どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年1月20日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「セブンプレミアム 鴨だしそば」の実食・比較レビューです。
セブンプレミアムから発売されている “2種類” の縦型カップ麺「鴨だしそば」を徹底比較!!
実際に食べ比べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力と “何が違うのか” 判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
セブンプレミアム 鴨だしそば
「セブンプレミアム 鴨だしそば」とは、セブン&アイグループと東洋水産株式会社(マルちゃん)の共同開発商品で、一見すると従来品のリニューアルバージョンに思えるのですが、この記事で行うのは新旧比較レビューではありません。最初の写真で隣同士に並べている2つの「鴨だしそば」は、どちらも2020年1月25日現在の “現行品” です。
基本的なデザインは同じなのですが、上記画像の左にあるのは通称・IYグループと呼ばれているゼネラルマーチャンダイズストア「イトーヨーカドー」及び「ヨークベニマル」「ヨークマート」でしか買えないスーパーマーケット専用商品。対して右にあるのは「セブンイレブン」でしか買えないコンビニ専用商品ということで、もっとも大きな違いは “販路” の差。
冒頭の2020年1月20日(月)新発売というのは、セブンイレブンに新商品として並んでいた「鴨だしそば」の発売日。対する既存の「鴨だしそば」も2019年10月18日にリニューアルしているのですが、その一つ前のモデル(2018年11月5日発売品)と中身は変わっておらず、セブンイレブンとイトーヨーカドーで “同じ商品” が販売されていました。
ここ数年、セブンイレブンで「鴨だしそば」を見た記憶はないのですが、2018年11月に東洋水産の本社へ問い合わせて確認したところ、当時の担当者は “同じ商品がコンビニでも販売されています” と回答。しかし、今回の新商品は “セブン-イレブン店舗のみ取り扱っています” とのことだったので、これを機に「コンビニ」と「スーパーマーケット」で棲み分けを図ることになったようです。
ちょっとでいいから商品名を捻ってくれ‥‥w と、それはさておき似ているのは商品名やパッケージのデザインだけではありません。どちらも1食あたりの内容量は73gと共通で、それぞれのカロリーもスーパー用は322kcal、コンビニ用は321kcalと誤差の範囲内。他、たんぱく質や脂質、糖質、食物繊維、食塩相当量の同じような値。
けれども完全に同じ栄養成分表示ではないですし、新商品のコンビニ用には卵が入っていない(スーパーマーケット用には入っている)など、けっこう大きな違いも見て取れます。ちなみに商品名の横に書いている一言もスーパー用は “うま味が利いた甘めのつゆ。” となっているのですが、コンビニ用では “鴨のうま味が広がるつゆ。” と鴨の旨味を強調しているのもポイント。
商品名の下に書いてある英語も微妙に違っていて、スーパー用は “Duck broth soba” となっているのに対し、コンビニ用は “Soba in duck soba” と表記を変えるなど、パッケージは地味に捻ってあります。※ちなみに “Duck broth soba” を直訳すると「鴨だしそば」で、実質的に “Soba in duck broth” も意味としては一緒。
スーパーマーケット用の本体価格は98円(税込105円)、対するコンビニ専用のセブンイレブン標準価格は118円(税込127円)となっているため、値段にも20円(税込22円)の差が生じているのですが、セブンイレブンで販売中の縦型PBカップ麺には128円(税込138円)のカップラーメンもありますし、どちらも2020年1月現在の標準的な適正価格です。
開封
さて、ここから先は本体の中身を比較していきましょう。上記はスーパーマーケット向けの鴨だしそばで、別添の小袋は「特製スープ」が1袋。具材は味付鶏肉だんご、黄色い卵、半月かまぼこ、斜め切りのネギで、おそらく卵と半月かまぼこに関しては “マルちゃん 赤いきつねうどん” に入っている具材と共通の汎用資材。
そしてコンビニ向けの鴨だしそばも同じく別添の小袋は「特製スープ」が1袋、たまごは入っていませんが、それを除くとスーパーマーケット専用の具材と共通の内容で、特製スープのデザインや色も一緒。ちなみにコンビニ専用のほうは現段階、一部のセブンイレブンでしか買えない “地域限定商品” になっているようです。
2020年1月25日現在、もしかすると一時的なエリア限定販売かもしれないのですが、セブン-イレブン・ジャパンの公式ウェブサイトに掲載されている販売地域は “東北・関東・甲信越・北陸・東海・近畿” となっていたので、それ以外のセブンイレブンでは売ってないかもしれません(※スーパーマーケット用は全国販売)。
※なお、以下の製品情報や総評は、セブンイレブン限定「鴨だしそば 縦型」の詳細と評価になります。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:セブンプレミアム 鴨だしそば 販売者:東洋水産株式会社 製造者:株式会社酒悦 房総工場 製造所:千葉県長生郡長南町美原台1-34(M74) 内容量:73g(めん55g) 商品コード:4901990364799(JAN) 商品サイズ:縦96mm×横96mm×高さ106mm |
発売日:2020年01月20日(月) 実食日:2020年01月25日(土) 発売地域:東北・関東・甲信越・北陸・東海・近畿 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 商品購入価格:127円(税込) セブン-イレブン標準価格:118円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:320ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(特製スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん〔小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、植物性たん白、食塩、とろろ芋〕、添付調味料(砂糖、食塩、しょうゆ、鴨エキス、魚介エキス、香辛料、こんぶエキス、チキン風味パウダー)、かやく(味付鶏肉だんご、かまぼこ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、炭酸カルシウム、カラメル色素、増粘多糖類、酒精、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、香料、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、カロチン色素、(一部に小麦・そば・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・やまいもを含む) |
