どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年9月18日(月)ヤオコー限定発売、サンポー食品のカップ麺「爆ニボ煮干しラーメン」の実食レビューです。
目が合ったら最後!? いつも仲良しヤオコー&サンポーが “煮干しを嫌にならないレベルまで配合” した、煮干しラーメン好きには堪らないカップラーメンを共同開発!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
爆ニボ 煮干しラーメン
サンポー食品(SANPO FOODS Co.,Ltd.)とは、佐賀県三養基郡基山町に本社・工場を置き、即席めん(カップめん、棒状ラーメン)及び乾めんの製造を生業としているメーカーで、2021年1月に創業100周年を迎えた老舗企業。当初は米穀卸大石商店として事業をスタートしましたが、現在は1978年(昭和53年)8月発売の即席カップめん「焼豚ラーメン」を筆頭に “九州の「うまい」をカタチに” しています。
今回の新商品「爆ニボ煮干しラーメン」は、サンポー食品とヤオコー(Yaoko Co., Ltd.)が共同開発したカップラーメンで、なんとも筆舌に尽くし難い、目が合ったらヤバいタイプのニボシと「#ニボシ天国or地獄」「#隠し味に九州産焼あご粉末配合」「#濃厚どろどろ」のハッシュタグが目印。
ヤオコーの店舗にしか売ってない留型なので、埼玉・千葉・群馬・神奈川・茨城・栃木・東京(多摩地域のみ)以外の地域では手に入りにくい商品となっているのですが、インパクト抜群のパッケージが功を奏し、写真や感想をSNSにアップしているユーザーは少なくありません。
ちなみにサンポー食品の製造で、インパクト抜群のイラストとハッシュタグの訴求が印象的なヤオコー限定商品といえば「超濃厚な豚骨ラーメン 鬼豚骨」(#超濃厚豚骨スープ #九州人の愛する豚骨ラーメン #濃厚どろどろ)と「ニンニクボンバー宮崎辛麺」(#九州のご当地麺 #ニンニク丸ごと1個分 #ニンニクマン参上)が記憶に新しいところ。
上記の2品は印象が良かっただったので、今回の「爆ニボ煮干しラーメン」にも期待しているのですが、念のためX(Twitter)民の反応を見てみたところ「想像以上にガッツリ煮干し」「煮干しのパンチがスゴイ」「絶賛どハマり中」「この価格で煮干し強めなので煮干し好きには買いかも」「リピできる」といった好意的なコメントが多く、また「目力がハンパない」「このお顔に惹かれた」「久しぶりの一目惚れ」など、パッケージに対する反応も上々。
しかし、パッケージのハッシュタグ(#濃厚どろどろ)とは裏腹に「どろどろではない」「意外とさらさらスープだった」「期待してた程、爆ニボでもないし濃厚どろどろでもなくてガッカリ」「爆ニボっていうか‥‥完全にどん兵衛の味にしか感じない」「スープ味薄め、魚粉が多い割には煮干しの風味が‥‥リピは無い」「爆ニボなんて名乗らないでほしい」など、手厳しい反応もチラホラと。
煮干しラーメンは個性が強い分、それに対する期待度も個人差が大きいイメージで、透明度が高い清湯(ちんたん)にスッと煮干しが泳ぐ “淡麗系” が至高という方もおられますし、とにかく煮干しの濃度を追求した白湯(ぱいたん)ベースの “セメント系” しか認めない方まで千差万別。ただ、今回の「爆ニボ」はコンセプト的に後者寄り。
「濃厚どろどろ」に対しては手厳しいコメントが見られましたが、経験値や耐性値に左右されている部分は確実にありますし、市販のカップラーメンとしての限界ラインもあるので、そのギリギリまで攻め込んだ商品なのかどうか。それと「隠し味に九州産焼あご粉末配合」との訴求もありますので、煮干しの質感にも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく入り粉末スープ」と後入れ「調味油」の合計2パックで、追いニボ用の煮干し粉などは添付されていません。ただ、店舗での販売価格は168円(税込181.44円)となっているため、それなりの制約を感じる価格帯。極端に安いわけではないけれど、泣く泣く削った要素は多々あったでしょう。
麺はラード配合の油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間(熱湯3分)と原材料の構成から察するに、サンポー食品の絶対的エースといっても過言ではない「焼豚ラーメン」に使われているフライ麺と同じ代物。ただ、いくつかのパターンが存在するため、詳しくは後述します。それにしても、このノスタルジックな香り‥‥たまらんですな。
