どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年2月20日(月)新発売、寿がきや食品のカップ麺「味よし監修 仙台辛みそラーメン」の実食レビューです。
レンゲの “辛みそ” がトレードマーク!? 仙台辛味噌ラーメン発祥の店「元祖辛み噌 味よしラーメン 中倉本店」監修によるカップラーメンが「全国麺めぐり」に初登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
味よし監修 仙台辛みそラーメン
味よし(あじよし)とは、杜の都(もりのみやこ)仙台市若林区中倉に本店を置く元祖「辛み噌ラーメン」発祥の店で、創業は半世紀以上前となる昭和50年。白みそ仕立ての優しいスープに、オリジナルの「辛みそ」を溶かしながら食べる独自の味噌ラーメンは、仙台における辛味噌ラーメンの震源地といっても過言ではありません。
今回の新商品「味よし監修 仙台辛みそラーメン」は、ご当地ラーメンをコンセプトに、寿がきや食品が力を入れている「全国麺めぐり」の新作で、わざわざレンゲ(別売)の上に「辛みそ」をトッピングしているのがポイント。仙台の辛味噌ラーメンといえば、後述する「凄麺」の印象が強かったりするんですけど、それとは一線を画す雰囲気です。それにしても「味よし」って名前けっこうありますよね?
寿がきや食品は自社の公式ウェブサイト上で「味よし」のことを “昭和50年創業の仙台辛味噌ラーメンの老舗” と紹介していたので、試しにGoogleのフレーズ検索(完全一致検索)で確認してみたところ、1966年(昭和41年)の創業以来、現在は仙台市を中心にキッチンカーで営業している「国分町味よし」も巻き込みヒット。しかし、今回の監修者である「味よし 中倉本店」とは一切関係ない様子。
また1954年(昭和29年)福島県会津若松市神明通りで創業した「幸楽苑(こうらくえん)」原点の屋号も「味よし食堂」だったり、1960年(昭和35年)の発売から青森で広く親しまれているヤマモト食品のブランドも「味よし」だったり、私の住んでいる関西の田舎にもラーメン店とは無関係の「味よし」があったり、とにかく全国的に見かける頻度が高いであろう「味よし」なんですけどw
寿がきや食品のカップ麺を監修した「味よし 中倉本店」の創業者・武藤義男さんは、元フレンチシェフの経歴を持ち、誰もが楽しめる庶民の味を‥‥と、2年の歳月を費やして元祖「辛み噌ラーメン」を考案。白みそベースの優しいスープに、特製の「辛みそ」をトッピングしたレンゲを添え、それを少しずつ溶かしながら食べるスタイルは「味よし」が築き上げました。
実は現在を遡ること20年以上、2001年(平成13年)6月18日に当時のカネボウフーズが「仙台中倉味よし みそラーメン」というカップ麺(翌年5月20日には「同 みそキムチ」)を発売していたり、とかち麺工房がサークルK・サンクス限定のカップ麺を製造していたり、また直近だと2020年8月1日から “生麺を使った電子レンジ専用のカップ麺” を発売していたり、今回が初めての商品化ではありません。
しかし、寿がきや食品とのコラボレーションは初の試みで、即席カップめん業界における仙台の辛味噌ラーメンといえば、ヤマダイの通年商品「ニュータッチ 凄麺(すごめん)仙台辛味噌ラーメン」が台頭ではあるものの、それは「味よし 中倉本店」のスタイルとは違う、スープに仙台味噌醤油の “仙台みそ” を使用した全体的に(程よく)辛いカップラーメン。
片や「味よし 中倉本店」監修のカップラーメンは “白味噌ベースのスープに「辛みそ」を溶かして食べる一杯” ということで、最初からスープ全体が辛いわけではありません。スープにアオサを使用しているところに注目したら、山形・赤湯の「龍上海(りゅうしゃんはい)」っぽさが無きにしも非ずではあるものの、それとは決定的な違いの一つとなるレンゲを活用しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「液体スープ」と「辛みそ」の計3種。アオサも個包装だと嬉しかったんですけど、かやくの小袋に同梱されています。開封するとき気を付けないと飛び散りそうで怖い‥‥w
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。寿がきや食品の関東工場(旧「加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場」)にて製造されるノンフライ麺は、どうしても似たり寄ったりの質感になるため、再現度を評価する上ではデメリットになることもありますけど、安定して美味しいですよね。
メーカー希望小売価格は260円(税別)なので、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は280円になりますが、スーパーやドラッグストアなども販売店の対象となっています。ただし、流通の関係で “寿がきや食品のカップ麺は沖縄には売ってない” ため、ご注意ください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:全国麺めぐり 味よし監修 仙台辛みそラーメン 製造者:寿がきや食品産株式会社 製造所:関東工場(群馬県高崎市新町2330-26) 内容量:139g(めん70g) 商品コード:4901677190567(JAN) |