実食開始
あらためまして「スーパーマーケット用」の商品は軽減税率8%対象で税込105円、ほぼオープン価格の廉価版と同じような値段設定でありながら、まったく寂しさを与えないのがセブンプレミアムのスゴいところ。このプカプカと浮かび続けるブイ(buoy)みたいな卵が東洋水産らしく、鶏肉団子も最近よく見るフェイクの大豆たん白加工品ではありません。
「コンビニ用」の新商品には鶏肉団子が多めに入っていて、若干ながら香りの透明度も高いように感じる実食前の現在。ちなみに製造所は両商品とも酒悦(しゅえつ)の房総工場となっているのですが、創業1675年(延宝3年)の老舗企業で、1983年(昭和58年)7月から東洋水産グループに入り、マルちゃんの縦型カップ麺を担当するようになりました。
ちなみに具材の構成に大きな違いがあるものの、前述した内容量(73g)に加えて麺の量も55gと同じだったので、あとは実売価格の差額分だけコンビニ用に特別感が備わっているかどうか。引き続き何が違うのかに注目しつつ、「めん」「つゆ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(73g)あたり ※コンビニ用 |
カロリー:321kcal たん白質:8.8g 脂 質:15.0g 炭水化物:38.8g (糖 質:36.6g) (食物繊維:2.2g) 食塩相当量:4.4g (めん・かやく:1.6g) (スープ:2.8g) ビタミンB1:0.33mg ビタミンB2:0.27mg カルシウム:140mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:321kcal(めん・かやく:279kcal)(スープ:42kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ち、縮れが‥‥
スーパーマーケット用の麺は、角刃でカットされた角断面の油揚げ蕎麦で、かなり強めの縮れ具合。それに伴ってインスタント感も強く、油揚げ麺特有の芳ばしさもガッツリと遠慮なく上がってくるのですが、これですよ——この “カップ麺でしか食べられない” いい意味でのチープさが尊くて、やや「緑のたぬき」よりも蕎麦粉の香りが強いです。
で、こちらがコンビニ用。まだ「日清のどん兵衛」ほどストレートではないですし、やや部分的に縮れは残っているのですが、スーパーマーケット用と比較して “明らかに縮れが弱く” なっていて、啜り上げたときの口当たりは完全に別物。ちょっとパッケージのイメージ写真は誇張でしたけど、高級感のある佇まい。
色はコンビニ用のほうが薄くなっているのですが、蕎麦粉の香りが衰えたわけではありません。引き続き油揚げ麺特有の芳ばしい風味は並行するものの、蕎麦の香りはコンビニ用のほうがクリアに感じました。ちなみに麺の原材料は共通で、どちらも「小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、植物性たん白、食塩、とろろ芋」となっています(たぶん配合のバランスは違う)。
つゆ
コンビニ用のほうが上品
スーパーマーケット用の添付調味料は、「砂糖、しょうゆ、合鴨エキス、魚介エキス、香辛料、こんぶエキス、たん白加水分解物」とシンプルな原材料で、鴨脂の芳ばしさが特筆して強いタイプではないものの、きちんと合鴨エキスの旨味あり。魚介は鰹、醤油は濃口、甘味も砂糖の自然な甘さ(人工甘味料不使用)、これで税込105円なら上等も上等です。
対するコンビニ用の味付けもベースラインは同じなのですが、スーパー用と比較して柔らかく、真横に並べて飲み比べてみると雑味も控えめ。同じく魚介は鰹、醤油も濃口、けれども比較して醤油のカドが取れたような丸い味で、たとえるなら返しを寝かせて熟成させたようなイメージ。そして、違うのは返しの加減だけではありません。
よく見ると原材料の「合鴨エキス」が「鴨エキス」に変わっていたり(※合鴨はカモとアヒルの交配種、鴨は真鴨)、アミノ酸混合物の「たん白加水分解物」が「チキン風味パウダー」に変わっていたりしたので、目覚しく鴨の旨味が強化されたわけではないものの、こういった微調整が雑味を控えめに感じた要因だったのだと思います。
具材
単純に卵が減って肉団子が増えた
一部の具材を除くカップ麺のバラかやくは、基本的に個数ではなく重量判定なので、たまごが少なくて鶏肉団子が多い、かまぼことネギが多くて鶏肉団子が少ないなど、そういった誤差は頻繁に起こります。たとえば上記(スーパー用)の場合、かまぼこは1枚しか入っていませんが、だいたい平均1〜3枚を行ったり来たり。
やはり特筆すべきは存在感のある味付鶏肉団子で、プカプカたまごファンの方にとっては寂しい違いになりますが、圧倒的に本格感はアップ。やや味付けは濃いめで鶏の旨味も強く、ネガティブな臭みは控えめ。コンビニ用でも税込127円ですし、さすがセブンプレミアムと素直に肯けるコストパフォーマンスの高さです。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
コンビニ用とスーパーマーケット用の「セブンプレミアム 鴨だしそば」を食べ比べてみた結果、新商品のコンビニ用は「麺の縮れが控えめになった」「つゆが洗練された」「卵の代わりに鶏肉団子が増えた」などの違いがあり、つゆはマイナーチェンジに近いところがありますけど、麺は次の段階に大きな一歩を踏み出しました。
麺の前進については今回のPB商品に限った話ではなく、取扱店を限定しないNB(ナショナルブランド)商品にも適用されるでしょうし、同じく東洋水産の担当「セブンプレミアム 天ぷらそば 縦型」もリニューアルするかもしれません。もしや「緑のたぬき」も‥‥?(なにか動きがあれば逸早くお伝えします)