点
かくして「驚もちっ麺×ストロングテイスト」には値段相応の‥‥いや、麺については値段以上のインパクトを感じたけれど、かやくは比較的に多めのキャベツと気持ち程度の肉そぼろだけなので、ぶっちゃけ値段相応とは思えません。ただ、この “程良く味付けした肉そぼろ„ は当たり。
このブログでスポンジ野郎と揶揄している例のポンコツ肉そぼろではなく、ちゃんと肉の食感や程よい味付けが楽しめる良質な具材。量についてはショボすぎると評価せざるを得ませんが、ほとんど価値が見出せない粗悪な肉そぼろとは雲泥の差なので、漠然と救われた気分になりました。とはいえ量が量なので、シャキシャキの刻み玉ねぎとか、ホールタイプのキクラゲとか、もやしとか入っていると嬉しかったです。
総評
スープと具材に斬新な要素は見当たらなかった反面、実食前に懸念していた麺の戻りムラが改善された部分は大きく、後者については1年前の「極太!多加水真空仕立て麺」と比較して見違えるほどの変化。メーカー希望小売価格の設定は事実上の標準を上回っているけれど、多加水真空仕立て麺の実力を体感するためだけに買っても損ではありません。
はたして「ぶっとメン」シリーズ第3弾の登場は来年10月になるのか、それとも半年以内に夏向けの新作が出るのかどうかは定かでないけれど、進化した「極太!多加水真空仕立て麺」には高いポテンシャルを感じたので、積極的に採用してもらいたいです。【author・taka :a(大石敬之)】


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