発売日:2023年02月20日(月) 実食日:2023年02月24日(金) 発売地域:全国(沖縄除く) 取得店舗:ウエルシア 小売価格:260円(税別) 購入価格:246円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・かやく・辛みそ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、小麦たん白、たん白加水分解物)、スープ(みそ、動物油脂、チキンエキス、ポークエキス、糖類、植物油脂、おろしにんにく、魚介エキス、食塩、香味油、ゼラチン、醸造調味料、香辛料、昆布エキス、酵母エキス、魚醤)、かやく(キャベツ、ねぎ、あおさ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、乳化剤、酒精、かんすい、着色料(カラメル、クチナシ、パプリカ色素、紅麹)、炭酸カルシウム、酸味料、増粘剤(加工デンプン、増粘多糖類)、酸化防止剤(V.E、V.C、ローズマリー抽出物)、香辛料抽出物、(一部に小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本製品で使用しているアオサは、えび・かにが混ざる漁法で採取しています。 |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、何の気なしにバッと開けてしまった場合、高確率でアオサが飛び散ります。そして、ちゃんと気を付けていても高確率で何処かしらにアオサが付着しますw お湯を入れる前だから静電気とも喧嘩するんですよ‥‥というわけで、そういうのが気になる方は細心の注意を払ってください。
添付調味料は後入れなので、熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「液体スープ」の小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら箸で麺をほぐし、それから「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせた後、レンゲを常備している方は「辛みそ」をレンゲにトッピングしたら出来上がり。
残念ながらチャーシューなどの肉具材は入っていませんが、寿がきや食品のカップラーメンは基本的に(ときには極端に)具材が少ないので、けっこう多めのキャベツには驚きました。というわけで、引き続き仙台を発祥とする “元祖辛み噌” の臨場感に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(139g)あたり |
カロリー:438kcal たん白質:14.5g 脂 質:13.8g 炭水化物:63.9g 食塩相当量:8.1g (めん・かやく:2.0g) (スープ:6.1g) カルシウム:124mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:438kcal(めん・かやく:325kcal)(スープ:113kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ザ・寿がきやクオリティ
実店舗で使われている麺は2種類あり、正油(しょうゆ)や塩には細麺を、味噌ラーメンには太麺と使い分けているのですが、ここまで縮れは強くありません。その再現度については扨措き、寿がきや食品が保有しているノンフライ麺の中でも太めの部類から、だいぶコシが強く、存在感は絶大。
まさに寿がきや食品クオリティど真ん中というか、今回のためだけに新開発したような形跡はなく、お店の麺を忠実に再現したようなタイプではないけれど、あいかわらず美味しいですねw(※昔から筆者は寿がきや食品のノンフライ麺に弱い)その強靭なコシと耐久性の高さも然る事乍ら、後半にかけて “しっとり” とした口当たりも魅力的。
小麦の風味が強いのも特徴で、白みそ仕立てのスープに対して麺の存在感が強すぎるのでは——などと実食の前は少し危惧していたのですが、なんのこれしき問題ありません。というのも今回のスープ、見た目こそマイルドに見えるのですが‥‥
スープ
想像以上にアグレッシブだったw
まずは「液体スープ」だけの状態で味を確認してみたところ、たしかに白みそ仕立ての味わいで、別添の「辛みそ」ありきな濃度に調整されているのかと思いきや、なんのなんの。これ単体でも存在感の強いノンフライ麺を飼い慣らしてしまうくらい、けっこう強めに塩味(えんみ)が効かせてあったので、しょっぱいと感じてしまうかも(※実際のスープも塩気は強めとの評判)
ただ、闇雲に塩気が強いわけではなく、白みその淡い色合いを活かしながら、豚脂を中心とする動物油脂のコクも明白で、それに匹敵する煮干し寄りの魚介感も印象に残ったポイント。寿がきや食品の公式ウェブサイトには “コク深く優しい味わいの-・” などとありますが、けっこうストロング。
そこに加える別添の「辛みそ」もインパクトが強く、唐辛子の辛味こそ常識の範囲内ではあるものの、体感的な辛さレベルはピリ辛以上〜中辛の域にあり、おろしニンニクの主張も豪快。醸造調味料による酸味も印象に残るポイントで、ほんの少し溶かすだけでも味変効果は絶大でした。これを全量もれなく使い切った場合、白ごはん必須の濃度に到達するため、ご利用は計画的に。
かやく
がんばった
キャベツは他社のカップ焼きそばにも入っているような茹で食感の野菜具材ですが、店舗のラーメンにもトッピングされている具材。ネギは熱風乾燥なので、特筆すべき要素はなく、しかしながら “寿がきや食品のカップ麺にしては‥‥” などと書いたら怒られそうですけどw 冬の風物詩「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」を筆頭に、具材が貧弱な寿がきや食品にしては上等のボリューム感。
アオサも個包装だと嬉しかったんですけど、白みそ仕立てのスープと磯の風味は相性がよく、途中で引き合いに出した「龍上海」とは別物といっても過言ではない雰囲気を醸していました。ちなみに「龍上海」監修のカップ麺はセブン&アイ×明星食品の担当なので、機会があれば食べ比べてみてください。
総評
想像以上にスープが “しょっぱめ” だったので、ひとくち目は面食らってしまったのですが、それだけにカップラーメンを食べるときは片手に白ご飯がマストな方に朗報の一杯。おろしニンニクの風味も遠慮なく強いため、そこそこ人を選ぶ商品になりますけど、見た目とは裏腹に攻撃的な仕上がりには魅力を感じました。
液体スープ単体でも充分な塩分濃度を打ち出しているため、実食の際は「辛みそ」をレンゲの中に、あるいは少しずつトッピングしながら食べるのがオススメです【author・taka :a(大石敬之)】