どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年10月21日(月)新発売のカップ麺、明星食品「ぶぶか 豚丸(ぶたまる)豚骨醤油らーめん」の実食レビューです。
東京・吉祥寺「らーめん専門店 ぶぶか」からインパクトのある商品名の新作カップラーメンが登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ぶぶか 豚丸 豚骨醤油らーめん
「らーめん専門店 ぶぶか」とは、東京都武蔵野市吉祥寺本町(吉祥寺北口)に本店を構える「油そば」の名店で、実店舗がオープンしたのは1995年3月24日。現在の本店は吉祥寺北口に移転していますが、もともとは吉祥寺駅南口に店舗を構え、創業当時の席数わずか10席、現在もカウンターのみ12席で営業している小規模な店。
しかし、縁の深い明星食品と共同開発した定番カップ麺「ぶぶか 油そば」は、カップ油そばカテゴリーで “売上ランキング第1位” に君臨する人気商品。「ぶぶか」という名前の由来は、かつて名を馳せた棒高跳び世界記録保持者セルゲイ・ブブカ選手のように成長したい——という初代店主の願いに因んでいます。
もともとは東京都東村山市にある所沢街道沿いの駐車場にオープンした小さな屋台が前身で、屋台の創業は1994年。2019年10月現在の運営母体は「株式会社サガミホールディングス」(旧「サガミチェーン」)となっていますが、創業者の初代店主・国定裕儀氏は “明星食品の元営業マン” で、2002年2月には「明星外食事業株式会社」が営業権を取得していました。
国定氏は、「ぶぶか」の創業に尽力することになる明星食品の店舗開発部・部長代理に就任し、本部からの社命を受け、東村山の所沢街道沿いに屋台を開業したのが初代「ぶぶか」のはじまり。屋台時代のメニューは “こってり濃厚” がコンセプトの背脂入り「東京風しょうゆ豚骨らーめん」で、現在人気の「油そば」が生まれたのは後の話になります。
というわけで、東京・吉祥寺の「ぶぶか」は “明星食品が立ち上げた” ラーメン屋さん。今回のカップラーメンに背脂入りの文字はないけれど、味のテーマは部活帰りの学生やサラリーマンから愛されていた創業当時の「らーめん」を彷彿とさせる「豚骨醤油らーめん」で、「豚丸(ぶたまる)」という力強いタイトル。
パッケージに二代目店主・乾川聡満氏の名前や顔写真は掲載されていませんが、「らーめん専門店 ぶぶか」監修商品で、食べ応えを求める30~50代のカップめんユーザーに向けた新商品とのこと。今回は実店舗のメニューを再現した商品ではなく、カップラーメンでしか食べることができないオリジナルメニューとして開発されました。
商品の特徴は、同店の人気メニュー「油そば」の特長を生かした “もっちり極太麺” と豚の旨み溶け込む “濃厚焼豚だれ” で、ごま油やガーリック、焼豚の香りを効かせたオイルを別添とのこと。「豚丸」というタイトルから二郎系・インスパイア系に該当する商品なのかと思いきや、そういったコンセプトではないようですね。
定番の汁なしカップ麺「ぶぶか 油そば」は通年商品で、今回の「ぶぶか 豚丸」はスポット商品。前回の「油〜めん」をはじめ、「ぶぶか」のカップラーメンは何度も発売されているのですが、いずれも縦型ビッグ若しくは大盛バケツ型だったので、大盛どんぶり型は初めてかもしれません(関連記事:2019年最新版「ぶぶか 油そば」、前回新作「ぶぶか 油〜めん 大盛 にんにくみそ」)
開封
別添の小袋は、「粉末スープ」「液体スープ」「かやく」の合計3袋。「ぶぶか」のカップラーメンといえばニンニクが印象的で、大盛バケツ型の製品にはフライドガーリック入りがデフォ、縦型BIGでは2017年7月24日発売「超にんにく豚骨しょうゆらーめん」で生おろしニンニクを別添してきたこともありましたが、「豚丸」にニンニク系の別添はありません。
販売店は全国のスーパーやドラッグストア、ディスカウント店、コンビニなど、販路を問わない全チャネル販売。メーカー希望小売価格は230円(税別)とタテ型ビッグの標準220円(税別)よりも10円高く、コンビニで購入した場合の税込価格は245円(税率8%)が相場になります(※コンビニでは火曜日から販売開始)。
麺は表面に独特な気泡が見られる油揚げ麺(フライ麺)で、フタの上には “もっちり極太麺” と書いてありますが、平均的に太麺くらいの見た目。やや色は白っぽく、黄色味は強くありません。かやくの小袋とは別にキャベツのみ最初から容器の入っていて、やはりフライドガーリックは入っていませんでした。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 ぶぶか 豚丸 豚骨醤油らーめん 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星 埼玉工場(R)埼玉県比企郡嵐山町川島2360 内容量:119g(めん90g) 商品コード:4902881418485(JANコード) 発売日:2019年10月21日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:480ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(粉末スープ・液体スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、酵母エキス、香辛料)、スープ(豚脂、豚・鶏エキス、香味油、食塩、香味調味料、しょうゆ、たん白加水分解物、糖類、香辛料、酵母エキス、植物油脂、牛脂、発酵調味料、チャーシューペースト、醸造酢)、かやく(キャベツ、チャーシュー、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、カラメル色素、香料、炭酸カルシウム、かんすい、酒精、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、炭酸マグネシウム、カロチノイド色素、甘味料(スクラロース)、ビタミン B2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、を含む製品を生産しています。 |