ちなみに私は関西在住なので、そもそもヤオコーの店舗が行動圏内に存在しないのですが、事情を知っている東京の友人に協力してもらい、入手することが叶いました。しかし、誰からの頂き物でもレビューの際には忖度しないことをブログの運営方針としているため、手加減なしで参ります。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:爆ニボ煮干しラーメン 製造者:サンポー食品株式会社 製造所:本社工場(佐賀県三養基郡基山町大字長野230) 内容量:85g(めん60g) 商品コード:4901773101801(JAN) |
発売日:2023年09月18日(月) 実食日:2023年12月17日(日) 発売地域:埼玉・千葉・群馬・神奈川・茨城・栃木・東京(多摩地域のみ) 販売店舗:ヤオコー(YAOKO MARKETPLACE) 販売価格:168円(税込181.44円) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:320ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(かやく入り粉末スープ・調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白)、かやく入りスープ(豚脂、煮干しイワシ粉末、しょうゆ、でん粉、魚介エキス、大豆たんぱく加工品、食塩、かつお節粉末、チキンエキス、ポークエキス、ねぎ、たん白加水分解物、香辛料、焼あご粉末、植物油脂)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、カラメル色素、増粘剤(キサンタン)、かんすい、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香料、酸味料、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ごまを含む)※本品は、えびを使用した設備で製造しています。 |
実食開始
別添の小袋は「かやく入り粉末スープ」のみ先入れで、大量の粉末が充填されているところにサンポー食品らしさを感じるのですが、チャーシューなどの肉具材は入っておらず、かやくの要素は大豆たんぱく加工品とネギくらい。この時点で煮干しの香りは明白で、しかしながら鰹節の主張も強く、さすがに「どん兵衛」の香りとは異なりますけど、煮干し一辺倒ではありません。
「調味油」は後入れなので、かやく入り粉末スープを溶かしながら熱湯を注ぎ、フタの上で「調味油」を温めながら待つこと3分。時間になったら「調味油」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。とろみを強める成分が粉末スープに含まれていましたが、いくつか手厳しい意見があったように、どろどろの表現は誇張に思えたのと、よくも悪くも引き続き鰹節の主張が気になるため、それが吉と出るか凶と出るか。
サンポー食品は豚骨(とんこつ)に命を懸けているメーカーですが、くっちゃい系の香りは控えめで、それよりも今回は魚介を尊重していることが伝わってくるスタンス。はたして実際の味わいは香り以上に煮干し一直線なのかどうか、引き続き鰹節とのバランスにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(85g)あたり |
カロリー:392kcal たん白質:12.3g 脂 質:17.1g 炭水化物:47.1g 食塩相当量:5.1g (めん・かやく:1.8g) (スープ:3.3g) ビタミンB1:266mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
スープとの相性ばっちり
サンポー食品が製造している油揚げ麺は、大きく分けて熱湯60秒(切刃26番)、熱湯90秒(切刃26番)、熱湯2分(切刃26番)、熱湯3分(切刃22番)、熱湯5分(ちゃんぽん16番、うどん10番)と複数のパターンが存在し、なかでも切刃26番の細麺は湯戻し時間に合わせて厚みを調整しているのですが、今回の油揚げ麺は熱湯3分のオーソドックスなタイプ。
商品によっては福岡県産の「ラー麦」を使用していたり、大盛りサイズのバケツ型では伸びにくいように配合を変更していたり、さらに細分化することもできるのですが、おそらく「爆ニボ」の油揚げ麺は「焼豚ラーメン」と同じ代物。ラードを配合した油で揚げているため、生麺とは異なる特有の芳ばしさを伴いますが、それも現代に残る古き良きカップラーメンの魅力です。
元来、とんこつラーメンのために開発された油揚げ麺なので、加水率は低く、食べ始めのコリコリとした歯応えと歯切れの良さが特徴的。それは有名店の濃厚な煮干しスープに合わせられる麺の仕様にも似ているため、今回のような商品にも誂え向きなチョイスと評価できますし、後述するスープとの相性も実際に悪くなかったけれど、煮干しに対する期待値は下げておいたほうがいいかもしれません。
スープ
かつお節粉末は要らなかったんじゃない?
