どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年7月27日(火)新発売・2022年7月12日(火)再販売、ファミリーマートのカップ麺「横浜家系 侍 濃厚豚骨醤油」の実食レビューです。
横浜家系らーめん「侍 SAMURAI」監修 “コメが欲しくなる濃厚豚骨醤油” ファン待望のカップラーメンついに降臨!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
横浜家系「侍」カップ麺
侍(さむらい)とは、都内でもトップクラスの実力を誇る家系(いえけい)ラーメン専門店で、創業は2005年(平成17年)7月29日。家系の呪文 “カタ・コメ・オオメ” お好み色々選べます!! をキャッチコピーに掲げ、麺の硬さ・醤油の濃さ・鶏油の量が調整できる硬派な横浜家系らーめんを提供し、ラーメンマニアの間ではもちろん、TwitterなどのSNSや動画投稿サイトでも高く評価されています。
今回のカップ麺「横浜家系 侍 濃厚豚骨醤油」は、株式会社Chopエンターテインメント(東京都渋谷区「横浜家系 侍 渋谷本店」の運営母体)と明星食品株式会社(東京都渋谷区)の共同開発商品で、お店の「らーめん」を縦型ビッグのカップラーメンで再現。コンビニの中でもファミリーマートにしか売ってない、販路限定・数量限定のPB(プライベートブランド)商品として開発されました。
今回のカップ麺を監修している「侍」の店主は、東京都町田市に本店を構える「町田家(まちだや)」出身の経歴を持ち、遡ると町田家は「たかさご家(や)」の系列で、たかさご家は “家系御三家” に数えられる「六角家(ろっかくや)」の派生——。
その六角家を開業した神藤隆(じんどう たかし)氏は、家系総本山「吉村家(よしむらや)」の2号店(姉妹店)として知られる「本牧家(ほんもくや)」の元店長で、吉村家と六角家の間には新聞沙汰になったほどの確執もあるのですが、それはさておきルーツをたどると「横浜家系 侍 渋谷店」は「吉村家」の流れを汲む正統派といっても過言ではありません。
そんな「侍 渋谷本店」を源流とする “家系図” もあり、そこには東京都世田谷区池尻4丁目に店を構える「侍 池尻店」をはじめ、横浜家系は「龍(福島県)」「英(福井県)」「ひじり家(宮崎県)」「黒帯(愛媛県)」「兼ひろ家(鹿児島県)」並びに『ミシュランガイド2020-2021』のビブグルマンに2年連続で選出された「中華そば こてつ(東京都)」も名を連ねます。
※ちなみにカップ麺の容器側面では「渋谷本店」の現住所として “東京都渋谷区渋谷3-15-2” と紹介していますが、渋谷3丁目(MTエステートビル1F)での営業は2021年8月5日(木)15時をもって終了。8月8日(日)から渋谷駅徒歩0分の場所(道玄坂エリア)に移転オープンするらしく、かなりの好立地なので、ファンの間でも話題になっていました。
ときに「六角家」といえば、セブン&アイグループ限定商品として、明星食品とカップ麺を共同開発していた経緯があり、2000年(平成12年)12月25日発売の初代・カップラーメンからの長い付き合いだったのですが、六角家の本店を運営していた “有限会社六角家の破産” を機に、しれっとカップ麺の販売を終了しています。
つまり、今回の「横浜家系 侍 濃厚豚骨醤油」は、六角家の流れを汲む「侍 渋谷本店」監修のもと、六角家のカップ麺を長年手がけてきた明星食品が再現ということで、容器の形状もセブンイレブンの「銘店紀行(めいてんきこう)」と同じですし、なかなか面白い展開になりました。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「調味油」が1袋。その小袋が貼り付けられていたフタの上には “醤油と豚の濃く深い調味油仕上げ、豚骨と醤油が強い、濃厚スープ。コメが欲しくなる、気合いで仕上げた一杯” と、商品の特徴を記載しています。
具材は四角いチップ状のチャーシューに、フリーズドライのネギ、ほうれん草とシンプルな構成で、家系を語る上で欠かせない海苔は入っていませんが、ほうれん草も家系を象徴するトッピングの一つ。ただ、いずれの具材もセブンイレブンの「銘店紀行 六角家」と同じなので、もしかすると使い回しかも——。
そんな「銘店紀行 六角家」が終売となった現在、ある意味その後釜をファミリーマートが狙っているような現状といっても過言ではないのですが、六角家のカップ麺は通年商品だったのに対し「横浜家系 侍 濃厚豚骨醤油」は “一ヶ月の限定販売” ということで、販売期間を過ぎた場合、入手困難な商品になるかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:横浜家系 侍 濃厚豚骨醤油 販売者:明星食品株式会社会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:97g(めん70g) 商品コード:4902881476164(JAN) |
発売日:2021年07月27日(火) 実食日:2021年07月28日(水) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:228円(税込) ファミリーマート通常価格:212円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、酵母エキス、たん白加水分解物)、スープ(豚・鶏エキス、たん白加水分解物、しょうゆ、食塩、デキストリン、香味油、粉末油脂、チキンオイル、糖類、豚脂、香味調味料、香辛料)、かやく(チャーシュー、ほうれん草、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、トレハロース、増粘多糖類、カラメル色素、炭酸カルシウム、かんすい、リン酸塩(Na)、乳化剤、微粒二酸化ケイ素、香料、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、かに・落花生を含む製品を生産しています。 |
実食開始
