どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2018年10月29日(月)新発売のカップ麺、日清食品「日清 THE NOODLE TOKYO AFURI 限定柚子醤油らーめん」の実食レビューです。
ラーメン界にポップかつモダンな風を吹き込んだ「AFURI(阿夫利)」代表・中村比呂人氏が監修!“おしゃれ淡麗系” の先駆け的カップ麺シリーズ第7弾は、お店でも実際に提供されている隠れた人気メニューでシリーズ初となる「柚子醤油らーめん」が再現されました。
全粒粉入り麺って?炙りチャーシューがカップ麺に入ってるの?柚子ちゃんと効いてる?これまでの経験と実際に食べてみた感想に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
AFURIのカップ麺 限定柚子醤油らーめん
監修店の「AFURI」は、奈川県丹沢山系の東端に位置する大山「阿夫利山」に由来し、その麓から湧き出る天然水でスープを仕込んでいることから、そのまま屋号にされたそうです。毎日、阿夫利山の麓にある「セントラルキッチン」で仕込みを行い、気候や湿度、火加減、時間を緻密に計算しながら、その日その日のベストを追求して作られる‥もはや芸術ですよね。
スタイリッシュな外観にシンプルで居心地の良い店内から “まるでカフェのようにオシャレなラーメン屋さん” と言われ、これまでのラーメン屋さんに抱かれていたイメージや常識を覆すスタイルから注目を集めました。しかも、その話題性に違わぬ実力の高さから、日本のみならず海外からも高い評価を得ているラーメン界の革命児的な存在です。
今回の「柚子醤油らーめん」は、実際のお店でも「柚子塩らーめん」と人気を二分しているとのことなんですけれども、冒頭でも触れたようにカップめん化されたのは今回が初めて。これまでは「ミニ」にもなった「柚子塩らーめん」または夏向けの「柚子辣湯麺」がシリーズの定番でしたからね。
「日清 THE NOODLE」は、洗練された独自の世界観を持つラーメン店が監修し(ここ最近の新作はAFURIが連続しているのですが‥)、お店の人気メニューが手軽に楽しめることをコンセプトにしたシリーズで、流行や新商品のトレンド情報に敏感な20代~30代のユーザーを意識しているブランドです。そのシリーズ第1弾として開発されたのが、何を隠そう「AFURI」のカップ麺でした。
AFURIのカップ麺をレビューすると、普段あまりカップ麺を食べ慣れていない女性の読者から「AFURIの新作カップ麺からは目が離せない!」という意欲的なコメントを頂くことも多いのですが、なるほどお店の雰囲気が伝わってくるような、たしかに女性でも手に取りやすいスタイリッシュで洗練されたデザインのパッケージですよね。
容器のサイズはタテ型ビッグで、麺の量もキチッとレギュラーサイズより多めの80gとなっているのですが、いつも淡麗系のスープに繊細な油揚げ麺が合わせてあるので、意外と女性の方でも難なく完食できる場合も珍しくないようです。
一応、このシリーズを当ブログでは「日清 THE NOODLE」と「AFURI(阿夫利)」のタグで整理しているのですが、日清食品の大まかなブランドとしては「有名店シリーズ」に属しているようですね。それでは、開封して中身をチェックしてみましょう。
開封
フタの上には「芳醇香油(ほうじゅんかおりあぶら)」が別添されているので、それを最初に剥がします。(ふりがなを読むまで「ほうじゅんこうゆ」と読んでいたのは内緒‥)その背景にはAFURIに関係する写真で構成されたフォトコラージュがあしらわれ、シンプルなパッケージの側面とは違った印象を与えてくれるのですが、どの角度から見てもオシャレですよね。
フタ裏には日本語と英語でAFURIの紹介があり、開封した瞬間、ほんのり柚子のフレグランスとカツオを中心とした魚介のアロマがミックスされ、軽く醤油が整えている‥早くも味が想像できるような芳しい香りが漂います。具材は焼き目のついた炙りチャーシュー、そこそこ大きめのメンマが目立っているのですが、パッケージでは大きめカットのネギはチラホラとしか見えません。
製品情報・購入価格
