どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年8月20日(火)新発売、セブン-イレブン店舗限定、サンヨー食品(サッポロ一番)と共同開発「セブンプレミアム チリトマト味ヌードル」(158円+税)の実食レビューです。
カプヌのチリトマトとは別物で、GMS専用モデルとも違う‥‥? こいつは一体‥‥。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
セブンプレミアム チリトマト味ヌードル
即席カップめん業界における「チリトマト」といえば、1982年(昭和57年)7月23日の発売以来、彼の有名な「カップヌードル」ブランドにおいて、オリジナル・カレー・シーフードに並ぶ四天王の一角を担っている「チリトマトヌードル」が代表的。製造者は言わずと知れた日清食品で、その右に出るチリトマトは存在しないと思われがちですが‥‥
このページでレビューする「セブンプレミアム チリトマト味ヌードル」は、セブン-イレブン店舗にしか売ってない、CVS専用モデルのカップラーメンで、共同開発者はサッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品。わざわざ「チリトマト味」と表記しているのは、いわゆる大人の事情なんでしょうけれど、セブンプレミアムには “もうひとつのチリトマト味„ が存在します。
セブン&アイ・ホールディングスが展開している店舗の中でもGMS(General Merchandise Store、ゼネラル・マーチャンダイズ・ストア=総合小売業)系列でしか取り扱っていない、イトーヨーカドーやヨークベニマル、ヨークマート専用の「セブンプレミアム チリトマト味ヌードル」も並行して販売されているのですが、そちらの製造者はエースコック。
意外と知られていないようですが、現在を遡ること43年以上、1981年(昭和56年)7月の資本参加以来、エースコックはサンヨー食品のグループ企業に属しています。つまりエースコックはサンヨー食品の子会社に位置しているため、同じ「チリトマト味ヌードル」でもCVS専用はサンヨー食品、GMS専用はエースコックとか面白いなー、っていう余談なんですけどw
私の行動圏内にセブン&アイグループのGMSは1店舗も存在しないため、それとの比較は後日あらためて企画しようと考えているのですが、チリトマトの絶対王者「カップヌードル チリトマトヌードル」の味なら遺伝子レベルで記憶済み。しばらくリニューアルも行われていないので、それとの違いに注目しながらセブンプレミアムの実力を掘り下げます。
開封
今回のカップ麺に小袋は別添されていないため、フタを開けたら熱湯を注ぎ、3分待つだけでOKの簡便性に優れたスペック。ここまでは「カップヌードル チリトマトヌードル」と大きく変わらない‥‥というか、まったく同じ。しかも具材にインゲンやコーン、キャベツ、トマトペースト加工品まで使用するなど、もはやパクリと揶揄されても否定できないレベルまで寄せています。
さすがに白謎肉(2017年6月26日のリニューアル発売で「カップヌードル チリトマトヌードル」に追加された白い謎肉。通常の謎肉は豚肉ベースなのに対し、鶏肉ベースであることが特徴)までは真似できていませんが、それよりも大きめの鶏だんごは嬉しいステータス。日清食品のチリトマトヌードルは好きだけど、白謎肉ちょっと苦手‥‥であれば、この時点で選択肢の一つに入ってもおかしくないでしょう。
また販売価格も注目すべきポイントで、2024年9月現在「カップヌードル チリトマトヌードル」をセブン-イレブン店舗で購入した場合、税込価格は1食あたり254.88円になりますが、セブンプレミアムの「チリトマト味ヌードル」は170.64円と大幅な価格差を実現。コンビニ以外での販売価格を引き合いに出したらアレですけど、そっちはエースコックの担当ですから、このまま話を進めます。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:セブンプレミアム チリトマト味ヌードル 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 関西工場 内容量:80g(めん60g) 商品コード:4901734054702(JAN) |
発売日:2024年08月20日(火) 実食日:2024年09月04日(水) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 小売価格:158円(税別) 購入価格:170.64円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:300ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:別添なし |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、チキンエキス、砂糖、しょうゆ)、スープ(糖類、食塩、香辛料、野菜調味料、ポークエキス、油脂加工品、トマトパウダー、酵母エキス、小麦粉、たん白加水分解物、魚介調味料、発酵調味料、植物油脂)、かやく(鶏だんご、キャベツ、コーン、トマトペースト加工品、フライドインゲン)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、増粘剤(増粘多糖類、加工でん粉)、炭酸カルシウム、カラメル色素、酸味料、香料、微粒二酸化ケイ素、ベニコウジ色素、かんすい、カロチン色素、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、乳化剤、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・いか・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、カプヌのチリトマトほど白っぽい見た目ではないけれど、それとサイズは同じくらい。ただ、この時点で香りは別物。他の食品で例えるなら「ドリトス」っぽいというか、スナック菓子の味付けに通じるジャンクさが印象的に思えます。それからトマト、あまり強く主張してきません。
