【災害に備える】非常食のカップご飯を水で調理して食べてみた

どうも、taka :aです。

以前、「カップヌードル謎肉丼」をブログで紹介した際、「これも水調理できるな保存食として最最強なんちゃうかな？」（「水調理できるなら保存食として最強なんちゃうかな？」ですねw）、「これこそ水戻しで災害用にならないかなー」という意見を頂きました。了解、任せてください。

カップメシを水で食べる！

謎肉丼は1個しか購入していなかったので、日清食品の定番カップメシ「カップヌードル ぶっこみ飯」を買ってきました。熱湯が沸かせない環境、つまり水だけでも調理・喫食が可能なのかどうか、実際に検証してみましょう。まず、「カップヌードル ぶっこみ飯」のスペックを紹介します。

カップヌードルを食べた後のスープに白ご飯ぶっこんで、炭水化物を食べた後さらに炭水化物を食べてしまう背徳感に苛まれながらも、ついやってしまう罪深き行為を再現した “禁断の味” を “お湯かけ5分で楽しめる” というのがコンセプトの製品です。通年販売品なので、数量・期間限定ではありません。

熱湯調理で食べられるライス製品は、他にも「チキンラーメン ぶっこみ飯」や「カレーメシ」シリーズなどがあります。しかし、カレー系は水で調理するとイマイチなので（以前、「カップヌードル カレー」を水で調理してみたのですが、まぁ食べられなくはないけど美味しくもなかったので‥w）、今回は安パイと思われるオーソドックスな「カップヌードル ぶっこみ飯」をチョイスしました。調理手順は、水を入れるだけです。

とりあえず、30分ほど放置して様子を見てみましょう。

▼内側の線まで水を注ぎます

▼しっかりと混ぜてから30分放置！

カップヌードルを食べた後のスープにご飯をぶっこんだ「あの味」を再現しました。カップヌードルのスープをベースにフライ麺の香ばしい風味を加えた、お湯かけ5分で出来上がる禁断の味。

（日清食品ホームページ「製品」より引用）

時間の経過による変化

30分後

お、幸先よろしい

噛めないことはないけれど、この段階ではナチュラルに食べられません。まだ芯がパキパキとしていて、歯が地味なダメージを喰らいます。もし歯を治療中の方や仮詰め等の段階で治療が止まっている方は悪化する恐れがあるので、この段階では食べないほうがよいでしょう。

たとえ虫歯が1本もなくても、この段階で食べるのはマニアです。（※もちろん私は肯定的です）

ちなみに30分経過の段階で、具材のスクランブルエッグ、謎肉はケア完了。

ミンチポークはサルベージできませんでしたが、謎肉の半分以下ほどの小さな肉具材なので、問題ないでしょう。海老は少し干し海老っぽい質感が残っていましたが、この段階では麺が食べ頃とは言えず、次の45分経過時には余裕だったので、具材に対する懸念は取り越し苦労だと思います。ネギは終始シャッキシャキで実に存在感絶大でしたw 驚きの歯触りプライスレス‥

45分経過

ほぼ食べられます

食べようと思えば食べられますが、まだ芯が残っている状態ですね。ある意味これはこれでアルデンテというか、冷めたリゾット風？アリっちゃアリかもしれません。

60分経過

おぉぉーー！！

いけます！なんということでしょう‥いや、30分の段階で幸先よろしいとは思いましたが、1時間もすれば違和感ほとんどないですね。さすがに “ふっくら” とか “もっちり” とか、そういった “炊きたてご飯クオリティ” こそ望めないものの、冷やご飯で食べるお茶漬けの雰囲気とでもいいましょうか‥いや、サラサラというよりも、ちょっと雑炊（おじや）っぽい雰囲気なんですけどね。とりあえず結論としては、水しかなくても “ご飯” は食べられます！ただ‥

水調理によるデメリット

前述したように、「かやく」は問題ありません。30分経過の段階でスクランブルエッグ、肉具材は難なく食べられる状態だったし、熱を加えていないので、60分経過してもブヨブヨすることなく、何気に食べ頃をキープしていました。しかし、少し気になるのが油脂成分です。

原材料の含有量で最も多いのが動物性油脂の「豚脂」なのですが、いくら粉末とはいえ豚脂は豚脂。「30分後」の写真・スプーンの右に若干ながら写っているのですが、通常調理であれば溶け切るはずの油脂が溶け切っておらず、凝固したままの状態で残ってしまいます。それでも特別に含有量が多いわけではないですし、脂の塊！ってほどではないので、胸焼けするほどエグいわけではなく、ちょっとザラついた舌触りが気になるかなぁ‥くらいなんですけどね。

災害に見舞われた際の非常時であれば余裕で黙認可能な程度の違和感なんですけど、気になる方は気になると思います。あとは、味の濃さでしょうか。普段から濃い味に慣れている方にとっては問題ない‥というか、むしろ程よい濃さになると思うんですけど、冷たい分だけ体感的な塩気が強くなりますから、どうしても味が濃いめに仕上がります。

ただ、これに関しては調整可能です。放置時間が長いので、どうしても粉末スープが底に溜まるんですけど、それを利用しましょう。まずは、上記に書いた手順通り水を注いでから掻き混ぜて45分放置。45分放置後に大きく全体を掻き混ぜて、10分〜15分ほど放置すると、いい感じに味がライスに移りつつ余分な粉末スープが底に溜まっているはずです。しかしながら食塩相当量は3.6gと非常識な数値ではないので、エグい塩気ではないですよ。

災害時の貢献度（推定）

★★★★★★☆☆☆☆（6）
（標準は★3です）

まず味なんですけど、悪くないです。別格に美味しいわけではないものの、災害時なんだから気休めになれば儲けもんでしょ‥？などという妥協は必要ありません。前述したように動物油脂の舌触りがターニングポイントになりますが、許容できないようなレベルではなく、非常事態でも “ご飯が水だけで食べられる” というのは大きな強みなのではないでしょうか。

やっべぇ激ウマ！w みたいなレシピではありませんが、こいつは有事の際に使えます。電子レンジ調理から湯かけ調理になってライスのクオリティは下がりましたが、災害時の需要が高まり、なおかつ水でも調理可能ということが分かったので、潜在能力の高さを感じました。

ただし、適切な衛生管理が整っていない状況で水出し1時間は雑菌を繁殖させるおそれがあるので、暑い期間や温度の変化が激しい日、避難所などで食事を摂らなければいけない場合は缶詰やカンパン、専門の備蓄食料などを利用してください。今回の記事は、あくまで “即席カップライス” を水で調理できるか否かの検証報告です。

それにしても、意外とスムーズに水出しできるものですね。油揚げ麺と違って油の酸化問題も取り立てて騒ぐほどのマイナスポイントではありませんし、好印象でした。災害時に役立つ米といえば “アルファ化米” ですが、それに似た立ち位置かと思います。さすがにガチの保存食には敵いませんが、予想以上の手応えでした。