どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年5月20日(月)リニューアル新発売のカップ麺、明星食品「セブンプレミアム スープが決め手 中華そば」の実食レビューです。
他の追従を許さないセブンイレブンの高コスパ商品「スープが決め手」シリーズの「中華そば」がノンフライ三層麺に進化!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
スープが決め手 中華そば
「セブンプレミアム スープが決め手の中華そば」が初めて発売されたのは、2013年4月22日の月曜日。製造は一貫して明星食品株式会社が担当し、発売以来セブンイレブンの定番カップラーメンとして確固たる地位を築いているのですが、セブン系列のスーパーマーケットには売ってない “セブンイレブン限定” のPBカップ麺です。
それが今回しれっとリニューアルされたのですが、もっとも大きなリニューアルポイントは定評のあるノンフライ麺が “三層麺” になったこと。そして同シリーズの「とんこつ」も「中華そば」と同じタイミングで三層麺に進化しているのですが、どちらも商品名の間にあった「の」が取れて、「スープが決め手 中華そば」と「スープが決め手 とんこつ」に変わりました。
「スープが決め手 とんこつ」の販売エリアは、北海道・東北・関東・甲信越・九州のみとなっているため、中部・近畿・中国・四国・沖縄のセブンイレブンには売ってないのですが、「スープが決め手 中華そば」は全国発売。値段は税込138円、内容量は70gなので、1gあたりの単価は1.97円とグラム単価2円以下の商品です。
コンビニ大手3社(セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート)それぞれタテ型レギュラーサイズのPBカップ麺(通年商品)を展開しているのですが、同列商品に位置するローソンセレクト「カップ しょうゆラーメン」及びファミリーマートコレクション「コク旨中華そば」と比較して、唯一 “ノンフライ麺を使用” しているのが最大の強み。
即席麺に使用される麺は、油で揚げて水分を飛ばした “油揚げ麺” と熱風乾燥による “ノンフライ麺” に分類され、いずれも乾燥の過程で麺の表面や内部に発生する気泡の数や大きによって麺の食感が変化します。それを思い通りに仕上げるのは容易いことではないのですが、明星食品は気泡を自在にコントロールする新技術「スーパーノンフライ製法」を開発し、従来の製法からノンフライ麺の可能性を大きく広げました。
その後、どんぶり型カップ用に開発されたスーパーノンフライ製法をタテ型カップ用に進化させたのが「スチームノンフライ製法」で、それは今回の「スープが決め手 中華そば」にも採用されているのですが、ノンフライ麺の密度感と油揚げ麺の食べやすさを両立しているのが特徴。リニューアル前からクオリティの高いノンフライ麺でしたが、今回それが「ノンフライ三層麺」に進化ということで、期待が高まります。
先ほど商品名から「の」が取れたと書きましたが、三層麺への進化に伴い熱湯3分から「熱湯4分」に変更、同時リニュアール品「スープが決め手 とんこつ」の麺も熱湯2分から熱湯3分に変わりました。おそらく麺のクオリティは確実に進化しているはずなので、それに伴うスープや具材にトレードオフ(劣化)はないか、また熱湯4分で滞りなく戻るのかもチェック項目ですね。
ちなみにファミリーマートの「中華そば」は、内容量73g(めん60g)・税込142円で日清食品が製造。ローソンの「しょうゆラーメン」も製造者は日清食品で、内容量70g(めん60g)・税込132円。セブンイレブンの「スープが決め手 中華そば」は明星食品(日清食品グループ)の製造で、内容量70g(めん53g)・税込138円と設定が異なります。
開封
別添の小袋は後入れの「液体スープ」が1袋で、リニューアル前と比較してデザインは変わっていません。フタも同じく真っ赤にカラーリングされているのですが、熱湯3分が熱湯4分になり、容器側面のデザインもレンゲの写真や下部に栄養成分表示の一部が追加され、イメージ写真の丼も黒から青みがかった灰色に変わりました。
まだ従来品が店頭に並んでいるかもしれませんが、とりあえず分かりやすい目印は「熱湯4分」。あいかわらず開封直後そうそう具沢山で頼もしく、ラインナップはチップ状のチャーシュー、メンマ、ナルト、ねぎとなっていて、これについてもリニューアル前から変わりませんし、それぞれ量についても減った様子はなく、サイズダウンしたようにも見えません。