実食開始
先入れの小袋は「かやく」のみ、液体スープと粉末スープは後入れなので、うっかり先に開封しないように注意してください(※スープ類の小袋を先に開封すると、麺が適切に戻らないおそれがあります)。かやくの小袋に入っていたのは焼豚とネギで、商品名の「豚丸」を思うと‥‥まぁ丸い焼豚ですけどw 某店のブタみたいに巨大なカットではありません。
熱湯を注いだら5分待機、液体スープの小袋や容器側面の調理方法には記載されていませんが、液体スープの中に動物油脂の豚脂や牛脂が含まれているので、待っている間にフタの上で温めました。熱湯5分後は、軽く麺をほぐしてから粉末スープを入れて溶かし、粉末スープが完全に溶けてから液体スープを入れて混ぜ合わせるのがオススメ。
とろみ成分が粉末スープに仕込まれていたのですが、液体スープを入れると “さらに全体の粘度が高くなった” ので、どちらも溶け残りがないよう念入りに混ぜ合わせてください。さて、思いのほか大量に入っていたキャベツと多めの油脂が頼もしい実食前の現在、豚丸の指標に注目しつつ、「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(119g)当たり
カロリー:515kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:515kcal(めん・かやく:426kcal)(スープ:89kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
同店監修の「油そば」に使用されている油揚げ麺は、2019年3月25日のリニューアルから “もっちり極太三層麺” に進化しており、しかもリニューアル当時の明星史上最大麺厚となっているのですが、今回それほど極太ではありません。ただ、もし容器がタテ型カップだったら厳しそうなくらいのサイズには切り出されていますし、カップラーメンでの平均を思うと太いですね。
切刃は角のない丸刃を使っていて、断面は楕円形の実に滑らかな口当たり。表面の摩擦抵抗は皆無に等しく、かなり喉越しのいい麺肌で、締まりのある高密度な歯ごたえが最大の魅力。適度に粘り気を備えているのですが、もちもちした加水率の高い多加水麺とは違う、奥歯で噛んでも麺の中心から押し返してくるような反発力が個性的。
生麺のように香り高い小麦の風味は楽しめないけれど、かなり存在感の強い油揚げ麺なのに、反して特有のネガティブな臭いは控えめ。中盤以降ちょっとフカフカした油揚げ麺らしい表情を見せてくるのですが、逆に食べ始め直後は麺のポテンシャルを完全に発揮できる状態になっていないため、粉末スープと液体スープを溶かし終えてから “1分ほど休ませる” のがオススメです。
スープ
鶏エキスのサポートもありますが、粉末スープを開封した時の香りはザ・とんこつラーメンで、早くも旨み調味料(化学調味料)の存在が強めに主張してくるジャンクなスタイル。けっこう胡椒のアクセントもハッキリしていて、ペッパー(ピペリン)とは違う赤唐辛子(カプサイシン)の辛味も若干ながら感じるのですが、同時に化調のピリピリとした刺激も並行します。
液体スープの小袋に入っている成分は、豚脂を中心に若干の胡麻油とガーリックオイル、そして牛脂をブレンドした動物油脂が主体のオイルとチャーシューペースト入りの醤油ダレ。湯気が立たなくなるほどの量ではないものの、実食中は唇がテカッとするくらい油脂の量は多く、中でも存在感が強かったのは “明星食品の香味油が持つ独特の癖” で、人を選ぶ独特の風味。
他に例えようがない味なので、何味といえばいいのかパッと思い浮かばないのですが、もし同社製造の汁なしカップ麺「明星 大砲ラーメン とんこつまぜそば」のタレに違和感を覚えた方は要注意。今回のオイルにマー油(焦がしニンニク油)やラー油のアクセントはないものの、たぶん使用している「香味油」のベースは同じものだと思います。
個性的ではあるものの、豚脂(ラード)や牛脂(ヘット)、鶏油(チーユ)とも違うマスキング作用の強い風味で、味覚に一枚の膜をかけてくる癖のあるテイスト。それが焼豚ダレを彷彿とさせる濃口醤油のコクや甘みをボヤけさせ、たん白加水分解物による代用的な旨みと増粘多糖類の不自然な粘性も相俟って野暮ったく思えました。それからニンニクの効かせ方も常識的で、記憶に残るほど目立っていません。
かやく
具材は豚丸もとい丸いチャーシュー、キャベツ、ネギとシンプルな構成で、丸いチャーシューは中庸的なものですし、ネギも多くありませんが、思いのほか大量に入っていたキャベツは手放しに好印象。そのキャベツも明星食品のカップ焼そばに入っているタイプの汎用具材(中国産)なんですけど、甘みが強くて食べ応えあり。
チャーシューのサイズは標準どんぶり型(チャルメラどんぶり等)に入っているタイプよりも面積は広めですが、プリッとした安っぽい食感で、厚みは市販のロースハム1枚分といえば伝わりやすいでしょうか。キャベツの満足度は値段を踏まえても余裕で上出来(★5)なんですけど、スープの豚が大したことない上に具材の豚もコレで「豚丸」は、ちょっと厳し目に見ざるを得ないですね。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3)
クオリティの高い麺は90gで食べ応えもバッチリですし、キャベツたっぷりも嬉しいポイント。こってりと油っこくて化調寄りのスープにもジャンクな魅力を感じた反面、とろみが強いわりに豚骨の炊き出し感は意識されておらず、その結果とろみが不自然に思えたのと、香味油による癖の強いマスキング効果が気になりました。
単純に各項目の評価(星の数)を足して割った場合の総評は「4」になるのですが、オイルは芳ばしい豚脂や背脂で統一する、または豚肉をレトルト具材にして「豚丸」を明白に、もしくは「ぶぶか」らしくニンニクを強烈に効かせるなど、そういった特徴がないと「豚丸」という商品名から受けるイメージと実際の仕上がりにギャップが生じると思うので、もし豚やニンニクに期待している方は注意してください。