あとは内側の線まで熱湯を注ぎ、フタをして待つこと3分。時間になったらフタを開け、よく混ぜ合わせたら出来上がり。引き続きトマトの存在感はカプヌのチリトマトよりも控えめで、ごろっと大きめの鶏だんごが目を引くファーストインプレッション。
ちなみに製造所は太平食品工業の関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)となっていますが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、単純にサッポロ一番の工場という認識で問題ありません。それでは、引き続きカプヌとの違いに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(80g)あたり |
カロリー:355kcal たん白質:8.3g 脂 質:14.2g 炭水化物:50.0g (糖 質:47.2g) (食物繊維:2.8g) 食塩相当量:4.5g (めん・かやく:2.0g) (スープ:2.5g) ビタミンB1:0.31mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:128mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
けっこう近いですよ
見た目はカプヌの油揚げ麺(約3mm幅の太麺)に似ていますし、やや伸びやすいところも共通点になりますが、それでも耐久性については日清食品のほうがハイレベル。またキメについてもセブンプレミアムのほうが粗いなど、厳密に比較すると違いは見えてくるのですが、ぼけーっと食べる分には気になりません。
具材との兼ね合いもありますが、1食あたりの内容量を比較すると、カプヌのチリトマトは76g(めん60g)、セブプレ(セブプレ?)のチリトマト味は80g(めん60g)となっているため、麺の重量は完全に一致。カプヌはポークエキスを配合しているのに対し、セブプレ(セブプレ?)はチキンエキスや砂糖、しょうゆを配合するなど、そういった違いもありますが、ベクトルは同じ向き。
むしろ “随分と似せてきたな„ と実感できる程度には近いので、あらためてカプヌがモデルとみて間違いなさそうな雰囲気をバンバンに醸しているのですが、後で触れる肉具材の違いと、それ以上に大きな違いを感じたのがスープのフレームワーク。
スープ
比較すると軽い
何味かと聞かれたら、まさに商品名の通り「チリトマト味」と答えますけど、トマトの酸味や旨みはカプヌよりも圧倒的に弱く、クミンやチリをはじめとする香辛料の主張も控えめ(※辛さレベルは1/5くらいのイメージ)。またチーズの隠し味だったり、くん液(スモークフレーバー)の芳ばしさだったり、そういった要素も意識されていないので、あっさりとした印象を受けます。
こっそり魚介を使用しているところは共通点になりますが、えび・いかを使っているのはセブンプレミアムサイドのみ。調理前に印象的だったスナック感も個性的なポイントになるけれど、トマトやチーズのコクが乏しい分、テクスチャーで濃度を底上げしようとした背景が見て取れる小麦粉が蛇足というか、ちょっと悪目立ちしていたので、本家超えは先の話になるでしょう。しかし、具材は見どころ。
かやく
好み次第では本家超え
ごろっと大きめの鶏だんごは、生姜(しょうが)を強めに効かせた味付けで、お鍋の具材とかに入ってたらテンションあがる系のヤツ。食感はフワフワ、鶏の臭みは控えめ、旨みはシッカリで満足度大。キャベツは意外と少量ですが、スープの濃さを思うと適量で、コーンとインゲンも相性よろし。
思いのほかトマトペースト加工品の原型が残っていたので、スープに溶け込む部分もありますが、具材として楽しめる部分も残っている、というのもカプヌとの相違点。あとは好みの問題になりますけど、白い謎肉にポジティブな印象を抱いていない方は、おそらくセブンプレミアムのほうが気に入るんじゃないかと思います。
総評
ちょっとスープの項目では厳しめの意見を飛ばしましたが、セブン-イレブンでの販売価格が圧倒的に安いことを踏まえると、酷評するには勿体無いどころか充分と思える仕上がりで、コストパフォーマンスも高く、カプヌのチリトマトよりも軽めのテイスト、つまり裏を返せば “食べやすい„ ところにも需要を感じた一杯。
あまりに「カップヌードル チリトマトヌードル」の存在が浸透しているため、どうしても見劣りしてしまう部分はありますけど、これはこれと割り切れば悪くありません。むしろ、その違いが面白いなって。寄せにいってるのは明らかですから、サンヨー食品の苦悩を想像しながら食べるのも一興です(悪趣味)【author・taka :a(大石敬之)】