製造所は「西日本明星株式会社 神戸工場」(兵庫県神戸市東灘区深江浜町34-2 / 製造所固有記号・73)となっているのですが、引き続きリニューアル前と同じ工場で生産されています。ただ、リニューアル前のパッケージには製造所固有記号しか表示されておらず、今回のリニューアルから製造所の住所まで開示されるようになりました(※新食品表示制度の完全移行に対応するため)。
それから一つ前の記事で「カップ麺の値上げ(価格改定)」について詳しく解説しているのですが、セブンプレミアムの販売価格に関してセブン-イレブン・ジャパンの本社に確認したところ、現時点で値上げする予定はなく、直近の売価変更も予定していないとのこと。しばらくの間、「スープが決め手 中華そば」は税込138円で販売を続けてくれるそうです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:セブンプレミアム スープが決め手 中華そば 販売者:明星食品株式会社 製造所:西日本明星株式会社 神戸工場・73 内容量:70g(めん53g) 商品コード:4902881483902(JANコード) 発売日:2019年05月20日(月)リニューアル |
麺の種類:ノンフライ麺(かんすい使用) スタイル:縦型レギュラー・標準サイズ 容器材質:紙 湯量目安:290ml 調理時間:熱湯分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉、植物油脂、食塩、粉末油脂、ソース、乳たん白)、スープ(しょうゆ、デキストリン、チキンオイル、たん白加水分解物、香味調味料、鶏・豚エキス、糖類、豚脂、食塩、香辛料、酵母エキス、香味油)、かやく(チャーシュー、メンマ、ナルト、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、トレハロース、増粘多糖類、かんすい、炭酸カルシウム、カラメル色素、乳化剤、微粒二酸化ケイ素、酸味料、酒精、香料、クチナシ色素、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む) |
【アレルゲン情報】卵・乳成分・小麦・えび・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチン(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載)※コンタミネーション:本品製造工場では、かにを含む商品を製造しています。 |
実食開始
麺はスチームノンフライ製法で、今回から三層麺ですが、ほとんど見た目は変わりません。また、ファミリーマートの「中華そば」は麺量60g、ローソンの「しょうゆラーメン」も麺量60g、それと比較してセブンイレブンの「セブンプレミアム スープが決め手 中華そば」は唯一のノンフライ麺なので、麺量53gと少なめなんですけど、内容量70gも麺量53gもリニューアル前と同じです。
あとは熱湯を注いで4分後に液体スープを入れ、よくかき混ぜたら出来上がり。なんですけど、あいかわらず凄まじい具材のボリュームですね。調理後の見た目はリニューアル前・リニューアル後と変わりませんし、麺が三層麺になって具材の量が減ってるじゃないか! などということはありませんでした。
ちなみに2017年11月、食肉製品製造業に関する営業許可のない工場・施設で加工されていたチャーシューが一部の商品に使用されている疑いがあることが発覚、159,000食の自主回収騒動があったりもしましたが、それ以来再発の報告はありませんので、ご安心ください。それでは、「めん」「スープ」「具材」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(70g)当たり
熱 量:268kcal(カロリー) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
リニューアル前の原材料は「小麦粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維」でしたが、三層麺へのリニューアル後は「小麦粉、植物油脂、食塩、粉末油脂、ソース、乳たん白」となっていて、植物性たん白と大豆食物繊維をカット、新たに粉末油脂やソース、乳たん白が麺に練り込まれるという大幅な変化が見られます。あと、ほんのすこしだけ(きもち)太くなったかも。
ソースが練り込まれているからといってウスターソース味の麺とかではないのですが、あえて醤油ではなくソースを起用しているのにも意味があるのでしょうし、その下味が功を奏してスープとの一体感が高く、さらに小麦の風味も芳醇。縮れのある中細麺ですが、もっちりとした粘り気のある生麺風の食感で、ちゃんと熱湯4分で食べごろなのも好印象。