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、ファミリーマートの公式ウェブサイトや商品のパッケージに明記されているわけではないのですが、明星食品独自の “スチームノンフライ製法” とみて間違いありません。ちなみに大判どんぶり型カップ用のノンフライ麺は “スーパーノンフライ製法” で、その技術を応用して開発されたのが縦型用の “スチームノンフライ製法” です。
あとは熱湯を注いで5分間、別添の「調味油」は後入れなので、待っている間にフタの上で小袋を温めた後、食べる直前に加えて混ぜたら出来上がり。具材のボリュームは引き合いに出している「銘店紀行」シリーズほど多くはないけれど、この時点で白ご飯が欲しくなるスープの香りは臨場感があってイイですね。
ちなみに販売店はファミリーマート限定ですが、縦型ビッグのNB(ナショナルブランド)商品をコンビニで購入した場合、2021年7月現在の税込価格は232円が相場なので、それよりも安く購入できました。それでは、引き続き “六角家のカップ麺” との違いや “コメとの相性” にも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(97g)あたり |
カロリー:377kcal たん白質:10.8g 脂 質:9.0g 炭水化物:63.2g 食塩相当量:8.2g (めん・かやく:3.1g) (スープ:5.1g) ビタミンB1:0.27mg ビタミンB2:0.36mg カルシウム:179mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:377kcal(めん・かやく:310kcal)(スープ:67kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
六角家のカップ麺よりも伸びにくい麺に進化
カップ麺のモデルになった「侍 渋谷本店」の「らーめん」には、家系総本山「吉村家」の創業者・吉村実(よしむら みのる)氏も絶大な信頼を寄せる製麺所「酒井製麺」の平打ち麺を使い、テボ(鉄砲ザル)ではなく熟練の技が必要な “平ザル” で麺を上げている、というのも正統派と評価される所以。やや加水率は低く、緩やかな縮れが施されており、1本が短めに切り出されているのも特徴です。
それを再現している今回のノンフライ麺も平打ちですが、本物ほどの厚みはなく、縮れの付け方も強すぎますし、麺の長さも目立って短いわけではありません。しかし、カップ麺としては太麺の部類でも加水率は低めの設定で、やや中心部に芯を残すような、歯応えのあるコシの強さが “かため” の茹で加減をイメージしているような仕上がり。
すでに販売を終了している「銘店紀行 六角家」にも三層・スチームノンフライ製法の太麺を使っていましたが、けっこう伸びるのが早かったのに対し、今回のノンフライ麺は伸びるスピードが遅かったので、似ているようで進化を感じるところ。どうしてもカップラーメンらしさはありますが、小麦の風味や食感など、油揚げ麺よりも本格的です。
スープ
デフォルメされているけど値段を思えばアリ
パッケージに “コメが欲しくなる濃厚豚骨醤油” と記載されているので、さぞかし醤油がキレッキレのスープかもしれないと覚悟していたのですが、それよりもフロントにあるのは豚骨の旨み。醤油のキレは直系のスープほど強くはないけれど、乳化感の強い豚骨のコクをまとめるだけの統率力は備え、その豚骨感も資本系の缶詰スープみたいにワザとらしく強いわけではありません。
それなりに塩気は強いので、淡麗系とは真逆を行く男らしいスープになりますが、ただ不躾に塩っぱいわけではなく、白ご飯を誘いながらも “旨味が濃い” と思わせる仕上がり。それは麺を食べているときやスープを単体で飲むときよりも、白ご飯を食べながら味わってこそ本領を発揮するような、後者のほうがスープの繊細な部分が伝わってきます。
さらに別添の「調味油」を加えると、家系ラーメンに必須の項目である鶏油(ちーゆ)の風味がプラスされるのですが、それと同時に程よくワイルドな豚臭い風味も加わって、少量ながらに全体の臨場感が大幅にアップ。また「銘店紀行 六角家」に別添されていた調味油みたいに “むりやり香料で鶏油っぽさを強調させたオイルではなかった” ので、そこも好感が抱けました。
しかし、家系ラーメンにしては食べやすいスープに仕上がっていた分、特有のギトギト感とか、ちゃんとした鶏油の風味とか、しょっぱいと感じるくらいのキレとか、そういったところに期待していた場合、すこし物足りなさを感じてしまうかもしれません。そのときは “生おろしニンニクでアレンジすると化ける” ので、不安な方は用意しておいてください。
具材
割り切れば悪くない
チャーシューは情緒のない味付豚肉で、このブログでは “ハムっぽいヤツ” と表現している例のアレなんですけど、最近は大豆たん白加工品(フェイクミート)が罷り通っている即席カップめん業界。ちゃんと本物の肉を使用している、ということがステータスになりつつありますし、ネギも熱風乾燥ではなくフリーズドライの斜め切りなのが嬉しいポイント。
ほうれん草は少量ですが、麺にフィットするクタクタの食感が家系ラーメンらしく、限られたコストの中で押さえられるところは押さえたぞ、といったイメージ。縦型のカップ麺に海苔を別添するのは難しいので、雰囲気を高めたい場合は自分で用意しなければいけないのですが、とりあえず海苔なら用意できますからね。
総評
なるほど “コメが欲しくなる” というキャッチコピーにも納得の味わいで、スープに関しては麺よりも米のほうが合うと感じたのですが、万人ウケするようにデフォルメしている印象は拭えないところ。とはいえファミリーマート標準価格は税込228円、お店の「らーめん」は780円(2021年7月現在)なので、これはこれと割り切れば悪い商品ではありません。
地域・店舗によっては売ってない場合もありますが、専用のポップを掲載している店舗も多かったので、そこまでエンカウント率は低くないと思います。ただ、前述のように “数量・期間限定” なので、ファンの皆様はもちろん、気になっている方は早めに最寄りのファミリーマートをチェックしてください。※2022年7月12日(火)発売品も中身は共通です【author・taka :a(大石敬之)】