動物系にはチキンエキスとポークエキスを併用していますが、それ以上に煮干しイワシ粉末を柱に据えた構成で、なるほど「爆ニボ」らしいと思えた一方、6対4(煮干:鰹節)くらいの割合で鰹節も主張してくるハイブリッド型。煮干しを極端に尖らさせたスープに期待していると、鰹が出しゃばり気味というか、随分と蛇足に主張してくる感じ。
しょうゆの味も強かったので、イメージ的には煮干し強めの “またおま系” というか、そっち寄りの路線。焼あご粉末の恩恵か、焼干し系の芳ばしさが余韻に残るところには個性を垣間見たものの、それも鰹節に由来する芳ばしさと少しゴッチャになっているような印象が無きにしも非ず。
「調味油」の主成分は、豚脂をはじめとする動物油脂が中心で、しかしながらクセの強いポークオイルなどは使用していない、または使っていたとしても隠し味程度。オイル特有のコクで全体の厚みを底上げしつつ、豚が煮干しの邪魔をしないように‥‥といった配慮が窺えるフレームワークとなっているのですが、そもそも煮干しに真っ直ぐなスープではありません。
これは「中華ソバ 伊吹(いぶき)」や「煮干しらーめん専門店 麺屋 晴(はれ)」など、強烈な煮干しスープの存在を知っている身からの意見なので、読み返してみても手厳しいコメントになっていますが、ひとまず煮干しが苦手な方は要注意レベルに達していることは間違いありません。それでもタイトルは「爆ニボ」なのに、ちょっとカツオの我が強すぎやしませんか? っていう、フックの掛け違い的なギャップが最後まで気になりました。
かやく
魚粉の使用量を思えば納得できなくもないけれど‥‥
大豆たんぱく加工品は、肉の代用品として使われることが多い原材料で、こちらは形状的に肉そぼろ(ひき肉)をイメージしているのでしょうけれど、逆立ちしても大豆は大豆。近年は食感のバリエーションも増えてきましたが、よくも悪くもグニッとした弾力が目立つ旧世代チックな仕上がりで、肉らしさは強くありません。
濃いめの煮干しラーメンに合わせるトッピングといえば、前述の「中華ソバ 伊吹」を発祥とする刻み玉ねぎがマスト、みたいな方程式が成り立っているため、熱風乾燥の青ネギではなく玉ねぎを合わせてほしかった気持ちもありますが、混合系の魚介スープと青ネギの相性は悪くなかったです。
総評
夢に出てきそうなレベルのニボシ(※イラストはイメージです)と共に「爆ニボ」を名乗るのであれば、いっそのこと “ちょっと煮干しが嫌になっちゃうくらい” 振り切ってもよかったんじゃないのかなと。また「爆ニボ」なのに鰹節の主張が強かったところも中途半端に感じたポイントで、食後に残った‥‥いや、食事中も脳裏に浮かぶイメージは “またおま系” でした。ある意味、衝撃の結末。
とはいえ私の想像していたモデルそのものが的外れの見込みだったのかもしれないですし、単純に味だけでいえば悪くなかったので、総評は及第点。濃厚どろどろのセメント系に期待してはいけないけれど、魚粉がバッチバチに効いたラーメンが好みの方は、もっとポジティブに楽しめるでしょう。
——などと、あいかわらず好き勝手に綴っていますが、コンセプトは最高なので、次は「なんてゲテモノをヤオコーに並べてやがるんだw」くらいのイカレたテンションに期待しています【author・taka :a(大石敬之)】