かなりコシの強い麺ですが、しっとりとした優しい口当たりが絶妙で、リニューアル前と比較して麺の粘り気やコシ、弾力、小麦粉感、また耐久性が増していることに三層麺への進化を感じました。もちろん油揚げ麺には揚げ麺ならではの魅力がありますけど、ノンフライなのでスープの繊細さを阻害しませんし、密度の高い弾力から麺量の少なさも気になりません。正直、ちょっと卑怯です。
スープ
たとえば原材料名の表記がラードから豚脂に改められているのですが、それについては新食品表示制度に対応するためであり、使用している原材料自体は大幅に変わっていません。なので味の方向性も同じベクトルなんですけど、前回よりも食塩の含有量が少なくなり、体感的な塩分濃度もダイレクトに主張してこなくなったことで、より “まろやか” なテイストになりました。
けれども香味野菜のキレと適切な香辛料(ペッパー)のアクセントが絶妙で、醤油感も粉末では出せない液体ならではの華やかさ。動物系の基本軸は鶏ガラをベースにしているのですが、液体スープに含まれる鶏油(チーユ)に加えて豚脂の芳ばしさとコクが交じり合い、奥から上がってくる甘味が実に奥ゆかしく、素朴で飽きのこないなテイストが「中華そば」の印象と完璧にフィット。
なんだか20年くらい前の生麺(チルド麺)に入ってた液体スープっぽいというか、今の高級チルド麺ほど小難しい味じゃないんだけど、その当時けっこう家で食べるラーメンとしては本格的で、それが手軽なタテ型カップ麺で再現されちゃった‥‥みたいな。ちょっと思い出補正かかってるかもですけどw 古き良き味わいで、しかしながらチープではない、とても膨よかな醤油味です。
かやく
具材は前回と変わらず、量・質ともにリニューアル前から変更なし。ネギは適量、小さな3枚のナルトが中華そばらしい素朴さの演出に一役買っています。チャーシューはチップ状でも約11枚、メンマについては14個という圧巻のボリュームで、しかもクオリティが高く、蛇足的な具材はありません。
チャーシューは真四角にカットされたハムっぽい見た目ですが、チャーシューダレを思わせる甘辛い味付けが素朴な醤油味のスープに映えていて、明星食品のチャーシューチップは他社のチャーシューチップと比較してスカスカした食感じゃないのも好印象。インスタントらしいタイプではあるものの、なかなか食べ応えのある肉具材です。
メンマは厚みがあってコリコリ感が強く、箸休め以上の存在感。またスープに滲み出るメンマの風味が今回の鶏がら醤油スープとベストマリアージュで、これまた素朴さにノックアウト‥‥具材の満足度も申し分なく、もはや文句の付け所が見当たりません。
単純に内容としてはスターレート(星の数)6くらいが妥当な評価になりますが(それでも当ブログでは超高評価なんですけど)、麺とスープが販売価格度外視のハイクオリティなのに、このボリュームですからね。ほんと容赦ないなセブンプレミアム‥‥
総評
★★★★★★★★☆☆(★8)
おそらく5年ぶりとなるリニューアルでしたが、具材のボリュームについては完全に据え置きだったので、それについての変更はありません。大きな変更点は麺が三層麺にリニューアルされてクオリティがアップしたこと、またスープの塩分濃度が穏やかになりましたが、味の濃さについては熱湯の匙加減で調節可能です。
もともとクオリティの高い製品ではあったものの、いわゆるコスト調整の改悪ではなかったので、「スープが決め手の中華そば」(リニューアル前)が好きだった方も心配なさらないでください。もしまだ試したことのない方は、コンビニで購入しても “たった税込138円” と思えるコストパフォーマンスの高い一杯なので、試す価値ありですよ。
これは期待できそうです!
今月より食品日用品問わずあちこちで値上げが行われると聞きますが、
常変わらぬ価格販売のコンビニにまさかハイパフォーマンスな逸品があるとは。目先の値段よりよほど満足感を得られそうですね。
> tosi様
コメントありがとうございます^^
ひとつ前の記事でカップ麺の値上げについて触れているのですが、ティッシュペーパーや食用油などの生活必需品、さらに映画の鑑賞料金やポテトチップス・ハーゲンダッツ(アイスクリーム)などの嗜好品など、来たる増税の日に備えてかイッキに値上げが行われましたね;
そんな中で売価変更を行わないセブンイレブン・ジャパン! しかもリニューアルを名目に改悪される製品が多い中、まったくネガティブな変更はありませんでした。とはいえ味としては無難なので、もしかすると “え、ふつうに美味しいくらいやん‥‥” という感想に落ち着いてしまうかもしれませんが^^;
その後、あらためてローソンとファミリーマートのPBカップ麺(しょうゆ味)を真剣に食べてみるとセブンプレミアム(セブンイレブン)の末恐ろしさを感じていただけると思います。