製品名:日清 THE NOODLE TOKYO AFURI 限定柚子醤油らーめん 製造者:日清食品 製造所:静岡工場 内容量:91g(めん80g) 発売日:2018年10月29日(月) JANコード:4902105259375 希望小売価格:205円(税別) 発売地域:全国(全チャネル販売) |
麺の種類:油揚げ麺 容器材質:紙 必要湯量:410ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(芳醇香油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】 油揚げめん(小麦粉、植物油脂、小麦全粒粉、食塩、香辛料)、スープ(魚粉、魚介調味油、香味調味料、粉末しょうゆ、糖類、豚脂、チキン調味料、ゆず皮、香味油、魚介調味料、昆布調味料、香辛料、椎茸調味料)、かやく(味付豚肉、味付メンマ、ねぎ、ゆず皮)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、炭酸Ca、かんすい、カラメル色素、増粘多糖類、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、カロチノイド色素、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、くん液、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【アレルギー表示】 小麦・卵・乳成分・豚肉・鶏肉・さば・大豆・ごま |
実食開始
やっぱりネギは細切れでサルベージしても目立っておらず、しかしながらメインの炙りチャーシューはイイ感じの量でした。大量とは言えませんが、こだわりの感じられる肉具材ですし、これまでと比較してサイズが大きくなってるような‥
別添の芳醇香油は食べる直前に加える仕様で、調理方法には “フタの上で温めてください・温めないでください” などの指示はなかったのですが、動物油脂の鶏油(ちーゆ)が含まれているため、フタの上で温めておいたほうがスムーズです。
こっちのほうがリアルですかねw ちょっと見た感じ寂しいですけど、引き続き柚子の香りがイイ感じに漂ってますよ。
1食(91g)当たり
カロリー:417kcal |
※参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:417kcal(めん・かやく:362kcal)(スープ:55kcal) |
めん
のどごしの良い極細ストレート麺。全粒粉入りで、ほのかに小麦が香ります。
(日清食品「ニュースリリース」より引用)
角刃でカットされた細い “油揚げ麺” なんですけど、まさに油揚げ麺らしからぬテイストで、特有のネガティヴなニオイや野暮ったい雑味は目立って気になりません。やや加水率は低めになっていて、食べ始めは適度な歯応えを、中盤からはスパッとした歯切れのよさが楽しめます。縮れはなくてハリがあり、終始しなやかさを忘れない細ストレート麺です。
麺に練り込まれた小麦全粒粉は「麺職人」シリーズほど目立っていませんが、通常の油揚げ麺や砂糖とは違う独特の芳ばしさを纏った甘味がフワッ‥と鼻を抜け、その効果を細やかながらも確かに主張していました。縮れのなさから喉越しがよく、それでいてエッジの効いた正方形にカットされた麺の四隅から口当たりには輪郭があり、今回の繊細な淡麗系のスープとのバランスも非の打ち所がありません。
現時点で完成形にあると言っても過言ではないクオリティなんですけど、お店のラーメンでは「真空手揉み麺」または「こんにゃく細麺」に変更することも可能となっているそうなので、いずれカップ麺も進化するかもしれませんね。これ以上とか、ほとんど想像できませんけど‥あ、この麺はフライングして食べ始めると吸水不足で真価を発揮できないので、4分しっかり待ってください。大丈夫、ジャスト4分でフタを開けて、それから混ぜて小袋を投入する時間も踏まえた上で適切な食べ頃を迎えます。
スープ・別添
鶏ガラなどの動物系素材とカツオ、サバ、ウルメなどの魚介系素材のうまみを合わせ、醤油のコクと柚子の酸味をきかせた芳醇な味わいのスープ。鶏油ベースに魚介だしを加えた “芳醇香油”。
(日清食品「ニュースリリース」より引用)
いやぁ‥繊細です、かなり。もちろん実際のラーメンとは比べものにならないかもしれませんが、少なくともタテ型ビッグのカップ麺としてはハイレベルですよ。実に派手さのない味なので、食べ始めこそ大人しく感じてしまうかもしれませんが、徐々に旨味が蓄積され、じわじわ追ってくるタイプです。
魚介の基本は芳ばしくて膨よかな旨味が特徴のカツオ(節)が主体となっているのですが、カツオと比較して脂の甘味とコクが深く、野趣に富んだサバの旨味が味の奥行きを生み、サバ節と合わせることで旨味の相乗効果を発揮するウルメを重ね、アミノ酸系の昆布(グルタミン酸)と核酸系の魚介(イノシン酸)、さらに椎茸(グアニル酸)を重ねることで一瞬の隙も見せない出汁のフレームワークを構築。
醤油は粉末なので、液体ならではのフレッシュな風味は得られませんが、繊細な出汁を崩さずに香り付けを施し、昨今流行りのシャープで鋭い煮干し系とは違う丸みを帯びた、それでいて舌にザラつきを感じるほどの魚粉で野性味も兼ね備えている、まさに緻密な計算を感じる味わいです。で、別添の芳醇香油なんですけど‥
なんかこう、魚肉ソーセージっぽい風味がですねw(直接舐めると分かりやすいです)しかし、オイルを入れずに食べると少しコクが手薄になるので、省くわけにもいかず‥オイルの魚介がなくてもベースの魚介が明白なので、シンプルに雑味のない鶏油だけ、もしくは鶏油+柚子果汁とかのほうが印象に残るかもしれません。
柚子の香りと適切な酸味のアクセントは実にバランスがよく、芳醇香油を入れると少し酸味はマスキングされますが、人を選ばず、それでいて過不足のない加減を突いていました。魚粉と柚子皮が容器の底に溜まりがちになるので、何回か途中で混ぜながら食べると味のムラが起きにくいです。
かやく
炙りコロチャーシュー、メンマ、ネギ、柚子皮。
(日清食品「ニュースリリース」より引用)
パッケージには “炙りチャーシュー” と記載されていますが、製品説明には炙り “コロチャーシュー” と書かれているように、あの「カップヌードル」に入っている「コロチャー」に焼き目を付けたものなんです。ただ、カップヌードルでは基本的に謎肉よりも小さなコロチャーですが、今回のカップ麺に入っているものは謎肉と大差ないサイズだったんですよね。
さすがに本物の炙りチャーシューさながらとはいきませんが、表面を炙ることでジューシーさが増しており、謎肉やミンチ肉系ほどジャンクな成型感は強くありません。コロチャーと比較してもリアリティは明らかにアップしていますし、繊細なスープを阻害しないのも好印象。ネギはパッケージと違って存在感はイマイチだったんですけど、なかなかメンマは大きくて箸休めになります。
さて、ゆず皮はスープにも仕込まれていたのですが、やはり視認できるサイズの具材から放たれる効果が大きいですね。全体として「柚子辣湯麺」ほど酸味は強くありませんでしたが、魚介と和風出汁の効いた淡麗系のスープに柚子の軽い酸味と軽快な香りがストレートにスッと通り、油揚げ麺特有のニオイが気にならなかった要因としても尽力。鮮烈な酸味には期待できませんが、一見して明白に分かる確かな存在感でした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(5)
(標準は★3です)
いつものハイクオリティな油揚げ麺らしからぬ全粒粉入り麺に、焼き目を付けたことでリアリティが増していた炙りコロチャーシュー。そして旨味の相乗効果が計算されていたコクの深いスープに柚子がスッと通っている、すっきりとした淡麗系でありながらも野趣に富んだ秀作でした。余談ですが、一説によるとグルタミン酸(昆布)とイノシン酸(魚や肉等)を掛け合わせると4~8倍、さらにグアニル酸(椎茸)を加えると32倍おいしくなるといわれています。
ひとつ気になったポイントといえば、ちょっと魚肉ソーセージっぽい風味を感じた芳醇香油のベクトルですかね‥w それはさておきガツンとファーストインプレッションで印象付けてくるタイプではありませんが、じんわりと旨味が蓄積され、途中で食べ飽きるタイプとは真逆の後半にかけて盛り上がりが加速していく、繊細かつ大胆なカップ麺でした。
これまでタテ型ビッグ容器を採用し、麺も油揚げ麺で一貫されてきましたが、そろそろノンフライ麺どんぶり型の「プレミアム」バージョンの開発にも期待したいですね。お店では鶏油の量を通常量の「淡麗(たんれい)」と少し多めの「まろ味(まろあじ)」をチョイスできるそうなので、本気モードの再現カップ麺は「まろ味」バージョンで食べてみたいです(願望)